早速出かける準備をした。ただ一つ問題があった。それはドーラと葛葉の服装のことだった。特にドーラ。
社「葛葉くんは私の服を貸せば良いんだが、ドーラさんの服はなぁ…。ひまわりの服じゃ小さいだろうし。」
ひ「ん〜。大きいコートなら持ってるけど、それだけじゃダメだもんね。」
2人が悩んでるのを不思議そうに思うドーラ。
ド「なんで「ふく」という布を羽織らなければいけないんじゃ?」
社「え、もしかしてドーラさんのいた国だと服って着ないんですか?」
ド「布をかける程度ならいたのじゃが、築達の様な全身を覆う程の者はいなかったな。」
社「それぞれの文化の違いかな。日本というか大体の国だと服を着ていないと注意されるんですよ。それに、なんというか…、恥ずかしくないですか?少なくとも私は恥ずかしくてドーラさんのことを直視できませんね…。」
ド「恥ずかしい、とは思わないが服を着ないと面倒なのは分かった。ならばわしにも服を貸してくれ、築。」
社「え、男性用しかないですが…。」
葛「(逆に女性用あったら嫌だ。)」
ド「別になんでも良い。着ていれば良いのだろう?」
社「そうなんですけど…。じゃあ2人共、私の部屋に来てください。」
築は2人を連れ自分の部屋へと向かう。
社「えーと、先に葛葉くんから決めるか。」
葛「うっす。」
社が葛葉を連れ部屋に入る。すると廊下で待ってるドーラのところにひまわりが来た。
ド「どうしたひまわり殿?」
ひ「ドーラさんの服はひまが選ぶね。」
ド「…?よろしく頼むな。」
3分くらいで葛葉が出てきた。
ひ「おぉ〜、良いね葛葉くん!」
葛「ありがとう、ございます…。」
ド「照れとるな。」
葛「スゥーーーー。」
社「いやぁ、私が前に着ていたものなんだがサイズも丁度良かった。」
ド「次はわしの服だな。ひまわり殿、頼んだ。」
ひ「任せて!」
そう言って部屋へ入っていった。
社「それ、キツくない?適当に上にあったものだったから。」
葛「全然大丈夫っすね。」
社「そうか…。」
なんとも言えない空気感だった。特に話すことが無いのと、待っている間にやることが無いため、ただひたすらに部屋から2人が出てくるのを待つだけだった。
葛「遅いっすね…。2人共。」
社「そうだな。聞いてみるか。」
築は部屋をノックする。
社「ひまわり、何かあったのか?ずいぶん時間がかかってる様だが…。」
すると中から返事が返ってくる。
ひ「パパ大変だよ!」
社「ど、どうしたんだ。ひまわり!」
ひ「ドーラさんの胸が大きくて、服のボタンが閉まんないんだよ!」
社「ブッ!そう、それは大問題だ…。ならパーカーとかどうだ?パーカーならボタンとか無いし、その、伸縮性があるから大丈夫だろ。」
予想外の報告に慌てる築。その姿を少し照れながらも聞いてないフリをする葛葉。さっきまでの空気が一転、さらに気まずくなった。その後無事着替えを済ましたドーラが部屋から出てきた。
社「 大丈夫でしたか。その、服のサイズは?」
ド「大きさは良いのじゃが、ちとばかし胸の辺りが苦しいな。」
社「それは、しょうがないですね…。」
ひまわりが築の部屋から出てくる。
ひ「ねぇパパ。」
社「なんだひまわり?」
ひ「家具と買い終わったら、服屋行こう?」
社「あぁ、そうしよう。」
2人は服の重要さを身に染みて感じた。
社「よし、今度こそ準備できたな。それじゃ行きますか。」
ひ「行きますか!」
ド「どうやって行くんじゃ?」
社「車で行きます。」
全員家を出て鍵を閉めた後、築は玄関脇にある車庫へ向かう。
ド「この家の中に車がいるのか?」
社「これです。会社へは歩きで行っていますが、一応車の免許は持ってるんですよね。」
築の隣には白いミニバンがあった。
葛「結構でかいっすね…。」
社「仕事の都合で遠くへ行くときとかに使えるんだよね。あとは旅行とかでも。」
葛「なるほど。」
社「鍵開けたんで、乗って良いですよ。」
築は運転席の方へ行く。
