ONE PIECE エピソードオブ恋姫†無双 無双の姫たちと九人の海賊 作:HAY
鈴々と趙雲が手合わせをする事になり、鈴々は丈八蛇矛を、趙雲は“
「始め!」
「うおりゃーーーーー!」
公孫賛がそう叫ぶと同時に、鈴々は仕掛ける!
「っ!」
振り下ろされた鈴々の一撃を趙雲は正面から受け止める!
「―――ほう…!」
そして、蛇矛を受け流すように振り払う!
「うりゃりゃーーーーー!」
躱された鈴々は次々と攻撃を放つ!
「―――っ!」
「!」
しかし趙雲はそれらを全て、必要最低限の動きで躱す!
その動きに愛紗は驚く。
「ヒラヒラ逃げてばかりなのだ!」
「どうした?もう降参か?」
「そんな訳ないのだー!」
そう叫び鈴々は蛇矛を振り上げるが―――
「鈴々!そこまでだ!」
「⁉」
愛紗に止められる。
「どうしてなのだ愛紗!鈴々はまだやれるのだ!」
「わかっている。だが……私も戦ってみたくなったのだ」
「?」
「ほう…」
▽
そして、鈴々に代わり愛紗が趙雲と対峙する。
「…………」
「…………」
両者は互いに動かず、しばらく睨み合い…
「…成程、よくわかった」
「「「「!」」」」
趙雲が構えを解いた。
「本当に強い相手なら、戦わずともわかるものだ。公孫賛殿、関羽殿の実力、しかと見届けました」
「うむ」
「ふう…」
「ししし!」
「はにゃ?」
▽
手合わせを終え、5人は再び席に着いたが…
「む~~…」
鈴々が不機嫌そうにしていた。
「どうした鈴々?」
「そんな膨れっ面して?」
「…さっきのだと、なんだか鈴々だけ強くないみたいなのだ…」
「いや張飛とやら、お主の強さは本物だ。ただ、その強さを上手く使えていないだけだ」
「?」
趙雲が説明するが、鈴々はよくわからなかった。
(…………ん?)
その直後、趙雲は鈴々の言葉のある事に気が付く。
(“鈴々
そんな事を考え、ルフィを見るが…
(荷物持ちか何かだから、比べる相手に入れてないだけか…)
そんなふうに考え、口にはしなかった。
「?何だ?」
「…いや何でもない。そういえば公孫賛殿、この間お話した例の件ですが…」
「ああ、あれか…」
「例の件?」
「何かあったのか?」
「実は山賊退治に少々手こずっていてな…。
これまでの状況からみて、連中の根城は
討伐隊を出すこともできんのだ…」
「そこで私が一計を案じてみたのだ」
「その作戦とは?」
「偽の隊商をしたてて、その荷物に中に潜り込み、わざと荷物を賊に奪わせる。そしてそのまま賊に直接隠れ家に連れて行ってもらう、という訳だ」
「おおー!頭いいなお前!」
「しかし、賊の巣窟に単身で乗り込むなど…」
公孫賛はその作戦に反対している様だった。
「“虎穴に入らずんば虎子を得ず”です。そもそも武器を手にし、戦に身を投じた時点で、危険は覚悟しておかねばならぬもの」
そう言うと趙雲は愛紗の方に向き直る。
「どうですか関羽殿、私と一緒に賊の隠れ家を訪ねてみませぬか?」
「引き受けた」
愛紗がそう言い…
「よし!おれも行くぞ!」
「鈴々も行くのだ!」
ルフィと鈴々も協力を申し出るが…
「お主達は駄目だ!」
趙雲にきっぱりと断られてしまう。
「え~⁉」
「どうしてなのだ⁉」
「よいか?荷物の中に潜み、賊の隠れ家に着くまでは、ずっと息を殺し、じっとしていなければいけないのだぞ。
お主達のように根が騒がしくできている人間には無理だ。
きっと半刻もじっとしていられまい」
「ああ、そりゃムリだな」
じっとしているのが苦手、というより嫌いな自覚があるルフィは引き下がるが…
「そんな事ないのだ~~~!鈴々はやればできる子なのだ~~~!」
鈴々は大声で叫び、猛抗議する。
「ほう…では今ここでやって貰おうか」
若干、ニヤニヤしながら趙雲がそう言い…
「お安い御用なのだ!こうやって、じっとしているだけでいいんだから簡単なのだ!」
そう言って鈴々は腕を組み、胡坐をかいて座り込む。
▽
1分が経過した。
「…………」
▽
やがて5分が経過し…
「…………っ」
▽
そして10分後…
「~~~~っ!」
「……おい、鈴り…」
ボカァァァァァン!
