てわけで今回は新キャラ登場です。(毎話だろうが、なんて言った人は負けです)
「ど、どうして…分かったの…ですか…?」
「お前の様子を見ていれば分かる事だ。未だに私達を前にして怯えている、早くどこかへ行ってくれないかと落ち着いていないのが何よりの証拠だ」
「は、反論の余地が…ないです…」
「そっかぁ……あれ?てことは今もボク達怖がられてる?」
その言葉に冥鈴は無言で頷いた。
「あらら…」
「そこで提案なのだが、ここから出ないか?」
「そそ、そこでって何ですか!?ここ、ここから出る!?まま、またわわ、私に地獄に行けというんですか!?」
「地獄、か…。お前はクラス内でも全く目立たなく、ずっと1人でいたな。初等部5年で初めてクラスメイトとなり、お前の様子を見ていたが、今までもずっと誰とも絡めずにいたんだろうな」
「え…、わわ、私を…みみ、見てた…?」
「1人だけ雰囲気が違ったからな。気になってしまった。それにしても、他の連中はどいつもこいつも無個性でつまらんかったな。そのうえでお前を除け者にするのだ。今でも腹が立つ」
「全部…見てたって事ですか?」
「当時はお前しか見ていなかったぞ?」
「………」
冥鈴は予想外のことを言われ、言葉が出なかった。
「担任には私から説明しておくから戻ってこい」
「でで、でもあそこにわわ、私の居場所なんか…」
「慣れるまで私が行動を共にしよう」
「な、何で…そそ、そこまで私に戻ってほしいんですか…?」
「それはだな…」
「……そそ、それは…?」
「お前が面白いからだ」
「おお、面白い…?」
「いつもいつも教室の隅で怪しげな書物を読んでいたり、耳を傾ければ謎の呪文をぶつぶつと唱えていたな。確か……「そそ、それ以上はやめてください!!」」
(呪文…。ちょっとだけ気になる自分がいるわ…)
「とにかく、面白かったという事だ」
「……今更戻って、歓迎…されるんでしょうか…」
「安心するといい。現在の私のクラスメイト達はお前のような者を快く歓迎する者ばかりだ」
「ほ、本当…ですか…?」
「あぁ。誰も不思議には思わん」
「あ、明日まで…待って…もらえますか…?」
「明日の朝、お前の返答に期待しておく」
「は、はい…そそ、それと…ああ、あなたたちは帰らなくても…い、いいんですか?」
「あっ!今何時!?」
と言いつつリンは自分のスマホで確認する。
20時20分だ。かなり日も暮れているだろう。
「もう夜じゃん!!」
「時間が経つのは早いわねぇ」
『今から帰るかァ?』
「そそ、外はもうままま、真っ暗ですし…きき、今日くらいはお泊まりされては…」
「いいの!?じゃあ遠慮なく!」
「私もそうしようかしら」
『だったらレイに連絡しておいた方がいいんじゃねぇのかァ?』
「じゃあ私が連絡するよ!」
リンはスマホを取り出し、母であるレイに電話をかけた。
プルルプルル……ガチャ
「あ、お母さん?私だけd「リン!こんな夜中までどこで何してるの!」」
スマホからレイの怒号が響いた。
「ご、ごめん…。今は…」
リンは先程までの出来事を説明した。
「そう。みんなケガはない?」
「うん、大丈夫」
「なら良かった。それで、今は冥鈴って子の家にいるんだね?」
「そ、そう…」
「地下にいるから気が付かなかったのかもしれないけど、時間見れば分かるでしょ?遅くなるなら連絡してね?」
「ごめんなさい…」
リンは深く反省し、謝罪した。
「帰りは明日になるの?」
「今日は泊まってくから、そうなるかも」
「分かった。じゃあね」
「はーい」ピッ
リンは別れの言葉を告げると、電話を切った。
「こっちはいいみたいだけど、ケンヤとヤイバはどうするのかしら?」
「ボクは大丈夫だよ」
「私もだ」
「ささ、先程…し、シノンさんが使ってたベッドを…お使いください。あ、あと…反対側の部屋も寝室なので…そちらもどうぞ…。わ、私はソファーで寝ますので…」
