ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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第176話 “海賊『麦わらの一味』”

 

郿塢城、七星壇内部。

 

「ここから先へは行かせぬぞ!」

 

「死ねェ!」

 

「…っ!」

 

「「ぐああっ⁉」」

 

向かって来た太平道の中方二人を、愛紗は一瞬で片付ける。

 

「どうした⁉ルフィ達の強さはこんなものではなかったぞ⁉」

 

「邪魔なのだァ!」

 

「“鉄塊(テッカイ)”」

 

「たァーっ!」

 

「がっ⁉」

 

目の前に立ち塞がる大方を鈴々は一太刀で叩き斬る。

 

「体を鉄みたいに硬くしても、今の鈴々達には通じないのだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

七星壇、屋上。

 

内部で暴れる愛紗達の様子を、馬元義が映像電伝虫を通して見ていた。

 

「関羽殿…どうしてあんな汚らしい帽子を被って…。せっかくのお美しい黒髪が隠れてしまっているではありませんか…」

 

その時だった。

 

ドン!

 

「!」

 

突然馬元義の前に轟音と共に()()が飛んできて砂煙が舞い上がった。

少しして、その中から一つの人影が見え始める。

 

「……来ましたか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

七星壇の真下。

 

「ねェ朱里ちゃん…」

 

「うん。今のって…」

 

屋上を見上げながら二人は呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上。

 

「来る事はわかっていましたよ―――ルフィ殿」

 

「ニセ劉備…!」

 

「心待ちにしていましたよ。あなたを叩き潰すこの時を…!」

 

そう言って馬元義は一回りも二回りも大きくなった身体で椅子から立ち上がり、ますます大きくなった手と太くなった腕を振り回す。

さらに右目とその周辺、頭部全体の四分の一ほどが機械になっている。

 

「あれから天の国の兵器でさらに身体を改造し、両腕に『窮奇の腕』と『光の弩』を二つとも組み込んだのですよ。

その代償として身体はここまで大きく重たくなり、鎧を身に纏う事も空を飛ぶ事もできなくなってしまいましたが、兵器が体内に入った分強固さは以前よりも上がっておりますし、跳躍力や走行能力としては十分高いと言えるでしょう。

そして右目を『千里眼』の力で強化。これであなたの動きにもついて行けます。

さらに(ダイアル)もより豊富な種類の物を沢山取り付け、肘には噴風貝(ジェットダイアル)を装着し、殴る力を強化しました」

 

「“ギア”……“2(セカンド)”‼」

 

ルフィは馬元義の話には、何の興味もなさそうにギアを発動させる。

 

「さすがのあなたでも、これでは勝ち目はないでしょう?」

 

「黙れ」

 

「⁉」

 

「おれはお前をぶっ飛ばす!」

 

「減らず口を…!」

 

「“ゴムゴムの”…」

 

「死ねェ!」

 

ルフィが腕を後方へねじりながら伸ばすと同時に、馬元義も拳を構える!

 

「“JET回転弾(ジェットライフル)”‼」

 

「“神速”‼“窮奇腕(きゅうきかいな)”‼」

 

両者の腕がぶつかり、轟音が響き渡る!

 

ルフィvs.馬元義

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城前方、洛陽防衛線。

 

「てりゃーーー!」

 

流琉は得物を振り回し、周辺の敵兵や兵馬妖を一掃する!

 

「凄いですね典韋さん…」

 

「伊達に曹操様の身辺警護を仰せつかった訳ではないですよ!」

 

「っ!陳珪殿!後ろ!」

 

「っ⁉しまっ…」

 

「えい!」

 

燈のすぐ後ろに迫っていた兵馬妖を喜雨が鍬で叩き割る。

 

「喜雨!」

 

「大丈夫…!土を掘るのは得意だから…!」

 

「土くれの分際で空丹様に触れるなァー!」

 

その近くでは黄がノコギリの様な剣を振り回し、片っ端から敵を斬り裂いている。

 

「汚い手で触るんじゃないわよ!」

 

さらにその隣で瑞姫が付近の敵兵をガトリング銃で一掃する。

 

「何太后様…そんなの持っていたんですか?」

 

「空丹様の御身をお守りする為に、張譲が隠し持っていた天の国の兵器の中から、より強力な物を御遣い様方に修繕して貰っておきましたので」

 

瑞姫の銃を見て呟く七乃に黄が答える。

 