ひ「ドーラさんはどこに座る?」
ド「そうじゃな〜、前に座っても良いか?」
ひ「ひまは良いけど、葛葉くんは?」
葛「じゃ、俺は後ろに座ります。」
ひ「帰りに交換するってことで!」
社「全員乗ったな?閉めますよ。あ、シートベルトお願いします。」
葛「シートベルト?」
ひ「これだよ葛葉くん。」
葛葉の顔近くまでひまわりが来る。
葛「ッスーーーー…。あの、ひまわりさん。近いっす…。」
ひ「え、あっごめん!はい、これがシートベルトねっ。」
葛「あざっす…。」
ひまわりは自分の行動が恥ずかしくなり顔を赤らめる。
社「若いですね〜。」
ド「なぁ築。シートベルトってどれじゃ?」
社「えっと、これですね。ちょっと前失礼します。」
そういうとドーラの左腕のあたりに手を伸ばす。
ド「き、築…?」
社「あれっ、この辺に…。」
ド「……。」
社「あっ、ありましたよドーラさん。」
築はシートベルトを見つけ、ドーラへ渡す。
ド「あ、ありがとうなんじゃが…、そのお主の手がわしの胸に当たっておるんじゃよ…。」
社「えっ、あっ‼︎す、すいません!そんな気は全く無いんです。不可抗力というか、事故というか…。とにかく、すいませんでした!」
築はシートベルトをドーラに渡し、手をすぐさま退けた。
ド「いや、築は何も悪く無い。謝るな…。その、わしまで恥ずかしくなってくるじゃろ!」
ドーラは少し怒りながらも照れていた。築もそれに気付き、目を逸らす。
葛「(親子だなぁ…。)」
社「じゃ、じゃあシートベルトしたので、出発しますよ。」
ひ「出発しんこ〜う!」
やっと出発した。
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最初に来たのは大型インテリアショップだ。ここでドーラと葛葉の生活必需品を買う。
社「まずはベッドから見るか。ひまわり、寝具売り場は何階だ?」
ひ「えーと、2階だね。」
社「それならエレベーターで行こうか。」
ド「それは何のことじゃ?」
社「エレベーターっていうのは、人を早く上に行かせる機械のことです。我々が乗る箱がワイヤーで吊るされていて、その先に重りが付いていて重りが下がれば箱は上がる。重りが上がれば箱はさがるっていう仕組みになってるんですよ。ざっくり説明ですけどね。」
ド「それは凄いな。早く乗ってみたい!」
ひ「ドーラさん関係無いとこでテンション上がってるねぇ!」
社「来ましたよ。開けときますんで乗ってください。」
ド「これが上がるのか?」
社「そうですよ。扉閉めて、階を指定したら動きます。」
築が操作板をいじる。
ウイィィーーン…
ド「おぉ動いた!」
社「ドーラさんからしたら初めてのことかも知れませんが、エレベーターって高い建物には大体あるんですよ。」
ド「これが大体あるじゃと…?」
ピンポーン…2階です。
社「着いたみたいですね。降りましょう。」
エレベーターを出れば様々なシチュエーションに合った部屋の一部がずらっと道順に沿って飾られていた。
ひ「ドーラさんと葛葉くんのベッドを探してこう!」
社「とりあえず目の前にあるショールームを見てみてどんな部屋にするかイメージしてみたらどうですか?」
ドーラ達が各自どんな部屋にするか、ある程度のイメージを持っていた方が後の家具を買う時に楽だろうと築は考えた。
ド「…。」
ひ「ドーラさんはなんか良い感じのあった?」
ド「あぁひまわり殿、この家具が気になってな。」
ドーラが指さしたのは小さな四角で区切られたオープン棚だった。
ひ「オープン棚?こっちのカラーボックスの方がたくさん種類もあるし小さいから置き場所も困らないけど、なんでそっちが気になったの?」
ド「わしはあんまり物を溜めないからこういう細かく区切っってある方が一つ一つを広々と置けるから良いかなって思ったんじゃ。それとこれが部屋にあれば他に収納を置かずに済むじゃろ?」
社「良いじゃないですか、これ。」
ド「い、良いのか?」
