ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊 作:HAY
今年最初の投稿いきます!
南蛮象の臍の胡麻を手に入れ、美以、ミケ、トラ、シャムを加えたルフィ達は南蛮を後にし、桃花村へと向かっていた。
本来なら道中世話になった水鏡や桔梗達などにも会って、無事目的を果たした事を伝えるべきであったが、事態が事態である為一刻も早く帰る必要があった。
その為、彼女らには手紙で伝える事にし、巴郡や水鏡の庵を経由せず、最短ルートで桃花村へ向かう事にした。
「「「「「「や~まがあるから山なのだ~♪か~わがあっても気にしない~♪」」」」」」
仲良く歌いながら先頭を行くルフィ、鈴々、美以、ミケ、トラ、シャム。
「ルフィさん達と孟獲さん達、すっかり仲良くなっちゃったね」
「明らかに同じ様な性格の方達ですからね」
そんな4人を見ながら後に付いて行く桃香、朱里。
さらにその後ろからサンジ、雛里、蒲公英が続き、最後尾をやや暗い表情の焔耶が歩く。
「焔耶、大丈夫?」
「あ、ああ…大丈夫だ…」
「やっぱり益州…というか厳顔ちゃんの事、気にしてんのか?」
サンジがそう言うと同時に全員が足を止めて焔耶の方を見る。
「まさか反乱が南部だけではなく、益州全体で起こっていたとは思いませんでしたね…」
「その上何人もの武官、文官が一斉に消息不明になり、かなり人手が不足している様でしたね…」
南蛮から益州に戻ったルフィ達は、益州のあちこちで反乱が起こり、その鎮圧の為に桔梗や雷々、電々、美花が駆り出されている事を住民から聞いた。
さらに益州牧の劉璋が気に入っていた黄皓を始め、幾人かの臣下が消息を絶ち、大混乱に陥っているとの事だった。
「あのー魏延さん、そんなに心配だったら私達の事はいいですから厳顔さんの所に戻って…」
「―――っ!いえ!私は桔梗様の弟子ではなくなった身!ここで今の主である劉備殿達を捨てる様では、それこそ桔梗様に叱られてしまいます!」
桃香の言葉を遮り、焔耶は元気よく答えた。
「それに本来の得物である豪天砲も戻りましたし、桔梗様が戦の一つや二つで死ぬ様な事はありませんから!」
「そうですか」
「それじゃあ、気を取り直して桃花村に帰るのだー!」
▽
そして、一行はしばらく歩き続け日が傾いて来た。
「ねェ朱里ちゃん、私達今どの辺りにいるの?」
「そろそろ益州の州境にかかる頃だと思います。…?」
「やっちまえー!」
「怯むなァー!」
キィン!
ガキィン!
「これって鬨の声⁉」
「太刀音みたいなのも聞こえるな…!」
「まさか…どこかで戦が⁉」
「あっちの方から聞こえるのだ!」
音のする方へ向かうと、官軍の兵達と賊軍らしき者達が戦っているのが見えた。
賊軍の方が数が多く、やや優勢なように見える。
そして官軍の兵達が掲げている旗印は…
「あの旗って…曹操さん達の旗ですよね⁉」
「どうしてこんな所に⁉」
「それよりあいつら助けてやろう!」
「ルフィの言う通りだ!曹操ちゃん達の方が旗色が悪そうだ!」
「よォし!突撃だァーっ!」
「「「「おおーっ!」」」」
「美以たちもいくにゃーっ!」
「「「にゃーっ!」」」
ルフィ、サンジ、鈴々、焔耶、蒲公英、美以、ミケ、トラ、シャムは賊軍の横腹に突っ込んで行った。
▽
「このォ!」
その頃、曹操軍の指揮を執っていた流琉は兵を撤退させる為、
「ハァ…ハァ…まだ撤退は終わりませんか⁉」
「もうしばらく時間がかかりそうです!」
「流石にそろそろ…」
「うわー⁉」
「ギャーッ!」
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」
その時、突然賊軍の後方から悲鳴が聞こえてきた。
「まずいぞ!全員急いで撤退しろ!」
「どうした⁉」
「官軍の援軍が突如現れた!すでに百人近い数がやられたそうだ!」
「何ィ⁉」
「急いで逃げろー!」
「退却だ!退却ー!」
(ほっ…)
