ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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第143話 “七擒七縦(しちきんしちちょう)

「できたよ」

 

『南蛮象の臍の胡麻』を手に入れる為、美以を捕まえてギャフンと言わせる事になったルフィ達は、朱里の指示のもと茎や枝を集め、桃香に人が一人入るほど大きなカゴを作って貰った。

 

「流石手慣れたものですね」

 

「だてに子供の頃から莚や草鞋を編んでいた訳ではないですよ」

 

「―――で、このカゴで何すんだ?」

 

「勿論、孟獲さんを捕まえるんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦その壹、カゴを使うアレ。

 

つっかえ棒をしたカゴを設置し、その下にエサを置く。

棒には縄代わりに蔓を結び付け、その蔓を手に一同は近くの茂みに隠れた。

 

因みにエサは魚である。

肉の方が引っ掛かりやすいのではないかという案もあったが、それだとルフィが引っ掛かりかねない為却下された。

 

「……えっと…朱里ちゃん…」

 

「アレはさすがにバカにしすぎじゃねェか?」

 

桃香は苦笑いし、サンジも同意する。

 

「私が見た所、孟獲さんのおつむのできは良くて鈴々ちゃんと同程度。この策で十分の筈です」

 

さらっと鈴々に対しても酷い事を言う朱里。

 

「いや、でも…」

 

桃香が何か言おうとした時、パサッと音がして…

 

「なんなのにゃ~⁉きゅうにまっくらになったにゃ~!こわいにゃ~!助けてにゃ~!」

 

「ね?」

 

「「…………」」

 

「マヌケだなーあいつ」

 

「…それ、ルフィさんだけは絶対に人の事言えないと思うんだけど…」

 

「失礼だなお前」

 

蒲公英の言葉にルフィは心外そうにするのだった。

 

 

 

 

 

 

「つ、つかまったけどこれくらいじゃ美以はぜったいにギャフンなんて言わないにゃー!」

 

「「「「「「「「…………」」」」」」」」

 

その後、美以を蔓でぐるぐる巻きにしたが、負けを認める様子が一切なく一同は困り果てる。

 

「どうするの?」

 

「しょうがねェから放してやろうぜ」

 

「「「「「「「ええっ⁉」」」」」」」

 

ルフィの言葉に全員の口から驚きの声があがる。

 

「せっかく捕まえたのに⁉」

 

「しかたねェだろ。このまま捕まえてたってコイツ絶対に『南蛮象の臍の胡麻』くれねェぞ」

 

「それはそうですけど…」

 

「だったらよ、こいつ逃がしてギャフンって言うまで何回も捕まえようぜ。それしかねェだろ」

 

「「「「「「「…………」」」」」」」

 

「あの…サンジさん…」

 

「ルフィさんってさァ…」

 

「まんざら馬鹿でもないのか?」

 

仲間になってから比較的日が浅い雛里、蒲公英、焔耶が訊ねる。

 

「あいつはたまーに話の核心をつくんだよ…」

 

最終的にルフィの提案は採用され、一同は美以を解放するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦その貮、鈴々の落とし穴。

 

「孟獲のばーか!」

 

「バーカ!マヌケー!」

 

美以の屋敷に向かって鈴々とルフィは美以の悪口を言う。

 

「知力一桁のフワフワあたまー!」

 

「へんな尻尾のシマシマネコー!」

 

すると怒った美以が得物である先端に巨大な肉球がついた鈍器、虎王独鈷(こおうどっこ)を手に出てきた。

 

「美以はねこじゃないにゃー!にんげんにゃー!」

 

美以が追いかけて来るのを確認しながら、2人は()()()()まで逃げる。

 

「にししし!来てみろバーカ!」

 

「言わせておけばー!―――ん?」

 

そこで美以は目の前の地面に、何かを隠す様に葉っぱが敷かれているのに気づく。

 

「はは~ん!そんなみえみえのおとし穴には、ひっかからないの…にゃーっ!」

 

そう言うと美以は葉っぱが敷かれた地面を軽々と飛び越え…

 

「にゃ~~~⁉」

 

その先にあった、より丁寧に隠された落とし穴に落ちた。

 

「へェ、二段構えの落とし穴か…!」

 

「やりますね鈴々ちゃん!」

 

近くの茂みから感心した様子でサンジと朱里が出てくる。

 

「これは鈴々山賊団を率いていた頃から、よく使っていた策なのだ!