「報告で~す!関羽さんと張飛さんと劉備さんが七星壇の内部に成功~!さらにたった今ルフィさんが七星壇の屋上に到達し、馬元義と交戦を始めたとの事です~!」

 

穏が電伝虫を片手に伝える。

その報告は近くの流琉達だけでなく、一緒に戦っている白蓮や麗羽達にも聞こえた。

 

「一応作戦通りにはなっているか…!」

 

「ですが…こちらは洛陽の守備兵達まで投入している状態…!」

 

自分達がやや押され気味である状況に、皆厳しい顔をする。

 

その時…

 

「「よっしゃあァーーー!」」

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

歓喜に満ちた声が二つ、響き渡る。

 

「ついにそこまで漕ぎ着けたか!」

 

「あとはルフィが勝つのを待つだけだァ!」

 

フランキーとウソップはそう叫ぶと、生き生きとした様子で敵に向かって行く。

 

「な、何なのじゃあやつら?」

 

「私達…まだどちらかというと不利な状況なのに…」

 

「もう、自分達の勝利を確信しているみたいなのです…」

 

「余程信頼しているんですね…あの船長さんを…」

 

(そうか…)

 

そんな二人の姿を見て雷火、七乃、ねね、燈は呟き、白湯は気付く。

 

(ルフィがみんなに助けて貰えるのは、ルフィが本当に凄い人でみんなから信頼されているからなんだ…。だからみんなルフィについて行けば大丈夫だって、安心して力を貸せるんだ…。私も…あんな風になりたいな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城内。

 

「……この戦いの勝敗は決したな」

 

懐に入れておいた電伝虫の通信を聞き、ゾロはそう呟く。

 

「…にしても、季衣の奴らどこ行きやがったんだ?」

 

因みにその時、ゾロは案の定季衣達と逸れ、一人で城内を彷徨っていた。

 

「…来たか」

 

「っ!」

 

不意にどこからか何者かの声が聞こえ、ゾロが立ち止まると、近くの建物の屋根から何者かが飛び降りて来た。

 

「!てめェは…」

 

「久しいな、刀剣の御遣い」

 

そう言いながらその人物―――左慈は二双の鉄扇を構える。

 

「……待ちわびたぞこの時を…。この一年間、貴様に斬られた傷が疼いて仕方がなかった…」

 

「そうかよ」

 

「今度は貴様の首を刎ねる算段をつけてきた。覚悟するんだな」

 

「上等だ…!」

 

そして左慈は両手の鉄扇を、ゾロは三本の刀を振りかざし斬りつけ合う!

 

ゾロvs.左慈

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城内、サンジと柳琳の隊。

 

「祝勝会の献立、今の内に考えとかねェとなァ…」

 

「サンジさん?」

 

「…ん?」

 

サンジ達が進んでいると、近くの建物の陰から何者かが姿を現した。

 

「お久し振りです、剛脚の御遣い」

 

「!てめェは…」

 

「于吉…!」

 

「黄巾の乱以来ですねェ…。あの時あなたに蹴り飛ばされたのは、本当に屈辱でしたよ…」

 

「またやられる為に来たのか?」

 

「まさか!今度は私があなたをいたぶってやろうと思って来たのですよ…!この新しい能力(ちから)でねェ!」

 

そう言うと于吉は身体を鳥に変化させる。

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

「“トリトリの実”モデル“駝鳥(ダチョウ)”!飛行能力はありませんが、その代わりに身体能力の強化は“トリトリの実”の中でも優れたものですよ!」

 

「柳琳ちゃん!」

 

「はい!皆さん、援護を…」

 

「すぐにここを離れろ!」

 

「え⁉」

 

「守りながら戦うのは厳しそうだ!気兼ねなく戦えるようにしてくれ!」

 

「……わかりました!皆さん、行きますよ!」

 

「「「「「「「「「「……は、はい!曹純様!サンジ殿!ご武運を!」」」」」」」」」」

 

柳琳と虎豹騎は去って行った。

 

「……逃がしたつもりですか?どうせあなたが敗北すれば同じ事になるのですよ?」

 

「舐めるなよ?ダチョウ料理のレシピもちゃんと頭に入ってんだぞ」

 

サンジvs.于吉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城内、ナミの隊。

 

「“サンダーボルト=テンポ”‼」

 

