ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊 作:HAY
馬元義は愛紗達を見渡しながら静かに前に出てきた。
「関羽殿、ルフィ殿、張飛殿、孔明殿、ゾロ殿、馬超殿、ナミ殿。劉備殿に黄忠殿、曹操殿に朱儁殿も。まさかこの様な形で再会するとは思いもしませんでいたよ」
「あの時はよくも鈴々達を騙して見捨ててくれたなー!今度こそぶっ飛ばしてやるのだ!」
「これはまた見事に嫌われてしまいましたな。まァともかく、私は太平道の首魁として大陸を制覇し、皇帝を名乗る事にしましたのでよろしく」
「ふざけるな!お前らの支配なんか誰が認めるか!」
「相変わらず威勢がいいですな馬超殿。ですが、この兵力を敵にして勝機がありますかな?」
馬元義がそう言うと同時に、後方に待機していた二百人の兵士が前に出る。
全員白装束を着て仮面も頭巾も身に着けていない事から、太平道の大方だという事がわかる。
「今この場に幹部は左慈どの以外いないが、それでも中方とは一線を画す実力をお持ちですよ?」
「上等だ…!」
翠は槍を手に前に出ようとする。
「待て」
「っ⁉ゾロ⁉」
ゾロは翠を制止すると自身が前に出る。
「取り敢えずこの場は“天の御遣い”に任せておけ」
「⁉」
ゾロがそう言うと同時に、ルフィ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルックも前に出る。
「で、でも…!」
「おれ達の方が慣れてる」
「ゾロ殿の言う通りだ翠」
「愛紗⁉」
「私達は黄巾の乱の時に、奴らの中方の強さを知っている。勝てはしたものの、我々にくらいつく事ができる程の強さだった…!
そして今の目の前にいる奴らは、そいつらよりも強い。おそらく我々と互角に戦える者も多い筈…!
今はルフィ達の戦い見て学ぶべきだ…。天の国の力との戦い方を…!」
「…っ!……わかった…」
愛紗の言葉に翠は下がる。
華琳や雪蓮、他の者達も状況を理解し、前に出たルフィ達の背中を黙って見守る。
「―――お前ら、あいつら任せていいか?」
ルフィは左慈と大方達を示しながら、隣にいるゾロに話し掛ける。
「おめェはどうすんだ?」
「ニセ劉備をぶっ飛ばす」
「そうか。わかった」
「なんだかエニエス・ロビーの時を思い出すわね…」
「あん時は逃げきれば良かったけど、今度は倒さねェといけねェな…」
「けど、状況はあの時より優勢だと思うぜ」
「あの時は千人以上の衛兵やCP9共とやり合った後だった。今は体力がある」
「彼らが海軍本部の中佐や大佐程強いとも思えないしね」
「おれも全然動けなかったしな」
「私も、その時はいませんでしたからね」
そんな会話をしながら麦わらの一味の面々は身構える。
「……そういえば、ルフィ殿には以前私の顔を殴られた事がありましたな…」
そう言うと馬元義は袖口から一回り程大きくなった手を出し、ルフィの前に出て一対一で睨み合う。
「―――掛かれェーーーっ!」
「「「「「「「「「「おおーーーっ!」」」」」」」」」」
馬元義の掛け声と同時に左慈と200人の大方達は襲い掛かり、麦わらの一味の8人はそれを迎え撃つ!
「うおおおおおーーー!」
ルフィも右腕を後方に伸ばしながら馬元義に向かって行く!
「“ゴムゴムの”…“
ルフィの一撃が馬元義の腹に叩きこまれる!
「ふふふ…」
「⁉」
しかし馬元義は痛くも痒くもない様子で笑みを浮かべ、左手でルフィの肩を掴む。
「はァ!」
そのまま右手でルフィの腹を殴る!
「⁉」
途端に叩きこまれた腕が爆発し、ルフィは吹っ飛ばされる!
「うあァ⁉」
「いかがですかな?殴るたびに爆発する『窮奇の腕』の威力は?では次は…」
馬元義は左手の掌をルフィに向ける。
掌が怪しげに光り出し、しばらくすると小さな光がルフィに向かって飛び出す。
「⁉」
ルフィは反射的にその場から飛び退き光を避ける。
「うおっ⁉」
次の瞬間、光が当たった地面が爆発しルフィは吹っ飛ばされる!
「な、何だ今の⁉ビームか⁉何であいつがビーム使えんだ⁉」
「左腕には光の矢を撃つ弩が仕込んであります。さらに…」
「⁉」
馬元義は宙を飛びながら一瞬でルフィとの距離を詰め、左手で殴る!
