ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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今回はゾロが無双します!




第39話 “生き様”

「ギャア!」

 

「フン!」

 

次々と襲い来る韓遂の兵を切り倒すゾロ。

 

「ハァーーーッ!」

 

「ぐあっ!」

 

「とりゃーーーっ!」

 

「がっ…」

 

「せいっ!」

 

「うあっ!」

 

「たあっ!」

 

「ガフッ…」

 

翠、蒲公英、鶸、蒼も、敵から奪った槍を振るい、戦う。

 

すでに住民や文官は遠ざけられ、周囲にいるのは兵士だけである。

 

「韓遂様!()()の用意が出来ました!」

 

「よし!すぐに繰り出せ!」

 

「はっ!」

 

「ん?」

 

「行けーっ!鉄車隊!」

 

「突撃ーっ!」

 

その掛け声とともに、鉄製の馬車が十数台飛び出してきた!

 

馬車はそれぞれ3頭の馬がつながれており、手綱を握る者が2名、その後ろに3名の兵士が乗っている。

 

「な、何だアレは⁉」

 

「お姉ちゃん!気を付けて!」

 

「やれェ!」

 

そのまま翠をひき殺そうと突っ込んで来る鉄車!

 

「うおっ⁉」

 

「撃てーっ!」

 

とっさに避けた翠に対して、車上の兵士が矢を射かける!

 

「くっ!このっ!」

 

翠は何とか矢を防ぎ、槍を振るうが…

 

「くそっ!」

 

鉄車の壁に阻まれて届かない。

 

「何なんだこの乗り物⁉」

 

「私達もよくわからないんです!製造方法も謎だし、そもそもこれだけの鉄をどうやって…⁉」

 

「たんぽぽ達もこれにやられたの!」

 

「まるで小さな砦がいくつも移動しているみたいだった!お姉ちゃん達も気を付けて!」

 

そして鉄車はゾロ達5人を包囲するように走り回る。

 

「はっはっは!勝負あったな馬超!いくらお前でもこの鉄車隊の前には何もできまい!」

 

勝利を確信し、大笑いする韓遂。

 

「韓遂!」

 

「西涼の馬一族もこれで終わりだ!今日より涼州はこの韓遂の手に落ちる!」

 

「お前…何故こんな事をする⁉」

 

「あ?」

 

「母様と…馬騰と一緒に漢に仕え、この地を守って来たんじゃなかったのか⁉

あたしは母様亡き後、アンタの力になれるように、強さを求めて旅に出たのに!」

 

「確かに馬騰とは長年共闘していたが、ただの邪魔者だ!

アイツさえいなければ、おれは涼州の全てを手中に収めていた!

そのうえ、アイツはおれの女になる事も拒んだ!

全くおれの思い通りにならない、不愉快極まりない奴だったよ!」

 

「お前…!」

 

「世の中の連中はどいつもこいつも馬騰の事ばかり!何故あんな()()()()()()()()()()()()の肩を持つのか理解できんよ!」

 

「⁉ちょっと待て!」

 

「?」

 

韓遂の言葉に翠は今までにない驚愕の声をあげた。

 

「お前…何でその事を知っているんだ⁉

世間では曹操が母様を殺したって噂が広がっていて、それを知っているのは曹操軍の一部の者だけの筈…!」

 

「……いかんいかん、つい口が滑ってしまった。まァ良い、冥土の土産に教えてやるか」

 

「お前…まさか…」

 

「ああ、馬騰が死んだのはおれの仕業だ」

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

その言葉に、翠や蒲公英達だけでなく、周囲の韓遂の兵士達も驚いた様だった。

 

「都で宴会があった日、おれは偶然にも馬騰の隣の席に座った。

そして隙を見てアイツの酒に眠り薬を混ぜてやったのさ!