「「「「「「「「「「ぎゃあああァァァ⁉」」」」」」」」」」

 

ナミは一部の曹操軍の兵を率いて城内を進んでいた。

 

「これ以上痛い目みない内に降参した方が身の為よ?」

 

「随分と大口を叩くじゃない」

 

「⁉」

 

ナミが雷をくらわした敵軍の中から、女が一人立ち上がった。

 

「“電気泡(サンダーボール)”‼」

 

ナミは女に向けて電撃を放つ。

 

「なかなか良い雷ね」

 

「⁉」

 

しかし、電撃をくらったにも関わらず女は平然としている。

 

「あなた…私の兄―――張済を倒した雷使いでしょ?部下からの報告にあったわ」

 

「!…私が倒したのが誰だったかは覚えてないけど、雷を使えるのは私だけだし、間違いなさそうね…。それで、兄の仇を討つつもり?」

 

「まさか!あんな屑の兄どうなろうが知ったこっちゃないわよ!ただ雷使いなら私に好都合だから相手してあげようと思ってただけよ」

 

「好都合?……確かに、雷が効いてないみたいね…」

 

「そうよ。私の名は“張姜子”!太平道“七星将”の一人よ!覚悟しなさい!」

 

ナミvs.張姜子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城後方、城壁。

 

「…着いた」

 

ロビンは戦場を華琳達に任せ、自分は足場を作り城壁の上に登って来たのだった。

 

「天の御遣いか」

 

「!」

 

何者かの声が聞こえ、見ると見覚えのある男が立っていた。

 

「あなた…宣戦布告の時に洛陽に来ていた…」

 

「“黄皓”、“七星将”だ。やっと少しは()り甲斐がありそうな奴が来てくれたか…」

 

「可哀そうな人…もうあなた達の敗北は決しているのに、まだ戦いを続けるの?」

 

「貴様らの仲間の一人が馬元義様と戦っているというアレか?無駄だ。金仙丹の破壊はできん。馬元義様が敗れたとしても、我ら幹部の誰かが必ず阻止する。―――“(ソル)”‼」

 

「っ!」

 

「ぐっ⁉」

 

高速で迫って来る黄皓に対し、ロビンは体に腕を咲かせて拘束する事で、寸での所で動きを止める。

 

「うっとおしい!」

 

「っ!なんて力…!…あなたも六式使いなのね?」

 

「その通りだ」

 

「私怨で悪いけれど、私その技の使い手には容赦できそうにないの…!ひどい事しちゃったらごめんなさい」

 

「容赦してもしなくても、貴様の敗北に変わりはない…!」

 

ロビンvs.黄皓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城内、チョッパーの隊。

 

「おれは天の御遣いだぞー!出て来い幹部ー!」

 

チョッパーは人型に変身し、孫策軍の兵を数名引き連れて城内を進んでいた。

 

(城の中には強い幹部がいるって言ってた。おれがそいつを何とかしないと…!)

 

「うおっ⁉何だアレ⁉」

 

「「「「「「「「「「?」」」」」」」」」」

 

兵士の一人が叫び、一同が見てみると…

 

「氷の建物…⁉」

 

壁から屋根の上まで氷で覆われた建物があった。

 

「な…何でこんな物が…⁉」

 

「もしかしたら中に能力者がいて、そいつの仕業なのかもしれない…!入ってみよう!」

 

 

 

 

 

 

チョッパーを先頭に、一同は中に入った。

 

中は床から天井まで全て氷で覆われ、雪や霜がついている。

 

「なんか…随分棚や箱が多いな…」

 

「倉庫なのかここは?」

 

しばらく進むと広い所に出た。

 

「な、何だァ⁉」

 

そこは一階から三階まで吹き抜けになっており、氷や雪、霜に覆われた棚、箱、壺が山積みになっていた。

 

「これ、全部食料か⁉」

 

「その通りよ」

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

不意に声がして、上から一人の女が下りて来た。

全身に分厚い毛皮の服を身に纏い、手袋などもつけている。

 

「ここは郿塢城の食料倉庫。そして私はここの番をしている者、幹部“七星将”の一人“夢梅道士”よ。この城では食物は私の能力によって保存されているの」

 

「あ…!この女!」

 

兵士の一人が叫ぶ。

 

「気を付けて下さい!こいつは前に呉郡を襲い、孫堅様を苦しめた奴です!この氷や雪はこの女の妖術によるものです!」

 

「あの時、孫堅様も寒さと足元の雪と氷のせいで思う様に動けなくなってしまったんです!」

 

「あら、よく見たら孫家の兵士に獣人の御遣いじゃない。あなた董卓の所にいたんですってね?」

 

「?それがなんだ?」

 

「これも一つの因縁なのかしらね?」

 

そう言うと夢梅道士は能力で氷の爪を作って見せる。

 

「!そうか…月が攫われた時にいたっていう透明な爪を使っていた奴…!」

 

「今度は殺しも許可されているからやりやすいわ…ねっ!」

 

夢梅道士は(ソル)を使い、距離を詰める!

