「待て!」
ヤイバは相棒学園へ向かう途中殺害現場を目撃し、例の紺色の鎧に身を包んだ生命体を追いかけていた。
『そんないかにも軽い服着てるのに追いつけないなんてダッサ〜!そんなんじゃいつまで経っても追いつけないよ〜?アハハハハ!』
生命体は後ろ、つまりヤイバの方を向きながら飛んで、ヤイバから逃げていた。
「飛んでいる者がよく言う…」
ヤイバは呆れた。
『私も暇じゃないからさ。じゃ、またね〜!』
と言って、生命体は頭上にゲートを出現させ、逃げて行った。
「逃したか…まぁいい、あの生命体のことはよく分かった。…偶然か?追っているうちに相棒学園の目の前に着くとは…。さて、今日の午前ファイトは私だからな、デッキの最終確認を行わなければならない。クロス、私を屋上へ」
ヤイバがクロスを呼ぶと、ヤイバから光の塊が出てきて、やがてそれはセーラー服の女の子になった。
『りょーかーい!』
クロスは敬礼をしながら返事をした。
「本当にお前は本来の姿の時と雰囲気が違うな…」
『そうかな?まぁいいや。じゃ、行っくよ〜…とーう!』
ヤイバの手を握ったクロスは思いっきりジャンプした。
ビュン!
次の瞬間、2人は屋上のフェンスを掴んでいた。
「…っと」
『よっ…と』
2人はそのままフェンスを越えて屋上に着いた。
『いつもこんな入り方してるけど大丈夫なの?ふほーしんにゅーじゃん』
「不法侵入などでは無い。私はここの生徒だし、現在は登校時間の範囲内なのだからな」
『そうだけどぉ〜』
「デッキの最終確認をするからしばらく黙ってろ」
『あ、はーい』
そして、時は流れ…
〜相棒学園 ファイティングステージ〜
《 それではネオABCカップ2回戦第3試合を始めましょう!霧山ヤイバ選手と白馬カイト選手のファイトです!どちらも力がまだまだ未知数でファイトが楽しみです! 》
「このファイト、私の勝利で終わらせます」
カイトが勝利宣言を行う。
「そうですか。できるものならやってみてくださいよ、白馬先輩」
ヤイバは少し煽るように言葉を返した。
《 では両者ルミナイズしちゃってください! 》
「“人間の時代は終わりました。ここからは竜の時代です”
ルミナイズ、【ドラゴンズ・ジェネレーション】」
「“愚かな者を滅するため、秘剣の力をここに開放する”
ルミナイズ、【秘剣抜刀】」
《 バディー…ファイッ!! 》
「「オープン・ザ・フラッグ」」
「ドラゴンワールド」
カイトがフラッグを公開する。
「カタナワールド」
続くヤイバもフラッグを公開する。
《 先攻はカイト選手! 》
「では。私のターンドロー、チャージ&ドロー。レフトに《迅雷騎士団 カッツヴァルケル・ドレイク》、ゲージとライフを1払い、センターに《迅雷騎士団副団長 ゴルディオン・ハルバード》をコール。さらにゲージ1を払い、《疾風迅雷剣 ドラゴブレイカー》を装備します。この武器は私の場に迅雷騎士団がいれば打撃力が2から3に上がります」
レフトエリアには赤色のドラゴンが、センターエリアには金色のドラゴンが現れた。そしてカイトは緑色の、ドラゴンの翼のようなものが付いている大剣を装備した。
カイト
【ライフ 10→9】
【手札 7→4】
【ゲージ 3→1】
カッツヴァルケル
S1 A3000 D1000 打2
ゴルディオン・ハルバード
S2 A6000 D6000 打2
疾風迅雷剣ドラゴンブレイカー
A5000 打2→3
「アタックフェイズ開始時、ハルバードをライトに移動。この移動時、カッツヴァルケル・ドレイクの能力でゲージ1プラス。さらにドラゴブレイカーの能力で私の迅雷騎士団の打撃力が1プラス、1ドローです」
カイト
【手札 4→5】
