ん、何?遅れた理由?………サボってただけです。
「おぉ〜はよぉ〜ございまぁ〜す!!!」
(リンの起床時の雄叫びにも慣れたわね…)
隣にいたシノンが耳を塞ぎながら心の中で言った。
「ふぅ…今日も張り切って行こー!」
「ふぁ〜あ…朝から元気ねぇ、全く…………え!?」
寝起きのシノンが枕元に置いていたスマホを開くと、そこには衝撃的な事実があった。
7:50
そう、寝坊だ。
「遅刻!?」
「いやいやそんなはずは……あった!!」
リンもシノンと同様にスマホを見て驚いた。
状況を理解した2人は慌てて支度を始めた。
ガチャ
「行ってきまーす!」
2人は急いで玄関のドアを開け、登校した。
「ヤバイヤバイヤバイ!遅刻だぁ〜!!」
「どう足掻いても間に合わない時間よね…」
パチン!
突如、指を鳴らす音がした。すると、辺りは静かになった。まるで時が止まったかのように。
「あ、あれ…?なんか急に静かに…」
「シノンに、リンですね…?」
2人の元へやって来たのは、ドラゴンの頭蓋骨を模したマスクを付け、シルクハットを被ったスーツ姿の男だった。
「あの〜…誰ですか?今私たち急いでるんですが…」
急いでいるからか、シノンは不機嫌そうに聞いた。
「ご安心を。時が進むことはありません」
男はそう言った後、左腕に付けていた腕時計を見せた。その腕時計の針は止まっていた。
「止まってる!?じゃあこんなに静かなのは…何も動いてないから…?」
シノンは辺りを見回した。何も動いていなかった。完全に時が止まっていた。この場にいる3人を除いて。
「それで〜…どちら様?」
リンが聞き出した。
「申し遅れました。私の名はジャック・オン・キルダ・エルドゥ・ロージィ。長い名前なので、こう呼ばれます…
“
「
「単純でしょう?貴方たちの名前は私の知り合いに聞きました」
(私たちのことを知ってる知り合いねぇ…。恐らくヤイバね)
「さて、そろそろ本題に入りましょうか。何故私が貴方たちの前に立ったのか。それはですね……貴方
「過去!?ていうか
「えぇ、もちろん。まさか、自分はシノンの過去とは一切関わりがないと思ってます?」
「だって私シノンおn…シノンちゃんのこと最近知ったばっかりだし…」
「覚えてないだけなのでは?」
「ないない!母さんも私は普通に生きてきたって言ってたもん!」
「ほぉ…。……全く、いじわるな母親だ」
「え…それどういう…」
「貴方の母、星見レイは貴方に嘘をついている」
「そ、そんな!それが嘘でしょ!」
「どうでしょうか?」
「そもそも、母さんの何も知らないでしょ!?」
「……星見レイ。年齢は今年の8月23日で33。血液型はA型。好きなものはかわいらしいもの。嫌いなものは特になし。結婚してからおよそ2年で旦那さんと離婚。娘が5才の頃に誘拐されメンタルをやられたものの、奇跡的な生還で徐々にやられた心は回復していった。あとは……」
「も、もういいよ!」
ペラペラと喋るJOKERをリンが止めた。
「おやおや、もういいのですか?私はまだまだ話せますよ?」
「なんでそんなに母さんについて詳しいの…?」
「言ったじゃないですか。知り合いだと」
「あなたの言っていた知り合いは、リンの母親である星見レイ!?」
隣にいたシノンが驚いた。
「その通りです」
(ということはヤイバとは無関係…?そんなことよりも私が気になるのは…)
「私が5才の頃に誘拐されたってどういうこと?」
「7年前のあの事件はよく覚えていますよ。なんせ、あの事件で貴方を誘拐した組織は…」
ピピピピ!
《JOKER、緊急事態だ。今すぐ帰還しろ》
JOKERが付けている腕時計からアラームが鳴り、
JOKERに帰還命令が与えられた。
「了解です」ピッ
JOKERが答えて通信を切った。
「なんで連絡が来るのよ?私たち以外は時が進まない筈なんでしょ?」
「特定の人は時が静止せずにいつも通り動けるのですよ。私たちみたいに」
「特定の人?」
「その内分かりますよ。いやぁ…にしても全く話せませんでしたねぇ…。ではまたの機会で」
パチン!
