ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊   作:HAY

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セイ様
いつも今作の感想欄に、面白い感想を書いていただき誠にありがとうございます。
この度は、セイ様の感想に対する私の返信が、ハーメルンの利用規約の、禁止事項に触れる可能性があったため、まことに勝手ながら、いくつかの返信を削除させていただきました。
その際、誤って書いていただいた感想ごと削除してしまいました。
そのことについて、この場を借りてお詫びを申し上げます。
全て削除した後に、感想ごと消えていたことに気付きました。

すでに削除してしまった感想を含め、今後は一部の感想に対する返信を、後書きで行わせていただきます。

なにとぞご了承いただきますよう、お願い申し上げます。



第45話 “任せる”

翌日―――

 

ドンッ!

 

「ぐあっ!」

 

ルフィと甘寧が城の庭で手合わせをしていた。

 

「…参った」

 

「よっしゃー!勝ったー!」

 

「しかし驚いた…。この私が歯が立たないとは…世界は広いな…」

 

「ししし!」

 

「“思春(ししゅん)”!」

 

甘寧の真名らしき名前を呼ぶ声が聞こえ、2人が振り向くと…

 

「蓮華様!」

 

蓮華がやって来た。

 

「あ、妹の奴」

 

「……“孫権”よ。ちゃんと覚えてちょうだい…」

 

「わかった」

 

 

 

▽

 

 

 

3人は近くの芝生に腰を下ろして、話をすることにした。

 

「そういえば、まだ謝っていなかったわね…」

 

「謝る?」

 

「昨日、あなたに初対面でいきなり失礼なこと言ったじゃない。

今思えばどうかしていたわ…本当にごめんなさい」

 

「いいよ。嫌われるの慣れてるから」

 

「慣れているって…私が言うのもなんだけど、あなたそんなに人に嫌われるようには見えないけど…」

 

「ん~…お前らになら言ってもいいかな?」

 

「「?」」

 

「おれよ、海賊なんだ。あ、愛紗達は違うぞ」

 

「えっ⁉」

 

「キサマが―――賊だと⁉」

 

「うん。だから大抵の奴はおれのこと嫌いだし、見たらみんな襲ってくるんだ」

 

「…それで昨日、あんなことを?」

 

「ん?」

 

「私達が戦いたくなくても、敵は襲ってくるって…」

 

「まァな」

 

「そう言う事だったのね。……あの後、少し考えたんだけれど、あなたの言う通りだったわ」

 

「…………」

 

「自分の周りが平和だったから、忘れていたのかしらね…?

この大陸、漢王朝はいたるところで賊が跋扈し、苦しんでいる民が大勢いる。

中央政権が地方に無関心なのを良いことに、好き放題に悪政を行い、近隣の領土を侵そうとしている者が大勢いる。

倒せる敵は倒し、同時に力を蓄えなければ、やがて大きな敵に滅ぼされてしまう。

少し考えればわかりそうなことなのに、私は目先の平和に目が眩んでいたわ」

 

「蓮華様…平和を求めることは決して悪いことでは…」

 

「よして思春。

私は孫家の人間、あなた達の主のような存在。私の判断一つで、多くの民草の命運が決まる。

それなのにこんな浅はかな考えしかできないようでは、国を滅ぼしてしまうわ」

 

「そうならないように、私達がいるのでは?」

 

「それはわかっているわ。

でも、私は母様や姉様みたいに、誰に頼ることなく、自らの力で国を治められる君主になりたい…いえ、ならなければならないの。

誰かに助けて貰ってばかりで、頼りきりの君主なんて、あまりに情けないわ…」

 

「そうか?」

 

「え?」

 

またもやルフィが口をはさむ。

 

「できねェのにやって、それで失敗する方が迷惑じゃねェか?」

 

「!」

 

「できねェならそう言って、できる奴にやってもらった方が良いじゃねェか?」

 

「……そ、それはそうかもしれないけど、いつまでも頼りきりというワケには…」

 

「だったらよ、できるようになるまで待ってもらって、それからやればいいじゃねェか」

 

「…………」

 

「……キサマは本当によくわからない人間だな…」

 

「そうか?」

 

「ふふふ…」

 

「「?」」

 

突然、蓮華が笑い出した。

 

「よく考えてみればそうね。

母様も姉様も立派に見えるけど、政務とか難しいことは冥琳とかに任せきりだし…。

ルフィだったかしら?ありがとう。

あなたと話すことができて良かったわ」

 

「そうか…!」

 

「そういえば私、何であなたにこんなことを話してるのかしら?