【ゲージ 1→2】
「打撃力3か…(白馬カイトの手加減デッキ相手なら防御魔法も必要ないだろう)」
「ハルバード、ファイターにアタックです」
ヤイバ
【ライフ 10→7】
「ターン終了です」
「私のターンドロー、チャージ&ドロー。ゲージ1を払い、ライトに《秘剣忍者 裏影》をコール。能力でデッキから《秘剣刀 閃光》を手札に加え、装備」
ヤイバ
【ライフ 7→6】
【手札 7→6】
【ゲージ 3→0】
裏影
S2 A6000 D
閃光
A5000 打3
「閃光の能力発動。デッキの上から3枚を確認。《秘剣技「双撃」》をソウルに入れ、1枚をゲージ、残りをドロップゾーンへ。キャスト、《秘剣術「精神統一」》。ゲージを3プラスした上でこのカードを閃光のソウルへ。さらにキャスト、《秘剣術「一刀両断」》。2ドローし、このカードを閃光のソウルへ」
ヤイバ
【手札 6→4→6】
【ゲージ 0→4→3】
「ヤイバはいつも通りね」
「いつも通りというか、一から十までやってる事変わんないんだよねー、ヤイバ君。あの秘剣デッキって必要なカードが沢山あるから使うの難しそう」
「攻めるための秘剣のモンスターとアイテム、それらを強化する秘剣技、揃えるためにアドバンテージを稼ぐ秘剣術。ヤイバだから使いこなす事ができるデッキなのよ、きっと」
「ヤイバ君はやっぱりすごい!」
観戦していたシノンとリンの会話は、いつの間にかヤイバの褒め合いになっていた。
「《秘剣巻物》を設置。能力発動。手札1枚を捨てて1ドロー。レフトに《秘剣武者 鬼神》をコール。アタックを開始しよう」
ヤイバ
【手札 6→4】
「ではゴルディオン・ハルバードをセンターに移動。カッツヴァルケル・ドレイクとドラゴブレイカーの能力でゲージ1プラスして1ドロー。さらにハルバードがセンターに移動した事で鬼神を破壊します」
ハルバードが鬼神に斬撃を飛ばすと、鬼神は縦に切断されて破壊された。
カイト
【手札 5→6】
【ゲージ 2→3】
「裏影でゴルディオン・ハルバードにアタック」
『……………』
裏影が無言でハルバードの目の前まで瞬間移動した。
「キャスト、《ドラゴエナジー》。ゴルディオン・ハルバードの攻撃力と防御力を3000プラス」
カイト
【手札 6→5】
「ドラゴエナジーか…」
「さらに反撃」
「秘剣刀 閃光!フン!」
ヤイバが閃光でゴルディオン・ハルバードを切り裂いた。
「2回攻撃」
カイト
【ライフ 9→6】
「私はこれでターンを終了する」
「私のターンドロー、チャージ&ドロー。ゲージ1を払いカッツヴァルケル・ドレイクをソウルに入れ、センターに《歴戦の迅雷騎士団団長 コマンデュール・ファーネ》をコール。そしてレフトに《紅蓮闘士 ブレイクショルダー・ドラゴン》をコールします」
カイト
【手札 7→5】
【ゲージ 4→3】
歴戦コマンデュール
S2 A6000 D6000 打2
ブレイクショルダー
S1 A1000 D1000 打3
「迅雷騎士団に紅蓮闘士…、相変わらず属性が纏まっていないな…」
「コマンデュールをライトに移動。ドラゴブレイカーの能力で1ドローし、コマンデュールの打撃力が1上がります。ブレイクショルダー、ファイターにアタック」
「キャスト、《秘剣 うつせみ》」
フッ…
ブレイクショルダーがアタックしたと思っていたヤイバの身体が桜となり舞い散った。
「攻撃を無効化し、ゲージ2プラス」
舞い散った桜がファイティングステージの中央に集まり、そこにヤイバが現れた。
ヤイバ
【手札 4→3】
【ゲージ 3→5】
「攻撃を無効化しつつゲージも確保。素晴らしいです。では私が行きましょう、ドラゴブレイカー」
