葛葉が風呂を終え、自分の部屋に戻った後の話。
社「葛葉くんも上がったことだし、ドーラさんも入ってきたらどうですか?」
ド「うっ、そうじゃな…。」
知らない風習に対し、若干の不安がドーラの中にあった。
社「あ、そうか。ドーラさんには日本の風呂はまだ分からないか。」
ひ「じゃ、ひまと入る?ドーラさんが良ければ。」
ド「…!良いのか?」
ひ「ひまは良いよ!」
社「ひまわり頼んだ。」
ドーラの不安を察したのか、社はひまわりと一緒に風呂に入ることを提案した。
ひ「ドーラさんこれはどう?」
ひまわりはドーラを連れ自分の部屋にあるクローゼットからドーラのパジャマを探していた。
ド「人間は度々服を着替えるんだな…。」
ひ「う〜ん、でもその日の服のまま寝る人とか何も着ないで寝る人とかいるって聞いたことあるよ?」
ド「わしも別に着ないでもいいのじゃが。」
ひ「ドーラさんはダメだよ⁉︎」
ド「なんでじゃ?」
ひ「それはその〜、か、風邪とか引いちゃうし…、ドーラさんが裸で寝るとかえっち過ぎだからダメ‼︎」
ド「えっち、とはなんじゃ〜。」
ひ「とにかくダメなものはダメ!」
ド「トホホ〜…。」
なんやかんやありまして、無事(?)ドーラのパジャマが決まりました。
ひ「やっとお風呂入れる…。」
パジャマ探しで疲れたのか少し元気が減ったひまわり。
ド「これから風呂…。生まれて初めて水に入るのか…。」
さっきのドキドキな不安が新たな事へのワクワクになったドーラ。
ひ「脱いだ服はここに入れといてね。ひま先入ってるから!」
ガララ…
ド「あ、待ってひまわり殿!」
ドーラはあわてて服を脱ぎ、ひまわりの後に入る。
ガララ…
ド「うわっ、煙が…。」
そこにはドーラが想像していた物とは全然違う世界が広がっていた。
バシャーン!
ひ「ドーラさん来たね。」
ド「何してるんじゃ?」
ひ「お風呂に入る前はこうやってまずお湯を体にかけてから入るんだよ。ドーラさんもやってみて!」
恐る恐る風呂桶でお湯をすくうドーラ。
ド「こ、これを体にかけるんじゃな…?」
ひ「うん!体全体にね。」
ド「ふー、はぁ!」
バッシャア!
ドーラはひまわりに言われた通り勢いよくお湯をかぶる。
ひ「…ドーラさん?」
お湯をかぶったポーズのまましばらく動かなかったドーラを心配するひまわり。
ド「…はっ‼︎わし、今意識が…。」
ひ「それはやばいよ⁉︎」
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ある程度お湯(水)にも慣れ、ゆったり湯船に浸かるドーラ。
ド「これはまた、気持ちがいいな〜…。」
ひ「さっきまでお湯っけただけで意識飛びかけてたのに〜。」
ド「あれはただ驚いただけじゃ!」
ひ「あれで驚いてたら髪洗えないよ!」
ド「な、何…。髪を洗うじゃと〜⁉︎」
ひまわりはじりじりとドーラに近づく。
ひ「ほら湯船から出て!」
ド「ちょっ、ひまわり殿⁉︎」
ドーラはひまわりに無理やり湯船から出さされた。
ひ「ここに座って鏡の方向いて!」
ド「説明をって、何するんじゃ⁉︎」
今から何をされるのか何一つわかってないドーラに対し、容赦なく髪を洗っていくひまわり。
ひ「ひまも髪長い時にこうやって洗ってたから大丈夫だよ!」
ド「髪が濡れてる…、これも水か。」
ひまわりに身をまかせ、不安ながらも髪を洗われるドーラ。
ひ「ドーラさんの髪って洗う前からサラサラしてるからいいなぁ…。なにかしてるの?」
ド「髪か、特になにもしておらんが…。でもひまわり殿の髪と同じくらいではないか?」
ひ「ひまは髪が短いからこうなだけで、ドーラさんはこんなに長いのにサラサラなのはすごいよ!」
ド「そ、そうなのか…。なんか恥ずかしいな。」
ひ「よし、それじゃ洗っていくよ。あ、でもひま人の頭洗うの初めてだから目に入って離したらごめんなさいだよ?」
ド「え、濡らしただけで終わりではないのか?なんじゃそのドロドロしたのは…、ひまわり殿⁉︎」
せっかく安心し切っていたのにまた焦り出してしまったドーラであった。
ひ「ほらじっとしてて!ほんとに目に入っちゃうよ?」
ド「いや、だから何を…。ひゃう‼︎」