社「良いですよ。ドーラさんが欲しい物なんですから!」
ひ「良かったねドーラさん、一つ家具が決まって!」
築はその棚の番号を控えて、葛葉のとこへ向かった。
社「葛葉くんは良いのあったかい?」
葛「いや、特には。」
社「そうか。何かイメージは得られたかい?」
葛「まぁ、基本的にカーテンだけあれば良いんですけど。」
社「そういえば部屋決めの時も日差しが少ない方選んでたけど、もしかして…。」
葛「(やばい気づかれたか⁉︎)」
葛葉が息を飲む。
社「体が弱かったりするの?」
葛「…え、あっいや。まぁ、そういうところですね。」
社「ならちょっと厚めのカーテンを探しに行こう。」
そう言ってひまわり達を呼んで寝具売り場へと向かった。
ひ「めっちゃ枕とか布団がある!」
社「ドーラさんは先に枕とかシーツを見ていてください。ひまわり一緒に見ていてくれ。」
ひ「はーい!」
ド「お主らはどこへ行くんじゃ?」
社「私と葛葉はカーテンを見に行きます。」
ド「分かった。それじゃひまわり殿、見に行こうか。」
築と葛葉は寝具売り場よりちょっと先にあるカーテン類の売り場に向かった。
社「どんな感じのカーテンが良いんだ?」
葛「そうっすねぇ…。」
葛葉はなるべく暑く、黒くて陽を通しにくいカーテンを探した。数あるカーテンの中から葛葉はちょうど良さそうな物を見つける。
社「おっ、見つかったかい?」
葛「これが良いっすね。」
社「結構分厚いな。でも日差しを遮るには丁度良いか。よし、決まり!あとは、戻って枕類だな。」
葛「了解っす。」
葛葉の選んだカーテンを袋に入れひまわり達のところへ戻る。
その頃、ひまわり達は…。
ド「枕というものはこんなに種類があるものなのか…。」
ひ「形から中の素材まで沢山あるから、ドーラさん好みのもの探してみて!」
そう言われ一つ一つ触って自分に合う枕を探していくドーラ。途中、ひまわりから枕の中の素材の違いについて教えてもらった。それを踏まえた上で丁度良いのを見つけた。
ド「これは、触り心地よし。素材ふわふわ。これじゃ!」
ひ「これすっごいね。もふもふのふわふわやん!」
ド「じゃろ?これでわしの求める快適な睡眠ができる…。」
そこに葛葉の用事を終えた築達が来た。
社「どうですか。良いのありました?」
ド「あぁ、ひまわり殿にも手伝って貰えたからな。」
ひ「葛葉くんのカーテンも良いのあったの?」
葛「ありましたね。」
社「じゃ、あとは葛葉くんが枕とシーツを決めて本題のベットを見に行きますか。」
葛「了解っす。」
ド「あ、まだわしもシーツとやらは決めてなかったわ!」
ひ「それじゃみんなで見にいこか!」
枕売り場の片隅にシーツが売ってあった。
社「さて、葛葉くんの枕だが。どんなのが良い?」
葛「あれっすね。家の使ってたやつに似たの探してみます。」
そう言ってササっと売り場を見回る葛葉。
社「触らなくたって分かるのか…?」
葛「…ありました。似たの。」
数ある枕の中、ピタッと止まった葛葉の前には以前魔界で使っていた枕と形、素材がほぼ同じな枕があった。
社「えぇ、あったの⁉︎」
葛「ずっと使ってたんで、なんかみただけで分かりました。」
確かに魔界で常にやることが無かった葛葉はずっと使ってた枕くらい目で判断できるほどにはなっていた。
社「まじかよ、すげぇな。あとはシーツだな。」
葛「行きますか。」
シーツ売り場についた頃にはもうすでにドーラは自分のを見つけていた。
社「ドーラさんはそれで良いですか?」
ド「うむ!」
社「分かりました。葛葉くんも自分の好みのシーツを探して来て良いよ。」
葛「ありました。」
社「えっ、はや‼︎」
築がドーラと話している数秒の間になんと葛葉は自分の使っていたのと似たシーツを探して持って来ていたのだ。
葛「これであとはベットだけですね…。」
ひ「ベット本体は1階の倉庫みたいなとこにあるらしいよ。」
社「1階に降りるのか。またエレベータだな。」