ヤイバ
【ライフ 6→3】
「ライフを大きく削られたのに余裕ですか。コマンデュール、ファイターにアタッ…」
「キャスト、《秘剣 蛇睨み》。コマンデュールの動きを封じさせてもらう」
ヤイバは効果の説明をしながらカードを1枚引いた。
ヤイバ
【手札 3→2→3】
「レスト魔法でしたか…(ライフは9ありますが、相手が相手…)これは少し雲行きが怪しくなってきました…。ターン…終了です…」
「ドロー、チャージ&ドロー。キャスト、《秘剣の呼吸》。デッキの《秘剣術ー「瞑想」》とこのカードを秘剣巻物のソウルに入れ、ゲージとライフを1プラスして1ドロー」
ヤイバ
【ライフ 3→4】
【手札 4→3→4】
【ゲージ 6→7】
巻物
ソウル 0→2
「キャスト、《秘剣術ー「一刀両断」》。2ドローし、このカードを秘剣巻物のソウルに入れる。
ヤイバ
【手札 4→5】
【ゲージ 7→6】
巻物
ソウル 2→3
「閃光の能力発動。鬼神をソウルに入れ、1枚をゲージへ、残りをドロップゾーンへ。《秘剣騎士 クロス》をライトにバディコール…」
ヤイバ
【ライフ 4→5】
【手札 5→4】
【ゲージ 6→7→5】
『了解しました』
「閃光のソウルの鬼神と双撃をソウルに入れる」
閃光のソウルから2枚のカードがクロスのソウルに入りつつ、クロスがライトエリアに立った。
クロス
S3 A10000 D8000 打4 ソウル2
「クロスのソウルを1枚捨て、能力発動。コマンデュール・ファーネを破壊」
『秘剣光波斬!』
クロスが光り輝く斬撃を放ち、コマンデュール・ファーネを破壊した。
「ソウルガードで復活です」
歴戦コマンデュール
ソウル1→0
「閃光のソウルを1枚捨て、このターンのみ、閃光は攻撃力10000となり『貫通』を得る。行くぞ」
閃光
ソウル 2→1
「コマンデュールをセンターに移動。ドラゴブレイカーの能力で1ドローです」
カイト
【手札 5→6】
「私から行く。閃光!」
ヤイバがコマンデュールに近付き、閃光を横に振る。コマンデュールの体が真っ二つとなった。
「貫通」
カイト
【ライフ 9→6】
「2回攻撃」
カイト
【ライフ 6→3】
「クロスも続け」
『はい!』
クロスがヤイバと入れ替わるようにしてカイトとの距離を詰める。
「あなたは駄目です。キャスト、《青竜の盾》」
カイト
【手札 6→5】
【ゲージ 3→4】
「当然か。まぁどちらにせよ、私の勝ちに揺るぎはないようだ」
「場にはもうアタックできるカードは無い…となると、再攻撃可能にするカードかもしくは…」
「ファイナルフェイズ…」
「ファイナルフェイズでしたか…」
「秘剣巻物の能力。ファイナルフェイズ開始時、ソウル3枚以上のこのカードをドロップゾーンへ送る」
「なんと…!」
「それと引き換えに、私はデッキより
ヤイバ
【手札 4→5】
「ゲージ4を払い、キャスト…」カチャ…
ヤイバがカードを使用すると同時に、左腰に着けていた閃光に手を添えた。
ヤイバ
【手札 5→4】
【ゲージ 4→0】
「秘剣の技を磨いているクロス。そのバディてある私は常日頃から秘剣の技と向き合っている。クロスでさえもこの技は使えん」
ヤイバは目を閉じ、閃光を握り続けながら集中している。
『私では辿り着く事ができなかった、秘剣奥義。私も見るのは初めてです』
「はぁぁぁ……!!」
ヤイバが握っている閃光の刀身が青白く輝く。
「!!」
ヤイバは目を見開き、閃光を抜刀した。
「必殺!《秘剣奥義 時空滅殺斬》!!」
ヤイバは一歩も動かず、その場で空間を十字型に斬った。すると空間が歪み、衝撃波がカイトに放たれた。
カイト
