ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊 作:HAY
ナミ、華琳、麗羽達がひとしきりケンカした後―――
「ナミ~…シャオもう疲れた~…温泉はもういいから、寝たい~…」
「そうね…もう宿に帰って休みましょう…」
「華琳様、私達も…」
「そうね…慰安旅行に来たはずなのに、何故かいつもより疲れた気がするわ…」
「もう…温泉はあきらめましょう…」
「猪々子さん、斗詩さん、真直さん、私達もお宝はあきらめて帰りましょう…」
「確かに…もう色々と疲れました…」
「「「「「「「「「「………ん?」」」」」」」」」」
…と、そこで一同は初めて互いの目的について話した。
「な~んだ。じゃあ曹操達は宝のことは知らなかったのか」
「へ~…こんな所に財宝ね…」
「ねえ、袁紹さんだったかしら?その地図、見せてくれないかしら?」
「え?まァ、構いませんけど…」
「ちょ、ナミ⁉今日はもう帰ろうって…」
「まァまァシャオ、ついでよ、つ・い・で♪」
(ナミの目…変な形になってる…)
そしてナミは、麗羽から受け取った地図と自分が持っている地図、そして周囲の地形を見比べて…
「あれ?この地図が指している場所、このすぐ近くよ!それに地形的に温泉が湧くかもしれない!」
「「「「「「「「「「ええっ⁉」」」」」」」」」」
▽
ナミの言葉を聞いた一同は、もう少し一緒に探索することにした。
そして…
「地図が示しているのは、間違いなくここだけど…」
そう言うナミ達の前には、明らかに人の手によって掘り返され、大きな穴が開いた地面があった。
穴の底を調べてみると、数粒の砂金や真珠が見つかった。
「どうやら宝は、すでに何者かに発見された後だったみたいね…」
「ま、この地図相当古いし、不思議ではないけど…」
「仕方がないですわね、猪々子さん、斗詩さん、真直さん、私達は帰りましょう」
「は~い」
「あ~あ…残念ですね…」
「まさに骨折り損のくたびれ儲けですね…」
「ま、そういうこともありますわ」
「……?麗羽様、どうしたんですか?」
「……普段こういう時は、一番機嫌が悪くなるのに…」
「そういう時もありますわ(財宝は手に入りませんでしたけど、私にとっての一番大切な“宝”が何か、よくわかりましたもの…)」
そう言って麗羽は、その場を去ろうとして…
ズルッ
「きゃあああ⁉」
足を滑らせ転びそうになり、近くにあった少々大きめの岩に手をつく。
すると、衝撃でその岩がずれ…
「あ!アレ!」
岩があった場所から、小さいが噴水のように水が噴き出す。
さらに噴水からは湯気が出ている。
「「「「「「「「「「温泉⁉」」」」」」」」」」
▽
「華琳様~!やはり無理です!」
「麗羽様~!地盤が固くてこれ以上は掘れません!」
その後、春蘭、華侖、香風、猪々子、斗詩らが、お湯が出た場所を掘ってみたが、作業は中々はかどらなかった。
「ここまで来て残念だわ…」
「こんな事ならいつもの得物持ってくれば良かったな…」
「……ねェ、ちょっとどいてくれる?」
「「「「「「「「「「?」」」」」」」」」」
突然、ナミが手をあげ作業を買って出た。
ナミはお湯が噴き出ているところに、シャベルを一本突き刺し固定すると、“
「“
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」
二つの気泡を使い、シャベルの真上に雲を作り出す。
「な、何アレ⁉」
「あ、あの女、妖術でも使えるんですか⁉」
「これくらいで十分ね。あんた達、少し離れてて。“
バリバリッ…
「こい!“サンダーボルト=テンポ”‼」
バリバリバリッ!
ドカァァァン!
「「「「「「「「「「!」」」」」」」」」」
ナミが作り出した雷は、シャベルを伝って地面に届き…
バキバキバキッ!
ドドーン!
