ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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第27話 “怖くなんかない”

ルフィ、愛紗、朱里は、鈴々と合流した後、雷々、電々、美花と一緒に行くことにした。

 

「そんなことがあったんだ」

 

「でも、張飛ちゃんの占いの通りに来てくれなかったら、電々達は危なかったよ~」

 

「張飛さんの占いは、安全な道や近道ではなく、運命(さだめ)として進むべき道を示すのかもしれませんね」

 

愛紗と鈴々がケンカをしたいきさつを聞き、雷々達はそんなことを言うのだった。

 

「あのう、皆さんは占いとかを信じているのですか?」

 

朱里が雷々達に訊ねる。

 

「うん。信じてはいるよ」

 

「全部占い任せってワケじゃないけどね」

 

「どうしても判断を下せない場合には、頼らせていただきますね」

 

「孔明ちゃんは信じていないの?」

 

「私はあまり…。占いとか妖術とか、化物とかの類はあまり信じないことにしてます。

まるっきり出鱈目だとも、言い切れないですけどね」

 

「おれは信じてるぞ。占いも妖術も化物も、あった方が面白ェからな」

 

「お、面白くなどありません!」

 

「そ、そうなのだ!化物なんて、いない方がいいに決まっているのだ!」

 

ルフィの言葉に、過剰に反応する愛紗と鈴々。

 

「「「「「?」」」」」

 

「あ…そ、そういえば糜竺殿達は随分大荷物ですが、何をそんなに持っているのですか?」

 

そんな2人をルフィ達が不思議そうに見ていると、愛紗が露骨にごまかそうとする。

 

「色々あるんだよ。保存のできる食べ物とかお酒とか…」

 

「食器とか武器とか馬具とか、あとその材料の木とか石とか、獣の毛皮に鉄塊に漆でしょ…」

 

「あと、少しではありますが紙や絹、真珠や宝石など高価なものもあります」

 

「皆さんはそれらを使って、生計を立てているんですね」

 

そんなことを話しながら歩いていると、前方に城壁が見えてきた。

 

「お、街か?」

 

「いえ、アレはおそらく関所でしょう」

 

愛紗の言う通り、見えてきた城門は関所だった。

 

ルフィ達が関所を通ろうとすると…

 

「あ、お待ちください」

 

守備兵に呼び止められた。

 

「申し訳ないのですが、ここの門はもう閉めますので…」

 

「え、閉めるって…」

 

「まだお日様は沈んでいないのだ」

 

「ですが、今からここを通るとなると、山中で日が暮れてしまい…」

 

「別に野宿には慣れていますから、問題ありません」

 

「いえ、実は…」

 

「何かあったのですか?」

 

「この先には…化物が出るんです」

 

「「「「「「「化物⁉」」」」」」」

 

「はい。ですから今日は、そこの小道を行った先にある集落に泊まっていただいて、明日の明朝に出発された方が…」

 

「………いかがいたしましょう?」

 

「とりあえず、そこの集落に行ってみましょう。そこでもう少し詳しく話を聞いてから、考えた方がいいかと…」

 

「孔明殿の言う通りですな。そうしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関所の兵士に言われた通り、小道を進むと民家の集落があった。

ルフィ達は、そこで見つけたお寺に泊めてもらうことになった。

 

「ようこそおいで下さいました。私はこの寺の和尚で、“普浄(ふじょう)”と申します」

 

「突然押しかけて、申し訳ありません」

 

「それで和尚様。化物が出るというのは?」

 

「はい。事の始まりは、今から数か月前のことでした。

ある隊商が沢山のお荷物と護衛の兵士を連れ、ここの関所を通ろうとしました。

その時、日はすでにだいぶ傾いていたのですが、皆様はお急ぎだったようで、夜通し歩いて山を超えると言い、ここを通りました。

すると次の日の朝、護衛兵の一人がひどく混乱した様子で、お役人様に助けを求めてきたのです。

お役人様が行ってみると、隊商と護衛兵達が皆深手を負って倒れており、積荷は全てなくなっておりました。

話を聞いてみると、夜中に歩いていたところを、化物に襲われたと言うのです。

それから、夜に山道を通ると化物に襲われ、身ぐるみ剥がされてしまうため、今では『日が出ているうちに山を越えられそうにない者は、関所を通さない』と決められているのです」

