ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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今回と次回はゾロと翠のオリジナルストーリーです。




第38話 “馬小屋”

~涼州、隴西郡~

 

その森の中の少し開けた場所で、ゾロは焚火の番をしていた。

翠は用事があると言って、席を外していた。

 

「おい、お前!」

 

「あ?」

 

2人の兵士が声をかけてきた。

 

「今この辺りでは二人の罪人を探している。容貌はこの人相書に書いてある」

 

そう言って役人は、小さく折りたたんだ紙を2枚渡してきた。

 

(手配書みたいなモンか?)

 

「連行してきた物には莫大な褒美を与えるそうだ。

情報だけでもいい。何か手掛かりがあったら、役所に通達するように。良いな?」

 

「ああ、わかった」

 

「それでは」

 

役人は去って行った。

 

「罪人か…いったいどんな奴だ?」

 

ゾロはその人相書を広げてみた。

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~その頃―――近くの河原~

 

「でりゃァっ!」

 

ガキン!

 

翠は、小さめの岩に槍を突き立てていた。

 

「くっそ~!ダメだ、全然刺さんねェ…」

 

息を整えながら、翠は以前、自分が華琳に捕まった時のことを思い出す。

 

(あの時…

 

 

 

 

 

『……今は頭は冷えたのか?』

 

『え?』

 

『どうなんだ?』

 

『まあ、だいぶ落ち着いたけど…』

 

『そうか、ちょっと伏せていろ』

 

『へ?』

 

『いいから伏せろ』

 

『?』

 

翠が言われた通り伏せると、ゾロは刀を1本抜き…

 

スパン!

 

『えっ⁉』

 

翠が閉じ込められていた鉄の檻を切り裂いた。

 

『他の奴にバレねェようについて来い。勝手なことはするな』

 

『…あ、ああ』

 

そしてゾロと翠は一緒に天幕を出ていった。

 

 

 

 

 

…鉄の檻を野菜みたいに斬ってみせた…あれができれば…)

 

それから翠は、その特訓として手ごろな岩を見つけては突き刺していた。

 

無論、ゾロ本人にもコツは訊いてみたが…

 

―――――鉄を斬るためには、()()()()()()()()ができるようになることだ

 

…としか答えなかった。

 

(ゾロが言っていたアレ…一体どういう意味なんだ?)

 

翠は特訓を止め、ゾロの所に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま~」

 

「おう」

 

「ん?ゾロ、何だその紙?どうしたんだ?」

 

「ああ、実はさっき…」

 

ガサッ

 

「「!」」

 

物音が聞こえ、2人は会話を止める。

 

「「…………」」

 

得物を手に取り、周囲を警戒する2人。

 

ガサガサ…

 

「…誰だ?」

 

「…どこにいる?」

 

翠がそう言ったその時…

 

「ここにいるぞ~っ♪」

 

「「⁉」」

 

手を高く上げ、何者かが近くの茂みから飛び出してきた。

 

「何だコイツは⁉」

 

「…おま…“たんぽぽ”ォ⁉」

 

「は?タンポポ?」

 

「翠姉様ァーっ!やっと見つけたァーっ!」

 

飛び出してきた何者かは、そう叫び翠に抱き着いた。

 

 

 

 

 

 

「…で翠、何なんだコイツは?」

 

飛び出してきた少女は、翠に比べて明るい茶髪をサイドテールにしており、年齢は翠より年下である。

眉毛が太めで、顔立ちが何となく翠に似ている。

 

「こいつはあたしの従妹の“馬岱(ばたい)”、“蒲公英(たんぽぽ)”っていうのはこいつの真名だよ」

 

「お姉様、この人誰?」

 

「こいつは“ゾロ”って言って、あたしと一緒に旅している異国の武芸者さ」

 

「へー…」

 

「?」

 

じろじろとゾロを見る蒲公英。

 

「…で、たんぽぽ。何でお前がこんな所にいるんだ?」

 