賊が大慌てで逃げていくのを見て、流琉は胸を撫で下ろすのだった。
▽
「援軍が加勢して賊軍が引き上げた⁉」
先に引き上げていた桂花と秋蘭は、天幕内で兵士から報告を聞いた。
「曹操様の援軍が来るのにはまだ時間がかかるとの事だったが…。我々に加勢してくれたのはどこの兵達だ?」
「今、典韋様が連れて来ます」
「夏侯淵様!荀彧様!」
ちょうどその時、流琉が天幕に入って来た。
「典韋よ、ご苦労だった。まずは無事で何よりだ」
「それで、私達に加勢してくれたのはどこの誰なの?」
「あ、はい。それは…」
「久しぶりだな~!お前ら~!」
「夏侯淵さん、荀彧さんもお久し振りです」
「あんたら…!」
「ルフィ殿!それに劉備殿!」
▽
「成程…南蛮まで行くとは大変だっただろうな」
ルフィ達がここにいる事情を聞き、秋蘭は労う様に言った。
「それで…夏侯淵さん達はどうしてここに?それに曹操さんはどうして来ていないんですか?いつも先陣を切って戦う様な方なのに…」
「話せば長くなるのだが…」
朱里の問いに秋蘭は説明を始める。
「ここ数日、大陸各地で武官・文官の反乱や失踪が一斉に起こり出したのだ」
「ええっ⁉それって…!」
「益州だけじゃなかったんですね…!」
「ああ。そしてそれに伴い、領主の勢力が弱った場所で黄巾党の残党と思われる賊徒達がまた暴れ始めたのだ。
事態を重く見た朝廷は華琳様が黄巾の乱で得た兵力―――今は“青州兵”と呼んでいるのだが、それを当てにして各地に将兵を送る様命令して来てな…。
それ故将や軍師が不足してしまい、我々が先に派遣されて華琳様は別件を片付けてから援軍として来る事になっているのだ」
「そういう事だったんですね…」
「さて…こちらの事情は大体こんな所なのだが…。ルフィ殿達がここを通りたいというのであれば少々厄介な事になるかもしれんぞ…」
「この辺りに巣くっている賊、そんなに手強いんですか?」
朱里が問いかけると秋蘭は地図を広げて説明する。
「まず何よりも数が多い。ざっと見た様子では二万五千はいる。
その内二万の兵がこの山に本陣を築き、残りの五千の兵がこの辺りの山道に布陣している。
この辺りの道を通ろうとすれば必ず奴らは襲って来るぞ」
「どうする?迂回して別の道を捜すか?」
「だが、ここから引き返すならまた益州に戻る事になる。益州内でも反乱が多発しているのであれば、結局足止めされてしまうかもしれんぞ?」
「それに、益州は険しい地形で外部と阻まれていますから、ただでさえ道が少ないです。
もし他の州境でも戦が起きていたら、それこそ身動きが取れなくなってしまうかもしれません…」
サンジの提案に焔耶と雛里は賛同できない様子である。
「…ねェ、あんた達…」
その様子を見て桂花が口を開いた。
「だったら私達と手を組んで、ここの賊を討伐しない?今までの話から考えると、それが最速で帰る方法だと思うわよ?」
「桂花さん⁉」
「どういうつもりだ桂花?」
「だってそうじゃない。迂回してかかる日数やどのみち足止めされる可能性を考えると、賊を討伐して突っ切った方が早そうでしょ?
私達としても賊を討伐する為の戦力が欲しい所だったし、互いに利があると思うわよ?勿論、あんた達さえ良ければの話だけど…」
「おう、それでいいぞ」
「荀彧さんの言う通り、それが一番早そうですし…」
「私も。それに先を急いでいるとはいえ、賊を放っておきたくはないですし…」
「危ない目に遭っているレディーを放って行く訳にはいかねェしな」
桂花の提案にルフィ、朱里、桃香、サンジは賛同し、皆も反対はしない。
「あいつらはこう言ってるけど、秋蘭達はどう?」
「まァ、お主達程の剛の者達に手を貸して貰えるのなら正直助かるが…」
「それじゃあ、手を組むって事でいいわね?」
「ああ。よろしくな」
▽
その夜。
(くっくっくっくっく…)
桂花は自分の天幕で声を殺して笑っていた。
(あーはっはっはっはっは!やったわ!これはまさに天がくれた千載一隅の好機!この機にあの猿を亡き者にしてやるわ!)