「はにゃ~~~~~⁉」
「鈴り~~~ん⁉」
「爆発したァ⁉」
じっとしていた事により、体内に溜め込み過ぎた何かが爆発した鈴々は、真っ黒コゲになり倒れこんだ…。
「おい鈴々!しっかりし―――熱ィッ!スゲェ熱だ!」
「公孫賛殿!医者を!早く!医者を!」
ルフィと愛紗は慌てふためき、趙雲は気にする事なく茶を啜り、公孫賛はその様子を苦笑いして見ていた。
▽
そして、愛紗と趙雲で作戦を決行する事になったが…
「この中に隠れるのか…」
「少々窮屈だろうが、仕方あるまい」
賊が荷車を運搬した際に怪しまれない為には、愛紗達が隠れる
その為、2人が隠れる櫃は2人がギリギリ入れる大きさになってしまった。
さらに万が一、中身を見られた場合に備え、衣服や反物を一緒に入れた為、かなり狭くなった。
「これでは相当身体を密着させねばならないな」
「なァに問題ない。私はそのケが無くもないのでな。むしろ大歓迎だ」
「そうか。なら安し……⁉」
全く安心できない愛紗だった。
▽
かくして、公孫瓚の兵が変装した商人に運ばれ、2人は出発した。
その道中…
「ちょ、趙雲殿…」
「しっ!いつ賊が現れるかわからぬのですから、静かに」
「で、ですがその…先程から…」
「…何ですか」
「趙雲殿の…膝が…」
「……膝がどうかしましたか?」
「あ、当たって…」
「おお、失礼。ではこうして…」
「ひゃんっ!こ、今度は手が…」
「おお、いけない。では手をこっちにやって…」
「ふぁっ…!ちょ、趙雲殿…わざとやっておりませぬか?」
「ハテサテ何ノコトヤラ…」
「ぼ、棒読みではないですか!や、やはり…あっ!あんっ!」
「「「「「…………」」」」」
後に、その時商隊に扮していた兵士達は口を揃えてこう言った。
『ある意味これ以上に大変な任務はなかった』と。
▽
数分後、公孫賛の執務室にて―――
「公孫賛様、報告です」
「何だ?」
「例の商隊が賊に襲われました」
「そうか。…して首尾は?」
「はい。同行していた者に怪我はなく、荷物の方は全て賊の手に渡ったとの事です」
「そうか、ご苦労だった。後は二人が上手くやってくれると良いのだが…」
因みににその頃、ルフィと鈴々は…
「…ヒマだな」
「…ヒマなのだ」
公孫賛の屋敷の庭で寝転がっていた。
▽
同刻、赤銅山のとある場所―――
「今回の戦利品はこれで全部だな」
「あ~重て~…」
そして、賊は最後の荷物を少々乱暴に床に置く。
「キャッ!」
「ん?」
「どうしました頭?」
「今、女の声がしなかったか?」
「何言ってんですか?」
「あまりに女に飢えてるから、幻聴が聞こえたんじゃないですか?」
「そうかもな。じゃあ今日も村の娘に酌させるか」
そう言って賊は倉庫を出て行った。
「……よし、大丈夫だな」
櫃の蓋を少し開け、外の様子を確認した後、趙雲は外に出てきた。
その後から愛紗が少しのぼせた様子で外に出る。
……一体何があったのか?