自分は馬鹿じゃないと思っているけど、実際はどこか抜けている奴程よく引っ掛かるのだー!」

 

「愛紗もコレに引っ掛かってたな〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、とある茶店。

 

「へっくし!」

 

「愛紗さんどうしたの?」

 

「おそらく、誰かが噂でもしているのでしょう」

 

「鈴々ちゃんが愛紗さんに会いたがっているのかもしれないわね」

 

「ふふ…そうかもしれませんな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦その參、魅惑のむねむね。

 

「みんな~!いまからおっぱい体操、始まるよ~!右に左に(イー)(アル)!縦に揺らして(サン)(スー)!」

 

「「「「おっきいむねむねにゃ~♪」」」」

 

桃香の呼び掛けに、美以だけでなくミケ、トラ、シャムの3人も一緒に走ってくる。

 

「…………」

 

4人がある程度近づいてくると桃香は近くにあった蔓を引っ張る。

 

「「「「にゃ~⁉」」」」

 

すると地面から網が出てきて美以達を捕まえた。

 

「成功なのだ!」

 

「それは良いんですけど…」

 

近くの茂みから鈴々や朱里達も出てくる。

 

「何でサンジさんと焔耶も捕まってるわけ?」

 

「いや…その……つい…」

 

「桃香ちゅわ~ん♡続き♡続き見せて~♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦その肆、ゴムゴムのねこじゃらし。

 

細長い草を沢山編んで作った巨大ねこじゃらしをルフィの腕に着け、それを美以の屋敷の出入り口で揺らす。

 

「「「「にゃにゃにゃにゃにゃ~~~♪」」」」

 

美以達はとても楽しそうに追いかけまわす。

 

「よっと!」

 

しばらくするとルフィはそれを大きく屋敷の外へ振り回す。

 

「「「「にゃ~~~♪」」」」

 

美以達は大喜びで追いかける様にジャンプし…

 

「「「「にゃ~~~⁉」」」」

 

着地点に用意されていた網の中へと飛び込んで行った。

 

((((((((やっぱり猫だ…))))))))

 

この作戦が成功するのを見て、一同はそう思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦その伍、つき落とし穴。

 

「にゃ!くだものがおちているにゃ!あ!あっちにも!こっちにもあるにゃ!」

 

美以の屋敷から点線状に果物が置かれており、美以はそれをつたって行く。

 

「にゃ?」

 

しばらく進んで最後の果物を拾った時、近くに大きな穴が空いているのに気づく。

 

「にゃはははは~!このくだもので美以をおびきよせて、この穴におとす気だったのかにゃ~!」

 

「…………」

 

美以が穴を覗きながら笑っていると、近くの茂みから雛里が姿を現す。

 

「こんなぜんぜんかくれていない穴に、おっこちたりはしないのにゃ~!」

 

(抜き足…差し足…忍び足…)

 

「おとし穴をかくすのをわすれるなんて、あいつらおおまぬけにゃ~!」

 

「えい」

 

「にゃ~~~⁉」

 

「成程…あえて穴を隠さず、相手が穴に気を取られている隙に背後から近づいて突き落とすのか…!」

 

「雛里ちゃん、よく思いついたね!」

 

「えへへ…!」

 

サンジと朱里に褒められ、嬉しそうにする雛里であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦その陸、孟獲の一本釣り。

 

「にゃ!こんなところにおさかながぶらさがってるにゃ!いただきにゃー!かぷっ」

 

「獲ったどー!」

 

「にゃ~~~⁉」

 

美以が魚にくらいついた瞬間、焔耶が竿を引き上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦その柒、ニセ恋文(ラブレター)作戦。

 

