ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

45 / 179
セイ様
いつも今作の感想欄に、面白い感想を書いていただき誠にありがとうございます。
この度は、セイ様の感想に対する私の返信が、ハーメルンの利用規約の、禁止事項に触れる可能性があったため、まことに勝手ながら、いくつかの返信を削除させていただきました。
その際、誤って書いていただいた感想ごと削除してしまいました。
そのことについて、この場を借りてお詫びを申し上げます。
全て削除した後に、感想ごと消えていたことに気付きました。

すでに削除してしまった感想を含め、今後は一部の感想に対する返信を、後書きで行わせていただきます。

なにとぞご了承いただきますよう、お願い申し上げます。



第45話 “任せる”

翌日―――

 

ドンッ!

 

「ぐあっ!」

 

ルフィと甘寧が城の庭で手合わせをしていた。

 

「…参った」

 

「よっしゃー!勝ったー!」

 

「しかし驚いた…。この私が歯が立たないとは…世界は広いな…」

 

「ししし!」

 

「“思春(ししゅん)”!」

 

甘寧の真名らしき名前を呼ぶ声が聞こえ、2人が振り向くと…

 

「蓮華様!」

 

蓮華がやって来た。

 

「あ、妹の奴」

 

「……“孫権”よ。ちゃんと覚えてちょうだい…」

 

「わかった」

 

 

 

 

 

 

3人は近くの芝生に腰を下ろして、話をすることにした。

 

「そういえば、まだ謝っていなかったわね…」

 

「謝る?」

 

「昨日、あなたに初対面でいきなり失礼なこと言ったじゃない。

今思えばどうかしていたわ…本当にごめんなさい」

 

「いいよ。嫌われるの慣れてるから」

 

「慣れているって…私が言うのもなんだけど、あなたそんなに人に嫌われるようには見えないけど…」

 

「ん~…お前らになら言ってもいいかな?」

 

「「?」」

 

「おれよ、海賊なんだ。あ、愛紗達は違うぞ」

 

「えっ⁉」

 

「キサマが―――賊だと⁉」

 

「うん。だから大抵の奴はおれのこと嫌いだし、見たらみんな襲ってくるんだ」

 

「…それで昨日、あんなことを?」

 

「ん?」

 

「私達が戦いたくなくても、敵は襲ってくるって…」

 

「まァな」

 

「そう言う事だったのね。……あの後、少し考えたんだけれど、あなたの言う通りだったわ」

 

「…………」

 

「自分の周りが平和だったから、忘れていたのかしらね…?

この大陸、漢王朝はいたるところで賊が跋扈し、苦しんでいる民が大勢いる。

中央政権が地方に無関心なのを良いことに、好き放題に悪政を行い、近隣の領土を侵そうとしている者が大勢いる。

倒せる敵は倒し、同時に力を蓄えなければ、やがて大きな敵に滅ぼされてしまう。

少し考えればわかりそうなことなのに、私は目先の平和に目が眩んでいたわ」

 

「蓮華様…平和を求めることは決して悪いことでは…」

 

「よして思春。

私は孫家の人間、あなた達の主のような存在。私の判断一つで、多くの民草の命運が決まる。

それなのにこんな浅はかな考えしかできないようでは、国を滅ぼしてしまうわ」

 

「そうならないように、私達がいるのでは?」

 

「それはわかっているわ。

でも、私は母様や姉様みたいに、誰に頼ることなく、自らの力で国を治められる君主になりたい…いえ、ならなければならないの。

誰かに助けて貰ってばかりで、頼りきりの君主なんて、あまりに情けないわ…」

 

「そうか?」

 

「え?」

 

またもやルフィが口をはさむ。

 

「できねェのにやって、それで失敗する方が迷惑じゃねェか?」

 

「!」

 

「できねェならそう言って、できる奴にやってもらった方が良いじゃねェか?」

 

「……そ、それはそうかもしれないけど、いつまでも頼りきりというワケには…」

 

「だったらよ、できるようになるまで待ってもらって、それからやればいいじゃねェか」

 

「…………」

 

「……キサマは本当によくわからない人間だな…」

 

「そうか?」

 

「ふふふ…」

 

「「?」」

 

突然、蓮華が笑い出した。

 

「よく考えてみればそうね。

母様も姉様も立派に見えるけど、政務とか難しいことは冥琳とかに任せきりだし…。

ルフィだったかしら?ありがとう。

あなたと話すことができて良かったわ」

 

「そうか…!」

 

「そういえば私、何であなたにこんなことを話してるのかしら?

