氷柱は冷酷だそうです 作:太一
ここ・・・どこだ?
目が覚めたら見覚えのない天井が見えた
全身が痛いが、何故だろう
自分は・・・一体誰だっけ?
頭が混乱している
そのことだけはわかるので、取り敢えず落ち着こう
「目が覚めたかい?」
黒髪の男の人
病が進行して痛ましい顔だ
とても高揚感を覚えやすい声だが、騙されてはいけない
「誰・・・ここ、どこ・・・?俺・・・だれ・・・?」
寝起きで大して働かない頭
その頭でも聞きたいことが2つ浮かぶ
ならばこれを聞くべきだ
恐らくこの男は、俺のことを知っているのだろう
「!・・・・君の名前は、時雨 無銘。ここは、鬼殺隊の本部で君の家族は鬼に
声がうまく出ない
枯れているというべきなのかもしれないが・・・
「・・・・そう」
返事ぐらいはしなければならない
「家族の事は気にならないのかい?」
家族・・・血縁者
血が繋がっているだけの関係だ
気にする事じゃない
今、気にするべき事は怪我の回復と復讐くらいだろう
鬼というくらいなのだから、きっと強いのだから特訓しなければ
「・・・気にし、た・・・所で、起きた、事は・・・変わら、ない」
そう言ってまぶたを閉じた
睡眠は体力を回復させるのには一番だ
3日後
回復が早いようで歩けるぐらいにはなった
声も、疲れで出にくかっただけらしく普通に喋れる
「君の家族だよ」
襖を開けた時に言われたこと
感想は
「似てない」
毛先にかけて水色になった髪
そして、中性的な顔立ち
全然似てない
俺の瞳の色も髪の色も全て違う
これでは、血の繋がりを感じられない
「たまたま近くに居ただけだろうから」
それだけの事
特に興味を示さなかった
刀を握って3ヶ月での柱へと上り詰めた剣士がいる
それはすぐに噂になった
“天才剣士誕生”
最年少の12歳での柱へと昇進
歳が近い者は誰1人として居ないし弱くて話にならない
何より、時間に余裕を持っていないのがどうかと思う
雪のような白銀血のように赤い髪が混じった髪
透き通った、それでいてそこが無いように感じる青い瞳
太陽を連想させる真っ赤な瞳
片耳につけた月と霞そして、1頭の狼の影が描かれた耳飾り
口元を黒いマフラーで隠し、猫の面の片耳に鈴をつけた面をつけた剣士
・・・かなり個人情報が流出しているな
それだけ珍しい見た目だからなのか、良く目立つ
だから、隊士が俺の情報を良く集める
鬼殺隊・氷柱
別に氷柱だからといって特にこれといった得は無い
なんなら苦ばかりだ
担当区域の見回りに任務の遂行
屋敷を与えられたが、十分に自分で掃除すらできない
あと、無駄に広いのが面倒だ
今から任務に向かわないといけないのが面倒だがしょうがない
「氷の呼吸・壱の型・雪花」
刀を横に振るう
すると、何故か雪の花が咲いたような錯覚に至る
だから雪花
首の断面が凍りつき、再生する事は無いだろうが死ぬ事も無い
「ギヤァァァァァァ!!」
その代わりに、永久の苦しみが続く
「痛みに悶絶して、苦しみ抜いて死ね」
後ろを振り向くと、両親の亡骸を泣きながら抱える少女
俺がついた時には遅かった
父親の両目はこの鬼の腹の中にある
冷めた瞳で狙いを定め、刃を振るう
「アァァァァァァ!!!!」
腹から出てくる内臓
胃袋が裂けたのか粘液が大量に見え、中から溶けた人の体らしき物が見える
再生する体を再び斬り刻む
「お前のやった事は万死に値する。地獄に行っても払えない代償だ」
少女の目の前で父親の目玉を食ったのだ
得体の知れない恐怖が体に纏わり付いた
だから、少女の目には光がない
太陽が出てきた時、鬼も焼け死んだ
一生分の拷問を受けて・・・
両親の亡骸を埋めたいという少女の願いを叶える為、家の近くに墓を作った
「・・・ありがとうございます」
随分とおとなしい子だな
そして、瞳には先ほどには無かった光がある
「でも、私は貴方に言いたいことがある・・・!貴方の弟子にして下さい!!「無理だ」えっ!?」
思ったより元気なやつだな
感心している場合ではないけども
「良いか、俺はお前の面倒を見る気は無い。そして、何より俺は忙しい」
そう言ってさっさと歩いていく
まぁ、走ってついてくる女がいるので鬱陶しいが
結局、面倒臭いので鴉に鱗滝という水柱達の育手を紹介させた
歩いている俺に息を荒くしながら付いてくる姿は面白かった
すれ違う人達は、あの女を変質者のような目で見ていたし、何故か途中で犬に見えたのは黙っておこう
1年後
13歳になった時に、また変な女がやってきた
あの時の女で継子になりたいと言う
「継子にして下さい!!」
黒髪に黄色の瞳
時々、日光の影響で金色に見える時がある
「うるさいし面倒くさいし嫌だ」
「そんなぁー!!面倒くさいってずっと言ってると早く老けますよ!」
知るか
そんな訳がないだろ
「第一、お前は最終選抜をまだ突破してないだろ?」
「はい、道に迷ってしまってそれを伝えたら鱗滝さんに頭を殴られました!!」
思わず頭を抱えた
こいつ
「お前絶対に馬鹿だろ」
恐らく、重度の方向音痴か何かだろう
こいつの頭の中を家で例えるなら恐らく屋根がない状況だ
「失礼な、馬鹿という人が馬鹿です!!」
はい、お前が一番馬鹿です
流石にしつこすぎて了承したが、面倒臭い