ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊 作:HAY
洛陽防衛線、孟獲軍。
「うにゃあああーーーっ!」
自慢の身軽さとすばしっこさを生かし、次々と敵兵を討ち取っていく美以。
「⁉アレは何だにょ⁉」
「でっかいゾウだにゃー!」
「またあくりょーが出たにゃん?」
「にゃっ⁉」
ミケ達が示す方を見ると、全身が真っ白な象が美以達の方へ近づいて来ていた。
そしてその白象の背中には……
「見つけたっしゃ孟獲!」
蛇の皮を身に纏った美以と同じくらいの少女が乗っていた。
「木鹿王!」
「お前をたおして、今度こそ南蛮をぜーんぶあちしのものにしてやるっしゃ!」
「そんなことさせないにゃー!」
美以は得物を手に白象に殴り掛かる!
ゴッ!
「にゃっ⁉」
しかし硬い音と同時に弾かれてしまう!
「な、なんなのにゃ⁉このゾウ石みたいに体がかたいにゃ⁉」
「しゃっしゃっしゃ!ざんねんだったにゃ!これは石でできたただの石像っしゃ!あちしが食べた“パペパペの実”ののーりょくでうごかしてるだけっしゃ!」
「にゃ⁉ぱぺぱぺ⁉」
「どうぶつの形をしているものを手でさわっている間、うごかせるのーりょくっしゃ!なぐられてもきられても、いたくもかゆくもないこのゾウには勝てないっしゃ!“二十八宿将”の強さ、思い知るっしゃ!」
孟獲vs.木鹿王
▽
洛陽防衛線、公孫賛軍、袁紹軍。
「麗羽、大丈夫か⁉」
「わたくしはまだまだ平気ですわ!白蓮さんは⁉」
白蓮と麗羽は自分達の兵とほとんど逸れてしまい、今は二人で背中を守りながら戦っていた。
「私は平気だが、馬の方が大分疲れてきているな…」
そう言いながら白蓮は自分が跨っている白馬の様子を見る。
その時…
「“
「ブルアアアァァァ!」
「なっ⁉」
「⁉」
何者かの突進をくらい白馬が倒れてしまう!
「このっ!」
白蓮が相手に剣を振るうと敵はその場から飛び退く。
「白蓮さん大丈夫ですの⁉」
「私は平気だ!それよりも私の愛馬が…!」
そう言いながら馬の腹にできた傷跡を見ると、歯型の様な跡がついている事に気付く。
「へはははは!中々良い肉質だなその馬!」
「貴様、何者だ⁉」
「太平道幹部、“二十八宿将”の一人“張燕”だ」
「⁉あなたが張燕!―――っ⁉」
張燕の姿を見た二人は、皮膚の様子から張燕がただの人間ではない事を察する。
「貴様、その肌は一体なんだ⁉何者だ⁉」
「おれは天の国にいた魚人族の子孫なのよ」
「魚人⁉」
「ルフィ達が言っていた水中でも呼吸ができ、生まれながらに人間の十倍の腕力を持つという種族…!」
「ああそうさ!おれはその血が色濃く表れた
「麗羽!手出し無用で頼む!我が愛馬の仇だ!」
「わかりましたわ!けど本当に気を付けて下さいまし!」
公孫賛vs.張燕
▽
洛陽防衛線、袁紹軍。
乱戦の中、防衛線にいた将兵達は少しずつ離れ離れになってしまっていた。
「麗羽様や真直ちゃん…大丈夫かな…?」
「心配するな斗詩!真直は普段は活躍しないけど結構頭はいいし、麗羽様は…」
「…………」
「……たぶん大丈夫だろう!」
「何か根拠はないの⁉……まァ気持ちはわかるけど…」
猪々子と斗詩は互いの背中を守りながら戦っていた。
「お久し振りねェお二人さん」
「会いに来てやったぜェ!」
「「!」」
声のする方を見ると二人の女性が立っていた。
「許攸!それに逢紀!」
「そっちから来てくれるとはな!捜す手間が省けたぜ!」
「あら?私たちを捜していたの?私達と同じね」
「お前らを仕留めて田豊と袁紹に見せつけてやろうと思ってな!」
「そっちがその気なら相手になるわ!」
「裏切り者には制裁をな!」
「やってみろや!」
「返り討ちにしてあげるわ!」
文醜vs.逢紀
顔良vs.許攸
▽
洛陽防衛線。
戦いが激しくなるにつれて、必要物資の製造班だった将や軍師、地和や人和達も、ほとんど戦いに集中しなければいけなくなってきていた。
