ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊 作:HAY
いつも今作の感想欄に、面白い感想を書いていただき誠にありがとうございます。
この度は、セイ様の感想に対する私の返信が、ハーメルンの利用規約の、禁止事項に触れる可能性があったため、まことに勝手ながら、いくつかの返信を削除させていただきました。
その際、誤って書いていただいた感想ごと削除してしまいました。
そのことについて、この場を借りてお詫びを申し上げます。
全て削除した後に、感想ごと消えていたことに気付きました。
すでに削除してしまった感想を含め、今後は一部の感想に対する返信を、後書きで行わせていただきます。
なにとぞご了承いただきますよう、お願い申し上げます。
翌日―――
ドンッ!
「ぐあっ!」
ルフィと甘寧が城の庭で手合わせをしていた。
「…参った」
「よっしゃー!勝ったー!」
「しかし驚いた…。この私が歯が立たないとは…世界は広いな…」
「ししし!」
「“
甘寧の真名らしき名前を呼ぶ声が聞こえ、2人が振り向くと…
「蓮華様!」
蓮華がやって来た。
「あ、妹の奴」
「……“孫権”よ。ちゃんと覚えてちょうだい…」
「わかった」
▽
3人は近くの芝生に腰を下ろして、話をすることにした。
「そういえば、まだ謝っていなかったわね…」
「謝る?」
「昨日、あなたに初対面でいきなり失礼なこと言ったじゃない。
今思えばどうかしていたわ…本当にごめんなさい」
「いいよ。嫌われるの慣れてるから」
「慣れているって…私が言うのもなんだけど、あなたそんなに人に嫌われるようには見えないけど…」
「ん~…お前らになら言ってもいいかな?」
「「?」」
「おれよ、海賊なんだ。あ、愛紗達は違うぞ」
「えっ⁉」
「キサマが―――賊だと⁉」
「うん。だから大抵の奴はおれのこと嫌いだし、見たらみんな襲ってくるんだ」
「…それで昨日、あんなことを?」
「ん?」
「私達が戦いたくなくても、敵は襲ってくるって…」
「まァな」
「そう言う事だったのね。……あの後、少し考えたんだけれど、あなたの言う通りだったわ」
「…………」
「自分の周りが平和だったから、忘れていたのかしらね…?
この大陸、漢王朝はいたるところで賊が跋扈し、苦しんでいる民が大勢いる。
中央政権が地方に無関心なのを良いことに、好き放題に悪政を行い、近隣の領土を侵そうとしている者が大勢いる。
倒せる敵は倒し、同時に力を蓄えなければ、やがて大きな敵に滅ぼされてしまう。
少し考えればわかりそうなことなのに、私は目先の平和に目が眩んでいたわ」
「蓮華様…平和を求めることは決して悪いことでは…」
「よして思春。
私は孫家の人間、あなた達の主のような存在。私の判断一つで、多くの民草の命運が決まる。
それなのにこんな浅はかな考えしかできないようでは、国を滅ぼしてしまうわ」
「そうならないように、私達がいるのでは?」
「それはわかっているわ。
でも、私は母様や姉様みたいに、誰に頼ることなく、自らの力で国を治められる君主になりたい…いえ、ならなければならないの。
誰かに助けて貰ってばかりで、頼りきりの君主なんて、あまりに情けないわ…」
「そうか?」
「え?」
またもやルフィが口をはさむ。
「できねェのにやって、それで失敗する方が迷惑じゃねェか?」
「!」
「できねェならそう言って、できる奴にやってもらった方が良いじゃねェか?」
「……そ、それはそうかもしれないけど、いつまでも頼りきりというワケには…」
「だったらよ、できるようになるまで待ってもらって、それからやればいいじゃねェか」
「…………」
「……キサマは本当によくわからない人間だな…」
「そうか?」
「ふふふ…」
「「?」」
突然、蓮華が笑い出した。
「よく考えてみればそうね。
母様も姉様も立派に見えるけど、政務とか難しいことは冥琳とかに任せきりだし…。
ルフィだったかしら?ありがとう。
あなたと話すことができて良かったわ」
「そうか…!」
「そういえば私、何であなたにこんなことを話してるのかしら?