4人はエレベーターに乗り、1階へ降りた。扉が開くと天井が高いまんま倉庫のような場所に着いた。ここには大型家具類が置いてあるようだ。
ひ「ベットはあそこだね!」
社「ベットはそんなに種類ないと思うんですよね。」
ド「そのようじゃな。見た感じ5〜6種類くらいしかなさそうだ。」
葛「俺これでお願いします。」
ド「どれも少し色が違うくらいだし、わしはこれで。」
社「はいはい、ええっと〜…。これはカートじゃ無理だな。店員さんを呼ぼう。」
この後、ベットを後日配送してもらう手続きと他のものをレジに持って行き会計を済ませた。
ひ「お買い物終了!」
社「必要なものは買ったしな。帰りますか。」
買った荷物を車に乗せ、家へ帰った。
全「ただいま〜!」
社「さっきの話の通り、二人のベットが届くのが後日なのでとりあえず来るまではこの布団で寝てください。あと今日からあの部屋で過ごしてくださいね!」
ド「はーい!」
葛「了解っす。」
社「あっという間に夕飯の時間ですし、各々準備が終わったら手伝ってください。」
ひ「ひまはやることないし、パパの手伝いする〜。」
ド「わしらは部屋に布団を敷きに行くか。」
ドーラが布団を持とうとした時。
葛「いいっすよ。布団俺持ってくんで。」
ド「えっそんな、悪いじゃろ⁉︎」
葛「その代わり、枕とシーツ持ってきてください。」
そう言って颯爽と布団を担ぎ、階段を上る葛葉。だったが。
ドサッ…
ド「…く、葛葉殿?」
葛「ッスーーーーーーー…、あー急になんか座りたくなったわ〜。あーなんでだろ〜。」
ド「やっぱわしも運ぼう…!」
葛「いや、大丈夫っすよ?だた、急に座りたくなっただけですし。まぁあと軽く数十分座ってたら座りたい衝動なくなると思うんで…、大丈夫っす!」
平然を装いながらも内心焦っている葛葉。
ド「そ、そうか?なら先にこれ置いてくるから、そしたら手伝おう。」
葛「ッスーーー。(あれ、思っているより力が無くなってる。早めにブタ探し出さねぇとな…。しかし、たかが薄い布団二枚すら運べないとは、相当だぞ。)」
結局、戻ってきたドーラに助けてもらった葛葉だった。
社「よし、全員揃ったところで。せーの!」
全「いただきます!」
この日の夕食はムニエルだった。また初めて食べる料理にドーラは興味津々だった。
社「私は洗い物してるので先にお風呂入ってきてください。」
ド「あ、わしも手伝おう。」
社「ありがとうございます。じゃあひまわり、葛葉くんに説明してあげてくれ。」
ひ「はーい!」
葛葉はひまわりの後に付いて行き、風呂場の説明を受けた。
ひ「…でここにタオル置いとくね。あとは、なんか聞きたいことある?」
葛「あ、着替えは?」
ひ「あ、そうだね。えーとじゃ、ひま持ってくるからこのタオルのとこに置いておくよ。」
葛「あざっす。」
ひ「じゃ、持ってくるね。」
ガララ…
葛「これが人間界の風呂か。」
魔界にも風呂はあったが、ただでかい浴槽があるだけだった。葛葉からしてみればシャワーというものがとても新鮮なのだ。
葛「これをひねればお湯が…。」
キュ、シャー…
葛「うおっ、すげぇ。ちゃんとあったかい。」
魔界だと浴槽のお湯を浴びてから入っていたが、こっちでは頭と体を洗ってから入るものらしい。
葛「確かギザギザ付いてるのがシャンプー?だっけ。これで髪を洗うのか。で、ボディーソープが体洗う方か。」
戸惑いながらも説明された通りにやっていく。
葛「おぉ、髪がサラサラだ。体もスベスベに。舐めてたな、コイツらを。」
コンコン…
浴室の扉がノックされた。
葛「‼︎⁇」
ひ「着替え持ってきたからタオルのとこに置いとくね。」
葛「(な、なんだひまわりさんか…。)あ、ありがとうございます。」
扉のノック音が思ったより浴室に響いたのに驚き、半ば風呂椅子から落ちかけていたがすぐに冷静さを取り戻し返答した。
葛「これでやっと浴槽に浸かれるのか。」
チャプッ…
葛「あ、ちょうどいい。」