「いくでェー!螺旋槍全開やァー!」
「そんな速さでは私には追いつけませんよ!」
「私の立っている場所から十歩以内には、そう簡単には入れませんよ!」
真桜は螺旋槍が何人もの敵を一気に突き飛ばし、明命は素早さで相手を翻弄しつつ斬りかかり、流琉は得物を広範囲に振り回して敵を何人も倒す。
「お二人共!早くこの中へ!」
「わかりました!お姉様!早く!」
「ええ!」
黄に促され、空丹と白湯はコーラの調理用に真桜が改造した移動式の小屋の中に隠れる。
「くっそー!霊帝とその妹の生け捕りという大手柄が目の前にあるのに…!」
「しかし…孫家や曹操軍の連中に徐州の陳親子、朱儁はともかく、何で名ばかりの大将軍の筈の何進や何太后、十常侍の趙忠、数役萬三姉妹があんなに強いんだよ⁉」
「ふん!貴様らのせいで宮廷に出入りできなくなってからは、毎日山で熊や猪を狩っていたからな!それに……一年もあんな化物共と組み手をさせられれば嫌でも強くなるわァーーーっ!」
「ちぃ達だって、普段から歌って踊る為に結構体力つけてんのよ!見くびらないでよね!」
「やっぱりブルックさんに稽古つけて貰って正解だったわね…!」
「私達は天の御遣い達に直接強力な武具を用意して貰ったから、あなた達のより性能がいいのよ!」
「空丹様の為ならば……この趙忠、鬼にでも悪魔にでもなりましょうぞ!」
「だが所詮は多勢に無勢…!大人数で一斉に叩き潰せば終わりだ!」
「おうよ!」
「一気に行くぞ!」
「「「「「「「「「「おおおーーーっ!」」」」」」」」」」
雄叫びと共に兵馬妖や太平道の兵卒を含む敵兵が一気に押し寄せる!
「喝ーーーーーッ‼」
「「「「「「「「「「っ⁉」」」」」」」」」」
しかし突如響き渡った怒喝に兵馬妖以外の敵は委縮して動きが止まる!
「今です!てーーーっ!」
「「「「「「「「「「ぐあああァァァーーー⁉」」」」」」」」」」
そこへ包の合図と共に大量の矢が射かけられ多くの敵がやられる。
「今です!」
「てやーーーっ!」
「たァーーーっ!」
委縮せず攻撃を続けていた兵馬妖達は他の兵達にやられてしまう。
「……まさか本当に効果があるとはな…」
「だから言ったじゃないですか!お師さんの怒喝は敵を圧倒できる武器になるって!普段からあれだけ怒鳴られている包だからこそわかるんです!」
「少々複雑な心境じゃが今のこの状況では使える物は何でも使わねばな…。人間の敵が来たらもう一回やるぞ!弓を用意させておけ!」
「はい!」
「そんな小細工でやられる様な輩ばかりとはね…」
「どいてろ貴様ら」
「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「っ⁉」」」」」」」」」」
そんな声が聞こえ、前にいた敵兵達が左右に分かれて道を開ける。
その先には長い棒の先端に丸鋸の様な刃がついた武器を持った女性と長髪で三日月型の目をした男が立っていた。
「私は“二十八宿将”の“雲英”」
「同じく“胡車児”。…どうやらおれは曹操軍と腐れ縁らしいな…」
「胡車児って曹操様が言うてた…!」
「張繡の配下の…!」
男の名を聞き真桜と流琉が気付く。
「あら?もしかしてあなた、曹操の所にいる絡繰り好きの将?」
「せやで。それかどうかしたか?」
「丁度いいわ。あなたのご自慢の絡繰りがどれ程のものか、私の得物で試してみたかったのよ!」
「上等や!相手したるで!」
李典vs.雲英
「ではもう一人の曹操軍の将はおれが相手をしよう」
「典韋殿!」
「周泰さん、相手は私を指名です!手出しは無用です!」
「助太刀を拒むとはいい度胸だ」
そう言うと胡車児は体を変化させていく。
「え⁉」
「な…⁉なっ…⁉」
「“ネコネコの実”モデル“三毛猫”。切り刻んでやる」
「負けませんよ!」
そう言って流琉は得物を投げつける!