「「「「「「「「「「おおーーーっ!」」」」」」」」」」
強固な岩盤を砕き、温泉を掘りだした。
▽
「は~気持ちいい~!」
「ようやく疲れを癒せたわね」
「やっぱりお風呂はいいですわ~!」
その後、一同は宝を掘り返した跡の穴に石を敷き詰め、お湯を流し込み、温泉を作った。
そして今は、全員で湯につかりくつろいでいる。
「みなさァ~ん!この温泉はわ・た・く・しのおかげで入れるのですから、ちゃんとわ・た・く・しに感謝して入ってくださいね!」
「見つけたって言ったって、ただの偶然じゃない!」
「あ~ら、貧乳金髪クルクル小娘が何か言っているようですけど…斗詩、何か聞こえまして?」
「ええ!何かひがみっぽいことを言っていましたけど、胸が小さいと心も狭くなるんですかね~?」
「チィッ!」
「まァでも、この温泉を見つけるのに、あんた達は何も貢献していないワケだし~感謝するべきなんじゃな~い?」
「くっ!」
シャオにも言われるが、その通りであるため反論できない華琳。
「そう言えばさ~温泉を見つける勝負だけど、掘り出したのはシャオ達なんだし、シャオ達の勝ちよね~」
「なっ⁉見つけたのはほぼ同時でしょう⁉それに最初に源泉を見つけたのは袁紹なんだから、勝負は引き分けじゃない!」
「…ま、そういうことにしておいてあげるわ」
あっさり桂花の妥協案を受け入れるナミ。
「ちょっとナミ!」
「ただし、あんた達は何の貢献もしてないんだから、さっき見つけた砂金と真珠は、私達と袁紹さん達とで山分けするわね」
「あら、それはいいですわね!」
「ちょっと!あれの半分は私達が見つけたんですわよ!」
今度は曹家の金庫番である栄華が反論する。
「あら、労働には賃金、功績には報酬を支払うのは当然でしょう?」
「そうそう、だからあの宝は私達が9、袁紹さん達が1の割合で分けるってことで♪」
「「「「ちょっと 待ちなさい!/待った!」」」」
今度は麗羽達が反論する。
「そこは普通平等に分け合うべきでしょう⁉」
「何よ!地図を見て場所を当てたのも、温泉を掘りだしたのも私なんだから、多くもらうのは当然でしょう!」
「そうよそうよ!数量が同じなら平等だなんて、大間違いよ!」
「だからって九対一はないでしょう⁉」
「ちょっと!どうして私達の取り分がないのが、決定事項なんですの⁉」
「あなた達は黙っていなさい!これは私達とこの女の問題ですわよ!」
「だから…」
「…うるさいわよあんた達」
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」
ナミの静かだが、これまでにない怒気を含んだ言葉に、全員が黙った。
「私の提案に何か文句あんの?」
「イエ、何モアリマセン」
「申シ訳アリマセンデシタ」
「「「「「「「「「ゴメンナサイ」」」」」」」」」
「…………」
その時のナミの怒りは、華琳ですら萎縮してしまうほどだったという…。
「それにしても…華琳さんは昔と全く変わっていないようですね…。
服を脱いだ状態も…」
「っ!………麗羽、あなたの頭も相変わらず子供同然のようね…。
無駄に胸が成長したために、脳に行く栄養がなくなってしまったのかしら?」
「ちょっと!胸が大きいからって頭が悪いわけではないでしょう⁉」
「そうですよ華琳様!その言い分だと、私達も頭が悪いことになってしまうではないですか!」
「その通りです華琳様!春蘭はともかく、柳琳や栄華は…」
「ちょっと待て桂花!私はともかくとはどういうことだ!」
「そこは別に否定する必要ないでしょう?」
「なんだとォ⁉」
「二人とも仲間割れは止めなさい!」
「ねえ、そういえばそこの二人、さっきから真名で呼び合っているみたいだけど、知り合いなの?」
華琳と麗羽のやりとりを見て気になったのか、シャオが訊ねる。
「ええ、同い年で幼少期から色々と一緒に過ごしてきましたわ」
「ま、腐れ縁ってやつよ」
「ふ~ん、同い年…」
ニヤリとした目つきで華琳を見るシャオ。
「な、何よ…」
「その年になってもその体系だなんて、絶望的ね」
「なっ⁉あ、あなただって似たようなものでしょう⁉」
「シャオはこれから大きくなるから、今はこの体系を満喫しているのよ!今しか着られない可愛い服もたくさんあるしね。
母様も姉様達もすっごいんだから、シャオが大きくなるのは血脈的に確定しているのよ!」
「……あなた知ってる?足の速い馬の子が、必ずしも足が速いワケじゃないのよ?
たまに例外が生まれることもあるのよ…」
そう言うと華琳は自分の血縁者である春蘭、華侖、柳琳、栄華を凝視し…
「…………」
「あの…華琳様?」
「華琳姉ェ?」
「お姉様?」
「?」
少し距離を取り、桂花に近寄る。
「本当にね…」
「あんた達何くだらないことで…」
「くだらなくなんかないわよ!」
「⁉」
ナミの発言に、今度はシャオがキレた。
「そうだ!お前はおっぱい勝ち組だからそんなことが言えるんだ!」
猪々子も声をあげる。
「勝ち組って…」
「そもそも、胸の優越を大きさだけでつけようとするのが間違いなのよ!もっと形とか、触り心地とか、感度とか!」
「そうですわ!大きさなんて関係ない、いいえむしろ大きくない方が良いに決まっています!
つるペタで、四肢が短く、小さく可愛らしい体形こそ至高…!
ああ嘆かわしい…!どうして人は大きくなってしまうのですか…⁉」
「栄華ちゃん!お願いだから、これ以上話をややこしくしないで!」
「へっへ~ん!だったらシャオが一番ね!体形だって可愛らしいし、感度や形にだって一番だもの!」
「何を~!感度ならあたいだって!」
「いいえ!感度なら華琳様が一番です!ね?華琳様!」
「え、ええっ⁉」
「華琳様~…みんな~…うるさいから静かにして…」
「そうっすよ~…せっかくの温泉なんすから、ケンカしないでゆっくり休むっす~!」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
香風と華侖に言われ、全員ケンカを止め、ひたすら疲れを癒すことにしたのだった。
「「「「「「「「「「はァ~~~…♪極楽極楽~~~…♪」」」」」」」」」」
▽
ちなみにその頃―――
「グア~…」
ナミに蹴散らされたクマは、自分の住処である洞窟に戻ってきていた。
そこは人の手で掘られたような洞窟で、中にはどこかから運び込まれたらしき、金銀財宝が山積みになっていた。
「ZZZ~…」
クマは何の興味もなさそうに、財宝の山の後ろで眠るのだった。
▽
~さらにその頃―――陳留~
「……今頃華琳様達…温泉に入っているのかな…」
仕事を終えた秋蘭は机に向かい…
「『秋蘭、お勤めご苦労様』
『華琳様、お帰りなさいませ』」
再び華琳達の指人形を取り出し、一人戯れるのだった。
第九席編、完結です。
華琳って親戚の曹と夏侯の皆さんと比べて、1人だけ…(ザンッ!)