氷柱は冷酷だそうです   作:太一

12 / 12
上弦

      

      

舞目線

 

なんてひどい事を・・・

 

その言葉を呑み込んで、鬼を探す

 

そして、目の前に居たのは

 

完全な鬼の姿になった禰豆子

 

辺りには血塗れの人間

 

誰だって勘違いしてしまいそうな光景

 

「ね、禰豆子、ちゃん・・・・?」

 

あぁ・・・・!

 

禰豆子ちゃんが、もし血の味を知ってしまったらまたおしまいだ

死ぬしかない

 

『状況証拠だけでは、何事も出来ない。相手の能力、判断力。今までの実績を元に冷静に判断しろ』

 

そうだ・・・!

 

炭治郎がまずここに居ない

それに禰豆子ちゃんの能力は血を爆発させる事だ

なのに、これは、あまりにも綺麗に切れすぎてている

 

腕が切れている人の断面を見て、考えていく

 

その間、一瞬たりとも目を逸らさずにいた

 

血が出た女の人の腕を見た禰豆子ちゃん

 

「ギャアアア!!」「禰豆子!!駄目だ!耐えろ!!」

 

危ない

 

その時、禰豆子ちゃんを寸前で止めたのは炭治郎だ

 

「グアアアッ!」

 

「駄目だ!辛抱するんだ!!禰豆子!!」

 

かなり血の付着した瓦礫があちこちにある

結構長い時間、戦ったんだ

禰豆子ちゃんは眠って体力を回復させているから・・・

 

「ごめん!!戦わせてごめん!!」

 

なんで、謝るの

炭治郎だってすごい怪我じゃんか

謝るのは私の方でしょ

 

みんながどこにいるのかも分からず、ずっと1人で暇を潰していたんだから

 

あの日だって、そう

 

私が、親にわがままを言った時に鬼が来たんだ

 

全部、全部、全部、全部、私のせいじゃんか

 

「兄ちゃんが誰も傷つけさせないから、眠るんだ禰豆子!!眠って体力を回復させるんだ!!」

 

「グアアアッ!!」

 

「禰豆子!!禰豆ッ・・・!!」

 

「炭治郎!!」

 

必死になって禰豆子ちゃんを抑える炭治郎の下から何かが突っ込んできた

 

そういえば、鬼が・・・!

 

炭治郎は天井にぶつかった

 

鬼はどこに・・・!

周囲を見渡しても見つからない

だけど、狙いはおそらく禰豆子ちゃんだ

禰豆子ちゃんの近くに来たら首を切る・・・!

 

「禰豆・・・禰豆子・・・!眠るんだ!!」

 

襖が飛び散り、鬼が姿を現した

 

顔が半分焼けて痛々しい姿に思わず、目を晒しそうになる

 

「よくもやってくれたわね。そう、血鬼術も使えるのね。しかもこれ、中々治らないわ」

 

そう言った顔には怒りしか見えない

 

「物凄く癪に触るわ。物凄くね」

 

上弦の陸・・・!

ここで殺さないと、もっと人が死ぬ

 

「水の呼吸・肆の型・打ち潮!」

 

帯が目の前に・・・!

 

「遅いのよ、あんた」

 

そう言い放たれた

もう駄目だ、私死んじゃうんだ

 

「氷の呼吸・天舞・氷獄」

 

妙に澄んだような声で聞こえた

はっきりとこの声だけは聞こえて来るのだ

この場において1番信用できる男の声

 

「師範・・・!」

 

妙に傷だらけな師範

いつも付けている仮面は、無い

だけど、いつもと違うのは他にもあるのだ

 

“左目から左手の甲に掛けて、ひび割れたかのような痣”

 

右手には、わざと切ったと思われる傷

 

「・・・・お前、戦って、無いだろ」

 

私を見てそうはっきり言う師範の目には、確かな闘志が宿っていた

 

「私を無視して会話してんじゃ無いわよ!!」

 

舞目線終了

 


 

来たら、禰豆子が鬼になってるし・・・

 

どういう事だこれは

 

鬼の事を思いっきり無視して考える

 

「おいこれ竈門 禰豆子じゃねーか。派手に鬼化が進んでやがる。お館様の前で大見栄きってたくせになんだこのていたらくは」

 

居るなら何か言えよな、宇髄

 

「!!そう、柱ね。そっちから来るなんて、手間が省けたわ」

 

「うるせぇよ今、俺が話してんのはお前じゃねぇ」

 

この人、鬼によく言えるな

俺なら返事する前に殺すけど・・・

 

「お前、上弦じゃねぇだろ。弱すぎるんだよ。俺が探ってたのはお前じゃねぇ」

 

「え?」

 

首が落ちた鬼

 

そう言われて見ればそうだ

 

零は血鬼術を切るのがほぼ不可能に近い

それなのに、上弦の陸の血鬼術がこんなに簡単に切れるのは驚きだ

 

ただ、油断ができない

 

それなりに強いのだろう、上弦なのだから

 

灰になるまでは、絶対に油断などはできない

 

宇髄が何処かへ帰ろうとしている

えっ、帰るの?

 

「ちょっと待ちなさいよどこ行くき!?よくも私の頸を切ったわね!!ただじゃあかないから!」

 

えっ?

頸、切れてるのに喋ってる

何こいつ、ちょっときもい

 

「うるせぇなぁ、まだギャアギャア言ってんのか。もうお前には用はねぇよ。地味に死にな」

 

「死ぬ事に派手も地味も無いと思いますけど」

 

無駄口を叩く舞

正論だけど、なんとも言えない

 

「だったらなんで頸、切られてんだよ。弱すぎだろ。脳味噌爆発してんのか」

 

「爆発してたら大変ですね」

 

またなんか言う舞

こいつは、黙れないのだろうか

 

「アタシまだ負けてないからね!!上弦なんだから!」

 

「負けてるだろ。一目瞭然に」

 

「まぁ、頸が切れてますからね」「黙れ」

 

まだ、灰にならない

上弦は普通にこうなのか?

 

「アタシ、本当に強いのよ!!数字だって貰ってこれからも、もっと強くなって・・・!」

 

「説得力ねー」

 

本当にないな

 

そう思っているとギャン泣きされた

えぇー、俺はその時、初めて鬼に可愛そうだなと思う

こんなに惨めったらしく泣いた所で殺すのは変わらないのだから

 

「本当にアタシは上弦の陸だもん!数字だって貰ったんだから!アタシ凄いんだから!」

 

「死ね!死ね!みんな死ねッ!わぁぁぁぁ!頸切られちゃったー!!お兄ちゃん!!」

 

“お兄ちゃん”?

 

この違和感はなんだ?

頸が切っても殺せないのか、この鬼

いや、待てよ

それだったら、日光はどうなんだ

 

日光も克服してるなら、昼間にも人間は消えるはず

 

奥の手があるんだ、この鬼には

 

おそらくその札はすぐ近くにある

 

「師範?どうかしましたか?」

 

「黙れ。構えろ。油断するな。いつでも技を使えるようにするんだ」

 

「師範?」

 

何かを察知したのか、すぐに刀を構える舞

 

女の鬼の背中から男の鬼が現れた

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。