「『孟獲様へ。強くて頭の良い孟獲様が大好きです。日が沈む頃、湖の近くの木の下に来て下さい。美味しいご飯を作れる素敵な人より』

にゃ~!うれしいにゃ~!どこにゃ?おいしいごはんを作れるすてきな人~!どこにいるにゃ~?」

 

「ここにいるぞー!」

 

「にゃ~~~⁉」

 

こうして、美以はその日の内に7回も捕まってしまったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

「くやしいにゃ!くやしいにゃ!くやしいにゃーーーっ!」

 

ルフィ達一行に思いっ切りしてやられた美以は、子分達の前でご立腹になっていた。

 

「こうなったら、こんどは美以たちがあいつらをギャフンと言わせてやるにゃ!」

 

「じゃあ、南蛮兵のみんなをよんでくるにょ?」

 

「いや、あいつらはたった…いー…ある……少ないにゃ!べつにみんなをあつめるひつようはないにゃ」

 

「じゃあどうやってギャフンって言わせるにゃ?」

 

「南蛮族に伝わる、あくりょーの出る谷に行くにゃ!」

 

「あくりょーの出る谷に行ってどうするにゃん?」

 

「あくりょーをパヤパヤにとりつかせて、それであいつらをやっつけるのにゃ!」

 

「パヤッ⁉」

 

美以の言葉に頭上のパヤパヤはギョッとする。

 

「あくりょーがとりついたものは体が大きくなって、おそろしく強くきょうぼうになるにゃ…!そして…食べるとえびの味がするらしいにゃァ!」

 

「食べると…!」

 

「えびの味…!」

 

「じゅるり…♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、美以達4人は谷に着いた。

 

そこは植物がほとんど生えておらず、地面から煙の様な物が噴き出している。

 

「あったにゃ!あの台にゃ!」

 

美以は台座の様な物を見つけ、その上にパヤパヤを置く。

 

「パヤパヤ、ここでじっとしているにゃ」

 

「パヤ…」

 

パヤパヤが迷惑そうに返事をすると、美以はその場から離れる。

 

「パ…パヤヤ……!」

 

やがてパヤパヤの姿が煙にの中に消え、しばらくすると…

 

「パオオオォォォーーーッ!」

 

「「「「おおーーーっ⁉」」」」

 

パヤパヤは巨大な象へと姿を変えた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃のルフィ達。

 

「さてと、今日はどんな罠で孟獲さんを捕まえましょうか?」

 

「たんぽぽがやるー!」

 

「次は鈴々の番なのだ!」

 

「私にもいい考えがあるんですけど…」

 

「おれやりてー!」

 

「私もやりた~い!」

 

「お前達…」

 

「目的忘れて楽しんでねェか?」

 

見るからに楽しそうな朱里達を見て、焔耶とサンジは呆れ気味に言う。

 

「じゃあ誰がやるのか、おっぱいじゃんけんで決めるのだ!」

 

「それだと…不戦敗になっちゃう人が結構いると思うんだけど…」

 

「あうう…私だってまだ将来性はあるもん…」

 

「あーあ…桃香さんのせいで鳳統ちゃん落ち込んじゃった…」

 

「ああっ、ごめん鳳統ちゃん…!私そんなつもりじゃなくて…」

 

「全く…無駄に胸が大きい人はもう少しその辺を配慮するべきなのに、どうして無神経な人が多いんでしょう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃…

 

「「「はくしょん!」」」

 

今度はナミ達3人揃ってくしゃみをしてしまった。

 

「「「?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、ルフィ達一行。

 

「「「「にゃ~~~⁉」」」」

 

「ん?」

 

「どうしましたルフィさん?」

 

「今何か聞こえなかったか?」

 

「え?」

 

次の瞬間…

 

「「「「うにゃにゃにゃにゃにゃ~~~っ⁉」」」」

 

「「「「「「「「わあああァァァーーーっ⁉」」」」」」」」

 

突然近くの茂みから飛び出してきた美以達がぶつかり、ルフィ達は吹っ飛ばされた。

 