今まで誰にも話したことなかったのに」

 

「ま、何でもいいじゃねェか」

 

「そうね」

 

「しかし、キサマも賊だったとはな…」

 

「ん?やっぱり嫌か?」

 

「いや、私も錦帆賊(きんほぞく)という江賊の出身でな。親近感がわいた」

 

「へーお前も賊だったのか」

 

「ああ。しかし蓮華様と戦い、敗北し、蓮華様の、孫家の力を知り、この方の下で働こうと決心したのだ」

 

「そうか」

 

話を聞くと、ルフィは蓮華の方に向き直り…

 

「やっぱりお前、今でも十分スゲェんじゃねェか」

 

「え⁉ど、どうして…?」

 

「敵にスゲェ奴だって思われるは、本当にスゲェ奴だけだよ」

 

「……そう…ありがとう」

 

「ルフィ~~~!」

 

「「「!」」」

 

そこへ鈴々が駆け寄ってきた。

後ろには愛紗、祭、梨妟もいる。

 

「どうした?」

 

「今から狩りに行くのだ!」

 

「それでルフィ殿も誘おうかと」

 

「思春、蓮華様もどうじゃ?」

 

「そうですな。今日は非番ですし、ご一緒しましょう」

 

「私は遠慮しておくわ」

 

「さようですか」

 

「粋怜殿と明命は誘わなかったのですか?」

 

「粋怜は兵の鍛錬、明命は城壁で見張り番があるんだって」

 

こうして、ルフィ、愛紗、鈴々、祭、思春、梨妟は狩りに向かった。

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

「はわわ~…ちょっと欲張り過ぎました~…」

 

山のように本を抱えた朱里と雷火が、城の渡り廊下を歩いていた。

 

2人は書庫から借りてきた書を雷火の私室で読もうと、向かっていた。

 

「いやいや、読書に対する意欲は、そのくらいの方が素晴らしいというものじゃ!」

 

「あれ?あれって孫堅さんですか?」

 

庭を見てみると、池の近くに炎蓮が座っているのが見えた。

 

「また鯉をねらっておるのか」

 

「鯉?」

 

「あの池には、池の主と呼ばれる七尺もある鯉が住んでいると言われていてな…」

 

「はわわっ⁉七尺ですか⁉」

 

「あら?あなた達」

 

正面から先ほどルフィたちと別れた蓮華がやって来た。

穏と孫静も一緒である。

 

「これは蓮華様。いまからお稽古ですか?」

 

蓮華が手にしている琴を見て、雷火が訊ねる。

 

「ええ。今日は私室で一人、練習しようと思って」

 

「そ、そうですか…頑張って下され…。孫静様は?」

 

「私は部屋で孫翊への手紙を書こうと思いまして」

 

「雷火様達は読書会でもなさるのですか~?」

 

「はい!」

 

「あの~私もご一緒しても構わないでしょうか~?」

 

「私は構いませんけど…」

 

「わしも別に良いぞ」

 

「ありがとうございます~!ではお茶とお菓子をご用意いして、すぐ行きますね~」

 

穏はパタパタと廊下の向こうに消えて行った。

 

「ぐふふふ~♡可愛い可愛いご本ちゃ~ん♡すぐに陸遜お姉さんが行きますからね~♡

待っててくださいね~♡じゅるり…」

 

「「「「…………」」」」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

その頃、ルフィ達は狩場の山を登っていた。

 

「……む」

 

「黄蓋殿?」

 

山道をしばらく歩いて行くと、突然祭が立ち止まった。

 

「…………」

 

祭は黙ったまま得物である大弓“多幻双弓(たげんそうきゅう)”を構え…

 

バサバサバサッ!

 

「!」

 

ヒュン!

ドスッ!

 

離れた所で飛び立った鳥を仕留めた。

 

「おお!スゲェなお前!」

 

「お見事ですな!」

 

「びっくりしたのだ!」

 

「さすが祭殿、孫家一の弓使いであられますな」

 

「相変わらず見事だね~!」

 

「当然じゃ!まだまだ若い者には負けんぞ!」

 

「よーし!おれも捕まえるぞ!今日はくま獲ってやる!」

 

そう言うと、ルフィは勢いよく走りだし…

 

「あ!ルフィ殿!」

 

あっという間に見えなくなってしまった。

 

「…行っちゃったのだ」

 

「あのような義兄をもって、お主らも大変じゃのう…」

 

「ええ、その通りです…」

 

「私が後を追います。祭殿と梨妟は、お二人の案内を」

 

「任せといて」

 

そして思春も行ってしまった。

 

「では、わしはさっきの鳥を取ってくるとしよう。お主達は先に行っておれ」

 

「はーい」

 

「では、また後で」

 

「出発なのだー!」

 

そして祭も別行動をとり、愛紗達3人は山道を進むのだった。

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

城のバルコニーで、雪蓮と冥琳が話をしていた。

 

「…それで周瑜、大丈夫なの?」

 

「はい。

ルフィ殿、関羽殿、張飛殿は黄蓋殿、太史慈、甘寧と一緒に狩りに向かいました。

孔明殿は張昭殿と一緒に書を読むと」

 