「ベッドでちゃんと寝ないと体痛くなるよ?疲れも取れないし」
「なな、慣れているのでだだ、大丈夫です…」
「ダメ!ボクがソファーで寝るから冥鈴ちゃんはちゃんとベッドで寝て!」
「し、しかし…」
「このベッドのサイズなら2人で寝ればいいじゃない」
いつの間にか寝室を確認していたシノンがケンヤと冥鈴に提案した。
「そんなに大きいならそれでいいじゃん!よし、今日は冥鈴ちゃんと一緒に寝る!」
「一緒になんて…むむむ、無理ですぅ…!」
「私はベッドで寝ないから、それを使えばいい」
「やや、ヤイバさんまで何を…」
「普段から私は床で寝ているからな。ソファー程度なら平気だ」
「で、ですが…ソファーで寝るのは私でい…「本人がいいと言っているのだから素直に気持ちを受け取れ!」ヒィィ!」
なんやかんやあって結局冥鈴は押し負けてヤイバが床で寝ることになりました。
翌朝。地下で朝日が入らなかろうと関係ない。彼女は朝を察知し、目をカッと開ける。
「あ!さ!だぁぁぁ!!!みぃぃんな!おぉぉはぁぁよぉぉーー!!」
この後全員がリビングに集まった時に、リンは慣れているシノン以外の人達にうるさい、喧しい、近所迷惑、などとボロクソに言われたとさ。冥鈴だけは「まぁまぁ」と庇ってくれたらしい。
「悪いわね。一日泊まって」
「いい、いえ!わわ、私は…ぜぜ、全然!」
「冥鈴、答えは出たか?」
「は、はい…。わ、私は……や、ヤイバさん達に…つ、ついて…いけません…」
「ついて
「は、はい…。こ、こればっかりは…理由を話せません…」
「まぁ、人には話したくない事の1つや2つ、あるものだしね〜。ね、カース?」
『何故我に言うのだ…』
「…そうだな。では、私達はもう行く。もう会えんかもしれんな」
「冥鈴ちゃん!連絡先交換しようよ!」
リンは冥鈴にスマホを見せた。
「い、いいですよ…。あ、あと…よ、よければこれも…」
冥鈴は赤いリストバンドをリンに渡した。
「何これ?」
「さ、昨夜…JOKERさんが…」
「JOKERが?渡し忘れてたのかな?」
「し、シノンさんに…つつ、常に着けてとの事です…」
その話を聞いたリンは、リストバンドをシノンの右腕に着けた。
「そそ、それを着けてる間は…だだ、大丈夫らしいです…」
「大丈夫…?」
「くく、詳しくは本人に会ってきき、聞いてください…!」
その後、冥鈴とリンはお互いの連絡先を交換した。
「さよなら。冥鈴」
「またいつか遊びに行くねー!」
「さ、さようなら…また、どど、どこかで…」
冥鈴は小さく手を振り、玄関の扉を閉めるまでみんなを見送った。
冥鈴の家を後にしたシノン達はカースが開けっ放しにしていたゲートを通り、地上に上がった。
「このゲートを開けたのは誰だ?」
「ボクのバディのカースだよ」
『うむ』
「とりあえず、その姿は色々とまずいぞ?」
「あ、確かに!カース、姿変えられたりしない?」
『ふむ。やってみよう』
そう言って、カースは剣からブレスレットの姿となり、ケンヤの左腕に装着された。
「おー!」
どうやらケンヤは気に入ったようだ。
「まだゲートを開けられるようになってから日が経ってないな?」
「あ、分かる?」
「あまりにもゲートの作り方と移動先が下手だと思ってな」
『ぐうの音も出ん…』
「これから上達していけばいい話だ」
「まだ朝早いなぁ。今から教室行ってもなぁ……そうだ!丁度ここファイティングステージなんだし、ファイトしよう!」
ケンヤが提案した。
「いいね!昨日からファイトしてなかったし!」
「私はいいわ。何だか朝から調子が優れないの…」
「私も遠慮しておこう」
「じゃあリンちゃんやろー!」
「おっけー!」
「「オープン・ザ・フラッグ!!」」
ヤイバとシノンは2人の邪魔にならないように観客席に座った。しばらく2人のファイトを見ていると、ヤイバが口を開いた。
「シノン、お前は失われた記憶を取り戻したいか?」
「何よ急に改まって。当然よ」