今まで誰にも話したことなかったのに」

 

「ま、何でもいいじゃねェか」

 

「そうね」

 

「しかし、キサマも賊だったとはな…」

 

「ん?やっぱり嫌か?」

 

「いや、私も錦帆賊(きんほぞく)という江賊の出身でな。親近感がわいた」

 

「へーお前も賊だったのか」

 

「ああ。しかし蓮華様と戦い、敗北し、蓮華様の、孫家の力を知り、この方の下で働こうと決心したのだ」

 

「そうか」

 

話を聞くと、ルフィは蓮華の方に向き直り…

 

「やっぱりお前、今でも十分スゲェんじゃねェか」

 

「え⁉ど、どうして…?」

 

「敵にスゲェ奴だって思われるは、本当にスゲェ奴だけだよ」

 

「……そう…ありがとう」

 

「ルフィ~~~!」

 

「「「!」」」

 

そこへ鈴々が駆け寄ってきた。

後ろには愛紗、祭、梨妟もいる。

 

「どうした?」

 

「今から狩りに行くのだ!」

 

「それでルフィ殿も誘おうかと」

 

「思春、蓮華様もどうじゃ?」

 

「そうですな。今日は非番ですし、ご一緒しましょう」

 

「私は遠慮しておくわ」

 

「さようですか」

 

「粋怜殿と明命は誘わなかったのですか?」

 

「粋怜は兵の鍛錬、明命は城壁で見張り番があるんだって」

 

こうして、ルフィ、愛紗、鈴々、祭、思春、梨妟は狩りに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はわわ~…ちょっと欲張り過ぎました~…」

 

山のように本を抱えた朱里と雷火が、城の渡り廊下を歩いていた。

 

2人は書庫から借りてきた書を雷火の私室で読もうと、向かっていた。

 

「いやいや、読書に対する意欲は、そのくらいの方が素晴らしいというものじゃ!」

 

「あれ?あれって孫堅さんですか?」

 

庭を見てみると、池の近くに炎蓮が座っているのが見えた。

 

「また鯉をねらっておるのか」

 

「鯉?」

 

「あの池には、池の主と呼ばれる七尺もある鯉が住んでいると言われていてな…」

 

「はわわっ⁉七尺ですか⁉」

 

「あら?あなた達」

 

正面から先ほどルフィたちと別れた蓮華がやって来た。

穏と孫静も一緒である。

 

「これは蓮華様。いまからお稽古ですか?」

 

蓮華が手にしている琴を見て、雷火が訊ねる。

 

「ええ。今日は私室で一人、練習しようと思って」

 

「そ、そうですか…頑張って下され…。孫静様は?」

 

「私は部屋で孫翊への手紙を書こうと思いまして」

 

「雷火様達は読書会でもなさるのですか~?」

 

「はい!」

 

「あの~私もご一緒しても構わないでしょうか~?」

 

「私は構いませんけど…」

 

「わしも別に良いぞ」

 

「ありがとうございます~!ではお茶とお菓子をご用意いして、すぐ行きますね~」

 

穏はパタパタと廊下の向こうに消えて行った。

 

「ぐふふふ~♡可愛い可愛いご本ちゃ~ん♡すぐに陸遜お姉さんが行きますからね~♡

待っててくださいね~♡じゅるり…」

 

「「「「…………」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ルフィ達は狩場の山を登っていた。

 

「……む」

 

「黄蓋殿?」

 

山道をしばらく歩いて行くと、突然祭が立ち止まった。

 

「…………」

 

祭は黙ったまま得物である大弓“多幻双弓(たげんそうきゅう)”を構え…

 

バサバサバサッ!

 

「!」

 

ヒュン!

ドスッ!

 

離れた所で飛び立った鳥を仕留めた。

 

「おお!スゲェなお前!」

 

「お見事ですな!」

 

「びっくりしたのだ!」

 

「さすが祭殿、孫家一の弓使いであられますな」

 

「相変わらず見事だね~!」

 

「当然じゃ!まだまだ若い者には負けんぞ!」

 

「よーし!おれも捕まえるぞ!今日はくま獲ってやる!」

 

そう言うと、ルフィは勢いよく走りだし…

 

「あ!ルフィ殿!」

 

あっという間に見えなくなってしまった。

 

「…行っちゃったのだ」

 

「あのような義兄をもって、お主らも大変じゃのう…」

 

「ええ、その通りです…」

 

「私が後を追います。祭殿と梨妟は、お二人の案内を」

 

「任せといて」

 

そして思春も行ってしまった。

 

「では、わしはさっきの鳥を取ってくるとしよう。お主達は先に行っておれ」

 

「はーい」

 

「では、また後で」

 

「出発なのだー!」

 

そして祭も別行動をとり、愛紗達3人は山道を進むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城のバルコニーで、雪蓮と冥琳が話をしていた。

 

「…それで周瑜、大丈夫なの?」

 

「はい。

ルフィ殿、関羽殿、張飛殿は黄蓋殿、太史慈、甘寧と一緒に狩りに向かいました。

孔明殿は張昭殿と一緒に書を読むと」

 