ガキン!
「「「「⁉」」」」
しかし、その攻撃は味方の筈の明命によって防がれてしまった。
想定外の事態に流琉や雷火、包だけでなく胡車児の方も呆気にとられた顔をしている。
「明命⁉お主何をしておる⁉」
「ああっ⁉すいません!本能的にお猫様を守ってしまいました!」
「邪魔しないで下さいよ!てェい!」
「ああっ!お猫様!」
ガキン!
「周泰さん!」
「すいません!すいません!」
「今度こそ!」
「危ないですお猫様!」
ガキン!
「周泰殿~!」
「ああっ!またやってしまいました~!」
「じゃあせめてこの場から離れて下さい!」
「は、はいっ!―――ああ、でもお猫様が気掛かりで…」
ゴン!
「……さっさと退けい」
「はい…」
雷火のゲンコツをくらい明命はようやくその場を離れた。
「では、改めて…!」
「ようやく始められるな…!」
典韋vs.胡車児
▽
一方、その場を離れた明命は…
「うう~…!何とか汚名返上しなくては~…!どこかに幹部はおりませぬか~⁉」
敵将を捜して戦場を駆け回っていた。
「幹部とやりたいならおれが相手になってやるぞ?」
そんな明命の前に一人の男が現れた。
「おれは“秦慶童”。“二十八宿将”だ。貴様は?」
「我が名は周泰!江東の孫家に仕える部将!私の名誉挽回の為にも、その首貰い受けます!」
「孫家の将か!相手にとって不足はないな!」
周泰vs.秦慶童
▽
一方、その頃…
「七乃~!麗羽姉様達もどこへ行ってしまったのじゃ~⁉」
美羽は一人逸れて戦場を逃げ回っていた。
「あら袁術さんではないですか」
「ひっ⁉袁胤姉様⁉」
そこへ運の悪い事に、袁胤が美羽の目の前に現れた。
「丁度良かったですわ。あなたと袁紹はわたくしが自分の手で直接に仕留めておこうと思っていましたの」
「ヒイイイィィィ~~~!」
涙目になって逃げだす美羽。
「逃がす訳ないでしょう!」
しかし太平道の幹部として武術の心得がある袁胤の方が足が速く、美羽は簡単に追いつかれてしまう。
「ご安心しなさい!あなたなんか殺すまでもありませんから命は助けてあげますわ!少し痛い思いして貰いますけど!」
そう言って袁胤は美羽に拳を振り下ろす!
「タァーッ!」
「あうっ⁉」
「⁉」
その時、寸での所でシャオが間に入り袁胤の攻撃を弾いた!