今まで誰にも話したことなかったのに」
「ま、何でもいいじゃねェか」
「そうね」
「しかし、キサマも賊だったとはな…」
「ん?やっぱり嫌か?」
「いや、私も
「へーお前も賊だったのか」
「ああ。しかし蓮華様と戦い、敗北し、蓮華様の、孫家の力を知り、この方の下で働こうと決心したのだ」
「そうか」
話を聞くと、ルフィは蓮華の方に向き直り…
「やっぱりお前、今でも十分スゲェんじゃねェか」
「え⁉ど、どうして…?」
「敵にスゲェ奴だって思われるは、本当にスゲェ奴だけだよ」
「……そう…ありがとう」
「ルフィ~~~!」
「「「!」」」
そこへ鈴々が駆け寄ってきた。
後ろには愛紗、祭、梨妟もいる。
「どうした?」
「今から狩りに行くのだ!」
「それでルフィ殿も誘おうかと」
「思春、蓮華様もどうじゃ?」
「そうですな。今日は非番ですし、ご一緒しましょう」
「私は遠慮しておくわ」
「さようですか」
「粋怜殿と明命は誘わなかったのですか?」
「粋怜は兵の鍛錬、明命は城壁で見張り番があるんだって」
こうして、ルフィ、愛紗、鈴々、祭、思春、梨妟は狩りに向かった。
▽
「はわわ~…ちょっと欲張り過ぎました~…」
山のように本を抱えた朱里と雷火が、城の渡り廊下を歩いていた。
2人は書庫から借りてきた書を雷火の私室で読もうと、向かっていた。
「いやいや、読書に対する意欲は、そのくらいの方が素晴らしいというものじゃ!」
「あれ?あれって孫堅さんですか?」
庭を見てみると、池の近くに炎蓮が座っているのが見えた。
「また鯉をねらっておるのか」
「鯉?」
「あの池には、池の主と呼ばれる七尺もある鯉が住んでいると言われていてな…」
「はわわっ⁉七尺ですか⁉」
「あら?あなた達」
正面から先ほどルフィたちと別れた蓮華がやって来た。
穏と孫静も一緒である。
「これは蓮華様。いまからお稽古ですか?」
蓮華が手にしている琴を見て、雷火が訊ねる。
「ええ。今日は私室で一人、練習しようと思って」
「そ、そうですか…頑張って下され…。孫静様は?」
「私は部屋で孫翊への手紙を書こうと思いまして」
「雷火様達は読書会でもなさるのですか~?」
「はい!」
「あの~私もご一緒しても構わないでしょうか~?」
「私は構いませんけど…」
「わしも別に良いぞ」
「ありがとうございます~!ではお茶とお菓子をご用意いして、すぐ行きますね~」
穏はパタパタと廊下の向こうに消えて行った。
「ぐふふふ~♡可愛い可愛いご本ちゃ~ん♡すぐに陸遜お姉さんが行きますからね~♡
待っててくださいね~♡じゅるり…」
「「「「…………」」」」
▽
その頃、ルフィ達は狩場の山を登っていた。
「……む」
「黄蓋殿?」
山道をしばらく歩いて行くと、突然祭が立ち止まった。
「…………」
祭は黙ったまま得物である大弓“
バサバサバサッ!
「!」
ヒュン!
ドスッ!