「…そう。それならいいわね…」

 

「私は執務室におります。大喬と小喬にも今日は手伝ってもらおうかと…」

 

「そう。それじゃあ私は庭の円卓で、お茶でも飲んでいるわ」

 

「わかりました」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

しばらくして、蓮華の私室―――

 

「ふう…一息入れようかしら?」

 

「蓮華様!一大事です!」

 

勢いよく扉を開けて大喬が入って来た。

 

「何事⁉」

 

「雪蓮様が何者かに襲われました!」

 

「⁉」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

「冥琳!」

 

「蓮華様!」

 

雪蓮が襲われたという庭に蓮華が向かうと、数人の兵士達と冥琳が現場である庭園を調べていた。

 

「姉様が襲われたって聞いたけど…」

 

「はい。昼前にここで一人、茶を飲んでいたところを襲われたそうです」

 

「姉様の容態は⁉」

 

「傷自体はそこまで深くないのですが、凶器に毒が塗られていたらしく…。

すぐに傷口から毒を吸い出したようですが、意識はなく、危険な状態だそうです…」

 

「そんな…」

 

「蓮華様!冥琳!」

 

「雷火!穏!」

 

「事情は伺いました~!」

 

「直ちに犯人の捜索を開始しましょう!」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

しばらくして―――

 

「くま見つかんなかったな~…」

 

「どちらかというと、ルフィ殿の捜索に時間をとられてしまいましたな…」

 

「しかし張飛殿も見事でしたな」

 

「うむ、その年でそんな猪を仕留めるとは見事なものじゃ」

 

「にゃはは~」

 

「今日は牡丹鍋だね~!」

 

狩りに言っていたルフィ達が帰ってきた。

鈴々は背中に大きなイノシシを背負っている。

 

そして城の建物内に入ろうとした瞬間―――

 

ザッ!

 

「ん?」

 

兵士達がルフィ、愛紗、鈴々を取り囲んだ。

 

「お前達!これは一体何のマネだ⁉」

 

「わしの指示じゃ」

 

思春が兵士達に怒鳴りつけるように訊ねると、奥から現れた雷火が代わりに答えた。

 

蓮華と冥琳も一緒にいる。

 

「雷火殿!これはどういう…」

 

「ルフィ!関羽!張飛!キサマらの身柄を拘束する!」

 

「「「「「「⁉」」」」」」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

「雪蓮が⁉」

 

その後、祭、思春、梨妟の3人は、蓮華達から事情を聞かされた。

 

「わしらが留守の間にそんなことが…」

 

「それで…あの三人が怪しいから、身柄を拘束して話を聞くって…」

 

ルフィ達3人は冥琳と雷火から尋問を受けている。

 

「蓮華様」

 

「冥琳!雷火!」

 

「尋問は終わったのですか?」

 

「はい」

 

「して、結果は?」

 

「あの男、ルフィが犯人じゃ」

 

「「「「!」」」」

 

雷火は断言した。

 

「孫権様、孫策様が重体の今、あなたが代理となっております。

あの男を拘束する許可、いえ命令をして下され」

 

「…………」

 

「蓮華様?」

 

(……彼が……姉様を……?)

 

実の姉が襲われ意識不明の重体となっている。

少なからず心を開いていた男がその犯人。

その二重のショックで蓮華は混乱していた。

 

「蓮華様!ご命令を!」

 

「―――っ!」

 

雷火に急かされ、さらに混乱してしまう蓮華。

 

その時―――

 

―――――できねェのにやって、それで失敗する方が迷惑じゃねェか?

 

「!」

 

―――――できるようになるまで待ってもらって、それからやればいいじゃねェか

 

不意に、ルフィの言葉が頭をよぎった。

 

「……雷火」

 

「はっ!」

 

「……私は混乱していて、冷静に判断できそうにない…」

 

「「「「「⁉」」」」」

 

その言葉に、冥琳達は一瞬、驚いたような顔をした。

 

「…だから、ひとまずはあなたの判断に任せる。

だが、あの男は姉様が招いた客人であるため、鎖や手枷をつけるようなことはするな。良いな?」

 

「……承知」

 

 

 

 

 

▽

 

 

 

 

 

「そう言うワケでルフィ…あなたの身柄を拘束させてもらうわ…」

 

「…わかった」

 

その後、蓮華は自らルフィの身柄を確保した。

 

蓮華から事情を聞き、ルフィはおとなしくお縄になった。

 

「蓮華様」

 

「何、思春?」

 

「お言葉ですが…蓮華様は本気で、あの男が雪蓮様のお命を狙ったとお思いですか?」

 

「……私は…そうは思えない…」

 

「でしたら何故…」

 

「そう考えるのは、あくまでも私の私的な感情によるものだ…!

そのような物を裁きに持ち込むことなど許されん…!」

 

「…わかりました」

 

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