ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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第172話 “天下分け目の戦い”

 

決戦当日、早朝。

 

突撃部隊の陣。

 

「全員整列!」

 

兵士達は剣や槍の他に敵を押しのける為の巨大な盾を装備し、予定通り左右それぞれ十の隊に並ぶ。

5番目と6番目の隊の間に、ゾロと季衣、サンジと柳琳の遊撃隊が入る。

 

「劉備殿達は馬車の中に。孔明殿と鳳統殿は私と華佗殿と一緒に御者台へ」

 

「ルフィ、肉は入れといた。言っとくが一応身を隠してから食えよ?」

 

「おう、わかった」

 

ルフィはサンジから葛籠を受け取り背負う。

 

「緊張している様だな…。大丈夫か?」

 

蝶の仮面を着け、馬車に乗り込む桃香に華佗が問いかける。

 

「心配には及ばない。作戦通りにやれば必ず上手く行く」

 

励ます愛紗。

 

「鈴々やルフィ達、みんなが付いているのだ!どーんと大船に乗った気でいるのだ!」

 

「鈴々、それを言うなら大……いや、あっているな」

 

そんな鈴々達のやり取りを見て緊張がほぐれたのか、桃香は仮面の下から笑顔を見せるのだった。

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

董卓軍の陣。

 

「賈駆、陳宮、用意はいいですか⁉」

 

「「はっ!」」

 

「これが…きっと私の『董卓将軍』としての最後の戦い…。必ず勝利しましょう!」

 

「「はっ!」」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

袁紹軍の陣。

 

「文醜、顔良、田豊!薄汚い妖術使い共に、我が軍の強さを見せつけておやりなさい!」

 

「「「はい!」」」

 

「そして…必ず生きて帰って来なさい。いいですわね⁉」

 

「「「…!はい!」」」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

孟獲軍の陣。

 

「ミケ、トラ、シャム、かくごはいいにゃ⁉」

 

「もちろんにょー!」

 

「みんなトラがやっつけてやるにゃー!」

 

「ふわァ~…」

 

「南蛮を守るためにも、ぜったいに勝つにゃー!」

 

「「「にゃー!」」」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

何進軍の陣。

 

「よし…行くぞ朱儁!」

 

「いつになく張り切っておりますな」

 

「ここで負ければ、私の可愛い妹にも危害が及ぶからな…。負けられぬのだ!」

 

「天下の大将軍も、妹には敵わぬか」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

黄祖軍の陣。

 

「…では、城壁の上にある兵器はお主に任せてよいのだな?フランキー殿」

 

「おう!砲撃はおれが何とかする!それに、俺の予想通りならほとんど気にしなくていいかもしれねェしな」

 

「?どういう意味だ?」

 

「とにかく、お前らは城からある程度の距離を保って戦え。先頭はおれに任せろ」

 

「了解した」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

公孫賛軍の陣。

 

「皆聞けー!今回の敵は今までのとは比べ物にならない程強大だ!だが恐れる事はない!我らには天の国より現れし九人の御遣いがついている!

皆も虎牢関の戦いとこの一年間で彼らの強さをよく知った筈だ!必ずや彼らが、この戦を勝利へと導いてくれるであろう!」

 

(さすが一軍の大将、格好いいな…!)

 

隣で部下達に演説をする白蓮を見て、ウソップは思う。

 

「臆するな!正義と栄光は我らにあり!勝利を信じて我が白馬にちゅづれー!」

 

「かんだ…!」

 

「この一世一番の見せ場に…!」

 

「やっぱり残念だなァ…」

 

「…………」

 

「お前…いつもこんな感じなのか?」

 

「ほっといてくれ…」

 

白蓮の跨る白馬は、ため息を吐くのだった。

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

洛陽防衛線および天子様の守備兵の陣。

 

「では孫尚香殿。袁術殿も」

 

「私達は“こーら”と火薬の製造に向かいます~」

 

「わかったのじゃ…」

 

「こっちはシャオ達に任せて」

 

「一応軍師やるだけの学はありますので、何とかなると思いますから」

 

「魯粛、尚香様を頼んだぞ」

 

「はい!必ずや張昭様達の期待以上の働きをしてみせましょう!」

 

「それじゃあ張宝さん、張梁さんも行こうか」

 

「ええ」

 

「わかったわ」

 