「そうだった!姉様、大変なの!」

 

「「⁉」」

 

 

 

 

 

 

「隴西郡が占領された⁉」

 

「うん、一ヶ月くらい前に“金城(きんじょう)郡”太守の韓遂が攻めてきたの…。

次々と城を落とされて、“(るお)”と“(そう)”も捕まっちゃって…」

 

「誰だその2人は?」

 

「あたしの妹だよ。“鶸”は“馬休(ばきゅう)”っていって次女。“蒼”は“馬鉄(ばてつ)”で三女だ」

 

「たんぽぽは何とか逃げられたんだけど、その後もあちこちに監視の目があるから、見つからないようにするの大変だったんだよ…」

 

(そのワリには、派手に出てきたような気もするが…ん?)

 

…と、そこでゾロは先ほど役人から渡された人相書を思い出す。

 

「じゃあこれはそう言う事だったのか」

 

「それって…」

 

「さっきゾロが見ていた紙だよな?」

 

「お前がどっか行っている間に、役人が渡してきた人相書だ。お前ら2人の名前が書いてあったぞ」

 

「何だって⁉」

 

思わずゾロの手から、人相書をひったくり見てみる翠。

次の瞬間…

 

「…………」

 

翠は人相書を見ながら震えだした。

 

「…ゾロォ…」

 

その声と表情には悲しみが満ち溢れている。

 

蒲公英も人相書を見てみると…

 

「うわ…コレ…似せる気あるの…?」

 

その人相書には、次のような文が書かれていた。

 

『罪人“馬超孟起”並びにその従妹“馬岱”、この二名を捕えよ。

捕えた者には黄金千斤を与える。情報を提供した者にも報酬を与える。

特徴は“太い眉”と“茶色く長い髪”。馬超はその髪をうしろで、馬岱は本人から見て左側で結っている』

 

そしてその隣には2人の似顔絵がそれぞれ描かれているのだが…

 

「これが…あたしか?あたしって…こんなもんなのか?」

 

「…まァ確かに…こんなもんかもな…」

 

「□×∀◆$&#*@▲㊙〒※◎☆~~~…」

 

「言葉にしろ…わからねェ…」

 

その似顔絵がとにかくひどかった。

無論ゾロ達の世界と違い、写真があるわけではないので、完全に同じというワケにはいかないが、それでもひどかった。

まるで落書きのような人相書だった。

 

「そりゃあさァ~…あたしは醜い方だけどさァ~…コレはないだろォ~…せめてもっと人間の顔に見えるようにしてくれよォ~…」

 

そう嘆きながら地面に倒れ込む翠。

 

「いや、そこまで醜くはねェから立てよ」

 

「は…?」

 

悲しみの海に沈む翠に声をかけるゾロ。

 

「何言ってんだよ…ゾロだってさっきあたしの顔はこんなもんだって…」

 

「そりゃこの文に書いてある特徴だけ聞いたら、こんなもんだろうって話だ。

むしろお前は、十分美女に入る顔立ちしている方だと思うぞ?」

 

「…………」

 

「…………」

 

「◎※□■〒%$♂♀☆〇×◇~~~っ!」

 

「だから言葉にしろっつってんだろ!わかんねェ!」

 

(へ~~~…♪)

 

顔を真っ赤にして慌てふためく翠とゾロのやりとりを見て、ニヤニヤする蒲公英だった。

 

「んんっ!…で、話を戻すけど、鶸と蒼は韓遂に捕まってるんだな?」

 

「うん。たんぽぽとお姉様を捕まえてから、まとめて処刑しようとしているみたい」

 

「つまりまだ殺されてはいねェんだな?馬岱」

 

「その通りだよ。

あ、ゾロさんもたんぽぽのことは“蒲公英”でいいよ。翠姉様が真名を預けているみたいだし」

 

「そうか、わかった。…で、“蒲公英”どこに捕まっているかはわかるのか?」

 

「うん、ここからそんなに離れていないよ。あと、韓遂もそこにいるよ」

 

