ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

42 / 179
第42話 “変な形”

ナミ、華琳、麗羽達がひとしきりケンカした後―――

 

「ナミ~…シャオもう疲れた~…温泉はもういいから、寝たい~…」

 

「そうね…もう宿に帰って休みましょう…」

 

「華琳様、私達も…」

 

「そうね…慰安旅行に来たはずなのに、何故かいつもより疲れた気がするわ…」

 

「もう…温泉はあきらめましょう…」

 

「猪々子さん、斗詩さん、真直さん、私達もお宝はあきらめて帰りましょう…」

 

「確かに…もう色々と疲れました…」

 

「「「「「「「「「「………ん?」」」」」」」」」」

 

…と、そこで一同は初めて互いの目的について話した。

 

「な~んだ。じゃあ曹操達は宝のことは知らなかったのか」

 

「へ~…こんな所に財宝ね…」

 

「ねえ、袁紹さんだったかしら?その地図、見せてくれないかしら?」

 

「え?まァ、構いませんけど…」

 

「ちょ、ナミ⁉今日はもう帰ろうって…」

 

「まァまァシャオ、ついでよ、つ・い・で♪」

 

(ナミの目…変な形になってる…)

 

そしてナミは、麗羽から受け取った地図と自分が持っている地図、そして周囲の地形を見比べて…

 

「あれ?この地図が指している場所、このすぐ近くよ!それに地形的に温泉が湧くかもしれない!」

 

「「「「「「「「「「ええっ⁉」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナミの言葉を聞いた一同は、もう少し一緒に探索することにした。

 

そして…

 

「地図が示しているのは、間違いなくここだけど…」

 

そう言うナミ達の前には、明らかに人の手によって掘り返され、大きな穴が開いた地面があった。

 

穴の底を調べてみると、数粒の砂金や真珠が見つかった。

 

「どうやら宝は、すでに何者かに発見された後だったみたいね…」

 

「ま、この地図相当古いし、不思議ではないけど…」

 

「仕方がないですわね、猪々子さん、斗詩さん、真直さん、私達は帰りましょう」

 

「は~い」

 

「あ~あ…残念ですね…」

 

「まさに骨折り損のくたびれ儲けですね…」

 

「ま、そういうこともありますわ」

 

「……?麗羽様、どうしたんですか?」

 

「……普段こういう時は、一番機嫌が悪くなるのに…」

 

「そういう時もありますわ(財宝は手に入りませんでしたけど、私にとっての一番大切な“宝”が何か、よくわかりましたもの…)」

 

そう言って麗羽は、その場を去ろうとして…

 

ズルッ

 

「きゃあああ⁉」

 

足を滑らせ転びそうになり、近くにあった少々大きめの岩に手をつく。

 

すると、衝撃でその岩がずれ…

 

「あ!アレ!」

 

岩があった場所から、小さいが噴水のように水が噴き出す。

さらに噴水からは湯気が出ている。

 

「「「「「「「「「「温泉⁉」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

「華琳様~!やはり無理です!」

 

「麗羽様~!地盤が固くてこれ以上は掘れません!」

 

その後、春蘭、華侖、香風、猪々子、斗詩らが、お湯が出た場所を掘ってみたが、作業は中々はかどらなかった。

 

「ここまで来て残念だわ…」

 

「こんな事ならいつもの得物持ってくれば良かったな…」

 

「……ねェ、ちょっとどいてくれる?」

 

「「「「「「「「「「?」」」」」」」」」」

 

突然、ナミが手をあげ作業を買って出た。

 

ナミはお湯が噴き出ているところに、シャベルを一本突き刺し固定すると、“天候棒(クリマ・タクト)”を取り出し…

 

「“熱気泡(ヒートボール)”!“冷気泡(クールボール)”!」

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

二つの気泡を使い、シャベルの真上に雲を作り出す。

 

「な、何アレ⁉」

 

「あ、あの女、妖術でも使えるんですか⁉」

 

「これくらいで十分ね。あんた達、少し離れてて。“電気泡(サンダーボール)”!」

 

バリバリッ…

 

「こい!“サンダーボルト=テンポ”‼」

 

バリバリバリッ!