「何故だ?今のままではダメなのか?」
「何故、って聞かれても答えは出ないわ。私だって分からないもの」
「何?」
「何で忘れた過去を思い出したいのか、分からないのよ」
「そう、か…。……すまない。やはり忘れてくれ」
「ヤイバ…?」
「なぁなぁ、あれがバディファイト言うんカードゲームなん?」
「ひゃああ!!」
シノンはいきなり横から話しかけられて変な声を出してしまった。その声の正体は、茶髪ポニーテールの女の子だった。何か薄い長方形の白い箱のようなものを背負っていて、目元は包帯でぐるぐる巻きにされている。
「あ、すまへん!驚かせるつもりはなかったんやけど…」
「い、いいのよ…。ところであなたは?」
「あ、ウチ?ウチは
関西弁で話す水波美琴と名乗る少女は、しっかりとシノンの方を向いて自己紹介した。
(水波美琴…。どこかで聞いた名前だな…)
「私は死乃峰シノン。初等部6年よ。今ファイトしてる金髪の子が星見リン。私と同じ初等部6年。それと、有り余る程の元気を持ってる中等部1年の藤丸ケンヤ、そして…」
「中等部2年の霧山ヤイバだ」
「みんなええ人達なんやなぁ〜。ほんで、改めて聞くんやけど、あれがバディファイトなん?」
「そうよ。やってみると意外と楽しいものよ」
「ほぇ〜。そりゃ楽しみやなぁ!あ、そや!待合室ってどこなん?探しとるんやけど…」
「待合室?私は知らないわ…。ヤイバ、待合室ってどこあるか知ってるかしら?」
「生徒会室の隣だ」
「その生徒会室の場所が分からへん…」
「生徒会室は知ってるわ。案内するわね」
「ほんま!?ありがとう♪」
「ヤイバ、この子案内してくるから」
「あぁ」
ヤイバはシノンが視界から消えるまで見送ると、大きなあくびをしてからファイトを再び見始めた。
ファイティングステージを後にしたシノンは、美琴を生徒会室の隣の待合室まで案内した。
「ここよ」
「何から何までありがとうなー」
「いいのよ。それじゃあね」
「ほなまたなー!」
美琴はそう言って待合室へと入っていき、シノンはファイティングステージへ帰……ろうとしたが、立ち止まった。
「私ってこんなにお人好しだったかしら?……リンの、おかげね」
シノンがファイティングステージに戻ると、未だにケンヤとリンはファイトしており、ヤイバは観客席で2人のファイトを見ている。
「キャスト!ブレッフェン・ガルド!プロト・バリアを無効に!」
「嘘!?あー!また負けたよぉー!」
「まだやってるの?」
「そろそろ時間なんだが、どうもファイトが長引いてしまってな。今まさに終わったが。2人とも、そろそろ行くぞー」
「うわっ、もうこんなに時間経ったのー?時間経つの早いなぁ…」
「本当だ!楽しい時間はすぐ過ぎるよぉ…じゃあ行こっか、ケンヤ君」
「うん…。ボク達、クラスどころか学年違うけどね…。そう言えばシノンちゃん、さっきの女の子誰?」
「水波美琴って言ってたわ」
「「え!?」」
「ねぇ、その子もしかして目元に何か処置してなかった!?」
「包帯をぐるぐる巻きにしてたわ。あれじゃ何も見えないわよ」
「それ外しても見えないんじゃないかな…」
「なんでよ?」
「だって…失明…してるんだもん…」
「失明…?」
「失明…?……思い出してきたぞ、水波美琴。5年前の最悪の事故の被害者の名だ」
「最悪の事故?」
「そうだよ。両親と一緒に車に乗ってた時に、車がトラックとぶつかって横転。乗ってた両親は無傷だったみたいなんだけど、後部座席に乗ってた水波美琴は、割れたガラスの破片が両目に刺さったんだよ。ニュースによると、トラックの運転手が飲酒運転だったらしいよ」
「酷いわね…」
「それから今も治療中だって聞いたけど…まさか相棒学園にいたなんて…」
「可哀想に…早く治るといいわね」
キーンコーンカーンコーン
「やば!予鈴じゃん!早く行かなきゃ間に合わないよー!」