「ぐぅっ……!!素晴らしい、ファイトでした…」
【ライフ 3→0】
《 ゲームエンド!WINNER霧山ヤイ…… 》
パル子が勝利宣言を行おうとした時だった。
「ぐっ…ぅぅっ!ガハッ…!」ビチャビチャ
ヤイバは突然右膝を着き、吐血した。
「「「!?」」」
対戦相手であるカイトを始めとした、この場にいる全員が驚きのあまり声をなくした。
『ヤイバ様!ですからやめた方がいいとあれほど…!』
「ゲホッ…!ゴホッ…!はぁ…はぁ…だ、大丈夫だ」
『ですが…!』
「ファイトは終わった…、帰るぞ、クロス」
『……了解です』
クロスは少ししょんぼりしながらヤイバの後について行った。
《 えー……とりあえず!昼休憩をとりましょう! 》
昼休憩の時間となり、シノンとリンはいつも通り屋上へ向かうと、ベンチで横になり額に腕を乗せているヤイバと、それを見守るセーラー服を着たクロス、霧崎
「あ、ヤイバ君。大丈夫?」
「問題ない。あれならまだいい方だ」
「ヤイバ、あれ何なの?」
「あれは代償だ」
「代償?」
「ああ。力あるものには必ずリスクが伴う。あの必殺技の場合は、ほんの少しだけ寿命が縮む、と言ったところか。私が吐血したのはその影響によるものだ」
「分かってて使ったの?」
「当然だ。1度くらいは使ってもいいと思ったんでな。それに、あの局面で私が勝つ方法は必殺技しかなかった」
「それならまぁ仕方ない…のかしら?」
「何よりもヤイバ君が無事でホント良かったよ〜、無理しないでよね?」
「ああ、悪いな。そしてその言葉はそっくりそのまま返そう」
「私、全然無理してないよ?」
「次の試合の話だ。お前たちも見ていただろう?輝夜ヒカリのファイトを」
「輝夜ヒカリってたしか…」
「私が寝過ぎたせいで見れなかったファイターね…」
「……そんなしょうもない理由でファイトを見逃すな。見てないのならそれはそれでいいだろう。当たって砕けてこい、星見リン」
「そ、そんなぁ〜!教えてよ、その輝夜ヒカリって子のデッキ〜!」
「言ったところでお前に対策できるのか?」
「そ、それは……」
《 気を取り直して後半戦をスタートします!出場者はファイティングステージにお集まりください! 》
パル子の放送が入った。
「出番だぞ、行ってこい」
「し、シノンちゃ〜ん!」
「……ごめん、リン」
シノンはいつも以上に申し訳なさそうに目を閉じて、謝罪の言葉を発した。
「そ、そんなぁぁ〜〜!!」
屋上にはリンの叫び声が響いたのだった。
(気を付けろ、星見リン。恐らく輝夜ヒカリとのファイトは…
命の有無に関わってくる…)
ヤイバはこの場にいる誰よりも、リンを心配していた。
「今日の〜…」
「最強カードー…」
「イェ〜イ!!」「いぇ〜…」
「「今日の最強カードはこれ!」」
「「秘剣奥義 時空滅殺斬!」」
秘剣奥義 時空滅殺斬
必殺技|カタナW|秘剣
◼︎相手のライフが4以下で、お互いのセンターにモンスターがいなくて、君が装備している《秘剣》のアイテムのソウルに《秘剣》が2枚以上あるなら使える。
◼︎【使用コスト】ゲージ4を払う。
◼︎相手にダメージ4!このカードは無効化されず、ダメージは減らない。このカードで相手のライフが0になった場合、相手のカードで、相手のライフは変更されない。(復活できない)
「ヤイバ君の必殺技!」
「使用条件が簡単なかわりに使用コストでかかるゲージがそこそこ重いわね。秘剣デッキはゲージをよく使うから、ゲージを温存する必要があるわ」
「でも打てれば勝ち!回避&復活不可能のダメージ4でトドメー!」
「それじゃあこの辺で」
「じゃねー!」
ーーーーー
特に言うことないんで。それではまた来週(かも)。