離れた所で飛び立った鳥を仕留めた。
「おお!スゲェなお前!」
「お見事ですな!」
「びっくりしたのだ!」
「さすが祭殿、孫家一の弓使いであられますな」
「相変わらず見事だね~!」
「当然じゃ!まだまだ若い者には負けんぞ!」
「よーし!おれも捕まえるぞ!今日はくま獲ってやる!」
そう言うと、ルフィは勢いよく走りだし…
「あ!ルフィ殿!」
あっという間に見えなくなってしまった。
「…行っちゃったのだ」
「あのような義兄をもって、お主らも大変じゃのう…」
「ええ、その通りです…」
「私が後を追います。祭殿と梨妟は、お二人の案内を」
「任せといて」
そして思春も行ってしまった。
「では、わしはさっきの鳥を取ってくるとしよう。お主達は先に行っておれ」
「はーい」
「では、また後で」
「出発なのだー!」
そして祭も別行動をとり、愛紗達3人は山道を進むのだった。
▽
城のバルコニーで、雪蓮と冥琳が話をしていた。
「…それで周瑜、大丈夫なの?」
「はい。
ルフィ殿、関羽殿、張飛殿は黄蓋殿、太史慈、甘寧と一緒に狩りに向かいました。
孔明殿は張昭殿と一緒に書を読むと」
「…そう。それならいいわね…」
「私は執務室におります。大喬と小喬にも今日は手伝ってもらおうかと…」
「そう。それじゃあ私は庭の円卓で、お茶でも飲んでいるわ」
「わかりました」
▽
しばらくして、蓮華の私室―――
「ふう…一息入れようかしら?」
「蓮華様!一大事です!」
勢いよく扉を開けて大喬が入って来た。
「何事⁉」
「雪蓮様が何者かに襲われました!」
「⁉」
▽
「冥琳!」
「蓮華様!」
雪蓮が襲われたという庭に蓮華が向かうと、数人の兵士達と冥琳が現場である庭園を調べていた。
「姉様が襲われたって聞いたけど…」
「はい。昼前にここで一人、茶を飲んでいたところを襲われたそうです」
「姉様の容態は⁉」
「傷自体はそこまで深くないのですが、凶器に毒が塗られていたらしく…。
すぐに傷口から毒を吸い出したようですが、意識はなく、危険な状態だそうです…」
「そんな…」
「蓮華様!冥琳!」
「雷火!穏!」
「事情は伺いました~!」
「直ちに犯人の捜索を開始しましょう!」
▽
しばらくして―――
「くま見つかんなかったな~…」
「どちらかというと、ルフィ殿の捜索に時間をとられてしまいましたな…」
「しかし張飛殿も見事でしたな」
「うむ、その年でそんな猪を仕留めるとは見事なものじゃ」
「にゃはは~」
「今日は牡丹鍋だね~!」
狩りに言っていたルフィ達が帰ってきた。
鈴々は背中に大きなイノシシを背負っている。
そして城の建物内に入ろうとした瞬間―――
ザッ!
「ん?」
兵士達がルフィ、愛紗、鈴々を取り囲んだ。
「お前達!これは一体何のマネだ⁉」
「わしの指示じゃ」
思春が兵士達に怒鳴りつけるように訊ねると、奥から現れた雷火が代わりに答えた。
蓮華と冥琳も一緒にいる。
「雷火殿!これはどういう…」
「ルフィ!関羽!張飛!キサマらの身柄を拘束する!」
「「「「「「⁉」」」」」」
▽
「雪蓮が⁉」
その後、祭、思春、梨妟の3人は、蓮華達から事情を聞かされた。
「わしらが留守の間にそんなことが…」
「それで…あの三人が怪しいから、身柄を拘束して話を聞くって…」
ルフィ達3人は冥琳と雷火から尋問を受けている。
「蓮華様」
「冥琳!雷火!」
「尋問は終わったのですか?」
「はい」
「して、結果は?」
「あの男、ルフィが犯人じゃ」
「「「「!」」」」
雷火は断言した。
「孫権様、孫策様が重体の今、あなたが代理となっております。
あの男を拘束する許可、いえ命令をして下され」
「…………」
「蓮華様?」
(……彼が……姉様を……?)
実の姉が襲われ意識不明の重体となっている。
少なからず心を開いていた男がその犯人。
その二重のショックで蓮華は混乱していた。
「蓮華様!ご命令を!」
「―――っ!」
雷火に急かされ、さらに混乱してしまう蓮華。
その時―――
―――――できねェのにやって、それで失敗する方が迷惑じゃねェか?
「!」
―――――できるようになるまで待ってもらって、それからやればいいじゃねェか
不意に、ルフィの言葉が頭をよぎった。
「……雷火」
「はっ!」
「……私は混乱していて、冷静に判断できそうにない…」
「「「「「⁉」」」」」
その言葉に、冥琳達は一瞬、驚いたような顔をした。
「…だから、ひとまずはあなたの判断に任せる。
だが、あの男は姉様が招いた客人であるため、鎖や手枷をつけるようなことはするな。良いな?」
「……承知」
▽
「そう言うワケでルフィ…あなたの身柄を拘束させてもらうわ…」
「…わかった」
その後、蓮華は自らルフィの身柄を確保した。
蓮華から事情を聞き、ルフィはおとなしくお縄になった。
「蓮華様」
「何、思春?」
「お言葉ですが…蓮華様は本気で、あの男が雪蓮様のお命を狙ったとお思いですか?」
「……私は…そうは思えない…」
「でしたら何故…」
「そう考えるのは、あくまでも私の私的な感情によるものだ…!
そのような物を裁きに持ち込むことなど許されん…!」
「…わかりました」