ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊 作:HAY
「ハァーーーッ!」
妖術使いの一人に愛紗は真正面から斬りかかる!
「フッ!」
(消えた⁉)
「愛紗!」
「!」
鈴々の声に愛紗が反射的に振り向くと、先程の妖術使いが剣を振り下ろそうとしていた!
「ぐっ!」
「ちィっ!」
何とかその一撃を受け止める愛紗!
「みんな気を付けろ!こいつらも于吉と同じ術を…」
「隙だらけだ!」
「っ!」
そう言っている間にも別の敵が迫り、真横から槍を振るう!
「がっ⁉」
「⁉」
しかし、その敵はルフィによって蹴り飛ばされる!
「ルフィ!」
「落ち着け!」
「⁉」
「消えてるワケじゃねェ!
「…………」
ルフィの言葉に愛紗は息を整える。
「深呼吸している暇があるのか⁉」
また別の敵が愛紗に向かってくる。
「っ!」
愛紗が偃月刀を振るうとその敵は消える。
が…
「ハァーーーッ!」
「ぐあっ⁉」
背後に回ろうとしていた所を愛紗は斬りつける!
「成程!確かにルフィの言う通り!こいつらは倒せる敵だ!」
▽
「うおりゃーーーっ!」
鈴々は一人の敵に向かって、蛇矛を振り下ろす!
「はあーーーっ!」
「⁉うわあああーーーっ⁉」
しかし、相手の掌から炎が噴き出し、押し返される!
「な、何なのだ⁉」
「黒焦げにしてやるわァ!」
混乱する鈴々に向けて、相手は炎を放つ!
「“二刀流七十二
「ぐおおっ⁉」
「!ゾロ!」
しかし、鈴々の背後から飛んで来た斬撃でやられる!
「冷静になれ鈴々!敵がどんな力を使っていようと戦い方は同じだ!攻撃を見極め、時に躱し、時に防いで攻撃する!それだけだ!」
「……わかったのだ!」
ゾロの言葉に鈴々は落ち着きを取り戻し、次の相手に向かって行った。
▽
「な、何なのあんた⁉」
シャオは対峙していた相手が突然鶴に化けた為、困惑していた。
「はっはっは!飛行能力の恐ろしさ、思い知るがいい!」
相手は高く舞い上がると急降下し、嘴でシャオを狙う!
「っ!」
シャオは我に返るが、すでに相手は目前に迫っており、避ける事も躱す事もできない!
「“サイクロン=テンポ”‼」
「がっ⁉」
「⁉」
突然何かが飛んできて敵の横顔に命中し、軌道を逸らした!
「シャオ!大丈夫⁉」
「ナミ!」
「おのれ女ァ!貴様から片付けてやるわ!」
そう言って相手は再び上昇する。
「あ、ちょっと待ちなさいあんた!」
「馬鹿め!待てと言われて待つ奴が…ギャアアア!」
「あ~あ…『上空に雷雲があるからあまり高く飛ぶと危ない』って言おうとしたのに…」
落雷を受けた相手は黒焦げになり落ちてきた。
「シャオ、まずは相手の力を見極めなさい…!」
「え?」
「相手がどんな能力を持っていたとしても、必ず弱点や法則、できる事とできない事がある。それを見極めて少しずつ勝機を見出していくの!」
「!わかったわ!」
そしてナミとシャオは互いに背中を預けて立つ!
▽
「ハァッ!」
華琳は一人の敵に向かって鎌を振り下ろす!
「ふん!」
相手はその一撃を躱し、華琳の腹に手のひらをかざす!
「っ⁉」
その手から何か恐ろしい物を感じた華琳は、反射的に後ろに飛びのく!
「うっ⁉」
次の瞬間、華琳の身体を凄まじい衝撃波が突き抜けた!
(な…何今の⁉咄嗟に後ろに下がったから直撃は避けられたけど…!それでもこの威力って…)
「もう一発くらえ!」
(まずいっ…!)
相手は反対側の掌を向けて向かってくるが、華琳は痛みで怯んでしまい身動きが取れない!