ドカァァァン!

 

「「「「「「「「「「!」」」」」」」」」」

 

ナミが作り出した雷は、シャベルを伝って地面に届き…

 

バキバキバキッ!

ドドーン!

 

「「「「「「「「「「おおーーーっ!」」」」」」」」」」

 

強固な岩盤を砕き、温泉を掘りだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は~気持ちいい~!」

 

「ようやく疲れを癒せたわね」

 

「やっぱりお風呂はいいですわ~!」

 

その後、一同は宝を掘り返した跡の穴に石を敷き詰め、お湯を流し込み、温泉を作った。

 

そして今は、全員で湯につかりくつろいでいる。

 

「みなさァ~ん!この温泉はわ・た・く・しのおかげで入れるのですから、ちゃんとわ・た・く・しに感謝して入ってくださいね!」

 

「見つけたって言ったって、ただの偶然じゃない!」

 

「あ~ら、貧乳金髪クルクル小娘が何か言っているようですけど…斗詩、何か聞こえまして?」

 

「ええ!何かひがみっぽいことを言っていましたけど、胸が小さいと心も狭くなるんですかね~?」

 

「チィッ!」

 

「まァでも、この温泉を見つけるのに、あんた達は何も貢献していないワケだし~感謝するべきなんじゃな~い?」

 

「くっ!」

 

シャオにも言われるが、その通りであるため反論できない華琳。

 

「そう言えばさ~温泉を見つける勝負だけど、掘り出したのはシャオ達なんだし、シャオ達の勝ちよね~」

 

「なっ⁉見つけたのはほぼ同時でしょう⁉それに最初に源泉を見つけたのは袁紹なんだから、勝負は引き分けじゃない!」

 

「…ま、そういうことにしておいてあげるわ」

 

あっさり桂花の妥協案を受け入れるナミ。

 

「ちょっとナミ!」

 

「ただし、あんた達は何の貢献もしてないんだから、さっき見つけた砂金と真珠は、私達と袁紹さん達とで山分けするわね」

 

「あら、それはいいですわね!」

 

「ちょっと!あれの半分は私達が見つけたんですわよ!」

 

今度は曹家の金庫番である栄華が反論する。

 

「あら、労働には賃金、功績には報酬を支払うのは当然でしょう?」

 

「そうそう、だからあの宝は私達が9、袁紹さん達が1の割合で分けるってことで♪」

 

「「「「ちょっと 待ちなさい!/待った!」」」」

 

今度は麗羽達が反論する。

 

「そこは普通平等に分け合うべきでしょう⁉」

 

「何よ!地図を見て場所を当てたのも、温泉を掘りだしたのも私なんだから、多くもらうのは当然でしょう!」

 

「そうよそうよ!数量が同じなら平等だなんて、大間違いよ!」

 

「だからって九対一はないでしょう⁉」

 

「ちょっと!どうして私達の取り分がないのが、決定事項なんですの⁉」

 

「あなた達は黙っていなさい!これは私達とこの女の問題ですわよ!」

 

「だから…」

 

「…うるさいわよあんた達」

 

「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」

 

ナミの静かだが、これまでにない怒気を含んだ言葉に、全員が黙った。

 

「私の提案に何か文句あんの?」

 

「イエ、何モアリマセン」

 

「申シ訳アリマセンデシタ」

 

「「「「「「「「「ゴメンナサイ」」」」」」」」」

 

「…………」

 

その時のナミの怒りは、華琳ですら萎縮してしまうほどだったという…。

 

「それにしても…華琳さんは昔と全く変わっていないようですね…。

服を脱いだ状態も…」

 

「っ!………麗羽、あなたの頭も相変わらず子供同然のようね…。

無駄に胸が成長したために、脳に行く栄養がなくなってしまったのかしら?」

 

「ちょっと!胸が大きいからって頭が悪いわけではないでしょう⁉」

 