曹操の剣舞の相手になろうとした時には、すでにまともに立てない程に薬が効いたよ。

最初は意識が朦朧としている所を襲う予定だったのだが、勝手に落馬して死んでくれるとは思わなかった。

その後、曹操軍の奴がその場に駆け付けたのを見て、曹操の仕業にする事を考えた。

お前がその噂を真に受けて曹操に挑み、討ち死にしてくれれば、なお良かったんだがな」

 

「貴様ァーーーッ!」

 

完全にキレた翠は、怒りのまま韓遂に槍を振りかざし襲い掛かる!

 

「ふん!」

 

「ぐあっ!」

 

しかし、韓遂の傍に居た旗本八旗達に防がれ、吹き飛ばされてしまう。

 

「翠姉様!後ろ!」

 

「⁉」

 

蒲公英の声に振り向くと、鉄車が一台目の前に迫っていた!

 

(しまっ…!)

 

「姉さん!」

 

「お姉ちゃん!」

 

「死ねェ!馬超!」

 

鉄車上の兵が持つ槍が翠に振り下ろされようとした、まさにその時…!

 

ダッ!

 

1人の男が飛び出し…

 

「“獅子(しし)歌々(ソンソン)”‼」

 

「「「「「「「「「「は?」」」」」」」」」」

 

「「「え?」」」

 

鉄車を切り裂いた。

 

「…ゾロ…」

 

「ねェ…あの馬車、鉄でできていたよね?」

 

「うん…」

 

「何で斬れてるの…?」

 

予想外の事態に蒲公英達も困惑する。

 

「な、何をやっている⁉馬超もろともあの男を仕留めろ!」

 

「は、はいっ!」

 

韓遂の命令で、残りの鉄車全てが四方からゾロと翠に向かって行く!

 

「“三刀流”…」

 

しかしゾロは慌てる事なく刀を構え…

 

「“(カラス)魔狩(まが)り”‼」

 

鉄車を全て斬った。

 

「「「…………」」」

 

目の前の光景が信じられず、蒲公英達は目をこすって再度確認するが、やはり鉄車が斬れている。

 

「な……⁉」

 

韓遂とその兵士達も驚愕するが…

 

「成程、刀だけはかなり良い物を使っている様だな」

 

旗本八旗の1人、程銀が双剣を構え対峙する。

 

「…………」

 

「だが、刀を口に咥える様な、そんな曲芸まがいの剣で我らに敵うと思うな!」

 

そして、高速で剣を振るい斬りかかる!

 

「貴様の刀は我々が有効に使ってやるとしよう!死ねェ!」

 

しかし…

 

「…っ!」

 

「⁉」

 

ゾロはいともたやすく剣を見切り、はじく。

 

「“三刀流”…」

 

「⁉」

 

「“鬼斬り”‼」

 

「…がっ…!」

 

そして一撃で仕留めた。

 

「おれの剣が曲芸なら、おれに負けてるてめェのソレは一体何だ?」

 

「程銀!」

 

「おのれ!」

 

「貴様ァ!」

 

怒り狂った李堪、張横、梁興の三人がそれぞれ、戟、槍、大剣を振りかざし襲い掛かる!

 

「ヘン!」

 

「お、おい!アイツ全て受け切っているぞ!」

 

「さ、三人を同時に…⁉」

 

周囲の者達が思わず見とれる中、ゾロは剣を振るい…

 

「“三刀流”…」

 

「ぐっ⁉」

 

「“虎狩り”‼」

 

「ううっ…」

 

「“(カザミ)”…」

 

「ひっ!」

 

「“()り”‼」

 

「…ガフッ…!」

 

「“牛”…」

 

「う、うおお…!」

 

「“針”‼」

 

「…………っ!」

 

「うそ…」

 

「す、すごい…」

 

「な、なんと…!」

 

「旗本八旗の四人が…あっという間に…!」

 

あまりゾロの強さに蒲公英達を始め、周囲の者達は圧倒される。

 

「成宣!馬玩!」

 

「はっ!」

 

「!」

 

韓遂の掛け声とともに、馬玩は短刀型の手裏剣を投げつける!

 

「おおおっ!」

 

「!」

 

そして成宣は巨大な鉄槌を振りかざし、ゾロに襲い掛かる!