 

「⁉」

 

「“指銃(シガン)”‼“氷牙(ひょうが)”‼」

 

そして兵士の一人に狙いを定め、氷の爪による刺突を放つ!

 

「させるか!」

 

「っ⁉」

 

しかし、チョッパーが間に入り、ヒト型に変身して殴り掛かる!

 

「ちっ!“氷斬(ひょうざん)”‼」

 

夢梅道士は攻撃を躱すと嵐脚(ランキャク)による斬撃と、それに乗せた氷の礫を飛ばす!

 

「よっ!」

 

しかし、チョッパーは獣型に変改すると同時に、ダッシュで攻撃を躱す!

 

(避けたって事は、ロビンの言ってた通り自然系(ロギア)の能力じゃねェんだな!)

 

「すばしっこい奴ね…!」

 

「あいにくおれは雪国出身でな!雪も氷も何て事ねェし、これくらい寒い方が快適で動きやすいくらいなんだ!」

 

「あらそう。じゃあ久し振りに全力で勝負ができそうね!」

 

「みんなは外に!こんな所にその恰好でいたら先に寒さでやられちまう!邪魔が入らない様に入口を守ってくれ!」

 

「わかりました!」

 

「お気を付けて!」

 

「あなた一人で私と戦う気?それに私を倒したとしても、戦況に対して影響はないわよ?」

 

「この戦いはルフィが何とかしてくれるからいい。それよりも、お前の武器であるこの環境におれは適応できる。ならおれはお前と戦うべきだ!何より…お前をぶっ飛ばさねェとおれの気が済まねェ!」

 

「上等よ。かかって来なさい」

 

チョッパーvs.夢梅道士

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城内、ブルックと炎蓮の隊。

 

「下っ端に用はねェ!もっと強ェの出てこいや!」

 

「こんな豪華絢爛な建物を血で汚すのは気が引けるんですけどねェ!」

 

ブルックは炎蓮達と合流し城内を進んでいた。

 

その時…

 

「⁉何だ⁉」

 

「足元が…!」

 

気がつくと地面が流砂の様になり、皆の足が地面にのまれ始めていた。

 

「っ⁉」

 

「っ⁉危ない!」

 

その時、炎蓮とブルックは同時に何かの気配を感じ、ブルックが兵士を一人連れて跳び上がった!

 

「⁉な、何だアレはァ⁉」

 

次の瞬間、巨大なクワガタのアゴの様な物が、兵士のいた地面から飛び出した!

 

「ちっ!逃がしたか…!」

 

そのまま虫のような姿をした何者かが地中から姿を現した。

 

「今のをよく避けられたな。おれの“砂上の陣”でまともに動ける奴などまずいないのだが…」

 

「私、死んで骨だけ。体が軽いので」

 

「成程、沈み方が浅かったって事か」

 

「…てめェ相当強そうだな?幹部か?」

 

「いかにも。孫堅殿なら名前くらい聞いた事あるだろう?荊州の“蔡瑁”、“七星将”だ」

 

「その身体…そして地中から現れた所を見ると、“ムシムシの実”のモデル“アリジゴク”といったところでしょうか?」

 

「正解だ」

 

「皆さん!この方は私が相手をします!先へ行って下さい!」

 

「てめェ何勝手に仕切ってやがる⁉おれの前に現れた奴はみんなおれの獲物だ!」

 

「思う様に歩けないもどかしい戦いより、思いっ切り暴れられる戦いの方がいいでしょう?」

 

「……くくく、言うじゃねェか。行くぞお前ら」

 

「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」

 

「おれはこの城の地中を完全に把握している。屋内に入らない限り逃れるすべはない!地面に立つ者達は、おれが全て皆殺しにする!」

 