「まずはそこまで行ってみるか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安故城(あんこじょう)付近~

 

「あの城にいるのか…」

 

3人は一つの城の近くまで来て、木陰に隠れて様子を見ていた。

 

「城にいる兵士たちは皆韓遂に寝返っているよ。金城郡、隴西郡の他の城も全部そう。

だからこの城を取り戻したとしても、韓遂を逃がしたらまた大軍を連れて戻ってくるよ」

 

「鶸と蒼がまだ生きてるって聞いたときは喜んだけど、実際は人質として生かしてあるだけなんだろうな…」

 

「斬りこむか?」

 

「「いやちょっと!」」

 

ゾロの提案に2人はツッコんだ。

 

「話聞いてたのか⁉明らかにこっちに不利過ぎる状況だろ!色々と!」

 

「普通に斬り込むとかバカなの⁉翠姉様以上の脳筋なの⁉」

 

「誰が脳筋だたんぽぽ!」

 

「…………」

 

「とにかく、まず何か作戦を考えないと!あたしが何か考えるから、もう少し待て!」

 

「お姉様に考える脳みそなんてあるの?」

 

「それでも考えるから待てって!…ってどういう意味だたんぽぽ!」

 

「……そのまんまの意味?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~安故城、城内~

 

謁見の間の玉座にナマズのような髭を生やした男、韓遂は座っていた。

 

「馬岱と馬超はまだ見つからないか?」

 

「はい。申し訳ありません」

 

「まァいい。人相書も手配した。あとは時間の問題だ。

我々は後々、他の郡への攻撃も開始する。同時進行で準備を整えておけ。ぬかるなよ、“旗本八旗(はたもとはっき)”!」

 

「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」

 

韓遂の言葉に、旗本八旗と呼ばれた8人の男達、“侯選(こうせん)”、“程銀(ていぎん)”、“成宜(せいぎ)”、“張横(ちょうおう)”、“梁興(りょうこう)”、“李堪(りかん)”、“楊秋(ようしゅう)”、“馬玩(ばがん)”、は返事をする。

 

いずれの者も筋肉隆々、背丈は2メートル近くあり、とても強そうである。

 

「韓遂様!」

 

1人の兵士がやって来た。

 

「何だ?」

 

「馬超と馬岱が捕まりました!」

 

「まことか⁉」

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、1人の男が縛られた翠と蒲公英を連れてきた。

 

「うむ!まさしく馬超と馬岱だ!」

 

「この野郎!だましたな!」

 

「馬超軍の残党だからかくまってやるとか言って!」

 

「馬超様…」

 

「馬岱様…」

 

元々は馬超達の家来だったのか、周囲の家来達が何人か悲し気な表情をする。

 

「良いざまだな馬超、馬岱!明日の正午に馬休、馬鉄と共に公開処刑だ!

せめてもの情けだ、今夜は同じ牢獄で、最後の時を過ごすがいい!

お前には後で報酬をやろう。それから明日の処刑後の宴にも招待しよう」

 

「そりゃありがてェ」

 

「二人を牢へ連れていけ!それからこの男に部屋を用意しろ」

 

「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今夜はここをお使いください」

 

「悪ィな。ついでにちょっと訊きてェんだが…」

 

「何でしょうか?」

 

「ついでだから、あの馬超って女の妹のツラを見ておきてェんだが、あいつらを入れた牢屋ってのはどこにあるんだ?」

 

「それでしたら、この城の南東の一番端っこにあります」

 

「そうか、わかった」

 

「では、ごゆっくり」

 

そう言って部屋に案内した従者がいなくなるの見ると、翠と蒲公英を捕まえてきた男、ゾロは部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~牢獄~

 

そこに2人の少女が捕まっていた。

 

「「…………」」

 

どちらも翠にと同じ太い眉、髪型も同じポニーテールだが1人は翠よりもやや低め、もう1人はやや高めの位置で結っている。

 