リンは全力ダッシュで教室へと向かった。その姿を見た3人も急いで教室へ走って行った。
ガラガラガラ
シノンとリンが教室に入ると、2人はいつもと違う空気を感じた。ネオABCカップが終わってからの学校初日だからだろうか。
「みんなおはよー!」
「あ、リン!おはよう!昨日あれからどうなったの?」
「みんな無事だったよ!ね?シノンちゃん」
「えぇ。ただ、カイトには関わらない方がいいわ」
「えーなんでー?」
「それは…」
「どーせ男を取られたくないだけだろー?」
「そう言った感情は無いわ。……リン、無いわよね?」
「きっと無いと思うよ!?多分お互いに殺意しか無いと思う!うん!」
「リンがそう言うならないかぁ…って、殺意?」
「こ、言葉の綾だよ…!気にしないで…!」
「お、おう…。ところで2人はどんなやつだと思う?」
1人のクラスメイトがシノンに聞いた。
「何の話?」
「とぼけんなってー!転校生だよ!てーんーこーうーせーい!」
「転校生来るの!?」
リンが嬉しそうに話に食いついた。
「さっきベガカス先生が言ってたから間違いない!」
「シノンちゃん!転校生だよ!転校生!楽しみだねー!」
リンは大喜びでシノンの体を揺さぶる。
「分かったから揺さぶるのやめなさい」
「どんな人なんだろう?イケメンかなー?超絶美少女かなー?」
「案外平凡な人かもしれないわよ?」
「それもあるねー。いやぁ楽しみですなー」
キーンコーンカーンコーン
「やべ!席着かなきゃ!」
「私たちも座らないと怒られちゃう…!」
「そうね」
2人はそれぞれ自席に着き、間もなくすると担任のベガカス先生がやってきた。
「ハロー!マイスチューデント!今日も元気そうで何よりデース!」
「せんせー!転校生はー?」
「いるんでしょー?」
「私も気になるー!」
「Oh!どうやら待ちきれないようデース!では転校生の方に入ってきてもらいまショーウ!」
ガラガラガラ
教室の扉が開けられ、その子は黒板の前に立った。数分前にシノンが目にしたポニーテールのあの子だ。
「水波美琴言うねん。みんな、よろしゅうなー」
美琴は笑顔で丁寧に挨拶をした。
「あなたさっきの…」
「ん…?あ!ちょっと前の親切な方やん!えぇと…」
「シノン。もう忘れちゃったの?」
「あーせやせや!シノンちゃんや!これからよろしゅうなー」
「やっぱり…あの水波美琴ちゃんだ…」
「リン、黙ってなさい」
「あ…ごめん。あんまりあの事件を思い出すような事言っちゃダメだよね…」
「では美琴ガール。丁度シノンガールの後ろの席が空いてるので座ってくだサーイ」
「まずはネオABCカップで使っていた専用のコアデッキケースを回収しマース。ミーに名前を呼ばれた人は返却をお願いしマース。と言うのもこのクラスには1人しかいませんでしたね。リンガール」
「リン、バディ頑張って見つけなさいよ」
「うぇぇん…」
名前を呼ばれたリンは渋々コアデッキケースを返却した。
「では1時間目の授業を始めマース」
キーンコーンカーンコーン
1時間目の授業が終わり、クラスのみんなは一斉に美琴を囲んだ。
「な、なんや!?」
「美琴ちゃんのそのポニーテールかわいいねー!私上手くできないんだー?教えてよー!」
「慣れれば簡単やでー?こうやって髪の毛を後ろに集めて…ここをこうして…ほい!な?簡単やろ?」
「おー!」
「美琴ちゃんのその箱何入ってるの?」
「ん?これか?見せてもええけど…あんま期待せんといてや?」
と言いながら美琴は箱を開けた。箱の中には灰色のエレキギターが入っていた。
「エレキギター?弾けるの?」
「一応弾けるで?あんま上手くはないけどなー。今は無理やで?アンプ無いからなー」
「その包帯なーに?ケガ?」
ついに生徒の1人がその質問をしてしまった。それを聞いた美琴は暗い表情1つするどころか少し笑顔を見せて説明した。
「昔あった事故のケガの後遺症や。目ぇ見えへんくなってもうた」