「…そう。それならいいわね…」

 

「私は執務室におります。大喬と小喬にも今日は手伝ってもらおうかと…」

 

「そう。それじゃあ私は庭の円卓で、お茶でも飲んでいるわ」

 

「わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、蓮華の私室―――

 

「ふう…一息入れようかしら?」

 

「蓮華様!一大事です!」

 

勢いよく扉を開けて大喬が入って来た。

 

「何事⁉」

 

「雪蓮様が何者かに襲われました!」

 

「⁉」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冥琳!」

 

「蓮華様!」

 

雪蓮が襲われたという庭に蓮華が向かうと、数人の兵士達と冥琳が現場である庭園を調べていた。

 

「姉様が襲われたって聞いたけど…」

 

「はい。昼前にここで一人、茶を飲んでいたところを襲われたそうです」

 

「姉様の容態は⁉」

 

「傷自体はそこまで深くないのですが、凶器に毒が塗られていたらしく…。

すぐに傷口から毒を吸い出したようですが、意識はなく、危険な状態だそうです…」

 

「そんな…」

 

「蓮華様!冥琳!」

 

「雷火!穏!」

 

「事情は伺いました~!」

 

「直ちに犯人の捜索を開始しましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして―――

 

「くま見つかんなかったな~…」

 

「どちらかというと、ルフィ殿の捜索に時間をとられてしまいましたな…」

 

「しかし張飛殿も見事でしたな」

 

「うむ、その年でそんな猪を仕留めるとは見事なものじゃ」

 

「にゃはは~」

 

「今日は牡丹鍋だね~!」

 

狩りに言っていたルフィ達が帰ってきた。

鈴々は背中に大きなイノシシを背負っている。

 

そして城の建物内に入ろうとした瞬間―――

 

ザッ!

 

「ん?」

 

兵士達がルフィ、愛紗、鈴々を取り囲んだ。

 

「お前達!これは一体何のマネだ⁉」

 

「わしの指示じゃ」

 

思春が兵士達に怒鳴りつけるように訊ねると、奥から現れた雷火が代わりに答えた。

 

蓮華と冥琳も一緒にいる。

 

「雷火殿!これはどういう…」

 

「ルフィ!関羽!張飛!キサマらの身柄を拘束する!」

 

「「「「「「⁉」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雪蓮が⁉」

 

その後、祭、思春、梨妟の3人は、蓮華達から事情を聞かされた。

 

「わしらが留守の間にそんなことが…」

 

「それで…あの三人が怪しいから、身柄を拘束して話を聞くって…」

 

ルフィ達3人は冥琳と雷火から尋問を受けている。

 

「蓮華様」

 

「冥琳!雷火!」

 

「尋問は終わったのですか?」

 

「はい」

 

「して、結果は?」

 

「あの男、ルフィが犯人じゃ」

 

「「「「!」」」」

 

雷火は断言した。

 

「孫権様、孫策様が重体の今、あなたが代理となっております。

あの男を拘束する許可、いえ命令をして下され」

 

「…………」

 

「蓮華様?」

 

(……彼が……姉様を……?)

 

実の姉が襲われ意識不明の重体となっている。

少なからず心を開いていた男がその犯人。

その二重のショックで蓮華は混乱していた。

 

「蓮華様!ご命令を!」

 

「―――っ!」

 

雷火に急かされ、さらに混乱してしまう蓮華。

 

その時―――

 

―――――できねェのにやって、それで失敗する方が迷惑じゃねェか?

 

「!」

 

―――――できるようになるまで待ってもらって、それからやればいいじゃねェか

 

不意に、ルフィの言葉が頭をよぎった。

 

「……雷火」

 

「はっ!」

 

「……私は混乱していて、冷静に判断できそうにない…」

 

「「「「「⁉」」」」」

 

その言葉に、冥琳達は一瞬、驚いたような顔をした。

 

「…だから、ひとまずはあなたの判断に任せる。

だが、あの男は姉様が招いた客人であるため、鎖や手枷をつけるようなことはするな。良いな?」

 

「……承知」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言うワケでルフィ…あなたの身柄を拘束させてもらうわ…」

 

「…わかった」

 

その後、蓮華は自らルフィの身柄を確保した。

 

蓮華から事情を聞き、ルフィはおとなしくお縄になった。

 

「蓮華様」

 

「何、思春?」

 

「お言葉ですが…蓮華様は本気で、あの男が雪蓮様のお命を狙ったとお思いですか?」

 

「……私は…そうは思えない…」

 

「でしたら何故…」

 

「そう考えるのは、あくまでも私の私的な感情によるものだ…!

そのような物を裁きに持ち込むことなど許されん…!」

 

「…わかりました」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。