「そうですよ華琳様!その言い分だと、私達も頭が悪いことになってしまうではないですか!」

 

「その通りです華琳様!春蘭はともかく、柳琳や栄華は…」

 

「ちょっと待て桂花!私はともかくとはどういうことだ!」

 

「そこは別に否定する必要ないでしょう?」

 

「なんだとォ⁉」

 

「二人とも仲間割れは止めなさい!」

 

「ねえ、そういえばそこの二人、さっきから真名で呼び合っているみたいだけど、知り合いなの?」

 

華琳と麗羽のやりとりを見て気になったのか、シャオが訊ねる。

 

「ええ、同い年で幼少期から色々と一緒に過ごしてきましたわ」

 

「ま、腐れ縁ってやつよ」

 

「ふ~ん、同い年…」

 

ニヤリとした目つきで華琳を見るシャオ。

 

「な、何よ…」

 

「その年になってもその体系だなんて、絶望的ね」

 

「なっ⁉あ、あなただって似たようなものでしょう⁉」

 

「シャオはこれから大きくなるから、今はこの体系を満喫しているのよ!今しか着られない可愛い服もたくさんあるしね。

母様も姉様達もすっごいんだから、シャオが大きくなるのは血脈的に確定しているのよ!」

 

「……あなた知ってる?足の速い馬の子が、必ずしも足が速いワケじゃないのよ?

たまに例外が生まれることもあるのよ…」

 

そう言うと華琳は自分の血縁者である春蘭、華侖、柳琳、栄華を凝視し…

 

「…………」

 

「あの…華琳様?」

 

「華琳姉ェ?」

 

「お姉様?」

 

「?」

 

少し距離を取り、桂花に近寄る。

 

「本当にね…」

 

「あんた達何くだらないことで…」

 

「くだらなくなんかないわよ!」

 

「⁉」

 

ナミの発言に、今度はシャオがキレた。

 

「そうだ!お前はおっぱい勝ち組だからそんなことが言えるんだ!」

 

猪々子も声をあげる。

 

「勝ち組って…」

 

「そもそも、胸の優越を大きさだけでつけようとするのが間違いなのよ!もっと形とか、触り心地とか、感度とか!」

 

「そうですわ!大きさなんて関係ない、いいえむしろ大きくない方が良いに決まっています!

つるペタで、四肢が短く、小さく可愛らしい体形こそ至高…!

ああ嘆かわしい…!どうして人は大きくなってしまうのですか…⁉」

 

「栄華ちゃん!お願いだから、これ以上話をややこしくしないで!」

 

「へっへ~ん!だったらシャオが一番ね!体形だって可愛らしいし、感度や形にだって一番だもの!」

 

「何を~!感度ならあたいだって!」

 

「いいえ!感度なら華琳様が一番です!ね?華琳様!」

 

「え、ええっ⁉」

 

「華琳様~…みんな~…うるさいから静かにして…」

 

「そうっすよ~…せっかくの温泉なんすから、ケンカしないでゆっくり休むっす~!」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

香風と華侖に言われ、全員ケンカを止め、ひたすら疲れを癒すことにしたのだった。

 

「「「「「「「「「「はァ~~~…♪極楽極楽~~~…♪」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにその頃―――

 

「グア~…」

 

ナミに蹴散らされたクマは、自分の住処である洞窟に戻ってきていた。

 

そこは人の手で掘られたような洞窟で、中にはどこかから運び込まれたらしき、金銀財宝が山積みになっていた。

 

「ZZZ~…」

 

クマは何の興味もなさそうに、財宝の山の後ろで眠るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~さらにその頃―――陳留~

 

「……今頃華琳様達…温泉に入っているのかな…」

 

仕事を終えた秋蘭は机に向かい…

 

「『秋蘭、お勤めご苦労様』

 

『華琳様、お帰りなさいませ』」

 

再び華琳達の指人形を取り出し、一人戯れるのだった。

 

 




第九席編、完結です。

華琳って親戚の曹と夏侯の皆さんと比べて、1人だけ…(ザンッ!)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。