ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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今回は、愛紗視点での第一話の内容になっています。


第2話 “出会い”

とある世界のとある時代―――

そこは私利私欲に溺れた権力者達が暴政を行い、国家は事実上崩壊、各地に散らばる豪族達が民を治め力を持つ“群雄割拠の時代”を迎えていた。

 

そんな時代に、1人女の武芸者がある山中を歩いていた。

1枚の布をマントのように羽織り、偃月刀を肩に担いでいる。

 

「もう桃の花が咲く季節か…」

 

目の前を舞う花びらを見て、女はそう呟く。

 

「うわあァァァァァ!」

 

「⁉」

 

突如誰かの悲鳴が響き、女は聞こえた方角へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、3人組の旅人が5人程の山賊に襲われているところに出くわした。

 

「やめろ!」

 

女は武器を手にし、山賊達に怒鳴りつける。

 

「おお、こりゃついてる。獲物が1人増えたぜ。しかも女のようだ」

 

しかし山賊達は慌てる様子もなく、女の方に向き直る。

 

「その外套(がいとう)とれよ。場合によっちゃイイコトしてやるぜ」

 

「……世も末だな」

 

女は纏っていた布を脱ぎ捨てる。

すると服の上からでもわかる美しい身体、整った顔、そしてサイドテールにした長く美しい黒髪があらわになる。

 

その黒髪を見て山賊の1人が声を上げる。

 

「!兄貴、コイツもしかして噂の“黒髪の山賊狩り”じゃないですかね?」

 

「何だそりゃ?」

 

「知らないんですか?最近あちこちで賊を退治して回っている、黒髪の美しい女の武芸者の事ですよ」

 

「知ったこっちゃねェ!やっちまえ!」

 

そう言って得物を構える山賊達に対して、女の方も改めて自身の得物、“青龍偃月刀”を構える。

 

「我が名は“関羽”!乱世に乗じて無辜(むこ)の民草を傷つける悪党ども!これまでの悪行をあの世で詫びたくば、かかってくるがよい!」

 

「「「「「オラアアアアアッ!」」」」」

 

山賊達は勢いよく襲い掛かる!

 

ドカッ!ビシッ!ドシュッ!

 

「ふう…」

 

―――が、関羽はいとも簡単に倒してしまった。

 

「あの…ありがとうございました」

 

「おかげさまで無事に村まで帰れそうです」

 

「本当に助かりました」

 

「いえ、当然のことをしたまでです」

 

「この賊共は、今の内に縛ってしまいましょう。後は我々が村のお役人様に引き渡しておきますので」

 

「役人か…」

 

役人という言葉が出たとたん、旅人の内2人が嫌な顔をし、残りの1人も顔をしかめる。

 

「あの、どうかしましたか?」

 

「いや、おれ達の村の役人があんたみたいな人だったら、って思ってよ…」

 

「あいつら賊が襲ってきてもほとんど戦わないくせによ、こういう既に退治された賊を罰してはデカい顔してやがるんだ」

 

「しかも軍備費だのなんだの言って、税はたっぷり取りやがるし…」

 

「…………」

 

3人の言葉に関羽も表情を曇らせる。

 

「もっとしっかりした役人が欲しいよ…」

 

「いや、もう役人なんかアテになんねェよ。“天の御遣い様”に祈るしかねェさ」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人と別れた後、関羽は近くの河原で休んでいた。

 

(天の御遣い様か……)

 

“天の御遣い”

 

それは関羽も幼い頃からよく聞かされていた、御伽(おとぎ)話のような伝説だった。

 

(この空の遥か上に、蒼天を下に敷く天の国がある。

天下が乱れ世に怨嗟の声が満ちる時、九つの流星に乗り九人の天の御遣いが地上に降り立ち、世に太平をもたらす……)

 

伝説を思い出しながら、関羽は空を見上げる。

 

(本当に…そのような人達がいるのだろうか?もし、いるならば…どうか……)

 

キラン!

 

(ん?)

 

キラキラン!

 

(流れ星?昼間から?)

 

キラキラキラン!キラン!キラキラン!

 

(九つの…流星……まさか⁉)

 

ドゴォォォォォン!

 

(!近くに一つ落ちた!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(確かこの辺りに落ちたはずだが……)

 

関羽は流星が落ちたと思われる山に来た。

 

「何だお前ら?」

 

(!誰かいる…⁉)

 

誰かの声が聞こえ、関羽は茂みに身を隠し、声がした方を覗いてみた。

 

「見ての通り山賊だ」

 

「山賊か…久しぶりに見たな」

 

すると、1人の男が10人程の山賊に囲まれているのが見えた。

 

「久しぶり…?まあいい。持ってるモン、身に着けてるモン、全部置いてけ。下着も、草履も、帽子もな」

 

「帽子も…?イヤだね」

 

帽子を渡せと言われた事が気に障ったのか、男の雰囲気が変わる

 

「へッ!おとなしく身ぐる置いてきゃ、命だけは()らないでやろうと思ったのによ!やっちまえ!」

 

「「「「「「「「「「オオオオオッ!」」」」」」」」」」

 

そう言って山賊達は武器を手に襲いかかる!

 

ドカッ!バキッ!ドガッ!

 

「…弱ェなお前ら」

 

―――が、男はいとも簡単に倒してしまった。

しかも男の方は丸腰だった。

 

「なんとお強い……」

 

関羽は思わず声を出して、その男に近づいて行った。

 

「ん?誰だお前?」

 

男が振り返る。

 

わらで編んだ帽子をかぶり、左目の下に傷がある。

その顔立ちはどこか間が抜けており、お世辞にも威厳や神聖さは感じられない。

しかし、男の強さを見た関羽は『この男に違いない』と信じて疑わなかった。

 

「我が名は“関羽”、字を“雲長”と申します。天の御遣い様、お会いできて光栄です」

 

「てんのみつかい?」

 

関羽の言葉にその男は首をかしげるのだった。

 

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