それはそれは邪悪な笑みを浮かべていた。
(猿の分際で華琳様の真名を呼んで…!手料理を召し上がって…!あろう事か同じ湯船に入るだなんて!
そりゃああいつが戦えば強い事は認めるけれど、あいつは男なのよ!それもあんな猿同然の奴!
華琳様が万が一にも妊娠なんてしたらどうするのよ⁉この世の終わりよ!天中殺よ!
でも…その憂いもこれまでよ!何千もの兵の中に単騎で突っ込ませれば、いくらあいつでも無事じゃすまないでしょ!
まァでも、念には念を入れて…!くっくっく…!)
ルフィや秋蘭達の知らぬ所で、恐ろしい野望が蠢いていた…。
▽
翌朝、ルフィ、サンジ、鈴々、朱里、雛里、焔耶、蒲公英は秋蘭、桂花、流琉と一緒に軍議をしていた。
因みに…
「劉備のむねはふかふかにゃ~♡」
「むねむねにゃ~♡」
「ぷにぷににゃ~♡」
「ぐ~…」
「あ、あはは…」
軍議の邪魔になるだろうと判断された美以達は参加させず、桃香に天幕の外で4人の面倒を見て貰う事にしたのだった。
「昨日言った通り賊軍の数は二万五千、対して我々の数はたった三千だ」
「いくら何でも少なすぎない?」
「そんな数で良くここまで戦えたな…」
蒲公英と焔耶が驚く。
「具体的な賊の数がわからなくてな…。取り敢えず様子見と時間稼ぎを兼ねて先遣隊として来たのだ。
それに今までは細い山道に柵を築いて陣取り、極力正面衝突を避けてきたからな」
「けど、敵軍はこちらの僅かな隙を確実につく様に攻撃して来ている。このまま防戦一方じゃまずいわ。だから今回は攻勢にでるわよ」
そう言うと桂花は地図を広げて作戦を説明する。
「まず別動隊として布陣している連中を足止めする為に、千人程の兵力でこっちの陣に奇襲を仕掛けるわ。
本陣の連中が来たら一旦撤退して、攻撃が止んだらまた仕掛ける。これを繰り返して足止めして頂戴。
次に敵の本陣に五百の兵で攻め込む。けど、この攻撃は囮。わざと敗走して相手をこの
この辺りにはあらかじめ左右に五百ずつ、合わせて千の兵を待機させておいて、敵がやってきたら奇襲と火で全滅させるのよ」
「確かに、この兵力差を埋めるには火が最も効果的ですね」
桂花の作戦に朱里は頷く。
「それで…我々の配置はどうする?」
「まず別動隊の足止めは典韋と張飛、馬岱と魏延、それからそこの金髪の男にやって貰うわ。諸葛亮と鳳統も軍師としてついて行って頂戴。
囮として本陣に奇襲を仕掛けるのは夏侯淵と帽子のあんた。待ち伏せは私と外にいる劉備達がやる。あいつらでも合図を出すくらいはできるでしょ?」
「この陣の守りはどうする?」
「
「“そうあんみん”って誰なのだ?」
「華琳様の親類の一人だ。数年前に行方不明になっていたのだが先月陳留に戻って来てな」
「あとで皆さんにも紹介しますね」
かくして軍議は終了し、火計の為の草や薪、油などの準備を始めるのだった。
▽
「ちょっとあんた」
「ん?」
準備をしている最中、桂花がルフィに声を掛けた。
「何だ“ネコミミ”?」
「正直な所を言うと、今回の作戦はあんたの強さをかなり宛にしているの」
「ん?」
「だから敵が襲ってきたらあんたには一番後ろに残って秋蘭やウチの兵―――私達の事を守って欲しいの。できる?」
「おう、いいぞ。任せとけ!」
「そう。じゃあ頼んだわよ」
「ああ」
(くっくっく…!)
流琉は麦わらの一味のメンバーを名前で呼びます。