GB 作:ねるねるねるね
北原武蔵(きたはら むさし)
年齢20
身長180cm
体重70kg
外見 長身痩躯脱いだらマッチョ、容姿端麗、真っ白、色男?女っぽい?悪そう?チャラそう?良い人そう?実は良い人?
特徴 アルビノ、長髪
髪型はマンバンです。水に入るときはシンプルにまとめた感じです。
どうせならステイホーム楽しんでやりましょう!
浜辺に座る。俺は日焼け止めを塗っていなくてサングラスもしていない。暑苦しい長袖も着ないで肌を晒している。涼しい潮風に輝く太陽に、笑顔の俺。これは夢だ。何をしても叶うことのない夢だ。せめて夢ならもう少し見せてくれてもいいじゃないか。繰り返し鳴り響く電話の音が俺を現実に引き戻した。
「なんすか?」
「どうせ寝てると思うから起こしておこうと思ってな。今日はサークルでミーティングをするから10時に集合だ」
電話が一方的にかけられ、一方的に切られた。眠い目を擦って渋々立ち上がる。メガネを掛けて外に出ようとした時、扉が開いた。
「武蔵ー、朝だよーってもう起きてたんだ」
「先輩に起こされた」
「怖。まぁ、朝ごはん出来てるよ」
「悪ぃね。ありがと」
「そうだ」
朝食を食べに向かおうとすると千紗が何かを思い出したようで振り返った。
「武蔵、お金貯めときな。あと眼科行って視力測っといて」
「えっと、、なんで?」
「ダイビングって道具代がすごく掛かるから取り敢えずは伊織も武蔵もレンタルでやるんだけど、武蔵は紫外線を極力カット出来て視力を矯正できるマスクじゃないと駄目だろうから一足先に買いに行くよ。特注するなら多分届くまでに時間も掛かるだろうし。買いに行けるようになったら言って」
「そう言えばそうだった。気づいてくれてありがと」
千紗の頭を二回ほど軽く叩いて食卓へと向かった。
飯を食べ終わってシャワーを浴び終わると耕平も伊織も千紗も先輩も揃っていた。
「おー武蔵。おはよう」
「うっす兄貴」
「二度寝はしなかったみたいだな」
「お、サークル活動か」
食器を洗いながら叔父さんがこちらを楽しげに見ている。
「ええ、新入生と何かやろうと」
「新入生って何人入ったの?」
奈々華さんがそう言った。実は俺も聞きたかったところで耳を傾けた。
「今の所四人っす」
俺と伊織と千紗と耕平。確かに四人だ。
「新入生諸君!今日はよく集まってくれた!」
「新入生ってこの面子かよ。てかなんで耕平は真面目に参加しているんだ?」
双子だから思うことも似るらしい。
「先輩から緊急招集が届いたからな!」
ウキウキの顔の耕平が俺達に見せてきたのは先輩とのトーク履歴だった。
「今日はgrand blueに声優の水樹カヤさんが来るぞ!10時に集合」
と打たれたメッセージ。明らかに嘘である。
「んなもん嘘に決まってるだろ」
「リアリィ!?」
冷め切った伊織が言い、耕平は熱くなって時田先輩に聞く。
「うむ。嘘だ」
率直に嘘だと告げられ耕平は泣き出した。
「マジ泣きじゃん」
「その歳で!?」
俺が耕平を慰めていると叔父さんが言った。
「カヤちゃん最近忙しいみたいだから当分来れないだろ」
その言い方だと前は来ていたようである。
「その言い分だと前は来ていたようですが」
またかぶった。
「ええ来てたわよ」
「リアリー!?」
耕平が再度熱を取り戻して奈々華さんに詰め寄った。
「うん!リアリー」
「俺、やる気が出てきました!ダイビングの事教えて下さい!」
耕平は軽い男だな。
「おお!任せとけ!」
盛り上がっていると千紗が口を開いた。
「私も参加しないといけませんか?」
確かに千紗は経験者だし必要ないイベントだ。
「経験者の千紗ちゃんは必要ないか」
「それなら私は不参加で」
そう言い立ち去ろうとする千紗を叔父さんが呼び止めた。
「千紗も参加しなさい。初心者の挙動を勉強するのも大事だぞ」
「えぇ、、」
あからさまに嫌な顔をする千紗。
「さーせん。俺、休んでいいすか?」
「どうした?武蔵?」
「実は日焼け止め切らしちゃってて日光に当たれないんすよ」
