ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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第178話 “主将激突”

 

「たァーっ!」

 

「そりゃーっ!」

 

翠、鶸、蒼は互いに背中を預けながら戦っていた。

 

「だいぶ乱戦状態になって来たな…!」

 

「うん…。陣とか隊列とかもほとんどなくなってきてる…」

 

「みんな…大丈夫だといいけど…」

 

「見つけたぞ。錦馬超とその妹達よ」

 

「「「⁉」」」

 

翠達の前に一人の女と三人の男が現れた。

女は棍を手にスケートボード上のウェイバーに乗り宙に浮いている。

三人の男はそれぞれ剣、棍、金棒を手にし、剣を持っている男は女と同様にスケートボード上のウェイバーに乗っていた。

そしてその内、ウェイバーの男と棍の男に翠達は見覚えがあった。

 

「楊秋!侯選!」

 

「三人同時に見つかるとは運がいいな」

 

「どういう意味です⁉」

 

「おれ達が天の御遣いを討ち取るのはどう考えても無理なのでな。せっかくなら因縁のあるお前らを標的にしようと思って、探していた所だったのだよ」

 

「楊秋達はともかく、そっちの二人には覚えがないんだけど?」

 

「まァお前らは知らないだろうな。教えてやるよ。このお方は“李春香”といい、おれ達の直属の上官だ」

 

楊秋が女を示して言う。

 

「そして韓遂をそそのかして馬騰を亡き者にする事を企てた張本人さ!」

 

「「「⁉」」」

 

「おれと楊秋は実行犯と経過観察者として命令で動いていただけさ。あとこの“苗沢”もな」

 

「じゃあ…その女が母様の本当の仇…!おおおっ!」

 

「お姉ちゃん!」

 

翠は怒りのままに李春香に向かって行く!

 

「ふん!」

 

「ぐあっ⁉」

 

しかし、李春香は棍で翠を吹き飛ばす!

 

「馬鹿が!李春香様は十二黄道将の一人!貴様なんかが敵う訳なかろうが!」

 

「あの時は刀剣の御遣いがいたから退散したが、今回は違う!」

 

「覚悟しろ!」

 

楊秋はウェイバーに乗って剣を手に、侯選は棍を手に翠に襲い掛かる!

 

「させない!」

 

「たァ!」

 

「「⁉」」

 

しかし、鶸が楊秋、蒼が侯選をそれぞれ阻む!

 

「邪魔を…!」

 

「するなァ!」

 

「するに…!」

 

「決まってるでしょ!」

 

そのままそれぞれは数合打ち合う!

 

「だがもう一人いるぞ!」

 

今度は苗沢が金棒を振り回して翠に襲い掛かる!

 

「っ!」

 

翠は巧みに槍を振るい、金棒を受け止める!

 

「隙だらけね!」

 

「⁉くっ!」

 

背後から李春香に襲われ、翠は咄嗟に体を反転させて防ぐ!

 

「おらァ!」

 

「っ!ぐうっ⁉」

 

苗沢が金棒振り下ろすのに気づいた翠は槍で防ごうとするが、李春香の棍で槍を押さえつけられてしまう!

 

(まずい!)

 

金棒が当たると思った次の瞬間…

 

「たあァーーーっ!」

 

「⁉ぬうっ!」

 

何者かが背後から苗沢に襲い掛かり、苗沢は攻撃を中断してその者が振り下ろした槍を受け止める!

 

苗沢に襲い掛かったのは…

 

「たんぽぽ⁉」

 

「翠姉様!助太刀に来た!」

 

「よせ、たんぽぽ!お前にそいつは…」

 

「猪口才な!」

 

苗沢は蒲公英に狙いを変え、金棒振り下ろす!

 

「たんぽぽ!逃げろ!」

 

李春香の攻撃を防ぎながら叫ぶ翠。

 

「っ!」

 

「何ィ⁉」

 

「え…⁉」

 

しかし、蒲公英は振り下ろされた一撃を正面から受け止めず、斜め下に受け流す!

 

「そしてこう!」

 

「ぐふっ!」

 

そのまま間髪入れずにわき腹を石突きで叩く!

 

(たんぽぽの奴…いつの間にあんなに…?)

