ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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いよいよ真・恋姫無双第十二席編です!




第108話 “再集結”

桃花村を出発してから数日後、ルフィ達は無事華琳達がいる黄巾党本体討伐の連合軍の陣に着いた。

 

「とりあえず、到着までは何もなかったな」

 

「おーし!それじゃあ陣の設営始めるぞー!」

 

フランキーの号令で皆は天幕や櫓の準備を始める。

 

「ん⁉おい待て!何かこっちに近づいてくるぞ!」

 

ウソップの言葉に一同が見てみると、一方向から何かが近づいて来ている。

 

「あれは…」

 

愛紗が目を凝らしてみると…

 

「赤い旗に“孫”の文字!孫策殿達か⁉」

 

 

 

 

 

 

「おう孺子!お前らも黄巾党討伐に来ていたのか!」

 

「ああ!久しぶりだな炎蓮!」

 

「お元気そうで何よりです。孫堅殿」

 

孫家の軍はすぐに到着し、ルフィ達に気が付いた炎蓮が挨拶に来た。

 

「孫策殿はどちらに?」

 

「ああ、あいつは少し前に身体壊して倒れちまってな。今回の出陣には来てねェ」

 

「そうですか…それは心配ですな…」

 

「体の方はもうほとんど治ってるし、あいつの未熟さ故の事だ。お前が気に病む必要はねェ」

 

「相変わらず厳しい様ですな」

 

「ルフィ、関羽、久し振りね」

 

「久し振りだな」

 

「おお!蓮華、思春も」

 

「孫権殿…その髪は?」

 

蓮華の髪が短く切ってある事に気付き、愛紗は訊ねる。

 

「あー…そういやもっと長かったよな」

 

「ええ。あなた達と出会った後に切ったのよ。今までは、母様と姉様をマネて伸ばしていたけど、私が二人のマネをする必要はないんだって、ルフィのおかげで気付けたから…」

 

「そっか…」

 

「…ヘンかしら?」

 

「いや、いいんじゃねェか?」

 

「そ、そう…」

 

「あんたがルフィ?」

 

「ん?」

 

不意に下の方から声がして、見下ろしてみるといつの間にかシャオが立っていた。

 

「誰だお前?」

 

「シャオは“孫尚香”、真名は“小蓮”よ」

 

「尚香様、いきなり真名を預けるのですか?」

 

「だって、母様も姉様達も真名を預けているんでしょう?だったらいいかなーって」

 

「私達の末の妹なの」

 

「そっか。おれは“ルフィ”、よろしくな」

 

「そういえば妹がいると言っておりましたな…」

 

「あれ⁉シャオ⁉」

 

「あ!ナミ~!」

 

少し離れた所にナミの姿を発見し、シャオは駆け寄ってナミの腰に抱き着く。

 

「あなたがルフィさんですか?」

 

「ん?」

 

今度は亞莎と包がやって来た。

 

「紹介するわ。この二人は軍師見習いの…」

 

「りょ…“呂蒙”と申します!ルフィ殿達のお話は…皆様から度々伺っております!」

 

「“魯粛”と申します!いずれは孫家の筆頭軍師になりますから!覚えておいて損はないですよ!」

 

「おやおや!これはまたお美しいお嬢様方!」

 

「「「「「⁉」」」」」

 

突然やって来たブルックに、蓮華達は驚愕し、炎蓮もさすがに少しぎょっとする。

 

「る…ルフィ、この者はあなたの仲間なの…?」

 

「ああ、ブルックだ。面白ェだろ?」

 

「お、面白い…」

 

「相変わらずだな貴様は…」

 

「こんな珍獣が天の国にはいるのか…」

 

「こ、この様な方がお仲間にいるとは…ルフィ殿は…大物なのですね…」

 

「亞莎さん…素直に変な人だって言っていいと思いますよ…」

 

(まァ…この様な者を見ればそうなるな…)

 

蓮華達の反応に愛紗は納得するのだった。

 

「いや~ルフィさん、他にもこんな綺麗な方々とお知り合いだったとは、実に羨ましい」

 

「そ、それはどうも…」

 

「下着見せて貰ってもよろしいでしょうか?」

 

「嫌よ!」

 

「「嫌です!」」

 

蓮華、亞莎、包は叫ぶが…

 

「構わぬぞ」

 

思春は一人そう言って、服の裾に手を掛ける。

 

「思春⁉何を言ってるの⁉」

 

「何故です蓮華様⁉私のこの純白の締込みは、蓮華様の親衛隊の結束の証!