「させるかっ!」
「⁉あなた…!」
すんでの所でウソップが間に入り、自身の掌を相手の掌に重ねる!
「貴様、それは…!」
「やっぱり
動揺した相手の腹にウソップは掌を向け…
「がっ…!」
「⁉同じ技を…⁉」
相手を吹き飛ばした。
(痛でェ~~~!腕がァ~~~!)
▽
「たァァァーーーっ!」
流琉は敵兵に向かって得物を放り投げる!
「ふん!」
「⁉」
しかし、相手の頭が黒く変色し、そのまま頭突きで弾き飛ばされてしまう!
「嘘⁉」
「今度はこっちの番だ!」
相手は今度は腕を黒く染め、流琉に殴りかかる!
「させるか!」
「⁉」
「サンジさん⁉」
そこへサンジが乱入し、頭めがけて脚を振りかざす!
「馬鹿め!」
相手は黒く染めた腕で防御態勢をとる!
「“
「がはァ⁉」
しかし、サンジのその動きはフェイントで、胸を蹴り飛ばされた相手はぶっ飛ばされる!
「あいつらの防御力は高ェが、常に全身が硬いわけじゃねェ。必ず隙はある!そこを狙うんだ!」
「っ!はい!」
▽
「きゃあああ⁉」
蓮華は剣を手に、一人の髪の長い男と対峙していた。
「はははは!どうした⁉そんな遠くにいては私に傷一つつけられんぞ⁉」
「くっ…!」
相手の長い髪が手足の様に動く為、蓮華は相手に近づけずにいた。
「そろそろこちらから行かせて貰うぞ!」
相手がそう言うと、またも髪が動き出し、2本の束になって蓮華に向かって行く!
「危ねェ!」
「きゃっ⁉」
そこへ何者かが乱入し、蓮華を庇う!
「チョッパー殿⁉」
「何だ?狒々か何かか?まァ何でもいい、邪魔するなら容赦せんぞ!」
相手はヒト型になったチョッパーに狙いを変え、髪を操り襲い掛かる!
「オオオオオッ!」
しかしチョッパーは獣型、人獣型に変形し、躱しながら相手の懐に飛び込む!
「何ィ⁉」
「
「ぐおおおおおっ⁉」
動揺した相手に対しチョッパーは、渾身の一撃を放ち吹き飛ばした。
▽
「はァ…はァ…」
「な…何なのじゃこいつら⁉」
粋怜と祭は2人の妖術使いと対峙していた。
「どうだおれ達の“
「もう一回吹き飛ばしてやる!」
そう言うと相手の一人は大きく息を吸い込み…
「ふゥーーーっ!」
「うっ!」
「くっ!」
強く吹きつける!
まるで台風の様な勢いがある息吹に、周囲の石も吹き飛び、粋怜達も動けなくなる!
「今度はおれだ!」
もう一人の男が数本のナイフを口に咥える。
「ふー…」
するとナイフが丸く膨らむ。
「ふっ!」
そして男が口を開けると同時に、ナイフはしぼみながら勢いよく飛んでくる!
「っ!うっとおしいわね!」
「厄介な術じゃ!」
「ははははは!どうだ手も足も出ま…ぐっ⁉」
「うっ⁉」
突然2人の身体に腕が生え、2人は拘束される。
「⁉あれって…」
「ロビン殿の…⁉」
「出す事はできなくても、生やす事はできるわよ。“ツイスト”‼」
「「ぐほォ⁉」」
どこからともなく現れたロビンに関節技を決められ、2人は動かなくなった。
▽
「きゃあ⁉」
「沙和!」
「くそ…何なんやアレは⁉」
凪、真桜、沙和は2人の敵と対峙していた。
「もう一回お見舞いしてやるぞ!」
「おう!」
相手はそう言うと両手に抱えた筒の先端を3人に向け、指先を動かす。
「ぬん!」
「「「アニキ!」」」
その時、フランキーが3人の前に出て盾となる!