シャンプーを泡立たせ、揚々とドーラの髪を洗っていくひまわり。ドーラは未知の感覚に変な声が出てしまった。
ひ「 まさかもう目に入った⁉︎」
ド「んっ、いや大丈夫、続けてくれ…。」
これが人間の風呂という文化なのだ、という勝手な解釈の上それを受け入れたドーラであった。ひまわりに髪を洗われてるうちにだんだんと良い気持ちになっていくドーラ。
ひ「どういい感じ?」
ド「ひまわり殿が上手いから気持ち良いぞ。」
ひ「嘘、ひま髪洗う才能あったの⁉︎将来美容師あるかも…。」
ド「自信を持って良いと思うが、わしにとってはいい感じじゃ。」
ひ「ていうかドーラさんの髪の毛すごく長いよね、いいなぁ〜。」
ド「ひまわり殿も伸ばせばいいんじゃ無いのか?」
ひ「そうしようかな…。」
それからも話しながらドーラの髪を洗い、きれいにして再び湯船に戻った。
ド「これで風呂でやることは終わりか?」
ひ「そうだね、これが一連の流れだよ。」
ド「(わしの生きる中で触れることのないと思っていた水にまさか入るとは思っていなかったが、なかなか悪く無いな…。むしろ好ましいまであるぞ!)」
ひ「お風呂気に入った?」
ド「あぁ、良いものだ!」
ひ「良かったぁ!あ、でもあんまり長居するとのぼせちゃうから気をつけてね。」
ド「大丈夫だ。暑さには慣れているからな!」
ひ「そうなの?じゃあひまは先に上るね。」
ド「それじゃわしはもう少し入っていようかな。」
初めての風呂を堪能するドーラ。するとひまわりがあることに気づく。
ひ「あっ、ドーラさんのパジャマは用意できてるけど…。」
ド「何か問題でもあったか?」
そう聞くとひまわりは脱衣所の扉から顔を出して答える。
ひ「その、ドーラさんの替えの、下着がないんだよね。」
ド「下着…?必要なのかそれは。」
ひ「必要かって、まぁ人それぞれだけど…。で、でもドーラさんはその、デカいじゃん…。」
ド「…?」
ひ「ひまの家にはそんなおっきいやつないからどうしようもないんだよね…。」
ド「そうかぁ、ちょっと築に聞いてくる。」
そう言って風呂場から出ていこうとするドーラ。
ひ「ちょっと待った〜!」
ド「ぬおっ!」
ひまわりが間一髪脱衣所から出かけたドーラを止める。
ひ「ダメだよ⁉︎」
ド「えぇ⁉︎」
もう少しで大変なことになってた…、パパが。
ひ「とにかく何も着ないで出歩いちゃダメなの。ドーラさんがもともと住んでたとこは良かったのかも知んないけど。」
ド「服は必需品なのじゃな。」
ひ「そうゆうこと。まだお風呂入る?」
ド「いや、出てしまったからもういいぞ。」
ひ「ひまがドーラさんのパジャマ持ってくるからこのタオルで身体拭いて待ってて。」
ド「濡れたままではダメなのか。」
先に着替えていたひまわりがドーラ用のパジャマを取りに行く。
ひ「はいこれ着て、ってまだびちゃびちゃじゃん!」
ド「ちゃんと拭いたほうだぞ?」
ひ「ほら後ろむいて、背中濡れたまんまだよ。」
ド「そんなに拭いてしまったら水に濡れた意味がないではないのか?」
ひ「お風呂は疲れた身体を癒す為だってパパが言ってたよ。」
ド「身体を癒す、か。」
ひ「下着はないからしばらくはパジャマだけで我慢してね。」
ド「別にこれからも無くて良いのだが…。」
ひ「いろんな意味でダメ‼︎」
初めての風呂を終えリビングに戻るドーラ。
社「ドーラさん、うちのお風呂どうでした?」
ド「思っていたよりも風呂というものは良いものだな。」
社「ハハハッ、気に入ってもらえて嬉しいです。」
ひ「パパ〜上がったよ〜。」
社「おうひまわり、ドーラさんの世話ご苦労さま。」
ひ「もう眠いよぉ。」
社「おっともうこんな時間か、私もお風呂に入ってくる。」
ひ「ひまはもう寝る〜。」
社「寝る前にドーラさんに部屋の場所教えてあげてくれ。」
ひ「は〜い、おやすみパパ〜。」
社「おやすみひまわり、ドーラさん。」
ド「…?おやすみ。」
築は風呂へ、ひまわり達は二階の各々の部屋へ向かった。
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風呂を上がり戸締りを確認して二階に上がろうとした時、リビングの電気がついてることに気づいた。
社「(誰か起きてきたのか?)」
