氷柱は冷酷だそうです   作:太一

4 / 12
那谷蜘蛛山

柱が継子に稽古をつける

別段珍しい事でもないが・・・

 

「師範!!貴方は鬼ですか!?」

 

汗だくになり、息を先程まで荒くしていた筈の舞がそういう

 

まだ、屋敷の周りを230周を自分の体重の半分の重りをつけて走ってるだけなのだが

 

「頭の中がおかしくなったか?鬼は太陽の光を浴びれない」

 

「知ってますよ!!!こうなったら手合わせしましょう!!」

 

休憩がてらに、手合わせを要求とはいい度胸だな

 


 

「水の呼吸・弐の型・水車!」

 

垂直方向に身体ごと一回転しながら斬りつける技か

 

目には目を、歯には歯をという言葉もあったな

 

「太陽の呼吸・肆の型・陽飛車」

 

垂直方向で身体ごと回転すらのは一緒

 

だが、回転のスピードが速く1回の技で5回転する技

 

「水の呼吸・参の型・流流舞い!」

 

参の型か

 

回避の技と攻撃か

 

「太陽の呼吸・参の型・射突炎陽」

 

回避の技

 

参の型は1度も見せた事が無いので、これには引っかかるだろう

 

顔に狙いを定めると、そこを突く

 

そう判断した舞はやはり横に避けた

 

避けられた木刀を戻す事は無く、そのまま横に流れるように木刀を落とす

 

「184勝中184敗したー!!!悔しい!見た事の無い技もあったんだけどあれ何!?」

 

思うのだが、こいつは水柱に押し付けられるのではないだろうか?

 

水柱・冨岡 義勇

全くの無表情で良く、胡蝶と居るのを見かける

だからなのか、付き合ってるとの噂が絶える事は無い

 

だが、この馬鹿な継子を押し付けて冨岡と喧嘩するのは面倒くさい

諦めるか

 


 

あれから何日かたった夜

 

「師範、師範、師範!!!!」

 

屋敷の中を馬鹿のように(実際、馬鹿だが)走り回り大きな声を出す舞

本当にうるさい、この馬鹿女

なんだ、また蜘蛛か

 

「1度で分かるからそんなに沢山呼ばなくて良い。また蜘蛛か?」

 

山で暮らしてた割には何故こうも蜘蛛が嫌いなのだろうか

 

今度、蜘蛛を大量に箱の中に入れて奴の部屋に置いておこうかな

 

「今、師範は何を考えました?」

 

「別に。それで、なんだ?」

 

普段、変な割には勘が鋭く冴え渡っている

これが、馬鹿と天才は紙一重と言うけどもな・・・

 

「お館様が呼んでます」

 


 

那谷蜘蛛山

 

この名前を聞いた時に、舞は

 

『そんな所に行ったら死んじゃいます!!蜘蛛の群生地ですか、そこは!?』

 

まぁ、こんな事を言うので今は背負って連れて行く

 

山が間近になると下ろして歩かせるも、既に刀を構えている

 

どんだけ、蜘蛛が嫌いなのか今度調査して、訓練を蜘蛛に2時間触るとかに変えるのも良いかもしれない

 

入山して冨岡は東から、胡蝶は西から、俺は南からになった

 

何故か、舞は東に行ったが方向音痴なので放っておく

いっその事、永遠に冨岡から離れなくなる呪いでも付けば面白いのにな

 

「なんだ、この変な蜘蛛?」

 

人面蜘蛛を発見した

こいつはどうしようかな

血鬼術の類いなら胡蝶に見せればわかるか

 

取り敢えずぐるぐる巻きにしておく

 

舌を出して刺してこようとするのは迷惑なので、布で口を塞いで放置

 

そして、東の方向に歩いて行くと

 

「炭治郎!?」

 

なんだろう

物凄く、聞き覚えのある声が聞こえる

というか、炭治郎って舞の想い人?

 

「・・・近くに鬼が居る」

 

昔から微量の違和感などには気づき易い人間だったからなのか鬼の居場所が大抵は理解できる

 

ただ、新種の鬼?