 

「力自慢か…」

 

振り下ろされた一撃を躱したゾロは手拭いを被る。

 

「“(いち)剛力羅(ゴリラ)”‼“()剛力羅(ゴリラ)”‼」

 

「うおおおっ!」

 

「“三刀流”…」

 

真横に鉄槌を振り回してくる成宣に対して、ゾロは刀を構え…

 

「“二剛力(ニゴリ)(ザケ)”‼」

 

真正面から受け止め…

 

「…オオオッ!」

 

「⁉」

 

鉄槌ごと吹き飛ばした!

 

「…………」

 

城壁に鉄槌ごと叩きつけられた成宣は、そのまま気を失い倒れた。

 

「…………」

 

「ひっ!」

 

続いて馬玩に狙いを定めるゾロ。

 

「う、うわあああっ!」

 

自棄になった馬玩は、滅茶苦茶に手裏剣を投げつけるが…

 

「“三刀流”…」

 

ゾロは全て受け切り…

 

「“刀狼流(とうろうなが)し”‼」

 

「ガフッ…!」

 

馬玩を切り裂いた。

 

「…翠姉様が自分の方が弟子だって言うのも頷けるね…」

 

蒲公英も言葉に鶸と蒼は頷く。

 

「くそっ!侯選!楊秋!」

 

韓遂は慌てて残り2人の旗本八旗の名を呼ぶ。

 

しかし…

 

「あれ…?」

 

「い、いない⁉」

 

いつの間にか2人はその場から消えていた。

 

「…翠」

 

「!」

 

邪魔者がいなくなったことを確認したゾロは、翠に呼び掛ける。

 

「あとはてめェの仕事だ」

 

「…ああ」

 

ゾロに言われ、翠は槍を構える。

 

「韓遂!母様の仇だ!」

 

「ぐゥっ!」

 

突き出される翠の槍を剣で受ける韓遂。

 

「何故だ⁉」

 

「⁉」

 

「何故こうもおれの思い通りにならない⁉」

 

得物を交えながら韓遂は翠に語り掛ける。

 

「おれは地位、爵位、兵力、武芸全てに優れていた!

なのに何故、民はあいつを、馬騰を選ぶ⁉おれではなく馬騰の名がとどろく⁉

挙句の果てに馬騰までも、おれのモノにならない⁉何故だ⁉

どいつもこいつも、何故おれの素晴らしさが理解できない⁉」

 

「あんた…馬に乗る時どうしてる?」

 

「あ?」

 

「馬は戦の道具じゃないんだ、だから無理やり言う事を聞かせようとしても駄目なんだよ…!

大切にして歩み寄っていたから、力を貸してくれる様になるんだ!

それと同じだ!あんたは力ずくで、他人に言う事を聞かせる事ばかり考えていただろ⁉

そんな奴、誰が協力しようとする⁉誰がついて行こうとする⁉

だから母様もみんなも、あんたを見限ったんだ!」

 

「ほざけ!奴の死にざまは、武人の恥そのものだ!貴様は何故、いまだにそんな奴の肩を持つ⁉

事実を知ったとき、幻滅しただろう⁉そんな奴よりもおれにつく方が賢い選択だろう⁉」

 

「…確かに本当の事を知った時は悲しかったよ…でもな…」

 

「?」

 

「母様の教えは…武勇は、生き様は本物だ!死ぬときのたった一瞬だけで、それはなくなったりしない!

アンタの生き様と母様の生き様なら、あたしは迷わず母様の方を選ぶ!」

 

そう叫び、翠は距離をとった後呼吸を整え…

 

「ハァァァァァッ!」

 

「⁉」

 

「“旋廻槍撃(せんかいそうげき)”‼」

 

ズバァァァン!