雷火、穏、燈、喜雨、地和、人和は去って行った。

 

「……ねェ包…大丈夫だよね?」

 

「大丈夫に決まってますよ!……きっと…」

 

「何じゃ?お主らは不安なのか?」

 

「だって…母様や姉様達が死んじゃうかもしれないんだよ?ナミとか曹操とか…袁紹だって…」

 

「麗羽姉様が…死ぬ…?………。あんまりいい気分はしないのう…」

 

「お嬢様?」

 

「邪魔するわよ」

 

不意に後ろから声が聞こえ、一同が振り返ると…

 

「え、ええっ⁉霊帝陛下⁉それに劉協様⁉何太后様に趙忠殿も…⁉」

 

一台の大きな馬車に乗り、空丹達がやって来た。

 

「ど、どうしてこんな所に⁉き、危険ですから早く洛陽の中へ戻って下さい!」

 

「戻らないわ」

 

「ええっ⁉」

 

「この戦で敗(ま)けたら、この国は滅びるんでしょ?」

 

「その通りですよ!この戦いは…」

 

「だったら…ちゃんと見ておかないと…」

 

「っ!」

 

そう言う空丹の顔からは、今までの彼女にはなかった意志の強さが感じ取れた。

 

「霊帝陛下…」

 

「私が皇帝になってからこの国はどんどん酷い事になっていって…今、滅びるかもしれないんでしょ?だったら、私はちゃんと見ておかないと…」

 

「…………」

 

「諦めて下さい…。主上様はもう、国と命運を共にすると決めてしまわれたのです…」

 

「それにどうせこの最前線が破られたら、もう洛陽の中も安全じゃないでしょ?だったら変わらないわよ」

 

「……わかりました。ですが、一つだけ」

 

「何ですか?魯粛殿?」

 

「最後まで死なないつもりでいて下さいね」

 

「ええ、わかったわ」

 

(ルフィ…天の御遣い様…。どうかみんなを…この国を守って…!)

 

白湯はひたすらに祈りを捧げるのだった。

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

曹操軍の陣。

 

「今回、兵を二つに分けて動きます。一つは夏侯惇様、夏侯淵様、ナミ殿、軍師として曹洪様が率い、もう一つは曹操様、曹仁様、ロビン殿、軍師として荀彧殿が率います。

最初に夏侯惇様達の隊が敵に当たり、ある程度戦ったら交代して曹操様の隊が敵に当たります。

この様に二つの隊を交代させつつ、時間を稼ぐのが上策かと」

 

「郭嘉の言う通りね。程昱と郭嘉は陣を守ってちょうだい」

 

「お待ちください!曹操様の隣にいるのが曹仁様とロビン殿と私だけではいささか危険です!」

 

「私も同感です!」

 

「許緒や典韋もいないのですから、姉者も曹操様のお傍に…」

 

「私は大丈夫よ。それとも、自分達の主の強さが信頼できないの?」

 

「そういう訳ではないですが…」

 

「これは間違いなく最善の布陣よ。私だけでなく、全員が生き残り勝つ為のね」

 

「お姉様…」

 

「「…………」」

 

「わかりました…」

 

「よろしい。―――ナミ、ロビン!天の国の兵器を封じるのはあなた達に任せていいのね⁉」

 

「ええ。任せてちょうだい」

 

「風向きも丁度いいし、秘策があるわ」

 

「では、すぐに各自行動開始!」

 

「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

孫策軍の陣。

 

「あらかじめ伏兵をこことこの辺りに配置しておきます」

 

亞莎が作戦を説明する。

 

「まずは先方が敵をこの辺りまでおびき寄せ、そこを二手に分かれた迎撃隊で挟み撃ちにします。それと同時にこちらの伏兵が手薄になった城に襲撃を仕掛けます。伏兵にはチョッパー殿とブルック殿、それから…」

 

「おれが行く!程普、お前も来い!」

 

「大殿⁉」

 

「おれは呉であいつらに城攻めを受けてるんでな…。目には目を歯には歯を…城攻めには城攻め…!やり返さねェと気が済まねェんだよ!」

 

「それじゃあ、先方は私と冥琳が引き受けようかしら?」

 

「姉様⁉」

 

「しぇれ…伯符殿⁉何を勝手な…!」

 

「いいじゃない。久し振りに二人で大暴れしてきましょうよ」

 