「いたたた…」

 

「ちょ…焔耶…重いからどいて…」

 

「桃香ちゃん、鳳統ちゃん、大丈夫か?」

 

「は、はい…」

 

「ありがとうございますサンジさん…」

 

「あー…痛くねェけどびっくりしたー…」

 

「何なのだお前ら⁉いきなり飛び出してきて!」

 

「どうしたんですか?私達今日はまだ何もしてないですよ?」

 

「たたたたいへんなのにゃ!おまえらをやっつけようと思ってパヤパヤにあくりょーをとりつかせたら、急にあばれだしてぜんぜんいうこと聞かなくなったのにゃ!」

 

「?悪霊?」

 

「よくわからないけど、ミケたちにおそいかかってきたにょ!」

 

「おまえらも早くにげた方がいいにゃ!」

 

「うん!うん!」

 

「…何を言い出すかと思えば…」

 

慌てる美以達に対して、朱里は呆れた様子で前にでる。

 

「いいですか?呪いや悪霊なんてものは迷信で、大抵は何かの見間違いや気の迷いに過ぎないんですよ」

 

ズシーン…

 

「そもそも…」

 

ズシーン…

 

…と、淡々と語りだす朱里の背後に巨大な影が地響きと共に迫り…

 

「しゅ、朱里ちゃん⁉」

 

「う、後ろ!後ろ!」

 

「あ、あわわ…⁉」

 

「へ?後ろ?……はわーーーっ⁉」

 

「パオオオォォォーーーン!」

 

「すげー象!」

 

「これが…⁉」

 

「パヤパヤ⁉」

 

「桃香ちゃん達は下がって!」

 

「言われなくても!」

 

サンジが言う前に桃香、朱里、雛里、美以、ミケ、トラ、シャムは全速力で後ろに下がり、ルフィ、サンジ、鈴々、焔耶、蒲公英は身構える!

 

「取り押さえるのだ!」

 

「わかった!」

 

返事をして、蒲公英が真っ先に槍を手に突っ込む!

 

「パオオッ!」

 

「うああっ⁉」

 

しかし真横に振り回された鼻によって、簡単に薙ぎ払われてしまう!

 

「だァっ!」

 

続いて焔耶が金棒で殴り掛かるが…

 

「パオッ!」

 

「ぐあっ!」

 

―――牙で受け止められ、そのまま弾き飛ばされてしまう!

 

「パヤパヤ!悪さは駄目なのだ!」

 

今度は鈴々がそう言いながら蛇矛を手に向かう!

 

「パオーン!」

 

「わわわーーーっ⁉」

 

対してパヤパヤは、大きな耳で風を起こし鈴々を吹き飛ばす!

 

「うにゃ~~~…目が回ったのだ~~~…」

 

「いたた…」

 

「パオー!」

 

鈴々を吹き飛ばしたパヤパヤは、今度は起き上がったばかりの蒲公英に狙いを定め、鼻を振り回す!

 

「危ねェ!」

 

すかさずサンジが前に飛び出し…

 

「“()”…“揚げ物(フリット)”‼」

 

鼻を蹴り上げて軌道を逸らす!

 

「パオッ⁉パオオオォォォ!」

 

攻撃を防がれたパヤパヤは標的をサンジに変え、踏みつぶそうと左前足を上げる!

 

「“ゴムゴムの”……“バズーカ”‼」

 

今度はルフィが攻撃を受け止め、パヤパヤ巨体を押し返す!

 

「パオオオッ⁉」

 

「おい、どうする⁉」

 

「朱里ちゃん!鳳統ちゃん!何か策は⁉」

 

「策と言われましても…悪霊を払う方法なんて知りませんよォ!」

 

「私も…呪いや悪霊の類は、怖いから信じない様にしてたので…」

 

「そんなァ…!」

 

「!あくりょーがとりついたものは、そのあかしとしてあくりょーのしっぽが生えるにゃ!」

 

打つ手なしかと思われたその時、美以が思い出したかの様に言った。

 

「そしてそれを切れば、あくりょーは体から出て行くはずにゃ!」

 

「そうか、わかった!尻尾だな!」

 

美以の話を聞き、サンジが真っ先に飛び出し…

 

「“粗砕(コンカッセ)”‼」

 

パヤパヤの眉間に蹴りをくらわし怯ませる!