 

―――――子供というのは不思議なものでしてね…もう大人だと思っていると、思っていたより子供で、まだ子供だと思っていると、思っていたより大人だったりするんですよ

 

未熟者だと思っていた蒲公英が想像以上に成長していた事に驚く翠の脳裏に、ブルックの言葉がよぎる。

 

「……たんぽぽ!あたしはこいつを仕留める!その男、任せていいか⁉」

 

「当然!」

 

翠は蒲公英に背中を預け、蒲公英も翠からの信頼に応えるべく気を入れ直す!

 

「へェ…じゃあ私も本気でやろうかしら?」

 

「小娘が…!」

 

馬超vs.李春香

馬岱vs.苗沢

 

「それじゃあ私達は…」

 

「こいつらだね…」

 

「生意気な…」

 

「おれ達の真の実力を見て驚くなよ?」

 

そして鶸と蒼もそれぞれ片鎌槍を手に、相手に向き直る。

 

馬休vs. 楊秋

馬鉄vs. 侯選

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てい!やっ!たァ!」

 

「ん?」

 

蒲公英が苗沢と戦っているのを、一人の男が遠巻きに見ていた。

 

(アレは確か馬超の一族の馬岱…。おそらく連合軍の主戦力の一人…。あいつを討ち取ればそれなりの手柄になるし一気に流れをこちらに持って来れるなァ…)

 

男はそう言ってバズーカを構える。

 

(まァ苗沢なら死んだりはしねェだろォ。手柄を横取りするようで悪いが、おれは好機を逃さない質なのでなァ…。他の奴の首を頑張って取ってくれやァ…!)

 

男はそう言って銃を撃つ!

 

「ぬあああァァァ!」

 

「⁉」

 

次の瞬間、何者かが間に入り砲弾を防いだ!

 

「武人の勝負に横槍を入れるとは…。ましてや私の前であいつを狙うとはいい度胸だな…!」

 

「お前も連合軍の主将の一人かァ!」

 

男はバズーカを捨て、腰の剣を抜く。

 

「おれの名は“二十八宿将”の“王双”!貴様は何者だァ⁉」

 

「我が名は魏延!巴郡太守厳顔様の元弟子で…馬岱の―――あいつの友達だ!」

 

魏延vs.王双

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!」

 

「トアッ!」

 

巧みに拳と脚を振るい、華佗と凪は敵兵を撃破していく。

 

「中々やりますな華佗殿!」

 

「当然だ!医者たる者、強く健全な身体を維持しておかなくてはな!」

 

その時、一つの人影が殺気を放ちながら華佗へと向かって行った!

 

「っ!」

 

華佗は咄嗟に防御する!

 

「“斬撃(アックス)”‼」

 

「ぐっ⁉」

 

「華佗殿⁉」

 

相手の突進は受け止めたが、突き出された掌から放たれた斬撃が顔をかすめる!

 

「貴様…楊松…!」

 

「久しいな華佗!」

 

「知っているのですか⁉」

 

「漢中の政務官で五斗米道(ゴッド・ウェイドー)の指導者の一人だ…!」

 

「⁉」

 

「お前が裏切り者だったのか!」

 

「ええ。民から感謝されるより、自分が贅沢できる方がいいですから。今では“二十八宿将”というなかなかの地位を得て、結構いい暮らしができていますよ」

 

そう言いながら楊松と呼ばれた小太りの男は構える。

 

「華佗殿、加勢しましょうか⁉」

 

「いや、身内の不祥事は身内で片付けたい!こいつはおれにやらせてくれ!」

 

「了解しました。では自分は…」

 

そう言って凪は空を見上げ…

 

「こいつの相手をします!」

 

上から振り下ろされた拳を受け止める!

 

「…………」

 

「っ!」

 

襲い掛かって来た男は少し距離をとって着地し、再び殴り凪に掛かり、凪は両腕を交差して防御する!

 

「ぐっ!」

 

「…ほう」

 

予想より威力が強かったのか、凪は表情を歪ませ、相手の男は受け止めた凪の強さに感嘆の声を漏らす。

 

「ふう……っ!」

 

凪は小さく息をすると受け止めていた腕をいなし、攻撃に移る。

 

「…“鉄塊(テッカイ)”」

 

「おおっ!」

 

防御する相手の身体に渾身の蹴りをくらわす凪!