 

なんだろうな、違和感が本当に無い

阿保な継子が近くに居るなぁとか思って無かったら絶対に気づかなかった

胡蝶も合流したな

だが、何故あの鬼は死なない?

仕方ないから行くか

 


 

「炭治郎・・・!妹さん連れて行くの手伝うよ!!」

 

「ありがとう、舞!」

 

なんだ、あいつら

手に持ってる、いや抱えているのは鬼だ

 

「砂の呼吸・弐の型・煙霧」

 

足運びが特殊な技

日輪刀を隊士に向ける訳にはいかない

 

俺が言うのもあれだが、この技は早いぞ?

 

走る瞬間に砂煙を発生させ舞い上げ、俺だけが相手の位置を知る

 

「水の呼吸・漆ノ型・雫波紋突き・曲!」

 

曲?

そんな技があったとは・・・

俺にそんな技を隠す余裕があったようで何よりだ、舞

 

斜め上から弧を描く様に突き下ろす技か

 

突きと聞いたから、真っ直ぐだと思ったが違ったか

侮れない程に強くなっていたようだな

左肩を軽く斬られた為に、血が出ている

 

「やっぱり、そこに居ましたか。師範!」

 

赤身がかった髪の男と抱えられた少女の鬼

兄妹と言っていたな

まぁ、現実はそんなに優しくないという事を教える為にここで殺すか

 

見た所、冨岡も居ない

恐らくこいつらは鬼を守っているんだな

 

「俺がいると言うのがわかっていての行動だとでも?」

 

「師範、見逃して下さい」

 

これ以上はないと言うほどの真剣な瞳

 

それに対して俺は心が無いように感じるほどの覚めた視線を向ける

 

緊迫した空気が漂う

 

「俺がいつも言っていることを忘れているようだな」

 

「“隊律は破る為にある”ですか?」

 

「馬鹿か、お前は。『隊律を守らない者は誰であろうと俺が殺す』そう言ったよな?」

 

「誤魔化されませんか。流石は私の師範です。炭治郎、速く行って」

 

愛した男を逃がす

 

世間一般なら“美しい愛”とか言って人気がありそうだが、生憎そんな物に用は無い

 

「でも、「良いから行って!!」

 

何かを言いかけた男の言葉を遮る舞

 

良い余興だ

見ておいてやろう

俺はそれをズタズタに壊す“鬼”だとするならお前らは人間か?

 

「禰豆子ちゃん助けたいんでしょ!?こんな所で止まってる暇なんてないよ!行け、馬鹿長男!」

 

全人類の長男に謝れ、馬鹿女

お前がそれを言うと全てがおかしくなる

 

「ありがとう、舞!」

 

お前も『ありがとう、舞!』じゃない

もっと他に言うことがあるだろう

 

逃げようとする男を見ると木の棒を拾い出す

あの男を捕まえるならこの程度が丁度いい

 

「太陽の呼吸・弐の型・烈日光響」

 

自身の周りを当たり一帯、なぎ払うように斬り刻む

 

使用のできる、氷の呼吸や砂の呼吸にはあまり該当しない動き

 

「水の呼吸・参の型・流流舞い!!」

 

自分でも回避しつつ、男の方の斬撃も防ぐか

 

だが、胡蝶の継子がもうそろそろ鬼の始末をつけているだろう

 

「太陽の呼吸・「伝令!伝令!」チッ!こんな時に来るだなんてな」

 

「本部ヘ連レ帰レ!」

 

要するに、あいつらを見つけて縛り上げて引き摺れば良いんだな

炭治郎とネズコ?ってのを捕まえればいい訳だ

あぁ、了解、了解しましたよ

 

「本部へ連レ帰レ!!決シテ殺スナ!!」

 

耳元で叫ぶな

焼き鳥にしてくれようか、この烏

 

「お前の処分は、本部へ帰ったからだ」

 

「師範・・・」

 

今までの鬼殺隊員の中でもまだ良い方の扱いだと気付いていやがる

縄で縛って行く間、ずっと下を向いて何を考えているのやら

 

「それまでは罪人。俺から情けなどを期待するな、愚か者」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。