リビングの扉を開けるとそこには寝たと思っていたドーラがいた。
社「えっ…。」
ド「あっ…。」
社「こんな時間にどうしたんですか?」
ド「あの、築には言っておきたいことがあって…。」
社「…ちょっと待っててください。」
築はキッチンへ行きお湯を沸かしインスタントコーヒーを入れて持ってきた。
ド「これは?」
社「どうぞインスタントコーヒーです。」
ド「ズズッ、苦っ!」
社「あれ、もしかして苦手でした?」
ド「いや、まさか苦いとは思っていなかっただけだ。」
社「もしあれでしたら紅茶とかに変えますけど?」
ド「このままで良い。」
社「そうですか、それで言っておきたいこととは?」
ド「あぁそのことじゃが…、いやまだ良い。」
社「えぇ…、気になるんですけど。」
ド「悪いがまだ言わんでおくことにした。」
社「気になるな〜。」
ド「(わしがドレイクということはまだ秘密じゃな。せっかく出会えたあったかい人達なのじゃから)」
社「というかそのパジャマはひまわりのですよね?」
ド「そうじゃ。」
社「よく着れましたね。」
ド「少々胸がキツいがこれしかないのでな。少し動いただけでも…。」
ドーラが腕を後ろに回した時、ブチンと音がした。
社「…は。」
ド「ほら簡単に止めるやつが取れてしまうのじゃ。」
その音の正体はドーラのパジャマの胸のとこのボタンであった。
社「ちょっ、ドーラさん見え…!」
ド「ん?あっ、こうなるから下着着ろとひまわり殿が言っていたのか。」
社「下着着てないんですか⁉︎」
ド「やはりダメなのか。」
社「はぁ〜、明日学校帰りにひまわりに買ってくるよう頼もう。」
ド「ではわしは寝るとするか。」
社「私もそうします。」
ド「なんじゃっけ、おやすみ?」
社「おやすみなさい、ふぁあ〜。」
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次の日の朝。
ひ「パパ〜、葛葉くん達起こして来て〜!」
社「はーい。」
部屋順的にまず起こすのはドーラ。
コンコン
まずはノックだけ。
ド「…。」
社「起きないか、入りますよ。」
ガチャ
ド「ん〜…。」
ドアを開けると布団を抱きながら丸まって寝ているドーラが寝返りをした。
社「ドーラさん朝です、起きてください。」
ド「ん〜?」
社「色々説明があるので起きてください。」
ド「ん、はぁう…。」
ゆっくりとあくびをしてドーラが起きる。
社「おはようございます、ぐっすり眠れましたか?」
ド「あぁ、寝心地の良いベットにしてもらったからの。」
社「では私は葛葉くんも起こすので先に下に行っててください。」
ド「分かった。」
ドーラの次は葛葉の部屋へ行く
コンコン
社「葛葉くん入るよ。」
ガチャ
ドアを開けると買った分厚い黒のカーテンがしっかりしまっており、陽の光を完全に遮断していた。
社「すごく暗いな、葛葉くん朝だよ。」
そう言って築はカーテンをちょと開けた。
バタン!!
葛「ッスーー、あんまり開けないでもらって良いですか?」
築は飛び起きた葛葉に驚いた。
社「えっあっ、ごめん!」
葛「そこ開けられると顔面に直射されるんで。」
社「そっか、身体弱いんだっけ。」
葛「…おはようございます。」
社「あ、あぁおはよう。」
葛「…。」
社「…。」
葛「…て、天気良いっすねぇ〜。」
社「そ、そうですね…?」
葛「下行きますか…?」
社「あっ、はい。」
朝から葛葉の謎の空気を味わった築であった。リビングへ行くとひまわりがドーラに今日の仕事の説明をしていた。
ひ「あっおはようパパ、葛葉くん。」
社「おはよう。」
葛「おはようございます。」
ひ「今ちょうどドーラさんに今日の仕事の説明終わったから葛葉くんの方はパパがお願いね。」
社「了解。」
葛葉も築から仕事を説明された。
社「それじゃ私は先に出るよ、2人とも家事を頼んだよ。」
葛「了解っす。」
ド「任せろ!」
社「では行って来ます。」
ド・葛・ひ「行ってらしゃーい!」
その後少ししてから。
ひ「ひまももう行くね。」
ド「いってらっしゃい!」
葛「いってらっしゃーい。」
バタン…
ド「…じゃあ各々始めますか。」
葛「そうっすね…。」
家に2人きりという気まずい状況の中、課せられた仕事を始める2人であった。