見られて困るものではありませぬ!

むしろ人々に見せつけて誇るべきものです!

私は炎蓮様よりこの締込みを授かった日から、常に肌身離さず身に着けて…」

 

「失礼します!」

 

バキィッ!

 

そこまで言った瞬間、とっさに亞莎がその後頭部に正拳をくらわせた。

少し前まで親衛隊として務めていただけあって、一撃で思春は気絶した。

 

「あうう…思春様…申し訳ありません…」

 

「いや、亞莎さん…今のは正しい判断だと思いますよ…」

 

「そうね…。思春には後で私から言っておくわ。ちゃんと洗濯する様にも言っておくから…」

 

「よし、それじゃあおれは思春を連れて、先に戻ってるぞ。そこの骨、お前も一緒に来い」

 

「え?」

 

そう言うと炎蓮は思春を担ぎ、ブルックの首根っこを掴む。

 

「包、亞莎、お前らはまだいいが、少しは気ィ遣ってやれよ」

 

「気を遣う?……あ!」

 

「?……あーそういう事でしたか!」

 

炎蓮の言葉に二人は少々考え込んでいたが、すぐに意味を理解する。

 

「も、申し訳ありません!他の者達にも邪魔しない様に伝えておきますので!」

 

「いや~本当にすみませんでした!包ってば気が利かなくて!」

 

「ちょ…ちょっと二人共⁉母様も何の話をしているの⁉」

 

「久し振りに会えたんだ、遠慮する事はねェよ。じゃあな」

 

「そ、それでは失礼します!」

 

「包も先に戻っていますねー」

 

「あ、あのー…どうして私も連れてかれてるんでしょうか?」

 

「おめェにちょっと用ができたんだよ」

 

「今私ものすごく背筋が寒いんですけど⁉いや私背筋ないんですけどね!」

 

ルフィと愛紗、そして困惑する蓮華を置いて、4人は去っていった。

 

「……えっと…孫権殿?」

 

どうしていいかわからなくなった愛紗は、とりあえず蓮華に話し掛ける。

 

「っ!そ…そうだわ!ルフィ、あなた達にもう一人会わせたい人が…いや会わせなきゃいけない人がいたのよ!すぐに連れて来るから待ってて!」

 

そう言うなり蓮華は逃げる様に走って行った。

 

「「…………」」

 

残された2人は、しばらく呆然としていた。

 

 

 

 

 

 

しばらくして、蓮華が連れてきたのは…

 

「久しぶりねルフィ」

 

「ロビン!お前、何で蓮華達と一緒に⁉」

 

「色々あって、少し前からお世話になっていたのよ」

 

「ロビン殿が言った通り、ここで再会できたわね」

 

「あれ⁉ロビン⁉」

 

「おお!ロビンじゃねェか!」

 

「ロビーン!」

 

「ロビンちゅわ~ん♡」

 

「…ったく、今までどこで何してたんだ?」

 

「よォし!これで9人揃ったぜ!」

 

ロビンに気づいた他の麦わらの一味のメンバーも、駆け寄って来た。

 

「再会を喜んでいる所を悪いけど、いいかしら?」

 

「華琳!」

 

聞き覚えのある声が聞こえ、見てみるといつの間にか華琳が立っていた。

 

「久し振りねルフィ、関羽。そして初めまして孫仲謀殿。此度の戦にご助力頂き、感謝するわ。

来て早々悪いけれど、早速軍議を始めたいの。天幕まで来て貰えるかしら?」

 

「わかりました」

 

「ええ。私達も時間は惜しいもの、すぐに軍議を始めましょう」

 

「悪いわね。それから、ルフィの仲間達は全員軍議に参加して貰えるかしら?」

 

「ん?全員か?」

 

「ええ。天の国の人間なら、私達とは違った見解があるかもしれないからね」

 

「そうか、わかった」

 

 

 

 

 

 

かくして華琳に案内され、桃花村義勇軍の桃香、愛紗、鈴々、朱里、孫家の軍勢の炎蓮、蓮華、雷火、穏、亞莎、包、そしてルフィ達麦わらの一味の9人は曹操軍の天幕に向かった。

 

「それにしても、曹操殿が自らお出迎えとは…痛み入ります」

 