 

「しかし、それは化物ではなく、ただの山賊の仕業だとも考えられるのでは?」

 

一通り話を聞いて、美花が訊ねる。

 

「最初はこの辺りの住民や、お役人様もそう考えていたのですが、最初に隊商が襲われた次の晩に調べたところ…しかとこの目で見まして…」

 

「和尚様は見たのですか?」

 

「は、はい。

『死者の怨念が原因かもしれぬので、もしそうなら成仏させてやって欲しい』と言われ、討伐隊と共に向かったのですが…。

闇夜の中で怪しく光る眼、鋭い爪と(くちばし)、大きな翼を広げて闇夜を舞い、物音ひとつ立てずに次々と人を襲うその姿は、正真正銘の化物でした…」

 

「あ…あああ…」

 

「うにゃ~…」

 

普浄の話を聞き、顔を引きつらせ、震えだす愛紗と鈴々。

 

「ねえ、雷々達で化物を退治しよう!」

 

「賛成!」

 

「ええ。こういう時こそ、私達の出番ですね」

 

「よし!おれ達も手伝うぞ!」

 

「はい!」

 

「「ええっ⁉」」

 

雷々の提案にルフィ達が賛同する中、愛紗と鈴々が明らかに嫌そうな反応をする。

 

「ん?やらねェのかお前ら?」

 

「てっきり関羽さん達も、そのつもりだと思っていたんですけど…」

 

「私も…」

 

「雷々も…」

 

「電々も…」

 

ルフィ達5人が不思議そうに2人を見る。

 

「い、いえその…び、糜竺殿達はど、どうしてそのような事をしようと?」

 

「だってこの道、洛陽(らくよう)河北(かほく)へ行くのに、すっごく大事な道だよ」

 

「この道を通れなかったら、すごく遠回りしなくちゃいけないから、商人はすごく困るよ。そうでしょ、和尚さん?」

 

「はい。確かに、あそこは洛陽や河北に向かう、多くの商人が利用しておりましたため、困っている方は大勢います」

 

「ほらね。同じ商人として放っておけないもん」

 

「それに物流が悪くなると、みんなの生活やお役人様の(まつりごと)にも影響が出るよ」

 

「そ、それはそうですが…」

 

「で、でも鈴々達にも、いろいろと都合があるのだ!」

 

「どうしたんだよお前ら?」

 

「お二人とも、本当に変ですよ?」

 

「はい。私もそう思います」

 

ルフィ、朱里、美花が不思議そうに2人を見ていると、雷々と電々の顔がにやけだす。

 

「あれ~?もしかして張飛ちゃん達~…」

 

「怖いの~?」

 

「こ、怖くなどない!」

 

「そ、そうなのだ!鈴々達にかかれば、化物なんてあっという間にやっつけられるのだ!」

 

正直に言えばいいのに、見栄を張ってしまう2人。

 

「じゃあ大丈夫だね♪」

 

「みんなで化物退治、頑張ろ~♪」

 

「「あ…」」

 

2人は露骨に『しまった』といった感じの顔をするが、すでに後の祭りだった。

 

「あの…本当に化物を退治していただけるのですか?」

 

「おう!任せとけ!」

 

「ありがとうございます!では、早速…」

 

「普浄殿、どうかなさいましたか?」

 

…と、そこへ誰かがやって来た。

 

「おや、皆さんは…」

 

「あれ?さっきの関所にいた守備兵の…」

 