 

「「おおおっ!」」

 

その隙に焔耶と蒲公英が息の合った一撃で鼻を地面に叩きつける!

 

「“ゴムゴムの”……“網袋”‼」

 

続いてルフィが四肢を伸ばしてパヤパヤを拘束する!

 

「鈴々!頼む!」

 

「任せるのだ!」

 

そうしてパヤパヤの動きが止まっている間に、鈴々は背中に登って尻の辺りに辿り着く。

 

しかし…

 

「あれ⁉尻尾が二本!赤いのと青いのがあるのだ!どっちを切ればいいのだ⁉」

 

「それはわからないのにゃ!」

 

「鈴々!わかんねーなら両方切れ!」

 

「それはだめなのにゃ!まちがった方を切ったら、もとにもどれなくなるにゃ!」

 

「ど…どうすればいいのだ…?」

 

鈴々は尻尾を見ながら考え込み…

 

「あ…!そうかわかったのだ!」

 

「え⁉鈴々ちゃんわかったって…⁉」

 

「赤い方の尻尾には歯形がついているのだ!きっとこれは昨日孟獲が寝ぼけて尻尾を噛んだ時のやつなのだ!だから悪霊が取り憑いて生えたのは青い方の尻尾なのだ!」

 

「成程!」

 

「すごい鈴々ちゃん!」

 

「よし!じゃあすぐに青い方の尻尾を…」

 

その時だった…

 

バリバリバリ…

 

「ん?」

 

「パオオオォォォーーーッ!」

 

「はにゃーーー⁉」

 

「うおおっ⁉」

 

「うおあっ⁉」

 

「きゃあっ⁉」

 

「鈴々ちゃん!サンジさん!蒲公英ちゃん!魏延さん!」

 

「な、何今の⁉」

 

「ま、まさか…雷⁉」

 

「パオーーーン!」

 

突然パヤパヤが体中に電気を纏い暴れ始めた!

 

その威力によりルフィ以外の4人は吹っ飛ばされてしまう。

 

「あ、あれも悪霊の力なの⁉」

 

「うう…!なんて威力だ…!」

 

「…って、このままじゃルフィさんが…!」

 

「それは大丈夫!ルフィさんは雷平気なの!」

 

「パオッ!パオーン!」

 

「うおおおっ⁉」

 

パヤパヤの方はルフィの拘束を解こうと、電撃を発しながら暴れ回っている。

 

「せっかく切る方の尻尾がわかったのに…」

 

「ルフィー!何とか青い方の尻尾噛み千切れねェか⁉」

 

「わかった!やってみる!」

 

サンジの言葉に、ルフィは首を伸ばして青い尻尾の根元に噛みつく。

 

「コンニャロー!あむ!…ん?何かエビみてェな味すんな?」

 

どうやら言い伝えは本当だったらしい。

 

「くっそ~!噛みにくいなコレ!」

 

ルフィの歯は鉄を噛み砕けるほど強固だが、象の皮膚は柔らかくも頑丈であった為、それこそゴムに近い所がありルフィでも簡単には噛み千切れなかった。

 

「パオッ!パオオオッ!」

 

「ちょ…大丈夫なの⁉いくらルフィさんの身体が伸びるからって、限界はあるでしょ⁉このままじゃ先にルフィさんの方が千切れちゃうんじゃ…⁉」

 

「だが、あの雷がある限り我々は近づけないぞ…⁉」

 

蒲公英と焔耶が不安そうに言った時…

 

ダッ!

 

「え?」

 

「うにゃーーー⁉しびれるにゃーーー⁉」

 

突然美以が飛び出し、青い尻尾を掴んだ。

 

「も、孟獲さん⁉」

 

「な、何やってるんですか⁉」

 

「ぱ、パヤパヤのご主人さまは美以なのにゃ…!だ、だからパヤパヤは美以が助けにゃいと…!」

 

そう言って尻尾を引っ張り出す!