「大丈夫だ。今日はプールでやる。海でやる時のために早いうち買っとけよ」
「まじすか!?よっしゃ」
そう言っていると兄貴も便乗して見学すると言い出した。兄貴の理由は予想がつく。
「俺、泳げないんですよ」
「大丈夫だ、そんなことは気にするな」
「泳げないダイバーだっているんだぞ」
「でも、、、」
「やってみる前からそこまで否定するな、もったいないぞ」
「そこまで言うなら」
千紗が心なしかほんのり微笑んでいるような気がする。
兄さんは泳げなくて俺は日光に対する厳重な対策をしなければいけない。どちらも何かしらのハンデを負っている。でもそのハンデがなければ味わえない楽しさがあるようで俺はワクワクする。いつかこの体質も愛せる時がくるのだろうか。
「と言うことで今日は水泳の練習をする!」
場所を変えて俺達はプールに来ていた。
「ダイビングで水に慣れておくということは重要なことなんだ」
「んじゃさっさと水着になんぞ!」
先輩に連れられて更衣室に入った。そして更衣室に入った瞬間に服が弾けとんだと錯覚してしまうほど音速で脱衣する先輩。
「兄貴?何が起こった?」
「ああ、武蔵は初めてか」
「あの方達は1日の半分以上を裸で過ごす裸族なんだ」
「まじかよ」
更衣室を出た俺達はプールに入る。冷たい水が心地いい。
「そう言えば武蔵は泳げるのか?」
「そんなに上手くないすけどね」
俺と耕平は時田先輩に、兄貴は寿先輩に教えてもらうことになり練習が始まった。
「取り敢えず潜って泳いでみるか」
そう指示が下され、俺は潜った。
コンタクトもメガネも水泳ゴーグルもなしでみる水中はただブヨブヨとした青いものが広がっているようにしか見えなくて怖い。いいとこまで泳いで俺は顔を水から出した。
「怖ぇ」
「そう言えばお前は視力も悪いんだもんな。無理しないでやってくれ」
「うっす」
もう一度潜る。その時、目の前に何かが見えた。詳しくは見えないけど水じゃない。壁かと思い、手を前に出すとそれは大きく動いた。
「お前!何をする!?」
手に残る柔らかい不快感とこの反応。あれは耕平の、、。想像したくもない。
「すまん。こーへー」
俺は急いで引き返した。後ろから追いかけている気がする。
「おい!ったくお前らも元気だなぁ!」
そしてヤバい顔した時田先輩も混じり、俺を追いかけ出した。
「まじぃまじぃ!!」
必死の逃亡も虚しくパンツを引っ張られる感触を感じて、気づいた時には開放感に満ちていた。
「下の毛も真っ白なのか」
急いでパンツを回収して穿く。幸いにもまだ千紗は来ていない。
「先輩!やめてくださいっすよ!!」
「水中で装備が取れた時の訓練だ!」
上手い理由でなんも言い返せない。
「ただ耕平と武蔵は問題無さそうだな。水に対する恐怖心があるわけでも無さそうだしパンツを取られてもそんなに危ない素振りをすることもなかったしな」
もう大丈夫そうだから俺は手探り状態でプールから上がった。そして手探りでサングラスを探していると誰かに手渡された。
「やっぱり早いうちにマスク買いに行った方が良さそうね」
「ああ。千紗、わり。そうだね。なんも見えないとなんも出来ないしね」
「ねぇ、それサングラスないとどんだけ見えていないの?」
「千紗の顔もはっきり分からないくらい。今日は晴れてるしプールサイドのタイルも白だから眩しいね」
「ふーん」
「不便な身体だよなぁ」
「でも私は良いと思う。髪、綺麗だし目も綺麗だし肌も綺麗だし」
「そう?」
すると千紗は何か言ってはいけないことを言ってしまったかのように口に手を当てた。
「気を悪くしたら、ごめん」
「いやいや。寧ろなんで気悪くするのさ。俺はその考え方好きだよ。綺麗って言われるとそりゃ嬉しいし。金も手間も掛かる身体だけどな」
俺は笑い飛ばして千紗の頭をぐしゃぐしゃ撫でた。
「なら良いけど」
いつも作り笑いを浮かべた武蔵の顔が一瞬だけ照れ臭そうに喜んだのを千紗は見逃さなかった。
読んで頂き恐悦至極