 

「……っ!」

 

韓遂を仕留めた。

 

「……あ…ああ…」

 

「…韓遂様…」

 

「さあ!次は誰が相手だ⁉」

 

そう言って翠が周囲の兵士達に槍を向けると…

 

「……降伏します」

 

1人がそう言い、その場にいた兵士達は全員武器を捨てた。

 

「……え?」

 

「まさか…馬騰殿を殺したのが韓遂様だったとは…」

 

「もうこれ以上、韓遂様に…韓遂に味方する気にはなれません…」

 

「「「「「…………」」」」」

 

こうして安故城は翠達の手に落ちた。

 

その後、この話は韓遂が馬騰を殺したという事実と共に広がった。

すると他の城の韓遂の手勢も次々と降伏し、隴西郡の城は全て翠達の手に戻った。

金城郡の韓遂軍も全て翠達に帰順したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

韓遂を討ちとってから数日。

 

「ねェ、お姉様」

 

「何だたんぽぽ?」

 

「何か…思っていたより簡単に取り戻せたね」

 

「…そうだな。けど、それは全部母様のおかげだ。

韓遂が母様を殺したって知って、みんな韓遂から離れていった。母様の威厳が、名声が…あたし達を助けてくれたんだ」

 

「母様には敵わないね」

 

「そうだな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「馬超様!」

 

「おかえりなさいませ!馬超様!」

 

「ただいま…みんな…!」

 

韓遂達を討ちとり、ある程度の事後処理が済んだ後、翠は領民達に改めて挨拶をした。

 

領民達は声をあげて翠を歓迎した。

その様子からも翠達、馬一族がとても慕われている事がよくわかった。

 

「ごめんなみんな…あたしが留守にしている間にこんな事になるなんて…」

 

「いえ、むしろそのおかげで馬超様は逃れられていたのですから…」

 

「馬超様、馬休様、馬鉄様、馬岱様、みな無事で何よりです」

 

「みんな…」

 

「あの、所で馬超様」

 

「何だ?」

 

「馬超様と一緒に来た、あの男は何者なんですか?

韓遂の旗本八旗のうち、六人をたった一人で瞬く間に倒されるなんて、並大抵の武人では…」

 

「なんと…⁉」

 

ゾロ達の戦いを見ていたと思われる兵士の言葉に、周囲にいた人々は驚きざわつく。

 

「う~ん、アイツは何ていうか…(どうしようかな、賊だってことは隠しておいた方が良いよな?)」

 

「あ、もしかして…」

 

「いや、もしかしなくても…!」

 

「そうだな~…」

 

「馬超様の旦那様ですか!」

 

「「「「「「「「「「おおーーーっ!」」」」」」」」」」

 

「………へ?」

 

「皆の者!馬超様が旦那様を連れて戻られたぞ!」

 

「「「「「「「「「「おおーーーっ!」」」」」」」」」」

 

「……え、いや…ちょ…!」

 

「いや~以前よりも美しくなられた様な気がしていましたけど…」

 

「そう言う事だったのですね~」

 

「想い人ができると、必然的に女性は美しくなるものですもの~」

 

「馬超様のような方を伴侶にできるとは、羨ましい男だ…」

 

「おれも願わくば馬超様と…」

 

「馬鹿言ってんじゃないわよ。アンタなんかが馬超様と釣り合う訳ないでしょう?」

 

「そうよ!やはりあれくらいの武人でないと…」

 

そんな会話をする町民たち。

 

「いや…ちょっ…!ちが…!」

 

「あれほどの御武人が馬家の婿になるとは、まさに虎が翼を得た様なもの!」

 

「馬騰様も泣いて喜ぶでしょうな!」

 

「隴西郡、いや涼州の未来は安泰ですな!」

 

「うむ!鮮卑に羌、都の曹操や袁紹なんぞ恐るるに足らずというものだ!」

 

「だからその…!あたしの話を…!」

 

兵士達も盛り上がっている。

 

「ああ…こんな状況でなければ、すぐにでも祝言の支度をなさいますのに…」

 

「いや、こんな状況だからこそ、明るい話題を持ち帰って下さったのだろうよ」

 