JOKERが指を鳴らすと、JOKERが一瞬にして消え、同時に静止した時間が元に戻った。
「結局分かったのはリンが5才の頃、つまり7年前に何者かに誘拐された事だけね」
「5才…7年前…うーん…さっぱり分かんないや!」
「でしょうね。もう時間が無いわ、急ぐわよ」
「あ!そうだった!」
〜相棒学園 ファイティングステージ〜
ファイティングステージでは既に7試合目が開始させられていた。
「アルゼータでファイターにアタック!」
綺麗な銀髪を持つ
『貴様の手札は0。防ぐ手段など…無い!』
アルゼータと呼ばれる、紺色の鋭い目つきで人の2倍程の大きさを持つドラゴンが、周りに浮かんでいる2つの大砲のようなものからエネルギー弾を放った。そして気のせいか、アルゼータの体の部位や姿勢、攻撃方法などがタスクのバディ、ジャックナイフ・ドラゴンにそっくりだった。
ジン
「ま、しゃあないなぁ…」
【ライフ 3→0】
「ゲームエンド!WINNER輝夜ヒカリ選手!」
「あーあ…終わっちゃったぁ…」
「遅刻だし、仕方ないわよ」
《 それでは昼休憩をとりたいと思いま〜す 》
この昼休憩の間、遅刻したシノンとリンの2人は担任に呼び出され、叱られたそうだ。
それから皆それぞれ昼休憩を終え、再びファイティングステージに集まった。
《 1回戦第8試合!中等部2年所属の轟鬼ゲンマ選手と中等部3年所属の白馬カイト選手のファイトです! 》
白馬カイト。今パル子が言ったように中等部3年所属で白髪の顔面偏差値がそこそこ高い生徒だ。カイトの近くにはバディと思われるようなモンスターが見当たらない。バディ無しのファイターのようだ。
「ルミナイズしてもよろしいでしょうか?」
カイトがパル子に聞いた。
「お願いします!」
「“人間の時代は終わりました。ここからは竜の時代です!
ルミナイズ、【ドラゴンズ・ジェネレーション】”」
白馬カイトはバディを持っていないため、ネオABCカップ専用のコアデッキケースを使用している。彼のコアガジェットは汎用コアガジェットと同じ形になった。本来、コアガジェットは使用者の憧れるものや思い入れのあるものにちなんだ形状になる。汎用型となるということは、そういったものがない、もしくは…
「“古の竜よ、
目覚めて世界に嵐をもたらせ!
ルミナイズ!【
「バディー…ファイッ!!」
「「オープン・ザ・フラッグ!!」」
「エンシェントワールド」
「ドラゴンワールドです」
「轟鬼ゲンマ選手の先攻です!」
「俺のターンドロー、チャージ&……
ドォォォロォォォォォ!!!!」
ゲンマ
【手札 6→7】
【ゲージ 2→3】
「ただのドローなのに…!」
シノンはゲンマの声を聞いてられずに耳を塞ぐ。
「ゲンマ先輩、相変わらずの気合いだな〜」
リンも耳を塞ぐが、慣れているのかシノンよりかは辛くなさそうだ。
一方で、対戦相手のカイトは耳を塞がずに平然としている。
「ダブルキャスト、《竜王伝》、《天竜開闢》」
ゲンマ
【ライフ 10→11→9】
【手札 7→5→8】
【ゲージ 3→4】
「手札もゲージも十分。見せてください、バディモンスターを」
「…ゲージ3を払い、センターにバディコール!《武神竜王 デュエル…ズィィィガァァァ!!!》」
ゲンマ
【ライフ 9→10】
【手札 8→5】
【ゲージ 4→1】
デュエルズィーガー
S3 A7000 打2 D7000 ソウル2
「手札のドラゴンロード2枚をソウルに入れましたか…」
「デュエルズィーガー、ファイターにアタック!」
カイト
【ライフ 10→8】
「これでターンを終了する」
「私のターンドロー、チャージ&ドロー。《エクストリームソード・ドラゴン》をライトに、《ブーメランドラゴン》をセンターに、《紅蓮闘士スピンネイルドラゴン》をレフトにコールです」