「お、お主…!」
「こんな奴でも一応同盟を組んでいる軍の大将だからね!目の前で死なせる訳にはいかないのよ!」
「あなた、孫家の末娘ですわね?邪魔をするならあなたも叩き潰しますわよ!」
「シャオだって始めっからアンタをぶっ倒すつもりで出てきたわよ!」
孫尚香vs.袁胤
▽
郿塢城外、後方、曹操軍。
「華琳姉ェや柳琳、みんな大丈夫っすかね?」
「なァに、心配無用だ。ルフィ殿達にとことん鍛え上げて貰ったのだ!負ける筈がなかろう!」
「そうっすね!」
仲間達の安否確認ができない事に不安を感じつつも、華侖と秋蘭は互いを励ましながら戦っていた。
「それはどうでしょうか?」
「「!」」
二人が声の方を見ると金髪の女性と小太りの男が立っていた。
「曹安民…!」
金髪の女性を睨みながら秋蘭は声を荒げる。
「どれ程の鍛錬を積もうとあなた方の陳腐な武術で私達の妖術に敵う筈ありませんわ」
「貴様らの天の国から借りただけの妖術が華琳様や姉者の様な才にあふれた者の武術に負けるとでも?」
「流石夏侯淵さん、言いますわね。では、実際に比べてみますか?私とあなたで」
「望む所…」
「秋姉ェ待つっす!」
「華侖⁉」
「こいつはあたしにやらせて欲しいっす!」
「⁉」
「こいつは許せないっす!あたしが倒してやりたいっす!」
そう言う華侖の顔には珍しく怒りが現れていた。
「……そうか。では任せたぞ」
「任せるっす!」
「あらまァ、よりにもよって華侖さん如きが私に勝てるとでも?」
「勝ってみせるっす!」
曹仁vs.曹安民
「では私は…お前の相手をしよう。田氏」
「いやはや、まさか夏侯淵殿と戦う日が来ようとは」
「貴様には出資の面で色々と世話になっていたからな…。この結果は残念で仕方がないな」
「私は武士ではないですからね。利がある方に加わるのですよ」
田氏はそう言って大型の銃を両手で構える。
「成程…我々が最も嫌う輩だった訳か…」
夏侯淵vs.田氏
▽
郿塢城外、後方、孫策軍。
「どうしたの⁉もっと手応えのある奴はいないの⁉」
粋怜は余裕のある表情で敵をなぎ倒していく。
「この様子じゃ幹部ってのも案外大した事ないんじゃ―――っ⁉」
その瞬間、粋怜は何かを感じその場から飛び退く。
ドン!
「⁉」
すると粋怜が立っていた地面から回転しながら何か飛び出してきた。
槍の様に尖った形で回転するそれは…
「貝⁉」
巨大な巻貝は動きを止めると同時に人間の姿になる。
「人間になった⁉…ルフィ君達の言う“能力者”ってやつね…!」
「その通り。実の名前は“シェルシェルの実”モデル“巻貝”だ。久し振りだな程普」
「!あなた華歆⁉」
「あんたらとは結構良い意味で所縁があったが、これもおれの栄華の為だ。潰させて貰うぜ」
「やれるもんならやってみなさいよ!」
程普vs.華歆
▽
郿塢城外、後方、孫策軍。
「ハァッ!」
祭は矢を補充しつつ、敵を倒し続けていた。
「まだまだじゃ!この程度でわしは負けんぞ!」
「あら、孫策軍の黄蓋じゃない」
「!」
声がする方を見ると一人の女が腕を組んで立っていた。
「山越族の尤突!」
「丁度いいわ。私達にとってあなた達は目障りだったし、あなたにはここで消えて貰いましょうか!」
尤突がそう言うと上空に五つの人型の何かが現れる。
「それが貴様の妖術…いや、能力か⁉」
「ええ!私は“シキシキの実”の『式神召喚人間』!五体まで式神を呼び出し、使役して戦う!」
「これは
黄蓋vs.尤突
「ああ、それと一つ助言をしてあげるけど。あんたのとこの主様、もしかしたら相当危険かもしれないわよ?」
「⁉どういう意味じゃ⁉」
「孫文台、孫伯符、孫尚香は知らないけど、孫仲謀の所へはとっておきの奴を向かわせたからね」
「『とっておき』…?……!まさか⁉」
「ま、行かせないけどね!さァ式神達、やってしまいなさい!」
『『『『『御意!ご主人様!』』』』』
「くっ…!」
▽
郿塢城外、後方、孫策軍。
「はァ…はァ…」
隊を指揮していた蓮華は剣を抜いて一人の敵と相対していた。
その相手は…
「まさかあなたがその武器を持って戦うなんてねェ、蓮華…」
「
「あなたみたいな軟弱者にその“南海覇王”は相応しくないわ。私に寄こしなさい」
「断る…!」
「それは孫家の当主…江東の支配者に代々受け継がれてきた王の証よ?あなたにそれを持つ資格があるとでも?」
「資格がないのなら…これから手に入れるまで!孫家の人間として貴様を倒す!」
「渡す気はないのね…。なら力ずくで奪い取るまでよ!」
孫翊の髪が八つの束に別れ、そのうち二つが翼の様になり孫翊は宙に浮かぶ。
「“生命帰還”‼“
孫権vs.孫翊