「そうだぞ周瑜、行ってこい。口うるさい小姑がいては呂蒙もやりにくかろう」

 

「誰が小姑ですか⁉」

 

祭の言葉に声を荒げる冥琳。

 

「蓮華!」

 

「⁉」

 

雪蓮は蓮華に普段自分が腰に着けている“南海覇王”を投げ渡した。

 

「今回の戦、あなたが本隊の指揮を執ってみなさい」

 

「姉様…」

 

「ほら冥琳~早く来ないと、私だけ先走って二度帰ってこなくなっちゃうかもよ~?」

 

「まったく…」

 

「おし!程普!狸!死体!おれ達も行くぞ!」

 

「仕方がないわね…」

 

「たぬきじゃねェよ!」

 

「死体って…その呼び方なんか複雑…」

 

雪蓮達6人は出て行った。

 

「…………」

 

「では、軍師殿」

 

「っ!は、はい!」

 

「ご指示を」

 

「………っ!黄蓋殿!本体の半分は貴殿にお任せします!」

 

「おう!」

 

「残りは孫権様自ら指揮を!」

 

「わかったわ」

 

「大喬と小喬はこの陣を守っていて下さい!」

 

「「はい!」」

 

「では、出陣!」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

洛陽の防衛線、本陣。

 

「風向きと勢いからしてこのぐらいやな…。周泰はん!どうや⁉」

 

真桜は絡繰り仕掛けの大凧を飛ばし、その上にいる明命に呼び掛ける。

 

「はい!敵の様子がよく見えます!…えーと…」

 

明命は懐から子電伝虫を取り出した。

 

「使い方はこうで良かったかな?」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

洛陽、最西端の物見櫓。

 

その上に水鏡と璃々が待機していた。

周りには電伝虫が何匹もいる。

 

〈プルプルプルプル。プルプルプルプル〉

 

「はい。こちら洛陽の水鏡です」

 

〈洛陽防衛線、本陣の周泰です。敵軍を確認しました!水鏡殿からは見えますか⁉〉

 

「はい!肉眼ではやっと確認できる程度ですが、李典さんとフランキーさんが作った望遠鏡を使えばハッキリと見えます!」

 

〈こちらも今から望遠鏡で確認します!敵の布陣を確認しますので、水鏡殿の方から各陣に報告をお願いします!それから、私はこれから軍需物資輸送隊の方に移りますので、今後は戦況の様子を水鏡殿が随時お伝えする様お願いします!〉

 

「了解しました!」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

突撃部隊の陣。

 

〈プルプルプルプル。プルプルプルプル〉

 

「もしもし?突撃部隊、諸葛亮です」

 

〈曹操軍本陣、郭嘉です〉

 

〈孫策軍本陣、大喬です〉

 

〈こちら何進軍本陣、朱儁〉

 

〈公孫賛軍本陣、公孫賛だ〉

 

〈黄祖軍本陣、黄祖〉

 

〈董卓軍本陣、陳宮なのです!〉

 

〈袁紹軍本陣、田豊〉

 

〈南蛮軍の美以にゃ〉

 

〈洛陽防衛線本陣、張勲です〉

 

〈洛陽防衛線、物資製造班の陳珪です〉

 

〈これで全員ですね?洛陽の櫓にいる水鏡です。周泰殿から敵の布陣についての情報が入りましたので、中継します〉

 

〈こちら周泰、敵影を確認しました!敵の布陣は先日の報告と変わらず、郿塢城を中心に前方に三十万、左右後方に二十万の兵。

郿塢城の中心にある巨大な楼閣の屋上に、金仙丹と馬元義の姿を確認しました。

旗印を確認した所、前方の三十万の指揮官はそれぞれ、先頭は徐州の武官 車胄、中腹は黄門侍郎の黄奎、最後尾が馬謖の様です。

右翼の方は許攸と烏桓族の踏頓、左翼は徐州の武官 張闓と兗州の財産家 田氏、後衛は揚州の政治家である華歆と許貢。残りは郿塢城内に潜伏しているものと思われます〉

 

〈よし…!公孫賛、黄祖、迎撃準備じゃ。作戦通りいくぞ!〉

 

〈了解!〉

 

〈孔明殿の話では敵が乱れてから突撃という事じゃったが、何か仕込みをしておいたのか?〉

 

「仕込みというか…たぶんもうそろそろ…」

 