カイト
【手札 7→4】
エクストリームソード
S2 A5000 打3 D4000
ブーメラン
S1 A2000 打1 D2000
スピンネイル
S1 A6000 打2 D2000
「さらに装備、《竜剣 ドラゴブレイブ》」
カイト
【手札 4→2】
【ゲージ 3→2】
ドラゴブレイブ
A5000 打3
「ブーメランドラゴン、エクストリームソード・ドラゴン、スピンネイルドラゴン、そしてドラゴブレイブ!懐かしいカードばかりです!」
「キャスト、《ドラゴニック・チームワーク》。このターン、私のモンスターの攻撃力は10000プラスされます」
カイト
【手札 2→1】
エクストリームソード
A 5000→15000
ブーメラン
A 2000→12000
スピンネイル
A 6000→16000
「魔法の効果でカイト選手の全てのモンスターの攻撃力がデュエルズィーガーの防御力を上回ったー!」
「ブーメランドラゴン、デュエルズィーガーをアタックです」
「キャスト、《竜神無頼》!デュエルズィーガーの攻撃力と防御力を3000プラス!」
ゲンマ
【手札 5→4】
「しかしそれでもブーメランドラゴンの方が攻撃力は上。破壊はさせてもらいますよ」
ブーメランドラゴンの頭突きがデュエルズィーガーを破壊した。
「ソウルガード」
デュエルズィーガー
ソウル 2→1
「そしてブーメランドラゴンに反撃!」
ブーメランドラゴンはデュエルズィーガーの右手で押し潰された。
「ブーメランドラゴンの能力よりも反撃の方が能力の発動タイミングは早いですからね、まぁいいです。スピンネイルでアタック」
「ソウルガード」
デュエルズィーガー
ソウル 1→0
「これでソウルは無くなりました。ゲージも残り1なので安心してアタックできますね。エクストリームソードでデュエルズィーガーにアタックです」
「キャスト、《竜枯盛衰》」
ゲンマ
【ライフ 10→8】
【手札 4→3】
【ゲージ 1→5】
「ゲージを増やす魔法がありましたか…」
エクストリームソードがデュエルズィーガーを破壊した。
「デュエルズィーガーが破壊された時、ゲージ3を払い、デュエルズィーガーのライフリンクを無効化することでセンターにコール!
《デュエルズィーガー…
スパルタンドォォォ!!! 》
ゲンマ
【手札 3→2】
【ゲージ 5→2】
スパルタンド
S3 A8000 打3 D8000 ソウル1
「ドラゴブレイブの攻撃力ではスパルタンドは倒せませんね…。ターン終了です」
「ドロー、チャージ&ドロー。デュエルズィーガー“スパルタンド”!ファイターにアタァック!!」
カイト
【ライフ 8→5】
「2回攻撃ィ!!」
カイト
【ライフ 5→2】
スパルタンドの2回攻撃を受けて尚、カイトは余裕の表情を見せる。
「ターンを終了する」
「アタックだけで終わりとは。控えめなんですねぇ…。私のターンドロー、チャージ&ドロー。キャスト、《ドラゴニック・チャージ》でゲージを2プラスします。キャスト、《ドラゴニック・グリモ》。手札が無いのでそのまま3ドロー」
カイト
【手札 2→0→3】
【ゲージ 3→5】
「ゲージ1とライフ1を払いキャスト、《天竜神明》。ドロップのカード3枚を戻して2ドロー。キャスト、《ドラゴジーニアス》で2ドロー。キャスト、《タイムセール》。ライフ3以下なのでノーコストで2ドロー
カイト
【ライフ 2→1】
【手札 3→6】
【ゲージ 5→4→2】
「ドロー!ドロー!ドローの連打!一気に手札を6枚に増やしましたー!」
「すごいすごーい!」
「ほんとねぇ…(ヤイバはカイトに気を付けろって言ってたけど…別に普通よね。純粋にファイトを楽しんでるように見えるのだけど…)