「あ…悪い事聞いちゃったな…」
「えぇで。もうこの生活にも慣れとるし。だからそんな暗い顔せぇへんといて?」
「美琴、あなた…周りの状況分かるわよね?」
朝から美琴の様子を見ていたシノンが聞いた。
「分かるでー?」
「え!目が見えないのに!?」
「ウチ、なーんか分かるんや。周りの人や物の配置とか、人の表情とかな?まぁ、そう感じるってだけでホンマかどうかは分からへんのやけど!」
「美琴ちゃん!バディファイトしようよ!」
「え?バディファイト?」
「リンずる〜い!」
「言ったもん勝ちだもんねー!」
「カードはあるんやけどー…」
「じゃあやろうよ!」
「でもウチ…バディファイトのルール知らないんや…」
「えぇ!?ここバディファイト専門コースだよ!?」
「母ちゃんに無理矢理行かされてなぁ…」
「ならしょうがないよね〜。じゃあ教えてあげるよ!」
「ホンマか!?ウチやってみたかったから嬉しいわ〜!」
「放課後ならゆっくり説明できるわよ?」
「なら放課後がええかなー」
「決まりだね!」
そして時間はあっという間に過ぎ、放課後を迎えた。シノンとリンは美琴を家に誘った。
「ただいマッハブレイバー!」
「何よそれ?」
「お邪魔しまーす」
「お帰竜王伝!」
「何で急にそんなノリなのかしら?」
「リンが楽しそうだったから、つい。あら?隣の子は?」
「水波美琴言います。今日から相棒学園に通う転校生やねん」
「今日転校してきたの?」
「転校初日の子を家に連れて来たー」
「いろんな子に話しかけられて全然帰られへんかったから助かったでー?」
「じゃあ美琴ちゃん、あがってあがって。リンが目を付ける子は大体個性的で良い子だから」
「私、先行くわね」
「お姉ちゃん待ってよー!」
「お姉ちゃん?」
「あっ…」
「リンのバカ…」
「なんやなんや?2人の秘密聞いてしもうたか?」
美琴に呆気なく2人の秘密がバレた。シノンは仕方のない事だからリンを許し、そのリンは逆に自慢した。その後リンの部屋にて、2人は美琴にバディファイトの基礎からちょっとした技も教えた。
「モンスターのサイズ調整、防御魔法の使い所、ライフやゲージの管理…。聞いてるだけで面白そうやな!」
「実際に楽しいよ!」
「そうね。私は人生を変えられたわ」
「シノンちゃんにとってバディファイトは相当大きいもんだったんやなぁ」
「ところでどうやってカード判別できてるの?」
リンが溜めていた事を聞いた。
「な〜んか分かるんや」
「え?」
「せやから、なんか分かるんやって」
「何故かは分からないけど、判別ができるの?」
「せやせや。ホンマになんでか分からん」
「不思議だな〜」
「ウチの事はええんよ。早速バディファイトしようや!」
「そうだね、やろやろ!」
2人はそそくさとファイトの準備を始める。
『また賑やかになってんなァ』
「そうね」
「「オープン・ザ・フラッグ!!」」
「スタードラゴンワールド!」
「エンシェントワールドや!」
2人は床に裏側で置いてあるフラッグカードを表向きにした。
「エンシェントワールド使ってる人ってあんまり見ないわよね」
『ネオABCカップにも1人いたくらいだよなァ。名前はたしか…時々ジレンマ!』
「誰?轟鬼ゲンマよ」
『そうだったかァ?』
「先攻は私!ドロー!チャージ&ドロー!まずは《
リン
【手札 7→6】
【ゲージ 3→1】
ガイラプラス
S3 A7000 D7000 打3 ソウル1
「
「ネオドラゴンのソウルに
「特定の属性のカードにしかできひん戦法ってこれの事だったんやな!」
「トリプル・バスターがソウルにあるネオドラゴンは攻撃力を3000プラス、打撃力を1プラスするよ。美琴ちゃんにアタック!」
美琴
「いきなりウチのライフが4も削られてもうた〜…」
【ライフ 10→6】
(リンの手札にはエーヴィヒカイトがいる。さすがのリンも初心者相手に本気でやるワケないわよね)