 

「ぐっ!」

 

今度は相手の方が表情を歪ませ飛び退く!

 

「あなたも素手での戦闘を行うのですね」

 

「一応手甲は着けているがな。貴様何奴だ⁉」

 

「私は“治無載”、姜族の戦士にして“二十八宿将”の一人!」

 

「ほう…相手にとって不足はないな!」

 

華佗vs.楊松

楽進vs.治無載

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城内、雷々と電々の隊。

 

「ていやーっ!」

 

「ていてーい!」

 

雷々と電々は互いの背中を守りながら敵と戦っていた。

 

「お?懐かしい顔がいるな?」

 

「「!」」

 

上から聞こえた声に二人が顔を上げると、一羽のフクロウが空を飛んでいた。

 

「お前は…!」

 

「王植!」

 

「天の御遣いがいない貴様らの首をとるなど容易い事よ!敵将の首を二つもとれば、ただの大方から幹部に昇格できるやもしれんなァ!」

 

そう言うなり王植は二人に襲い掛かる!

 

しかし…

 

「ふん!」

 

「ゴフッ⁉」

 

「たァーっ!」

 

「がっ⁉」

 

跳び上がった電々がトンファーで王植の頭を殴り、さらに雷々が戦輪で胴を大きく斬り裂く!

 

「雷々達だって強くなったんだ!」

 

「お前なんかに負けないもんねー!」

 

「ほう…少しはやるようだな…」

 

「おれ達で一人ずつ相手に取ろう」

 

「「!」」

 

新たな声が聞こえ、二人が振り向くと二人の男が立っていた。

 

「おれは“二十八宿将”の“潘濬”」

 

「同じく“傅士仁”」

 

「二十八宿将って事は幹部…!」

 

「やるしかないね…!」

 

「いい度胸だ」

 

「果たしてどこまで耐えられるかな?」

 

「「⁉」」

 

そして二人はそれぞれ虫に姿を変えていく。

 

「“ムシムシの実”、モデル“(イナゴ)”!」

 

「同じく、モデル“殿様飛蝗(トノサマバッタ)”!」

 

「行くよ電々!」

 

「うん!七星将軍とかは無理でも、こいつらくらいには勝たないと…!」

 

糜竺&糜芳vs.潘濬&傅士仁

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城外、楼杏と風鈴の隊。

 

「覚悟ォ!」

 

「くっ…!」

 

風鈴は近づいてくる敵を退けようと必死に弓を放つ。

 

「させない!」

 

「ぐおっ!」

 

寸での所で楼杏が助太刀に入り敵を剣で斬り伏せる。

 

「風鈴さん!無理しないで!あなたは指揮能力はともかく個人の武は…」

 

「ありがとう楼杏さん…。でも桃香ちゃん達が頑張ってるのに私が…」

 

「おお!漢の重臣が二人揃っておいでとは…」

 

「「!」」

 

空から聞こえた声に二人が上を見ると虫の様な羽で空飛んでいる男が一人いた。

 

「左豊!」

 

「その羽…!あなたも“悪魔の実”を…⁉」

 

「いかにも!“ムシムシの実”、モデル“蜜蜂(ミツバチ)”!丁度いい!貴様ら二人まとめておれが仕留めてやるぜ!」

 

そう言って左豊は二対の腕に一本ずつ剣を握る。

 

「上等よ!」

 

「やれるものならやってみなさい!」

 

皇甫嵩&盧植vs.左豊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城外、華雄の隊。

 

(月や詠…。他の皆は無事だろうか…?)

 

「華雄ーーーっ!」

 

「っ⁉」

 

突如背後から斬りかかって来た何者かの剣を華雄は受け止める!

 

「その顔…見覚えがあるぞ…。鮮卑の“魁頭”だったな?」

 

「おう、そうよ!貴様董卓軍の中で中々の将だったな!その首おれが貰うぜ!」

 

「できるかな?私はそう簡単に死んだりはせんぞ!」

 

華雄vs.魁頭

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城外、美花の隊。

 

「厳顔の部下の孫乾だー!」

 

「討ち取れー!」

 

「ハァーッ!」

 

「ぐっ!」

 

「がっ!」

 

襲ってくる敵を美花は短刀を投げて討ち取る!