「“胡班(こはん)”と申します。こちらの普浄殿と私の父がお知り合いでして、時々様子を見に来ているのです」

 

「そうだったのですか」

 

「胡班よ、この方々が化物を退治してくださるそうだ」

 

「え、本当ですか⁉」

 

「うん!本当だよ」

 

「電々達、それなりに武術には自信があるからね」

 

「それは助かります!今、丁度役所の方で、その話し合いをしているので、ぜひ来てください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~役所~

 

「始めまして。私がここの関所を管理しております“王植(おうしょく)”といいます」

 

「我々は化物の話を聞き、近辺の県から派遣されてきた将兵で、私は“孔秀(こうしゅう)”」

 

「私が“韓福(かんふく)”」

 

「“孟坦(もうたん)”です」

 

「“卞喜(べんき)”」

 

「“秦琪(しんき)”と申します」

 

「は、初めまして。私は“関羽”。こちらが旅の同行者の“張飛”、“孔明”殿、“糜竺”殿、“糜芳”殿、“孫乾”殿。異国の出身の“ルフィ”殿です」

 

「ん?その黒い髪…もしやあなたは例の“黒髪の山賊狩り”では⁉」

 

「えっ⁉関羽さんが⁉」

 

「そうなの⁉」

 

王植の言葉に朱里や雷々達、孔秀達も驚く。

 

「えっと…自分からそう名乗っているワケではないのですが、そう呼ぶ者もいるようで…」

 

「そうだったんだ~!」

 

「すご~い!」

 

ますます驚く雷々達に対して…

 

「黒髪の綺麗な絶世の美女だって噂だったのに…」

 

「ま、噂なんてそんなもんだろ…」

 

露骨にがっかりしたような王植達だった。

 

「愛紗」

 

「ルフィ殿、何も言わなくていいです…」

 

「えっと…それで、皆さまが化物退治に協力してくださるということですが…」

 

「え、ええ…」

 

「協力していただけるのはありがたいですが、一つだけ条件があります」

 

「条件とは?」

 

「化物をおびき寄せるための餌は、あなた方で用意してください」

 

「餌?」

 

「その化物はどういうワケか、金目の物を持った人が通らないと、現れないのです」

 

「以前、武装した兵士だけで向かいましたが、現れなかったことがありまして」

 

「それで仕方がなく、討伐隊に金銭や食料などを餌として持たせ、化物おびき寄せているのですが、その度に奪われてしまう始末で…」

 

「金目の物を…」

 

話を聞いて、考え込む朱里。

 

「討伐の度にお金がかかってしまうものですから、我々も困り果てていたのです」

 

「ですから、我々としてもこれ以上の無駄使いは避けたいワケでして…」

 

「わかった。雷々達が持ってきたものがあるから、餌はそれを使うね」

 

「それならばいいです。よろしくお願いします」

 

「糜竺ちゃん、糜芳ちゃん」

 

「何、孔明ちゃん?」

 

「ちょっとお願いがあるのですが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜―――

 

「餌にする宝石準備できたよ~」

 

「孔明ちゃんに言われたことも、やっておいたよ」

 

「ありがとうございます」

 

「孔明殿、お二人に何を?」

 

「秘密です」

 

「これで、準備は整いましたね」

 

「よし!じゃあ行くか!」

 

「では、お願いします」

 

「皆さん、くれぐれもお気をつけて」

 

そして、ルフィ達は化物を退治するべく、夜中に関所を越え、山へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

松明を持ったルフィを先頭に、その背中にぴったりとくっついて行く愛紗と鈴々。

その後に、宝石を入れた袋を持った朱里、そして松明を持った雷々と電々がつづき、最後尾が美花である。

 

「これは…いかにも化物が出そうな雰囲気ですね」

 

「そ、孫乾殿!変なことを言わないでください!」

 

「早く出て来ねェかな~。どんな奴なんだろうな~?」

 

「る、ルフィはどうして楽しそうなのだ⁉」

 