あまり風呂が好きではない葛葉がゆったり肩まで浸かっていた。
葛「今日は長いようで短い1日だったな。とりあえず家に居ていい許可は貰えたし、次の課題はブタ探しだな…。」
気づけば5分ほど浸かっていた。葛葉にしては長風呂だった。風呂から上がり、ひまわりが用意していてくれたタオルで体を拭き、同じく用意されていた着替えを着た。
葛「動きやすいな。これがジャージってやつか。」
上が黒の前がファスナーで開け閉めできるタイプのジャージで、下が灰色の無地ちょっとデカいのジャージだった。偶然だが、胸のところに赤いコウモリのマークが付いていた。
葛「俺にピッタリかよ。」
そのままリビングへ向かった。
社「おっ、上がったか。どうだった風呂は?」
葛「よかったです。1日の疲れが取れました。」
社「そうか。そのジャージも丁度だね。」
葛「そうっすね。」
社「今日はもう遅いし、明日のために寝るといいよ。」
葛「分かりました。」
社「あぁ、おやすみ。」
葛「おやすみなさい…。」
自分お部屋へ向かう葛葉。真っ暗な部屋の保安灯だけ付け布団に寝転がる。いつもならすぐに寝れるが、今日はそうはいかなかった。
リビングでは…
社「葛葉くんも上がったことだし、ドーラさんも入ってきたらどうですか?」
ド「うっ、そうじゃな…。」
今までマグマに囲まれたところで暮らしていたため、お湯に浸かるという習慣がなかったドーラにとって風呂は想像できない程のものだった。
社「あ、そうか。ドーラさんには日本の風呂はまだ分からないか。」
ひ「じゃ、ひまと入る?ドーラさんが良ければ。」
ド「…!良いのか?」
ひ「ひまは良いよ!」
社「ひまわり頼んだ。」
ひまわりとドーラがグダリながらも風呂に入ったのは番外編で…。
ひ「ふ〜、さっぱりした!」
ド「あれが風呂…、悪くない、かも。」
社「サンキューひまわり!」
ひ「お安い御用さ。それと、おやすみパパ!」
ド「おやすみ、築。」
社「おやすみなさい。2人共。」
階段を上がり、ドーラの部屋の前。
ド「ひまわり殿。今日は色々と感謝じゃな。」
ひ「そんなことないよ!これからも互いに力合わせて頑張って行こう!」
ド「あぁそうじゃな!おやすみ、ひまわり殿。」
ひ「おやすみ、ドーラさん。」
バタン…
ド「これから、か。長くなるな。」
一方、未だ寝付けない葛葉…
コンコン…
ひ「…葛葉くん、起きてる?」
葛「…一応。」
ひ「入って良い?」
葛「…ドゾ。」
ガチャ…
ひ「お邪魔します。」
葛「どうしたんすか?」
葛葉は起き上がって布団の上に座る。そしてその前に座るひまわり。
ひ「今日、1日通してみてどうだった?」
葛「まぁ、長いようで短かったすね。」
ひ「疲れた?」
葛「まぁまぁ…?」
ひ「…っふ。」
葛「なんで笑ったんすか?」
ひ「いや、ごめん…。」
葛「…?」
ひ「ひまね、今まで夜は大体1人だったんだ。」
葛「…。」
ひまわりの話が気になり相槌すら忘れる葛葉。
ひ「パパはいっつも帰りが遅いからご飯だけ作って先に寝ちゃうんだ。広い家に1人、なんもない静かな時間がずっと続いていくの。最初は夜空とかみてたんだけど、さすがに飽きるんだよね…。だからずっと退屈だったんだ。でも、今日からドーラさんも葛葉くんもいるから全然退屈じゃないんだ!そう考えたらなんだか面白くなっちゃって…!」
葛「(あぁ、この人は頑張った人なんだ。俺と違って。)」
少しシーンとなった。
ひ「あっごめんね?寝るところだあったのにこんな話しちゃって…!」
葛「…大丈夫ですよ。」
ひ「…え?」
葛「もしこれからも社さんの帰りが遅くて1人退屈になったとしても、俺で良いならこうやって話でもしましょう。」
ひ「…葛葉くん!うん、もしそうなったら話にくるね!」
葛「いつでも待ってますからね。」
ひ「う、うん!じゃ、じゃあ今日はもう遅いから戻るね、おやすみ!」
葛「おやすみなさい。」
バタン…
葛「…おもしれぇ人。」
今度は横になったらすぐに寝れた。