「うっ⁉」
殴られたルフィの体をすさまじい衝撃波が襲う!
「まだまだ!こんなものではありませんぞ!」
「ぐあっ!」
今度は右腕から斬撃が飛びルフィを襲う!
「『龍の蹄』で空を駆け、『赤兎馬の蹄』で瞬時に移動する!右腕には“
馬元義が白装束を脱ぎ捨てると金色の鎧が現れる。
「この玄武の甲羅で作られた鎧により防御も万全!さァルフィ殿…私に勝てますかな…⁉」
「………!」
▽
一方、ゾロは左慈と対峙していた。
「“
二刀を手にゾロは左慈に斬りかかる!
「っ!」
左慈は両手に鉄扇を構え、攻撃を受け止める。
「“刀剣の御遣い”か…!いいだろう…!おれも足技―――“
そう言うと左慈は後ろに飛びのき、“
「“
空中で足を振りかざし、無数の斬撃を放つ!
「おおおおおっ!」
ゾロはそれらを全て捌き、再び左慈へ向かって行く!
▽
ルフィとゾロが一騎打ちをしている隣で、ナミ達も大方達と激戦を繰り広げていた。
「“
「「「ぎゃあああああ!」」」
「あの女ァ!」
「やっちまえェ!」
二人の男が剣を手にナミに斬りかかる!
「“
「「ぐへァ⁉」」
「ナミさんには指一本触れさせねェぞ!」
「あの男ォ!」
「嚙み殺してやらァ!」
「っ!」
二人の男が体の一部を、それぞれ白鳥とマムシに変えサンジに襲い掛かる!
「やっぱり能力者もいやがる―――かっ!」
「「ぐはっ!」」
一瞬で返り討ちにするサンジ!
「おのれ天の御遣い!」
「空中から行くぞ!」
2人の男が“
「“必殺アトラス彗星”‼」
「「ぐああっ⁉」」
「空中なら手出しできねェとでも思ったのか⁉全員撃ち落としてやる!」
「やられるかよ!」
「うおっ⁉」
宙を飛ぶ板の様な物に乗った一人が斬りかかり、ウソップは間一髪で避ける!
「あれは…!空島で見た“ウェイバー”!」
「さすが天の御遣い!よく知ってるじゃねェか!ならコレの怖さもよくわかってるだろ⁉」
そう言って再びウソップに襲い掛かる!
「“
「ほごァ⁉」
しかし、ロビンが関節技をかけて仕留める。
「対処法もよく知ってるわよ」
「“ウエポンズ・
「ぎゃあ!」
「おらァ!どんどんかかって…うおっ⁉」
「フランキー!“
突然地面に開いた穴にフランキーは落ちそうになり、ロビンに助けられる。
「何だ⁉こんな所に落とし穴が⁉」
「おそらく“ワナワナの実”!材料さえあれば一定範囲内に考えるだけ自在に罠を設置できる能力よ!」
「成程…」
「死ねェ!」
大方の一人がフランキーに向かって銃を連射する。
「厄介な能力だな!」
フランキーは腹で弾丸を受け止める。
「⁉何だ⁉何で銃が効かねェ⁉」
「“
「「「「「ギャ~⁉」」」」」
フランキーは銃を撃ってきた相手を後ろにいた数人ごと吹っ飛ばした。
「“
「うあァ~!」
「⁉ブルック!足元!」
「ヨホッ⁉」
チョッパーが叫んだ瞬間、ブルックの足元から無数の槍が飛び出してきた!