「こちらから頼んだのだもの、相応の礼を尽くすのは当然よ。それに、私とあなた達の仲だもの、水臭い事は言いっこなしよ」

 

「ししし!」

 

「は、はァ…」

 

華琳の言葉にルフィは嬉しそうに笑ったが、愛紗は苦笑いするのだった。

 

「所で…あなた達の義勇軍、相変わらず大将旗として“劉”の旗を掲げていたけれど…」

 

「あ、いえ…その……前にも話しましたが、以前我々の大将だったあの男は偽者で…」

 

「ええ、その話は聞いたわ。でも、今実質義勇軍を率いているのはあなた達二人なのだから、どちらかの旗を掲げるべきじゃないの?」

 

「おれ達は海賊だし、義勇軍に入ったわけじゃねェぞ?」

 

「それに…勢いに押されてではありますが、私は劉備殿と姉妹の契りを交わしまして、義理の妹になったので…」

 

「成程…それで義姉の顔を立ててやむなく、という訳ね」

 

「あと…何よりナミ殿が…」

 

「?」

 

「我々が桃花村に帰って来た翌日の事なのですが…

 

 

 

 

 

『ええっ⁉私が義勇軍の総大将に⁉』

 

『そうよ。今まで義勇軍に参加しようと思って来た人達は、中山靖王の末裔が軍を率いているって事に影響されて来た人が多かったの。

劉備さんが総大将になれば、その威厳が復活するってワケ』

 

…と、ナミが提案する。

 

『で、でも…私に総大将だなんて務まるかどうか…』

 

『おめーニセモンだって特に何もやってなかったんだ。問題ねェだろ』

 

…と、ゾロ。

 

『それに桃香お姉ちゃんは戦えないし、軍師ができる訳でもないのだから、お飾りで総大将をやるしかないと思うのだ』

 

『ううっ…』

 

『鈴々ちゃん…言ってる事は間違ってないですけど、もう少し言い方を…』

 

『いや朱里、お前も酷い事言ってるぞ…』

 

苦笑いする翠。

 

『それにあの男、自分の旗だけ特別豪華に作ったから、他の誰かが大将やると旗の威厳で負けちゃって見栄えが悪いのよ』

 

『それだったら、また作り直せば…』

 

ナミの言葉に桃香は反論しようとする。

 

『作り直す⁉』

 

『『『『『『『『『『⁉』』』』』』』』』』

 

…が、次の瞬間ナミが発したドスの効いた声に、桃香だけでなく全員が縮こまった。

 

『あのねえ、あの旗作るのにどれだけお金かかったと思ってるの?旗ってタダじゃないのよ?

あの旗を処分して、別の大将旗を作ったりしたら、どんだけムダ遣いになると思っているの?』

 

『ご…ごめんなさい…』

 

ナミに睨まれ桃香は涙目になる。

 

『それじゃあ、あの旗をムダにしない為にも、劉備さんが総大将って事でいいわね?』

 

『は…はい…』

 

 

 

 

 

…という事がありまして…」

 

愛紗は青ざめながら説明した。

 

「そ…そう……なら仕方がないわね…」

 

金が絡んだ時のナミの恐ろしさは華琳もよーくわかっていた為、納得するのだった。

 

そんな事を話している内に、一同は天幕に着いた。

 

先頭にいた華琳、ルフィ、愛紗、蓮華が中に入ると、中には華琳の親族である春蘭、秋蘭、華侖、柳琳、栄華、曹操軍の軍師である桂花、風、稟、そして…

 

「遅いぞ曹操!いつまで待たせる気じゃ!」

 

「あれ⁉お前!」

 

「袁術殿⁉」

 

「おお!お主らはいつぞやの!曹操が言っておった援軍とはお主らの事じゃったのか!」

 

袁術こと美羽がいた。

後ろには七乃も待機している。

 

「知っているの?」

 

「劉備殿の宝剣の件で…。袁術殿も此度の討伐に?」

 

「うむ、朝廷の命令でやむなくな…。しかし賊退治なんぞは妾の性に合わぬ故、妾の分までお主らに働いて貰うからの」

 

「は、はァ…」

 

「私があなた達に援軍を頼んだ理由、わかるでしょ?」

 

華琳はため息交じりに言う。

 

「おう!袁術!」

 

「おお!孫堅!久しいのう!」

 

ルフィ達を押しのけて、炎蓮が天幕に入って行った。

 

「今回もおれ達は好きに暴れていいんだろうな?」

 