「なら、あなたを止めるのが私の役目ですね!ルフィさんが七星壇に辿り着いた今、それで十分でしょう!」

 

ブルックvs.蔡瑁

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洛陽防衛線。

 

「おらァ!幹部はどうしたァ⁉相手になってやるぞォ!」

 

「はっはっは!さてはこのウソップ様を恐れて逃げ出したか⁉」

 

「“嵐脚(ランキャク)”‼」

 

「うおっ⁉」

 

突如上から斬撃が襲い掛かり、ウソップはしゃがんで避ける。

 

「避けられたか」

 

「よく狙って下さいよ」

 

上を見ると二人の男がいた。

一人は月歩(ゲッポウ)を使っており、もう一人は半分鳥に変身して滞空している。

 

「幹部か⁉」

 

「ええ!私は“七星将”の一人“孔融”」

 

月歩(ゲッポウ)を使っている方が名乗る。

 

「同じく“禰衡”」

 

鳥に変身している方が名乗る。

 

「上等じゃねェか!」

 

「おし、フランキー!おれが援護するからお前あいつら…」

 

「ウソップ!鳥人間の方はお前に任せたぞ!」

 

「いやちょっと待てフランキー!あくまでおれは援護に…」

 

「かかって来いやァ!一騎打ちと行こうじゃねェかァ!」

 

「望む所!」

 

「ちょっと待てー!話を聞いてくれー!」

 

「死ね」

 

「うおおっ⁉」

 

虚しく叫ぶウソップに禰衡は容赦なく刀で斬りかかる!

 

「あなたも哀れですな。よりによって稀代の英雄であるこの私が相手になるとは」

 

「う…ううっ!くっそォ!」

 

間一髪で避けたウソップはパチンコを構える。

 

「まさか戦うつもりですか?先程の言動からそこまで強いとは思えませんが…」

 

「うるせェ!この状況で他に選択肢なんかねェよ!」

 

「やれやれ…これだから下等な人間どもは…。自決ができないなら、せめて黙って殺されるべきなのに…」

 

「⁉自決だと…⁉」

 

「そうですよ。私はこの乱世の中で、幾人もの才のない下等な者達を見てきました。

他にも飢える者、病に苦しむ者、肉親の死を嘆き悲しむ者、ただやかましく騒ぐだけの子供や赤子、その様な者達が生きているせいで、どれだけ私が不快な思いをしたか…」

 

「………っ!」

 

「何故才能豊かな私が愚者共の為に貴重な時間を使わなければならないのです?食物や金銭だって、あんな下等な人種に与える分も私が使用するべきだと思いませんか?」

 

「~~~っ!」

 

「私の気分を害さないよう自決してくれるなら、礼の一つくらいは言ってやってもいいですがね…。所詮愚者は天才の道具でしかないのに…」

 

「おいお前…」

 

「?何ですか?」

 

「上を見てみろよ」

 

「?」

 

禰衡はウソップに言われるまま上を見上げる。

 

ボカァン!

 

「⁉」

 

「ぎゃははは!だまし討ち成功だ!」

 

「っ!き、貴様ァ!」

 

「こんな子供騙しの罠に引っ掛かっているくせに何が天才だ!さてはお前自分の得意分野でしか人と比べた事ねェんだろ⁉」

 

「私は剣、政治、学問、芸術、音楽、あらゆる分野で認められた者!生まれた時から才に恵まれた!

そのうえ奇跡的に、この“トリトリの実”モデル“孔雀(くじゃく)”を食し、太平道に勧誘された!私は天に選ばれた人間だ!私を侮辱した罪、万死に値するぞ!」

 

「なら、おれもおれの才能である“ウソ”と“小細工”と“後ろ向きな考え方”でお前に勝ってやる!」

 

ウソップvs.禰衡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“ストロング”…」

 

「“鉄塊(テッカイ)”‼」

 

「“ハンマー”‼」

 

「ぐうっ⁉」

 

フランキーのパンチをくらった孔融は顔を歪ませつつも、頭をめがけて腕を振り下ろす!

 

「“鉄塊(テッカイ)”‼“(さい)”‼」

 

「ぐごっ!」

 

「はァ…その腕の硬さ…鋼鉄の御遣いの名は伊達じゃない様だな…!」

 

「おう…!お前らの体技にも十分対抗できるぜ…!」

 

フランキーvs.孔融

 

 

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