「“
チョッパーはブルックを抱えて跳び上がり、間一髪で躱す。
「た、助かりました…!」
「何だ今の⁉」
「聞いた事があります!植物を植えて育てる様に、地面に埋めた物を何でも
「隙在りィ!」
「“
「ぐほォ!」
「数も多いし、厄介な能力も多いな…!」
「一瞬たりとも気を抜けませんね…!」
ナミ達7人は可能な限り離れないようにし、互いに背中を守り合い援護をしながら戦い続けた。
▽
「……な、なんて戦いなの…⁉」
目の前で繰り広げられる“太平道”と“麦わらの一味”の戦いを見て、雪蓮はその言葉をやっと絞り出した。
「れ、麗羽様…」
「猪々子さん…斗詩さんと真直さんもよく見ておきなさい…!あいつらからこの国を守る為には、あの戦いの中に身を投じる事になるのですよ…!」
「はい…」
「こ…これは本当に現実の戦いなの…⁉」
「夢幻でも何でもないみたいね…」
ルフィ達の戦いを始めてみる楼杏や風鈴達は、目の前で行われている戦いの異質さに驚愕する。
「れ…恋殿…」
「…………」
声を掛けてきたねねに恋は黙って首を横に振って返す。
「呂布でも迂闊に手を出せないか…」
焔耶が呟く。
「今更かもしれないけどさ…ナミ達って本当に凄いよね…。たった九人であんな奇怪な技を使う奴らを二百人も相手にできるなんて…」
「何も知らない私達が戦っていたら、あの多彩な妖術の前に翻弄され、まともに戦えなかったでしょうね…」
シャオと明命の言葉に全員が同意する。
自分達では迂闊に手を出す事ができないレベルの戦いに、彼女達はただ黙って戦況を見守る事しかできなかった。
「ぐうっ⁉」
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」
左慈によって後退させられたゾロが目前に迫って来た。
「だいぶ押されちまった…!確かに筋力はとんでもねェくらい上がってやがる…!」
「ははは!どうだ⁉恐れ入ったか⁉“
左慈は空中に跳び上がると高速で縦回転を始める。
「“
そのまま自身の体を丸鋸の様にして突進してくる左慈!
「“二刀流
ゾロは二刀でそれを受け止め…
「ウラァ!」
「ぐっ!」
左慈を押し返す!
「あの男があそこまで必死になるとは…!」
「だが…恋を軽くあしらっていた左慈を押し返せている…!」
凪と華雄を始め、全員左慈とゾロの実力に驚く。
「おのれェ!“六式剣技”…」
「“二刀流居合”…」
左慈は両手の鉄扇を、ゾロは二刀を構え…
「“
「“羅生門”‼」
「「「「「「「「「「っ⁉」」」」」」」」」」
ドン!と轟音を立てて両者の得物がぶつかり合い、衝撃の余波が後ろにいる桃香達にも飛んで来る。
「す、凄い衝撃なの…!」
「こ、こんだけ距離を取っているのにここまで来るんか…⁉」
沙和と真桜が気圧されながら呟く。
「「おおおおおっ!」」
2人はしばらく押し合った後、同時に飛び退いてから一気に距離を詰め、再び斬り合いを始めた。
「本物の…怪物の様な者達の戦いね…」
「アレが…天の国戦いか…」
「あんな戦場を師匠達は何度も切り抜けてきたのか…」
燈、思春、春蘭が呟く。
「天の国にはあれ程の……あれ以上の剛の者達が一体どれ程いるというのだ…⁉」
「ぐああっ!」
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」
星が呟いた時、再び誰かが桃香達の前に吹っ飛ばされてきた。
「いっで~…!くっそォ~…!」
「っ!ルフィ!」
「はっはっは!無様ですなルフィ殿!」
「っ!馬元義…!」
「宙を自由自在に舞い、遠くから斬撃と光の矢を撃ち続けられては、流石のルフィ殿でも手も足も出ませんな!おまけにこの鎧の前にはあなたの攻撃も全く効かない!」
「ハァ…ハァ…あんにゃろ~…!」
(そ、そんな…!ルフィさんが押されているなんて…!)
(る…ルフィでも駄目なのか…⁉)
まともに立てない程疲弊しているのか、ルフィは右手を地面につき、大きく足を開いた状態で立っている。
そんなルフィの様子と余裕の笑みを浮かべる馬元義を見て、桃香達は危機感を覚える。
「現状、どう考えてもあなたに勝ち目はなさそうですよ⁉後ろにいる関羽殿達に助けを請うか、命を落とす前に降伏した方が良いのではないですか⁉」
「ウルセェー!だったらおれも全力でやるだけだァー!」
「…は?」
「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」
その直後、ルフィの足が一瞬グニャリと妙な形に変形したかと思うと、体中が赤くなると同時に湯気が立ち上り始めた。
「“ギア”……“
窮奇の腕・玄武の鎧→首領クリークの大戦槍の爆弾部分とウーツ鋼の鎧
・大戦槍は馬元義の腕力がそこまでない為、首領クリークが使っていた時よりも威力が劣る。
鎧の方はワンピースの世界の技術をもとに恋姫の世界作られたため、経年劣化はしていないが強度はやや劣る。
光の矢を撃つ弩→パシフィスタのレーザー兵器
・ワンピース原作に登場したものと比べ、威力が弱い、発射までに時間が掛かる、連射ができない等の欠陥がある。
龍の蹄・赤兎馬の蹄→ジェルマ66の浮遊装置と加速装置
・馬元義の身体能力がそこまで高くない為、使いこなせておらず、本来の性能を発揮できずにいる。