「当然じゃ。戦は全部お主らに任せるぞ」

 

「おうよ!」

 

「楽をしたい袁術と暴れたいだけの母様は相性が良くてね…」

 

今度は蓮華がため息交じりに言う。

 

それで袁術はあなた達を援軍として呼べたのね。…と、立ち話をしている場合じゃなかったわね。他の者達も入って来て」

 

「うむ、失礼するぞ」

 

「お邪魔しま~す」

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

「お邪魔しまーす!」

 

「失礼します」

 

「お邪魔するのだ!」

 

「皆さん、お久し振りです」

 

華琳の言われ、先に孫家の軍師達が入り、その後から桃香達が続く。

そして最後に麦わらの一味の者達が入る。

 

「お前らと天幕で会うのは久しぶりだな」

 

「袁術ちゃんともこんなに早く再会するとはね」

 

「おれは初めましてだな。おれの名は“ウソップ”。以後お見知りおきを」

 

「いや~♡みんなお久しぶり~♡」

 

「よろしくなー!」

 

「私も初めましてね。“ニコ・ロビン”よ。今後ともよろしく」

 

「邪魔するぜー」

 

「失礼しまーす!ヨホホホ!」

 

「⁉ギャアアアァァァ~~~‼」

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

最後にブルックが入ってきた瞬間、美羽が悲鳴をあげた。

 

「ちゃ、ちゃんと税は下げた‼政務もまじめにやっておるし、贅沢も蜂蜜水も我慢しておる‼貧しき者に施しもしておるから‼じゃからもう許してくれ~~~‼」

 

そのまま天幕の隅っこに縮こまり、ガタガタと震えだす美羽。

 

「あ、あの…お嬢様?」

 

(ガタガタブルブルガタガタブルブルガタガタブルブル…!)

 

「おーい、ブルックは亡霊じゃねェぞー」

 

 

 

 

 

 

その後、ルフィ達が説明し、何とか美羽は落ち着きを取り戻し、席に着いた。

 

「そ、そうか…つまりお主は亡霊ではないのじゃな?人間なのじゃな?」

 

「はい。そうですよ」

 

((((((((((いや…人間ではない…))))))))))

 

ルフィ、ブルック、美羽以外の全員がそう思った。

 

「とにかく、これでようやく軍議を始められそうね…」

 

華琳はそう言って席に着き、他の者達は机を囲んで立つ。

 

「荀彧、まずは現状の説明を」

 

「はっ!現在、黄巾党の本体はこの広い平地に集結しています」

 

机に広げられた地図を指し示しながら桂花は説明する。

 

「首謀者と思われる張三姉妹の天幕を中心に陣を張り、それを囲む様におよそ数万の兵が待機しています」

 

「およそ数万?もっとはっきりした数はわからないの?」

 

華琳が訊ねる。

 

「申し訳ありません。

張三姉妹は野外に立派な舞台を設置し、士気を高める為か、度々そこで歌を歌っているのですが…それを聞いた通りすがりの者達が続々と黄巾党に身を投じており、そのせいで正確な数が掴めないのです」

 

「それは…歌に引き寄せられて捕まっているという事?」

 

「それもよくわかりません。見た所、黄巾党の陣内には牢獄の様な物は見られませんでしたし、何か混乱がある様子もなく…」

 

「こちらの兵力は我が軍と袁術、孫権殿の軍が各六千と、義勇軍が五百。

ルフィ達の強さを考えると、義勇軍は二千人分ぐらいの兵力になりそうだし、こちらの戦力はおよそ二万といった所かしら?

たとえ烏合の衆だとしても、この兵力差は少々厄介ね…」

 

「それに、烏合の衆とは言えないかもしれません」

 

「どういう事?」

 

「これまで黄巾党本体と対峙してきた諸侯に話を聞いてみた所、他の黄巾党に比べ、統率された動きができていたそうです。

作戦や戦い方は素人臭い様ですが、兵は皆一糸乱れる事なく動き、士気もとても高かったとか」

 

「それは厄介ね…」

 

華琳は考え込む。

 

「失礼します!」

 

「「「「「「「「「「?」」」」」」」」」」

 

その時、天幕に流琉が入って来た。

 

「どうかしたの?」

 

「華佗がお目通りを願っているのですが、いかがいたしましょう?」

 

「華佗が?」

 

「「「「「「「「「「?」」」」」」」」」」

 

 

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