 

「だ、だからって…」

 

桃香が何か言おうとした瞬間…

 

ダッ!

 

「え?」

 

「いだいにょ~!」

 

「でも大王さまをお助けするにゃー!」

 

「にゃ…にゃんー!」

 

ミケ、トラ、シャムまで飛び出し美以と一緒に尻尾を引っ張り出した!

 

「孟獲さん達………っ!」

 

その様子を見た桃香は剣を抜き…

 

「ルフィさん!これを!」

 

ルフィに向かって投げる。

 

「!おう!」

 

ルフィは首を伸ばすと剣の柄に噛みつき…

 

「いっけェーーーっ!」

 

尻尾をめがけて振り下ろす!

 

ザクッ

 

剣は見事に青い尻尾の付け根に刺さり、尻尾は美以達が引っ張ている勢いも手伝って千切れた。

 

「パオオオォォォ~~~…」

 

その瞬間パヤパヤの身体はみるみる小さくなり、元に戻った。

 

「パヤパヤ~…もとにもどったにゃ~…?」

 

「パヤ。パヤヤ~?」

 

「美以はだいじょうぶにゃ~…パヤパヤはだいじょうぶにゃ~…?」

 

「パヤパヤ~」

 

「うわ~ん!パヤパヤよかったにゃ~!ごめんにゃ~!」

 

黒焦げになった美以はパヤパヤに抱き着き、泣いて喜んだ。

 

「大王しゃま~…」

 

「よかったにゃ~…」

 

「にゃん…」

 

「これにて一件落着だな」

 

「全く…人騒がせな連中だね…」

 

「けど、孟獲ってあんなに子分に慕われてるんだから、きっといい王様なのだ」

 

「うん、そうだね」

 

 

 

 

 

 

その後…

 

「ええっ⁉『南蛮象の臍の胡麻』分けてくれるんですか⁉」

 

「美以はまだギャフンって言ってないけど、おまえら美以たちを助けてくれたから、とくべつに分けてあげるのにゃ!」

 

「本当ですか⁉ありがとうございます!」

 

「ただし、一つじょうけんがあるにゃ」

 

「条件?」

 

「『南蛮象の臍の胡麻』は南蛮族にとって大切なものにゃ。だから美以たちはそれがわるいことにつかわれないか、たしかめるひつようがあるにゃ」

 

「それってつまり…」

 

「美以たちもおまえらといっしょに行くにゃ!」

 

「「「「「「「「ええっ⁉」」」」」」」」

 

「それに漢にはすっごいむねむねがごろごろいるらしいから、ついでにそれもけんぶつしたいにゃ!」

 

「それは確かに…見世物にできそうなくらい大きい人達もいますけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃…

 

「「「くしゅん!」」」

 

「…また、三人揃ってくしゃみをしてしまいましたな」

 

「誰か噂しているのかしらね?」

 

「そんな事より2人共、桃花村が見えてきたわよ」

 

「おお!…何だか懐かしいな」

 

「もうみんな、帰って来てるかしらね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けど孟獲さん、私達の村は凄く遠い所にあるんですよ?」

 

「だいじょーぶにゃ!美以たちはまえにとおい巴郡のまちまでおしのびで行ったことがあるのにゃ!」

 

「えっと…私達の村はその巴郡よりも、もっと遠い所にあるんですけど…」

 

朱里は不安そうに言うが…

 

「いいじゃねェか!一緒に行こうぜ!」

 

「私も賛成!」

 

「ルフィさん。桃香さんも」

 

「ほら、よく言うじゃない。『旅は道連れ』…よ…」

 

「『よい子もいっしょ』なのにゃー!」

 

こうしてルフィ達は『南蛮象の臍の胡麻』を手に入れ、美以、ミケ、トラ、シャムを加えて桃花村に向かうのだった。

 

 




次回からまたオリエピソードになります。
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