金属同士がぶつかる様な音が数回響き、フランキーの足元に小さな鉄球が転がる。
「⁉︎な、何だあいつ⁉」
「何故、コレが効かないんだ⁉」
「お前ら、アレは特殊な絡繰りで作られた弓矢だ」
「なんやて⁉」
動揺する敵をよそに、フランキーは背後にいる3人に話し掛ける。
「筒の先端から普通の弓矢の何倍もの速さで、鏃の部分だけを飛ばす仕組みになっている。
凪!筒の向きと手の動きに注意しろ!そうすればお前の反射神経なら、避けられる筈だ!」
「!わかりました!」
返事をするなり凪は前に飛び出す!
「それと真桜、沙和。無理に敵を倒そうとするな!まずはやられねェ様にして、隙ができたら攻撃しろ!倒せる敵を確実に倒すんだ!」
「成程!」
「了解なの!」
「ぐおっ!」
「がはっ!」
そう言っている間に、凪は前方にいた2人を倒した。
「アニキ!やりました!」
「おう!上出来だ!」
▽
「くゥ…!」
「ひゃはははは!どうしたお嬢ちゃん⁉」
香風は一人の敵と対峙していた。
「このっ…!」
斧を振り上げ向かって行く香風!
「右からか」
「っ!」
しかし相手は動きを先読みして躱す。
「たあっ!」
「左から頭を狙ってくるか?」
相手は頭を下げて躱す。
「てりゃーっ!」
「左からわき腹を狙う……と見せかけて飛び膝蹴りか!」
「ううっ!(何なの…⁉さっきから全部読まれて…!)」
「そろそろこちらからも行かせて貰うぜ!」
相手は剣を抜く。
(まずい…!先読みされたらたぶん受けきれない…!)
「ヨホホホホ!」
「あ…!」
「貴様…!」
ブルックが現れた。
「お嬢さん、余計なお世話かもしれませんが、ご加勢させていただけないでしょうか⁉」
「ううん、助かる!気を付けて、こいつ動きを読む…!」
「成程…ですが私には通じるでしょうか⁉」
そう言うとブルックは剣を抜き、斬りかかる!
「“
「ぐっ…!ぬっ…!」
ブルックが相手になった途端、敵は押され始め、表情からも余裕がなくなる!
「ヨホホホホホ!元々私は速斬りが得意でしてね!そこにガイコツの身軽さが加わって、死後、ますます速くなりました!
いかに動きが読めようとも、手を打つ事ができなければ意味はありません!
“鼻唄三丁”…“
「ぎゃあああっ!」
相手は受けきれなくなり、ブルックにより斬り伏せられた。
▽
于吉がサンジに圧倒された時点で、中方達の実力ではルフィ達に及ばないのは明らかだった。
また、ルフィ達からの助言を受けた愛紗達も少しずつ相手を討ち取りだし、太平道は旗色が悪くなっていった。
于吉はその様子を近くの崖から小方達と見ていた。
「于吉様、我々が押されている様です」
「そうだな…アレはまだか⁉」
「たった今向かわせました!」
「よし…中方達よ!もうこの場に用はない!退却せよ!」
▽
于吉からの退却命令は、当然ルフィ達にも聞こえた。
「あ!あいつあんな所に!」
「逃がすかよ!」
すかさずウソップがパチンコを構える。
「ウオオオオオッ!」
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」
しかし、次の瞬間雄叫びの様なもの聞こえ、全員がその方向を向く。
「⁉何だありゃ⁉」
「獅子⁉」
そこには木でできた巨大なライオンがいた。
ライオンは太平道の術の一つらしく、連合軍の兵士達に襲い掛かっている!
「まさか…あれが“
「華佗殿、モクジュウとは⁉」
「太平道の妖術の一つだ!字の通り木でできた獣の事だ!」
「絡繰りかありゃ⁉」
「あるいは…」
「そんな話は後だ!さっさとアレ仕留めるぞ!」
フランキーとサンジが話し出すのをよそに、ゾロは木獣に向かって行く!
「グオオオオオ!」
木獣はゾロに向かって腕を振り下ろす!