「ね~関羽さん達~。やっぱり怖いんじゃないの~?」

 

「うん。さっきから身体が震えているよ~?」

 

「ば、馬鹿なことを言うな!怖くなんかない!」

 

「そ、そうなのだ!こ、これは武者震いなのだ…!」

 

雷々と電々に言われ、必死に強がる愛紗と鈴々。

 

「それはちょっと無理があるかと…」

 

「じゃあ、そんなにルフィさんにくっついてるのは何でかな~?」

 

「る、ルフィ殿が逸れないようにするためだ!」

 

「ま、また星みたいに逸れたら、大変なのだ!」

 

「あ!」

 

「「ひっ⁉」」

 

突然、雷々が声を上げた。

 

「な、何ですか⁉」

 

「あそこに綺麗な花がさいているな~って」

 

「お、脅かさないでください」

 

「はっ!」

 

「「ヒィッ⁉」」

 

今度は電々が声を上げた。

 

「な、何なのだ⁉」

 

「いや~電々の顔に虫が止まって…」

 

「な、ならいいのだ…」

 

「………もう、お二人とも、少し悪戯が過ぎますよ」

 

見かねた朱里が2人を注意する。

 

「ごめんごめん」

 

「二人が面白かったから、つい…」

 

(確かに面白いですけど…)

 

 

 

 

 

 

「出て来ねェな~…」

 

一行はだいぶ歩いたが、何かが現れる気配は全くなかった。

 

「それにしても、今夜は雲が多いですね…」

 

「はい。おかげで月も全然見えませんね…」

 

朱里と美花がそんな会話をすると…

 

「そういえばさ~電々」

 

「あ~、()()もこんな雲の多い夜だったね~」

 

雷々と電々がそんなことを言い出す。

 

「お、お二人とも…」

 

「あ、アレって一体何なのだ?」

 

止めておけばいいのに、愛紗と鈴々が詳しく聞こうとする。

 

「あれは数年前のことだったね~」

 

「家のお手伝いで隊商を率いていた時だったね~」

 

「「「「「…………」」」」」

 

思わず全員が2人の話に聞き入る。

 

「その夜、雷々達は川の近くで、野宿をすることにしたんだ。そしたら夜中に、水音がして…」

 

「『誰か川で溺れているのかも』そう思って、電々達は馬だけを残して、音のする方へ向かったんだ…」

 

「けど川には誰もいなくて、いつの間にか水音も聞こえなくなって…」

 

「すると突然、馬の悲鳴みたいな鳴き声が聞こえて、電々達は急いで戻ったんだ…」

 

「「「「「…………」」」」」

 

「「そしたら……」」

 

「「「「「…そしたら…?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「アァーーーーーッ‼」」

 

「「ぎやあァーーーーーっ⁉」」

 

バタン…

 

突然、雷々と電々が上げた大声に驚き、愛紗と鈴々は気絶してしまった。

 

「ありゃ~…」

 

「ちょっとやりすぎたかな~…?」

 

「ちょっとじゃないと思います…」

 

「お二人とも、怪談を話すの結構お上手ですね」

 

「え、ホント?」

 

「えへへ~、そうかな~?」

 

「孫乾さん、今はそれを褒める時ではないかと…」

 

「おい、どうすんだコレ?」

 

「もしも~し、関羽さ~ん」

 

「張飛ちゃんってば~」

 

ルフィに言われ、2人をゆすり起こす雷々と電々。

 

「う、う~ん…?」

 

「は、はにゃ~…?」

 

そして…

 

「お~き~ろ~」

 

「め~を~さ~ま~せ~」

 

「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~~~~~っ⁉」」

 

ダーーーーーッ!