「キャスト、《ドラゴニック・チャージ》」
カイト
【手札 6→5】
【ゲージ 2→4】
「ゲージ2を払い、ライトにコール。
《インフェルノアーマー・ドラゴン》」
エクストリームソードとスピンネイルはサイズオーバーにより、ドロップゾーンへ。
カイト
【手札 5→4】
【ゲージ 4→2】
インフェルノ
S3 A7000 打3 D7000 ソウル2
「インフェルノアーマーの能力発動です。登場時、ソウルに武装騎竜があれば相手モンスター1枚を破壊します」
『アンガーインフェルノォ!』
インフェルノアーマー・ドラゴンの両手から2つの火球を放ち、スパルタンドを焼き尽くした。
「ソウルガードで復活」
スパルタンド
ソウル 1→0
「ソウル1枚の相手にインフェルノアーマー・ドラゴンはとても効果的でしてね。第2の能力発動。ソウル2枚を捨て、相手モンスター1枚を破壊します」
インフェルノアーマー
ソウル 2→0
『燃え尽きろ…!インフェルノシュートォォ!!』
インフェルノアーマーはスパルタンドの倍くらいの大きさの火球を作り出し、スパルタンドに向かって放った。スパルタンドは地獄の業火に焼き尽くされた。
「キャスト、《竜枯盛衰》!」
ゲンマ
【ライフ 8→6】
【手札 2→1】
【ゲージ 2→6】
「来ますか…」
「デュエルズィーガー“スパルタンド”が破壊された時、ゲージ3を払い、デュエルズィーガー“スパルタンド”のライフリンクを無効化し、センターにコール…
《デュエルズィーガー…
テンペスト・エンフォーサァァァ!!
ゲンマ
【手札 1→0】
【ゲージ 6→3】
テンペスト・エンフォーサー
S3 A12000 打3 D12000
「おぉ…これがデュエルズィーガー最終形態、テンペスト・エンフォーサー……神ですか!……とても良いものを見させてもらいました。このファイトも終わりにしましょうか…キャスト、《ドラゴニック・デストロイ》。テンペスト・エンフォーサーを破壊します」
カイト
【手札 4→3】
【ゲージ 2→0】
「何ィ!?我が神が!」
テンペスト・エンフォーサーは上空に現れた穴から伸びてきた巨大な竜の腕に掴まれ、その穴に引きずり込まれた。
「ライフリンク即死で、私の勝ちです」
「ゲームエンド!WINNER白馬カイト!効果による破壊を駆使して見事勝利しました!」
〜リンハウス リンの部屋〜
帰宅した2人は部屋でデッキビルドに励んでいた。
「ねぇ、リンはどう思う?白馬カイトのこと」
「う〜ん…私は悪い人じゃないと思うけどなぁ〜?」
「私もカイトは悪い奴じゃないと思う…わ」
「ヤイバ君誰かと勘違いしてないかな?」
「どうかしらね」
この時の2人には、カイトが相棒学園にいない理由、何故ヤイバが警戒しておけと言っていたのか、まだ知らなかった。近い将来、2人は衝撃の事実を目の当たりにするであろう。
“風邪なので休みます” byシノン&リン
「あいつら…こんなことを私に押し付けて…はぁ…。というワケだ。今回は私、霧山ヤイバがこのコーナーを任せられた。今日のカードはこれだ」
「ドラゴニック・グリモ」
ドラゴニック・グリモ
魔法|ドラゴンW|金竜、ドロー
◻︎君のライフが5以下なら使える。
◻︎君の手札全てを捨てて、カード3枚を引く。「ドラゴニック・グリモ」は1ターンに1枚しか使えない。
「ドラゴンWのドロー魔法だ。手札がこのカード1枚でも使用可能な為、逆転のチャンスを生み出すことができる強力な魔法だ……この程度でいいか。ではまt…コホン、さらばだ。二度と来ることは無いだろう」
ーーーーー
ふぅ…やっと1回戦終わったよぉー!これ相当長くなるな…気合じゃい!