「そうか…武者修行中も、馬超様はそこまで我らを気に掛けて下さっていたのか」

 

「た、確かにあんた達の事は常に考えていたけど…それとこれとは…!」

 

対して翠は完全にパニックになっている。

 

「あ、ああ…姉さん…」

 

「いや~戦っている時もホント息ぴったりだったよね~あの二人~♪」

 

「もう長年連れ添った夫婦みたいだったよね~♪」

 

「もう!蒲公英も蒼も混ぜ返さないの!」

 

「だって本当の事だし~♪」

 

「こういう時のお姉ちゃんはこうした方が面白いも~ん♪」

 

「あーもう!ゾロもなんとか言ってくれよ!…ってあれ?ゾロは?」

 

「さっき厠に行くって言って行きましたけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬小屋。

 

「…なァ、ここどこだ?」

 

「…はァ…またアンタか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後。

 

「じゃあ行ってくる」

 

「それじゃあ悪いけど…後のことは頼むな…」

 

事後処理が一段落済んだ後、ゾロと翠は再び西涼を離れ、武者修行とゾロの仲間を捜す為の旅に出る事にした。

 

「しょうがないよ。ゾロさんはたんぽぽ達にとっても恩人だもん」

 

「そのゾロさんのお手伝いの為なら、止める理由はありません」

 

「お姉ちゃんもまだ武者修行終わってないんだし、こっちは蒼達に任せて」

 

「…そうか、ありがとう」

 

「…で、どこに行くんだ翠?」

 

「そうだな…ずーっと東に進んで、青州とか幽州の方にでも行くかな」

 

「あ、そうだ!お姉様…」

 

「ん?」

 

…と、蒲公英達が翠に近寄り…

 

「花嫁修業の方も頑張ってね♪」

 

「私達、応援してるから♪」

 

「これを機に、少しは家事も覚えて下さいね」

 

「っ⁉」

 

「おい、どうした翠?」

 

「な、何でもない!行くぞ!ゾロ!」

 

「?」

 

頬を赤く染め、逃げるように翠は出発するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出発してからしばらくして。

 

「……なァ、ゾロ」

 

「何だ?」

 

「アレって…冗談だよな?」

 

「?何がだ?」

 

「だからその…あたしが美人に入る顔してるって…」

 

「あ?アホかお前は」

 

「そ、そうだよな…あたしが美人とか…冗談に決まって…」

 

「何でんな冗談言って、てめェの機嫌を取らなきゃいけねェんだよ?

あれはおれの基準で、お前が整った顔かどうか判断した正直な感想だ」

 

「~~~っ!(な、何だよもう!い、意識したらなんか急に恥ずかしくなってきた…!

あ~もう頭の中がグチャグチャだァ!全部たんぽぽ達のせいだ!)」

 

そうして、また2人の旅は始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某所。

 

「そうか、韓遂がしくじったか…剣士の御遣いによって」

 

〈どうしましょう?あの御遣いが去った後なら、一部を奪い返す事も可能ですが…〉

 

「いや、韓遂という隠れみのを失ったお前達が動くのはまずい。我々の()()が人目につきかねんしな。

他の七人の内、誰かが涼州にいる可能性も否定できんしな」

 

〈では、表舞台から姿を消して動きますか?〉

 

「ああ、そうしろ」

 

〈了解しました〉

 

「二人目の御遣いが見つかりましたか…」

 

「ああ。しかも西涼の馬家と繋がっているらしい」

 

「一人目の曹操との縁といい、厄介ですね」

 

「どうやら奴らは大陸中に散らばっている様だ。合流する前に叩き潰せれば良いのだが…」

 

「あまり派手に動く事はできません。それに話から察するに、確実に消す為には、我々幹部が動く必要があるでしょう」

 

「表の仕事をしている奴らも多い。おれ達も今の仕事を疎かにする事はできない」

 

「今はとにかく情報を集める事、そして力を蓄える事ですな。天の御使いを確実に消し去れる程の力を…」

 

 




乙女になった翠は可愛い(確信)。


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