「………どうやらここは地下の様だな」
少し周りを見渡して、趙雲がそう言った。
▽
倉庫らしき部屋から通路に出た2人は、周囲の様子を見渡す。
「どうやらここは昔、鉱山だった様だな」
「その時の坑道を、そのまま隠れ家にしていたという訳か。道理でいくら砦を探しても、見つからない筈だ」
そして2人は、隠れ家の場所を公孫賛に知らせる為に、少し探索してみるのだった。
▽
「思っていたより広いな…それに道も複雑だ。これでは出口を探すのも、一苦労だな」
「しかし、敵陣の中で得物がコレだけとは…少々心細いな…」
懐から取り出した短剣を見て、愛紗が呟く。
「しかたあるまい。お主の乳が邪魔で、それ以上の大きな武器は入らなかったのだから」
「⁉な、なにも邪魔だったのは私の乳だけではあるまい!」
「…そうだな。乳だけではなく、お主の尻も邪魔だったかもしれんな」
「なっ⁉」
「!しっ!」
「?」
趙雲に言われ、愛紗は口を閉じる。
すると、そう離れていない場所から大勢の笑い声が聞こえてきた。
▽
2人が声を頼りに少し歩くと、広い場所に出た。
そこでは大勢の賊が宴会をしていた。
頭領らしき男は1人の娘を侍らせている。
「や…やめて下さい!これ以上は…!」
「いいじゃねェか、減るもんじゃねェし」
「い、いやァ!」
頭領は強引に娘を抱き寄せ、身体を触る。
「おのれ
その様子を見て愛紗は怒り、身を隠していた岩陰から今にも飛び出そうとする。
「関羽!何をするつもりだ?」
「決まっているだろう!あの娘を助けに行く!」
「しかし、相手はあの数。それに我らの役目はこの隠れ家の場所を…」
趙雲が言いきらないうちに、愛紗は飛び出し―――
「ハァッ!」
「ぐあっ⁉」
頭領の頭に蹴りをくらわせ気絶させる!
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」
「大丈夫か?」
「は、はい…ありがとうございます…」
「何だテメェは⁉」
「我が名は関羽!地下に巣くう外道ども!まとめて青龍偃月刀の……⁉」
そこまで言って、関羽は自身の手に青龍偃月刀がない事を思い出す。
「まとめて……どうする気だ?」
「き、貴様らなどこれで十分だ!命が惜しくない奴はかかってこい!」
そう言って愛紗は自身の後ろに娘を隠し、短刀を抜いて構える。
「その台詞…そっくりそのまま返すぜ」
しかし山賊達は自分たちの有利を確信し、愛紗達を取り囲む。
(くっ…!)
愛紗の方も強がっているものの、自分が不利である事はわかっていた。
後ろに守らなければならない娘がいる為、あまり大きく動く事ができない。
その上、手にしている得物も普段の武器とは形が大きく異なるため、使い慣れていない。
いくら愛紗が強くても、この状況で数十人の相手をするのは分が悪かった。
その為、ジリジリと距離を詰めてくる賊の大群を前に、身動きが取れなかった。
その時―――
ガタンッ
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」」
何かが倒れる音が響き、辺りが真っ暗になった。
「な、何だ⁉」
「明かりをつけろ!」
突然の事に賊達が混乱する中―――
「関羽殿、こっちだ!」
「趙雲殿⁉」
趙雲が愛紗に駆け寄り、声を掛けた。
愛紗が飛び出した後、趙雲はしばらく様子を見ていた。
そして賊が愛紗に気を取られている隙に、小石を投げつけて
趙雲に案内され、愛紗は娘を連れてその場を離れた。
▽
「……どうやら追って来てはいないようだな。全く…猪武者なのは義妹だけかと思っていたが、お主もかなりのものだな」
「はは…申し訳ない。…ただ、どうしてもな…」
「?」
「自分で救える者なら、必ず救うとそう決めていたもので、つい…」
「…そうか」
「あ、あの…」
「「?」」
「助けていただき、ありがとうございます…」
2人が話していると、先程賊に捕まっていた娘が礼を言った。
「いえ、当然の事をしたまでです」
そして娘は賊に捕まった経緯を話し始めた。
「私はこの山の付近の村に住んでいたのですが、子供達と山菜採りに山に入った時、偶然ここへの出入り口を見つけてしまい…」
「それで捕まってしまったのか」
「はい。その時一緒にいた子供達も、捕まってここの地下牢にいるのです。もし私が逃げ出したら、あの子達がどんな目に遭うか…」
「…どうする気だ?」
少女の話を聞き、趙雲が愛紗に訪ねた。
「無論、助ける」
「…だろうな」
愛紗の言葉に趙雲は、困ったような顔をするのだった。
ワンピース原作では、手配書が出回ってるからこそ、ルフィは警戒されていますけど、何も知らないで外見だけ見ると、やっぱり強そうに見えませんよね。