〈あ…あれ?〉

 

〈どうしたのです周泰殿?〉

 

〈い、今…突撃部隊の待機場所の辺りから誰かが飛び出してきたのですが⁉〉

 

〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈え?〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉

 

「こ、孔明ちゃん!いつの間にかルフィさんがいなくなっているんだけど!」

 

〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈え⁉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

敵軍、先頭の部隊。

 

「おおおォォォ~…」

 

「ん?おい、誰かこっちに走って来るぞ?」

 

「おおおォォォ~~~!」

 

「あ、ほんとだ」

 

「何考えてんだあいつ?たった一人で」

 

「叩き潰してやろうぜ」

 

「一斉にかか…」

 

ドゴォン!

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

「待ってろニセ劉備ィ~~~!ぶっ飛ばしてやる~~~!」

 

「「「「「「「「「「ギャアァァァーーー⁉」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

突撃部隊の陣。

 

「…………」

 

「…予想はしていましたが」

 

「やっぱりこうなったのだ」

 

義兄の奇行に三姉妹はやっぱりと言った様子で呆れる。

 

「……ねェ朱里ちゃん、もしかしてこうなる事がわかっていたの?」

 

「うん♪」

 

姉弟子の人格を見抜く眼に驚く雛里。

 

「趙雲殿…彼は普段からこんな感じなのですか?」

 

「いかにも」

 

「作戦を全然理解していなかったのか…?」

 

驚く凪と華佗。

 

「なァたんぽぽ、あたしが脳筋ならアレは何て言うんだ?」

 

「翠姉様、今まで脳筋扱いしてごめんなさい…」

 

「鶸ちゃん、私生まれて初めて『あの人馬鹿なのかな』って思ったんだけど…」

 

「蒼、間違ってないよその考え方は…」

 

「う~む…焔耶も猪突猛進な方だと思うが、あれ程ではないな…」

 

「桔梗様にそう言って貰えて、安心しました…」

 

「本当に…何をやっているんですかあの人…?」

 

ルフィの脳筋さをあまり直に見たことがない為、戸惑う紫苑。

 

「ゾロさん達はあまり驚かないんだね…」

 

「まァ…わかり切ってた事だからな…」

 

「あいつが作戦通りにじっと待つなんて、奇跡でも起きねェ限りあり得ねェよ…」

 

「奇跡が起きなきゃ作戦通りに待たない人って…」

 

ゾロとサンジの言葉に顔を引きつらせる雷々と電々。

 

「あの人…春蘭様の十倍猪だと思う…」

 

「姉さんの身勝手さが可愛く思えて来たわ…」

 

自分の上司と姉以上の脳筋ぶりに呆れる季衣と柳琳。

 

「ねェ風鈴さん…私達、本当にあの人を信頼して大丈夫なのかしら…?」

 

「私も…ちょっと自信無くなってきたわ…」

 

不安そうになる楼杏と風鈴。

 

「雪蓮達と息が合う時点で何となく察していたけど…」

 

「孫家の者には獣の血が流れていると聞くが、あの者は髪の毛から爪の先まで獣だな…」

 

ため息を吐く梨晏と思春。

 

「お兄ちゃ~ん頑張れ~!」

 

「香風ちゃん…そこは素直に応援する所じゃないと思うの…」

 

「一体いつの間に飛び出して行ったのか…」

 

「ま、まァ…あの勇猛さは頼もしいではないか…」

 

呆れる美花に何とかフォローを入れようとする華雄。

 

「あの人強い。だから大丈夫」

 

「恋がそう言うなら、大丈夫なんかなァ…」

 

そう言いながらも不安を隠せない霞であった。

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

曹操軍の陣。

 

「まさか姉者以上の猪がいるとはな…」

 

「世の中って広いわね…」

 

呆れる秋蘭と桂花。

 

「ぐー」

 

「風、現実逃避に寝るのは止めて下さい…」

 

「ま、こうなるわよね」

 

「皆様…本当に大変そうですわね…」

 

「もう慣れてるから平気よ」

 

「普段彼の手綱を握っていられるあなた達が凄いわ…」

 

ナミとロビンに労りと敬意を抱く栄華と華琳。

 

「ルフィっち~!頑張るっす~!」

 

「行け行け行けェ!全部まとめて蹴散らしてしまえェ!」

 