前者が馬休こと鶸で、後者が馬鉄こと蒼である。

 

「おいキサマら、今日この牢獄に囚人が二名追加されることになった」

 

「え?」

 

「連れて来い!」

 

そして連行されてきたのは…

 

「お姉ちゃん⁉蒲公英⁉」

 

「明日の正午、キサマら四人は処刑される。せいぜい今夜は、悔いのないように過ごすのだな」

 

兵士達は見張りを残して去って行った。

 

「姉さん…蒲公英…どうして…」

 

「鶸、今は何も聞かないでくれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~安故城、とある馬小屋~

 

「ほれ、たんとお食べ」

 

1人の男が馬に餌をやっていた。

 

「お前達も残念だろうな…あんなにお前達を大切にしてくださった、馬超様達が処刑されてしまうなんて…。おれも悲しいよ…」

 

「おい、そこのお前」

 

「ん?」

 

いつの間にか、戸口に一人の男が立っていた。

 

「この城の南東にある牢獄に行きてェんだが、どう行けばいい?」

 

「南東の牢獄?だったら、ココを出て左にずーっといった後、突当りを右に真っ直ぐ行けば着くぞ」

 

「そうか、ありがとう」

 

男は出て行った。

 

「誰だったんだ一体?」

 

馬の飼育係は仕事に戻るが、ふと手を止める。

 

「…おれ左に行けって言ったのに、あの男、今右に行かなかったか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~牢獄~

 

「ねェお姉様…」

 

「何だよたんぽぽ?」

 

「ずっと聞きたかったんだけどさ…お姉様とあの男の人ってどういう関係なの?」

 

「どういう関係って…」

 

「え⁉男⁉」

 

途端に目を輝かせ、話に食いつく蒼。

 

「何⁉ついにお姉ちゃん恋人ができたの⁉」

 

「は、はあァ⁉」

 

顔を赤らめ、慌てふためく翠。

 

「ばっ…な、何言ってんだ⁉そ、そんなわけないだろ⁉」

 

「え~違うの⁉お姉様が男と一緒にいるなんて、今まで考えられなかったから、たんぽぽてっきり…」

 

「あたしは武者修行してるんだっての!」

 

「え~でも結構いい男だったじゃんあの人。それに年頃の男女が二人っきりで旅してるのに何もないなんて…」

 

「へ~かっこいい人なんだ…」

 

「そういうんじゃないっての!そ、それに…あたしがそんな風に見られるわけないだろ⁉」

 

「でもあの人、翠姉様は十分美人に入るって…」

 

「あ、あんなの冗談に決まってるだろ!る、鶸もなんとか言ってくれよ!」

 

「…私としては、姉さんにはこうなる前に身を固めて欲しかったんだけど…」

 

「~~~っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~馬小屋~

 

「おい!ちょっと道を訊きてェんだが、南東にある牢獄ってのにはどう行けば…」

 

「ああ、それなら…ってアンタさっきの…」

 

「あ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~牢獄~

 

「年頃の男女が二人っきりで旅…♪」

 

「もう逢引っていうか、駆落ちだよね~♪」

 

「だから違うっつってんだろ!」

 

ちなみに馬家の女子達による恋バナが続いている間、牢番達はというと…

 

「おい、あんな好きに会話させておいていいのか?」

 

「いや、でも…もうちょっと続き聞きたくねェか?」

 

「確かに…」

 

どうやらこの牢番達、結構恋バナ好きのようである。

 

「え~?じゃあ子作りとかも一度もしていないの?」

 

「するかァ!」

 

「混浴とか裸の付き合いは?」

 

「してない!」

 

「接吻も?」

 

「してない!」

 

「抱きしめたりとかは?」

 

「してな……」

 

そう言いかけて翠は、華琳の陣でゾロに泣きながら抱き着いたことを思い出す。

 

「…………っ!」

 

「「したんだ…♪」」

 

「ち、違う違う違う!アレはその…そういうのじゃなくてこう…アレなやつで…!