 

「成程。実際に見るのは初めてだが、噂に違わぬ手裏剣の腕だな」

 

「!」

 

声のする方を見ると一人の男が二丁の拳銃を手に立っていた。

 

「苟安…!」

 

「貴様の手裏剣と私の拳銃…どちらが勝つか勝負と行こうか⁉」

 

「望む所!」

 

孫乾vs.苟安

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城外、沙和の隊。

 

「はァ…はァ…」

 

息を整えながら、沙和は周囲の状況を確認しつつ考えていた。

 

(太平道がどんどん前線に出てきているの…。沙和も誰か一人くらい、幹部を倒さなきゃなの…)

 

「お前がこの隊の隊長か⁉」

 

「!」

 

何者かが上から襲い掛かってくるのに気付いた沙和は、とっさにその場から飛び退く!

 

「誰なの⁉」

 

「“二十八宿将”の一人、匈奴の“呼廚泉”よ!」

 

「二十八宿将…!」

 

名前を聞いた沙和は双剣を構える!

 

「何だ?おれに勝つ気か?」

 

「当然なの!(沙和が…沙和がやらなきゃなの…!)」

 

于禁vs.呼廚泉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城内、桔梗の隊。

 

「どけェい!」

 

桔梗は豪天砲の剣先で敵を斬り裂き続けていた。

 

(可能な限り弾は温存せんとな…)

 

そんな事を考えながら桔梗は周囲を見渡す。

 

「ここは…庭園か?」

 

「ああそうだ。侵入者が土足で踏み荒らされると困るんだがな!」

 

「!彭義!」

 

「ああ、おれは“二十八宿将”の彭義。そしてこの庭園の管理を任されている者…!」

 

そう言って彭義は近くの木に触れる。

するとその木が動き出す!

同時に彭義の姿もまるで木のように変化していく!

 

「⁉」

 

「おれは“ヤドヤドの実”の『宿木(ヤドリギ)人間』!触れた植物に寄生し、体の一部とする事で操る事ができる!古い国と同時にお前らの様な古臭い人間も全て消え去り、これからおれ達新しい人間の国が始まるのよ!」

 

「黙れ若造が!貴様ら如きが国を持とうなど、百万年早いわ!」

 

厳顔vs.彭義

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城内、紫苑の隊。

 

「ハァッ!」

 

連続で矢を放ち、次々と敵を倒していく紫苑!

 

「黄忠、久し振りだな」

 

「⁉」

 

名前を呼ばれて紫苑が振り向くと一人の男が立っていた。

 

「貴様は……韓浩!」

 

「いつぞやは我が兄、韓玄が世話になったな」

 

その男はかつての紫苑の主であり、夫の仇としてウソップや燈、喜雨らと共に討ち取った韓玄の弟、韓浩だった。

 

「兄の仇討ちをするつもりですか?」

 

「そんなつもりは毛頭ない。あいつはおれが美味い汁を吸う為の道具にすぎなかったからな。見事に掌の上で踊ってくれたよ」

 

「……はァ…」

 

そんな韓浩の言葉を聞き、紫苑は溜息をつく。

 

「韓玄といいあなたといい、哀れですね…」

 

「哀れだと?」

 

「実の家族でありながらそれを愛する幸せを知らない…。掛ける言葉も見つからないですね…」

 

「哀れなのは貴様だ黄忠!それ程の才を持ちながら、この世の栄華を味わう事なくあの世へ行くのだからな!」

 

そう言うと韓浩は体を変化させる。

 

「“ムシムシの実”モデル“鬼蜻蜓(オニヤンマ)”!喜べ黄忠、もうすぐ愛しき夫のいる場所へ行けるのだからな!」

 

「それはどうでしょうね⁉」

 

黄忠vs.韓浩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郿塢城内、季衣の隊。

 

「でりゃァーーーっ!」

 

ゾロと別れた季衣は鉄球を振り回し、敵を薙ぎ払いながら城内を進んでいた。

 

「出て来い敵将!ボクが相手になってやるー!」

 

「はっ!チビの癖に随分大きく出たじゃねェか!」

 

そう言いながら一人の男が姿を現す。

 

「っ!チビって言ったな⁉」

 

「おれの名は何義!相手になってやるぜチビィ!」

 

「またチビって言ったなァ!」

 

許緒vs.何義

 

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