そして脳筋二人は完全に同調していた。

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

孫策軍の陣。

 

「相変わらず威勢がいいじゃねェか!」

 

「いいじゃない!いいじゃない!やっちゃいなさい!」

 

「…お互い、上に立つ人間に苦労しそうですね…」

 

「まったくだ…」

 

応援する先代と現当主を見てブルックと冥琳は額に手を当てる。

 

「母様や姉様と仲が良いだけあるわね…」

 

「ああいうのに効く薬があればいいんだけどな…」

 

「なんというか…似た様な光景を何度か目にした気がするな…」

 

「世の中人の言う事を聞かない人間ばかりね…」

 

長らく似た様な光景を見てきた宿老二人はため息を吐く。

 

「どうするんですか?」

 

「もう止めようがないですよ?」

 

「諦めるしかないですね…」

 

大喬と小喬の言葉にそう返す亞莎だった。

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

洛陽防衛線、本陣及び物資製造班。

 

「あの人…作戦全然理解していないんですね…」

 

「でも…あまり珍しくないと思うよ。そういう人…」

 

包の言葉に自分の母と姉を思い出すシャオ。

 

「な…何をやっとるんじゃあの孺子は…?」

 

「雷火様が呆れて怒る事すらできなくなるとは~…」

 

「あんな人が船長だなんて…」

 

「ウソップさん…大変そうだね…」

 

ウソップの普段の苦労に同情する親子。

 

「七乃~喉が渇いたのじゃ~」

 

「はーい!今お飲み物持って来ますねー!」

 

我関せずの二人。

 

「さすがルフィは強いわね、白湯」

 

「え…あ…はい…」

 

「趙忠…私一気に不安になってきたわ…」

 

「私もです…」

 

一気に気分が暗くなる瑞姫と黄。

 

「曹操軍にも脳筋の人はいますけど…流石にあれ程の人は初めて見ましたね…」

 

「作戦…大丈夫なのかしら…」

 

「大丈夫だと思いたいけど…」

 

三姉妹の次女と三女はもの凄く不安になるのだった。

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

董卓軍の陣。

 

「孔明さんはこれを見越して作戦を考えていたんだね…」

 

「いう事を聞かないアイツが勝手に突撃して敵を乱すから、それから迎撃しろと…」

 

「部下の心理を掴み、それを生かす策を考える。まさに名軍師なのです…」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

袁紹軍の陣。

 

「あの人作戦完全無視して突撃して行っちゃったけど…」

 

「まー大丈夫じゃねェの?」

 

「天の御遣い様が先陣を切るなんて、形式美に沿った戦い方ではないですか!」

 

「私…時々麗羽様達の考え方が羨ましくなります…。うっ…!またお腹が…!」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

孟獲軍の陣。

 

「ルフィ兄ィがんばるにゃー!」

 

「「「にゃー!」」」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

公孫賛軍の陣。

 

「不思議でも何でもねェ。いつもの展開だ」

 

「そうか…大変だな…」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

黄祖軍の陣。

 

「まァあいつには『待つ』なんて事、不可能だからな…」

 

「猪共め…少しは付き合わされるこちらの身にもなれ…」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

何進軍の陣

 

「か、何進大将軍、あの猪武者の行動には驚きましたが、とにかく敵は乱れました」

 

「そ、そうだな…。よし!敵軍を迎え撃つぞ!突撃だァ!」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

洛陽防衛線、本陣、真桜、明命サイド。

 

「はい!ルフィ殿の突撃で隊列が乱れた所を何進、公孫賛、黄祖の軍が仕掛けました!これより私は運輸に移ります!」

 

〈了解です。ご武運を!〉

 

「李典殿~!下ろして下さ~い!」

 

「了解や~!…けど、ホンマに何しとるんやあの男は…?」

 

「水鏡殿も開いた口が塞がらない様子でした…。考えなしにも程がありますよ…」

 

「まァなんにせよ…いよいよ開戦やな…!」

 

 

 

 

 

攻め入るは、馬元義を皇帝とする百万の異形の軍。

 

迎え撃つは、劉備、曹操、孫策、馬超、厳顔、何進、董卓、袁紹、袁術、公孫賛、陳珪、黄祖、孟獲、そして海賊“麦わらの一味”の連合軍。

 

大陸の命運を決する戦が、今始まった。

 

 

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