氷柱は冷酷だそうです   作:太一

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蝶屋敷

「禰豆子・・・!」

 

冨岡が伊黒の手を取り、炭治郎の拘束を解除

そして、炭治郎は妹の元に走り妹に声をかけた

 

結果的に、兄の声が聞こえたからなのか禰豆子は不死川から目を逸らした

血の匂いがしていて、取り込みたいだろうに・・・

 

結果的に言えば人を喰わないことは証明された

その為、禰豆子は殺されない

だが、全体的には“殺したい”というのが大多数の意見だろう

この場だけであっても、反対意見を沈めたというのは喜ぶべき事だ

 

無惨を倒すという宣言をした炭治郎に“まず十二鬼月を倒そうね”

そのように言った時は、柱の何人かは笑って居た

まぁ、今の炭治郎じゃ絶対に無理だ

 

隠しに連れ去られた舞と炭治郎を見届けると、再び炭治郎は戻ってきた

不死川に妹の仕返しなのか、“頭突きをしたい”と言ったが無一郎が飛ばした石によって黙らされた

 

『屋敷に上がって良いよ』

 

そのように言われた時、目の前が暗くなった

体が宙に浮いたような感触

そのまま意識が途絶えた

 


 

3日後の朝

 

「全く、いきなり倒れたから驚きましたよ」

 

胡蝶に怒られて居た

柱合会議の途中に倒れたからだ

“貧血”

そう診断された

 

今更なのだが、浅草の時の怪我がちゃんと癒えてなかったのだ

柱に回ってくる任務はそれなりに高難易度

それで、傷が開いては閉じてを繰り返した

今回、不死川に踵落としを喰らわせた時に傷が開いたのではないか?との事

 

「不眠不休の上に食事をきちんと取らず、栄養も偏っているのも倒れた要因です」

 

まぁ、栄養はあまり考えて居ないしお腹も空かない

昼に食べるか食べないかだ

不眠不休で動かないと、任務の場所に着かないし他の隊士の動きが遅い為、俺が動かないといけないのもあるんだが

 

「なんとか言ったらどうですか?貴方はまだ背が伸びますから栄養をちゃんと摂らないといけませんと何回言わせるつもりですか?」

 

「はいはい、気を付けますよ。俺は舞に処罰を与えなければならないから。それじゃ」

 

半ば強引に魔の蝶屋敷から逃げる

ただ、今回が初めての蝶屋敷での治療

無惨からの傷が癒えにくいのもそうだが、消毒液がヒリヒリする

 


 

氷柱邸に居るのかと思ったら炭治郎とイチャついている継子を発見

 

そして

 

「キャァァァァァァ!!蜘蛛ー!!!」

 

人1人くらい入る部屋

その中に、蜘蛛を45匹入れ舞を突っ込んで出来た“お仕置き部屋”

中で1人、騒ぐ舞の悲鳴を聞きつつ優雅にお茶を飲む

 

場所は蝶屋敷だが、許可は取得済み

 

「叫ぶな、うるさい」

 

「間違いなくこの惨状は師範が作ったますよね!?」

 

「頑張れ舞!」

 

応援しているのは炭治郎

お仕置きには、反対していたので苦手な物の克服という大義名分で応援してあげてくれと頼むとすぐに了承した

 

「師範、炭治郎、助けてー!ギャア!!蜘蛛が飛んできたー!!」

 

この様に炭治郎は苦笑いしつつ応援を辞めない

 

「おぉ、喜んでる。喜んでる」「喜んでない!!って蜘蛛!」

 

叫んだら蜘蛛が飛びついて来ていて面白い

良い事を思いついた

 

「炭治郎、俺が稽古をつけてやろう。舞、3時間後に戻るぞ」

 

「良いんですか!?ありがとうございます」

 

炭治郎は稽古という言葉に目を輝かせながら、お礼を述べる

もはや、舞の事は忘れているようだ

 

「えっ!?嘘!嫌だ、師範行かないでー!!」

 

炭治郎を引きずりながら、庭に出る

 

体重の半分の重りをつけて鬼ごっこを始めた

 


 

1時間30分後

 

「常中が出来てない割には、動きが良いな」

 

流石に『もう1回お願いします!!』とお願いされた時はびっくりした

ただ、努力型の天才なのだろう

 

「あ、はぁ、あ、あり、ありがとう、ござ、ございます」

 

息が枯れている炭治郎

それはそうだろう

ずっと全力疾走しながら3回も鬼をやったら疲れるわな

 

何分間か休憩している途中

 

「時雨さんはどうして、鬼殺隊に?」

 

「さぁな、俺は昔のことは覚えてない。11歳の時にお館様に拾われた命だ。だから俺はあの人の役に立つ事をするだけだ」

 

まぁ、これは建前というか口を開いたら出てきた言葉

本当はなんだろうな

 

「そうなんですか・・・でも、無くなった記憶もいつか戻りますよ」

 

お館様も似たような事を言った

この2人は似ているのかもしれない

 

「そうかよ。そんな綺麗事は聞き飽きた。所でお前はなんで無惨のことがわかった?」

 

「俺、鼻がいいんですよ。鬼舞辻から血の匂いがして・・・」

 

鼻がいいのか

なんか、犬みたいだな

 

「聞きたいことがあるんですけど、良いですか?」

 

普段ならダメだ

そういうが今日は機嫌が良いからな

 

「・・・今日は良いぞ。よく寝れたから機嫌が良い」

 

「時雨さん、本当は寂しいんですか?」

 

寂しい?誰がだよ、俺が?

まさか、そんな訳ない

 

「は?」

 

「いや、氷みたいに冷たい匂いもするんですけど、よく匂いを嗅いでみると寂しい匂いもするんです」

 

「・・・・・・」

 

なんだろう、正直言ってキモくなってきた

よく匂いを嗅ぐって何

しかも本人、無自覚だよ

 

「もっとよく匂いを嗅ぐと、悲しい匂いもしてもっとよく匂いを嗅ぐと「言わなくて良い」

 

なんだろう、本当に

“おかしな事を言った?”みたいな顔で見るな

何、こいつは、あれだ、天然なの

純粋無垢なのか

そんなんが好きなのか、舞?

しっかりした奴がこいつと結婚しないともっとダメな子が生まれるぞ

 

「どういう意味だ、それ?」

 

「氷の匂いが強いけど、他の感情の匂いも隠し切れてないっていう感じです。自分でも何を言ってるのかわかりませんけど」

 

そう言って笑う炭治郎を見て気づいた

ずっと、舞をあの部屋に放置してるけど3時間経ったんじゃないか

 


 

「師範ー!!炭治郎!ゔぞづぎー!!わだし、じんじゃゔー!」

 

扉を開けた瞬間に飛びついて来た舞

なんというか、暑い

隊服が涙でずぶ濡れだ

 

「引っ付くな、暑い」

 

「蜘蛛ー!!嫌いっでっ言っだのにー!!」

 

ここまで本気で泣かれるのは困る

 

「・・・・・」

 

暑苦しいから離れよ

顔を左手で押さえて、引き剥がしていく

伊達に俺の継子やってないというべき、なのか中々剥がれない

よく見たら泣き止んでるし

 

「師範、手合わせしましょう?」

 

「良いぞ。炭治郎も見学するか?完治したら俺と手合わせをする権利をやるよ」

 

ボコボコにしてやる

舞と炭治郎の使用する呼吸法は同じ

それを考えると、舞と手合わせをしている風景を見せた方が好ましい

見取り稽古って奴だな

 

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