ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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これからしばらくは、週一投稿で行こうと思います。




第37話 “罰”

徐栄軍との攻防があった翌日―――

 

「よくこんな状態で、あれだけ走り回ることができましたわね…しかも私を背負って…」

 

「平気だよあれくらい」

 

ルフィは用意された部屋のベッドで横になり、栄華に足の包帯を変えてもらっていた。

 

「…はい、終わりましたわ。とにかく、今日一日はおとなしく寝ていてくださいね。食事は後で持ってこさせますから」

 

「ああ、わかった」

 

栄華は部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

「あら栄華ちゃん」

 

「柳琳」

 

ルフィの部屋を出てすぐ、栄華は廊下で柳琳と出くわした。

 

「あれから変わりはありませんか?」

 

「ええ、何もないわ。それにしても…栄華ちゃんがルフィさんの看病を買って出るなんて、どういう風の吹きまわし?」

 

「あ、あの怪我は私を守るために負ったようなものですもの…その借りは返しませんと…。

それにしても、あの男を一人で行かせるなんて、無謀な策だとは思いませんでしたの?」

 

「確かに無謀だとは思ったけど、あの状況じゃルフィさんの強さに賭けるしかなかったから…」

 

「まァ確かに…」

 

「あー!柳り~ん!栄華~!」

 

「華侖さん」

 

「どうしたの姉さん?」

 

「華琳姉ェの所に行っていた伝令が戻ってきたっす!華琳姉ェ、黒山賊はとっくに退治したから、すぐに戻ってくるみたいっすよ!」

 

「ホントに⁉」

 

「良かった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから3日後―――

 

「お~い!愛紗~!鈴り~ん!華り~ん!」

 

「ルフィ殿!」

 

「ただいまなのだ~!」

 

華琳達が城に帰ってきた。

 

「伝令から大方の事情は聞いたわ。ルフィ、あなたにはまた恩が出来てしまったようね。孔明殿に徐晃殿もありがとう」

 

「いいえ、私達はあまり…」

 

「お兄ちゃんに比べたら何も…」

 

「いいえ、そんなことありませんわ。お二人も十分頑張ってくださいました」

 

「栄華、事の顛末は聞いたわ」

 

「…はい」

 

「部隊を全滅させた罪は重いから、何らかの罰は受けてもらうけど、まずはあなたが無事でよかったわ」

 

「勿体なきお言葉、感謝します」

 

「さてと…悪いけど、大至急軍議を始めるわ。この事態、とんでもない裏があるようなの」

 

「裏?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~軍議の間~

 

軍議が始まり、華琳が今回の一件について、述べた見解は…

 

「今回の事件はルフィ殿を狙っていた⁉」

 

「ええ。私達が黒山賊と対峙した時、夏侯淵が賊軍の会話を聞いていたの」

 

「確か内容は…『あの男はいないのか?』『ああ、やはり来ていないようだ』…といった感じでしたね?」

 

確認する桂花。

 

「ええ。でも我が軍でそこまで活躍した男はいない。

ならば、賊軍が言っていた男とは誰を指すのか?」

 

「成程…以前、曹操さん達と共闘したことがある、ルフィさんのことを指している可能性は十分ありますね…」

 

頷く朱里。

 

「ええ。そして、私達が出陣している間に、城が襲われた。

張繍の時も今回の件も、罠として黒山賊が用意されていた。

偶然にしては出来過ぎていると思わない?」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

誰も華琳の言葉に異論は唱えない。

 

「しかし、そうだとすると張繍軍、徐栄軍、黒山賊の全てに関りがある何者かが、黒幕として存在することになります。

そんなことがあるのでしょうか?それに、その黒幕は何故ルフィ殿を殺そうと?」

 

「ねえ、それって…」

 

秋蘭のそんな疑問に対し、香風が口を開いた。

 

「お兄ちゃんが天の御使い様だから?」

 

「「「⁉」」」

 

香風の言葉に春蘭、秋蘭、桂花が驚く。

 

「徐晃殿⁉何故それを⁉」

 

愛紗も驚いた様子で聞き返す。

 

「昔、都で天の御使い様について書かれた書を読んだことがあった。

あまり覚えていないけど、御使い様の一人が身体を伸ばすことができるって書いてあった気がする…」

 

「あ!そう言えば、あなたの身体のこと、ずっと聞きそびれていましたけど、一体何なんですの⁉」

 

「そうっすよ!ルフィっちの身体が伸びるアレって何なんすか⁉」

 

「体が…?」

 

「伸びる…?」

 

「そう言えば私も詳しく聞いたことはなかったわね」

 

香風の話を聞き、華琳達も全員興味津々の様子でルフィを見る。

 

「…私が説明しましょう」

 

そして愛紗が、ルフィがこことは違う世界から来たこと、流星とともに現れたことなどを全て話した。

 

「成程…」

 

「まさか、そんな御伽話のようなものが実在したなんてね」

 

「それに徐晃さんの話と合わせてみると、やはりルフィさんは天の御使いで間違いなさそうね…」

 

「…仮にルフィが天の御使いだったとして、奴らがルフィの命を狙う理由がそれだとしたら、とんでもないことになるわね…」

 

「どういうことです華琳様?」

 

「天の御使いは、大陸に平和をもたらす存在と言い伝えられている。

そのような者の命を狙うは、大陸の平和望まない輩だけよ。

そして今回、ルフィが私達と一緒にいることを連中が知っていたということは…」

 

「曹操さんの軍の中にその黒幕、あるいは密告した間者がいるということになりますね…」

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

朱里の言葉に皆が驚く中、華琳は静かに首を縦に振った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜―――

 

「踊るのだ~!」

 

「秋ら~ん!一緒にやろうぞ!」

 

「柳琳も一緒にやるっす~!」

 

「いや…私は遠慮しておく…」

 

「わ、私もちょっと…」

 

何はともあれ曹操軍が戦に勝利したことの祝いと、戦った者達をねぎらうことを兼ねて、宴会が行われた。

 

「さ、どうぞ」

 

「おう、ありがとう」

 

その中で、栄華はルフィにお酌をしていた。

 

「でもお前、大丈夫なのか?男嫌いなんだろ?」

 

「お姉様に罰として、今晩あなたのお相手をするように言われましたので…」

 

「そっか、大変だな」

 

「ま、お姉様らしい罰ですから、仕方ないですわ…。

ただ!言っておきますけど!」

 

「?」

 

「相手をすると言っても…げ、限度はありますからね!な、何でもしてあげるワケではありませんからね!