「ぐっ!」
ゾロは二刀を構え、振り下ろされた腕の先にある爪を受け止める!
「こいつ…!爪と牙は鉄でできてやがる!」
「“ストロングハンマー”‼」
「“
「鈴々!我々もやるぞ!」
「無論なのだ!」
フランキーとサンジが攻撃をくらわし、愛紗達も斬りかかる!
「ガオオオオオッ!」
しかし木獣は怯む様子もなく攻撃を続ける!
「何なんだこいつ⁉」
「効いてないの⁉」
「…というより、まるで痛みを感じてねェみてェだ!」
チョッパーがそう言った時…
「“ギア
上空から声が聞こえ、見上げるといつの間にかルフィが木獣の背中の真上に飛び上がっていた!
「る、ルフィさん⁉」
「な、何あの腕⁉」
「でかっ⁉」
「“ゴムゴムの”ォ…“
ドゴオオオォォォン!
ルフィの巨大な一撃をくらった木獣は、胴体が砕け、五体がバラバラになり、動かなくなった。
「し…仕留めたか…?」
「みてェだな…」
そう言うウソップとゾロを始め、麦わらの一味の面々は木獣の残骸を調べ始める。
「……見た所、ただ木で形を作っただけみてェだな…」
「…という事は、やはり能力みたいね…」
フランキーとロビンが呟く。
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
桃香達はその様子を遠巻きに見ていたが…
「あれ?そういえばルフィは?」
蓮華の言葉に辺りを見渡す。
「あ…!あそこ!」
そう言って香風は上を指さす。
「空、飛んでる…!」
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」
その言葉に桃香達も上を見る。
「ち~~~ぢ~~~む~~~…!」
するとルフィが何か叫びながら宙を舞っているのが見えた。
ほどなくしてルフィが落っこちてきた為、桃香達は駆け寄る。
「ルフィさ~ん!大丈夫ですか~⁉」
「ハァ…ハァ…」
「「「「「「「「「「えェ~~~っ⁉」」」」」」」」」」
そこには、二頭身になったルフィが倒れていた。
「る、ルフィ?」
「はわわ~…!」
「り…鈴々達よりちっちゃいのだ…」
「な…何なんですかそれ?」
代表して桃香が訊ねる。
「さっきの身体がデカくなるヤツの反動だよ。使った後、デカくなってたのと同じ時間、縮んぢまうんだ…。今回はちょっとだけだったからすぐ戻るよ…」
「ほんとあなたってヘンな身体しているわね…」
蓮華の一言に、その場にいた全員が同意するのだった。
「!そうだ!于吉は⁉」
華琳の言葉に全員辺りを見渡すが、于吉は勿論、先程まで戦っていた中方達の姿もなかった。
「華佗、金仙丹は?」
「すまない、奪われてしまったようだ…。拡声器の方は破壊されていた為、置いて行ったようだがな…」
▽
「…という訳で、金仙丹は回収しましたが、拡声器等は全て置いて来てしまいました」
〈そうか…。ま、あれは元々使い勝手が悪かった。今後使うつもりはないし、別に構わんだろう。それより…〉
「ええ。天の御遣いは我々の想像以上に厄介な存在ですね…。より念入りに力を蓄える必要があるでしょう」
〈同感だな。所で、おれからは二つ程朗報があるぞ〉
「何でしょう?」
〈一つ目は、仕込みがほぼ完全に終わった。我々の計画も、いよいよ最終段階が近づいてきているぞ〉
「おお、それは…!他の幹部達も上手くやっているようですね!」
〈その通りだ。二つ目は例の実験体の志願者が現れた!〉
「何ですと⁉本当ですか⁉」
〈ああ。おれ達の計画を聞いたら、二つ返事で引き受けてくれた!
すでに何人かの幹部達にも会わせたが、全員気に入ってくれたよ〉
「それは私も是非会っておきたいですね」
〈ああ。一度会っておくといい。それじゃあ、次会う時は洛陽の王宮でだな〉
「ええ。楽しみにしていますよ」
数日更新停止します。