そもそもあたしとあいつはそういう関係じゃなくて…!」

 

「でもそれって今の話でしょ?」

 

「そうそう♪これからどうなっていくかなんて、わからないワケだし~」

 

「ただの師弟関係だったのが、いつの間にか恋愛感情が芽生えて…」

 

「『おれ…いつの間にか師匠のこと、武人ではなく一人の異性として好きになっていました』的な…」

 

「だからちっが~う!それに…」

 

「それに?」

 

「師弟関係っていうんだったら…あたしの方があいつの弟子だ」

 

「「「…え?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~馬小屋~

 

「おい!この城どんだけ馬小屋があんだよ⁉」

 

「そんなにたくさんねェよ!アンタが何度も戻って来てるだけだろ⁉」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時間は流れ…

 

~安故城、謁見の間~

 

「韓遂様、そろそろ…」

 

「ああ、馬超達の処刑の準備を始める!四人を連れて来い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~馬小屋~

 

「…………」

 

「…………」

 

「…またアンタか」

 

「…おいお前」

 

「悪いけど、おれはもう行くよ。そろそろ馬超様達の処刑が始まるんだ。西涼の民として、ちゃんと見届けておきたいから…」

 

「何⁉もう始まんのか⁉」

 

「え?」

 

「もう()()方が早ェな…。おい、その処刑場所におれを連れてけ!すぐにだ!」

 

「あ、ああ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~安故城、中央広場~

 

そこに処刑台が用意され、韓遂と旗本八旗をはじめとしたその部下達がいた。

 

そして縄で縛られた翠達が連行されてきた。

 

「馬超様…馬休様…馬鉄様…馬岱様…」

 

「何てことだ…」

 

「これも乱世の定めなのかね…」

 

処刑台を囲う領民、兵士達にも悲し気な空気が漂う。

 

「ねェ翠姉様…本当に大丈夫なの?たんぽぽ今更だけど不安になって来たよ…」

 

「あたしも心配だけど、もうどうにもなんないだろ⁉覚悟を決めろ!」

 

「姉さん?蒲公英?」

 

 

 

 

 

 

「ほら、あそこだよ」

 

「助かった!よォし!」

 

 

 

 

 

 

「ではこれより、処刑を開始する!」

 

そして処刑人が剣を構える。

 

その時…

 

「どけェ!」

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

何者かの声が響き…

 

「“百八煩悩(ポンド)(ほう)”‼」

 

ドッゴォォォォォン!

 

斬撃が飛び、処刑台を切り崩す!

 

「「「「「「「「「「ぐわァ⁉」」」」」」」」」」

 

「「「「「「「「「「キャーッ⁉」」」」」」」」」」

 

「間に合ったか⁉」

 

「遅いんだよゾロ!」

 

そして斬撃を放った張本人、ゾロは翠達に駆け寄り縄を斬る。

 

「え?どういうこと?」

 

「こういう作戦だったんだよ」

 

疑問符を浮かべる鶸に蒲公英が説明する。

 

「鶸と蒼が人質に取られているうえ、韓遂に逃げられたら大変なことになるからさ。

姉様とたんぽぽがわざと捕まって、あの人が四人まとめて助けて、それから韓遂を捕える作戦だったの。

本当なら処刑が始まるずっと前に助けるハズだったんだけど…」

 

「この城が複雑すぎるんだよ!全然牢屋にたどり着かなかったぞ!」

 

「やっぱり迷ってたのかお前!」

 

「あの男、馬超達を連れてきた奴じゃあ⁉」

 

「最初からこのつもりだったのか⁉」

 

「ひっとらえろ!相手はたかが五人!あの男もまとめて処刑だ!」

 

「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」

 

そして韓遂の兵士達が一斉に襲い掛かる!

 

「まァとりあえず…」

 

「反撃開始だな!」

 

「鶸!蒼!戦える⁉」

 

「当然!」

 

「行っくよー!」

 

 




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