む、無理やり…ら、乱暴にしたりは…」

 

「しねェよ。乱暴なんて」

 

「……そ、そうですの?」

 

「うん。酒ももういいから、お前も食おうぜ!」

 

「……い、いただきます」

 

ちなみに、その隣では…

 

「関羽…アナタって本当に綺麗な髪ね…ふふふ…」

 

「そ、曹操殿…!か、顔が近いです…!」

 

「華琳様~!そんな女より私を~!」

 

(は、はわわっ!こ、これが百合…!ほ、本で読んだことはありましたけど…!実際に見るのは初めて…!)

 

(噂には聞いていたけど、曹操軍って本当に百合百合しい…)

 

愛紗がある意味絶体絶命の危機に瀕していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~

 

「成程、やはり張繍との戦で曹操と一緒にいた男と、王植の報告にあった男は同一人物で間違いなさそうだな」

 

〈はい。それともう一つ報告したいことが…〉

 

「何だ?」

 

〈曹操の奴が間者の存在に気が付きました〉

 

「…勘の鋭い女め。やはり後々、我々の邪魔になるだろうな」

 

〈まだ、誰かまでは特定できていないようですが、いかがいたしましょう?〉

 

「ふむ…しばらく曹操に仕掛けるのは止めよう。お前らもしばらくは行動を慎め」

 

〈それだけでよろしいのですか?〉

 

「今最も避けるべきなのは、我々の存在が表沙汰になることだ。

お前らのことは、現場を直接押さえられない限り、バレることはない。

故に何もしないのが一番だ」

 

〈了解しました〉

 

(九人の天の御使い…可能ならば抹殺したいが、目立つことは避けねばならん。

少なくとも()()が手に入るまではな…。

とにかく、残りの八人についても早く情報を集めねば…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数日後~

 

ルフィ達は陳留を去ることにした。

 

「それでは曹操殿、縁があればいずれまた」

 

「ええ。ところであなた達、これからどこへ行くつもりなの?」

 

「いえ、特に決めておりませんが…」

 

「それなら、今回の件で徐栄があなた達に目をつけているかもしれないから、西の方には行かない方が良いと思うわ。

あと張繍のこともあるから、荊州もしばらくは避けた方が良いでしょうね」

 

「成程…では揚州にでも向かうことにします」

 

「ええ、そうしなさい」

 

愛紗と華琳がそんな会話をしている隣では…

 

「香風、お前本当にここに残るのか?」

 

「うん。前々から曹操様の噂は聞いていたから、興味はあった。

それに曹操様が作る世界、見てみたいと思ったから」

 

「そっか」

 

そして、華琳、春蘭、秋蘭、桂花、華侖、柳琳、栄華、香風に見送られ、ルフィ、愛紗、鈴々、朱里は出発する。

 

「旅の安全を祈っているわ~!」

 

「次は手合わせしような~!」

 

「お主達ならいつでも歓迎するぞ~!」

 

「また来るっすよ~!」

 

「お身体にお気をつけて~!」

 

「お元気で~!」

 

「お兄ちゃ~ん!またね~!」

 

「またな~!」

 

「お世話になりました~!」

 

「元気でなのだ~!」

 

「いずれまた!」

 

一行は南へ下り、揚州を目指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~その後―――華琳の屋敷、謁見の間~

 

「徐晃殿、正式に我が軍に加わることを機に、私の真名を預けるわ。これからは“華琳”と呼んで構わないわ」

 

「わかりました“華琳様”。華琳様と皆も、シャンのことは“香風”でいい」

 

「わかったわ“香風”。

さて皆、今回の一件はよくわからないことが多いけど、それでもハッキリしていることが三つあるわ。

一つ目、我が軍に裏切り者がいること。

二つ目、その裏切り者は黒山賊や張繍をはじめ、この大陸の多くの力と結びついていること。

そして三つ目、この大陸で、何かとんでもないことが起ころうとしていること」

 

「「「「「「「…………」」」」」」」

 

「まずはとにかく情報を得ること。

裏切り者を洗い出すわよ!我が軍で不審な動きをしている者がいなかったか、徹底的に調べなさい!」

 

「「「「「「「はっ!/はいっす!」」」」」」」

 

「それから、天の御使いについても探ってちょうだい。この件に無関係ではないハズよ」

 

「華琳様、天の御使い様のことで思い出したことがある」

 

「何、徐晃?」

 

「うーんとね、天の御使い様のうち一人は、鉄を斬ることができる剣士だって書いてあった」

 

「「「「なっ⁉」」」」

 

香風の言葉を聞き、その人物に心当たりのある4人は、驚愕の声をあげるのだった。

 

 




物語の展開を知っていると、魏ルートは拠点フェイズで一刀とみんなが仲良くなると同時に、切なくなってしまうんですよね。
呉ルートも炎蓮、雪蓮、冥琳のパートを進めるたびに切なくなってしまって。
その点、蜀ルートは安心して楽しむことができますね。

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