 

目を覚ますと同時に、松明を顔に近づけて雰囲気を作り脅かしたため、愛紗と鈴々は完全にパニックになり、走って先へ行ってしまった。

 

「…行っちまったぞ」

 

「…二人とも、少しは反省してください」

 

「…あ、うん」

 

「…ご、ごめんなさい」

 

朱里に言われ、素直に反省する二人。

 

「とにかく、急いで追いかけ…」

 

「化物ォ~~~‼」

 

「なのだ~~~‼」

 

「「「「「⁉」」」」」

 

美花が言いかけたとき、前方から2人の悲鳴が聞こえ、ルフィ達は走り出した。

 

 

 

 

 

 

「愛紗!鈴々!」

 

「はわわ⁉二人ともしっかりしてください!」

 

しばらく行くと、道の真ん中で倒れている2人を見つけた。

 

「…気絶しているだけみたいですね」

 

「それより、二人がここで倒れているってことは…」

 

「うん、きっとこの辺りに化物が…」

 

電々がそう言うと同時に、ルフィ達4人は朱里、愛紗、鈴々を真ん中に囲い、周囲を警戒する。

 

「…どこだ?」

 

ルフィは拳を構え、雷々は円い金属板が円周上に大量についた円盤型の武器“鍛武輪(たんぶりん)”を、電々は鈴が付いたトンファーのような武器“反怒兵流(はんどべる)”を一対ずつ持ち、美花は懐から数本のナイフのセット“冥土禍兵(めいどかへい)”を取り出す。

 

「「「「「…………」」」」」

 

そのまま動かず、周囲を警戒していると…

 

バッ!

ズギャッ!

 

「うあっ⁉」

 

「電々⁉」

 

突然、電々が何かに吹っ飛ばされた!

 

「糜竺さん!後ろ!」

 

「⁉」

 

朱里が叫び、雷々が振り返った瞬間―――

 

ドカッ!

 

「きゃあ⁉」

 

後ろに迫っていた化物に、雷々もやられてしまう!

 

「にゃろっ!」

 

すかさずルフィが飛び出し、化物を真横に蹴り飛ばそうとするが―――

 

バサッ

 

「ありっ⁉」

 

「なっ⁉」

 

「はわわっ⁉」

 

「今、空中で―――」

 

「上に移動した⁉」

 

その化物は翼を広げ空中を飛び、ルフィの攻撃を躱した。

 

暗闇でよく姿は見えないが、翼には羽毛が生えており、一見すると巨大な鳥のようだが、人間のような胴体がある。

 

ギュン!

 

「きゃあ⁉」

 

「孔明!」

 

ルフィ達が驚いていると、化物は急降下して朱里を襲い、宝石が入った袋を奪った。

 

「おのれっ!」

 

すかさず美花がナイフを投げつける!

 

ズバッ!

 

相手のスピードは速かったが、背後から上昇中に投げたため、ナイフが右の羽をかすった。

 

「ちっ…!」

 

全員を相手にすると不利と悟ったのか、化物はそのまま翼を広げて逃げようとする。

 

「おい待てェ!」

 

「ルフィさん!今は愛紗さん達の方が先です!」

 

「!わかった…!」

 

追いかけようとするルフィを、朱里が止めた。

 

「どうしよう…」

 

「うん、本当に化物だったよ…」

 

「いえ、おそらくアレは人間です」

 

「はい、私も孫乾さんと同じ考えです。

とりあえず、今夜は引き上げましょう。仕込みもしてありますから、上手くいけば明日、退治できるかもしれません」

 

「⁉…これは?」

 

先ほど投げたナイフを拾った、美花が呟いた。

 

「どうしたんですか?」

 

「これを見て下さい」

 

「それって…」

 

美花が差し出したナイフには、血が付いておらず、代わりに何かが突き刺さっていた。

それは本物の鳥の羽だった。

 

「…………」

 

「あの、ルフィさん?」

 

「さっきから何か考え込んで、どうしたの?」

 

「いや…あの化物、何かに似てるような気がして…。何だったかな~…?」

 

 




雷々、電々、美花の武器の名前は、オリジナルで考えました。


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