「ウチのターンやな。ドロー、えーっと…ま、これでええやろ、チャージ&ドロー。キャスト、《天竜開闢》で2ドローするで。お、ええカード引いてしもうた。ライフ2を払って《大器竜成》を使って、デッキからサイズ3のドラゴンロードのモンスターの、《騎甲竜王 シュヴァリアス》を手札に加えるで?」
美琴
【ライフ 6→2】
【手札 7→8】
「エンシェントワールド、戦わなさすぎてどんなカードがあるか分かんないよぉ…」
「キャスト、《同床竜夢》でライフを3回復。そして、手札の魔法、《侵食義肢》2枚をソウルに入れて、《騎甲竜王 シュヴァリアス》をセンターにコールするで!」
美琴
【ライフ 2→5】
【手札 8→4】
シュヴァリアス
S3 A8000 D7000 打3 ソウル2
「バディモンスターだからバディギフトが得られるわよ」
「あ、せやったな。忘れてたわぁ」
美琴
【ライフ 5→6】
「シュヴァリアスが場にある限り、ウチは魔法が使えなくなるらしいねん。困ったわぁ」
「デメリットが重すぎない!?」
「魔法はそないに使わへんようにデッキ組んどるから、問題あらへんけどな〜。ほな、シュヴァリアスでガイラプラスにアタックや!」
「破壊されるけど、ソウルガードで復活だよ!」
ガイラプラス
〈ソウル 1→0〉
「シュヴァリアスは2回攻撃があるで〜!」
「うぐぅ。破壊されちゃうなぁ…」
ガイラプラスは呆気なく破壊され、ドロップゾーンへと置かれた。
「ウチのターンはこれで終わりやで」
「私のターンドロー!チャージ&ドロー!キャスト、《スタージャック・ブースト》でゲージ1プラスして1ドr…「シュヴァリアスの能力を発動するで!」え!?」
美琴
「シュヴァリアスは手札の魔法1枚を捨ててゲージ1を払えば、相手が使った魔法を無効化できるんや!」
【手札 4→3】
【ゲージ 3→2】
リン
「魔法使えないデメリットも納得だよ!!仕方ないから《
【手札 7→5】
「じゃあウチのターンやな。ドロー、チャージ&ドロー。《ライトニング・テイルブルーダー》をライトにコールして、ディスカルネアにアタックや!」
美琴
【手札 4→3】
テイルブルーダー
S0 A2000 D1000 打2
「シュヴァリアスでリンちゃんに2回アタックするで!」
リン
「まだ大丈夫…」
【ライフ 10→6】
「終わりやで〜」
「ドロー、チャージ&ドロー…」
(エーヴィヒカイトを出してないリンのデッキは魔法を上手く活用しないと大して強い展開はできない。魔法を封じられている現状は厳しいものがあるわね)
「ゲージ3払って、《
リン
【ライフ 6→7】
【手札 6→5】
【ゲージ 3→0】
エクシード・エーヴィ
S3 A9000 D6000 打2 ソウル1
「結局本気出すのね」
「だぁって強いんだもぉん!」
「いくらウチが初心者やからって手抜いた人に勝っても嬉しくないで?手加減無しの方がお互いにええ気分になるやろ?」
「あら、いい事言うじゃない。ねぇ、リィ?」
『あァ?俺にァよく分かんねェなァ』
「それじゃあ遠慮なく!エーヴィヒカイトでシュヴァリアスにアタックして能力発動!デッキの上から3枚捨てて、その中からモンスター1枚をサイズ0でコール!」
「でもゲージあらへんよ?」
「ノーゲージで出せるモンスターを引くしかない!おりゃ!」
リンがデッキ上3枚を表にした。
・超剰元竜EXA・ディメンジョン
・超越星竜王エーヴィヒカイト
・大竜装機フォトン・ランサー
「全部重いよぉーー!!」
「リンのデッキの欠点よね。ゲージが無いと出せなくなるモンスターが山ほどいる」
「と、とりあえず、シュヴァリアスのソウルにある侵食義肢の能力を発動するで。この魔法がソウルにあるウチのモンスターが攻撃されると、ライフを1回復するんや。2枚あるから2回復やね」
美琴
【ライフ 6→8】
「魔法使えないって言ってたよね!?」
「『魔法を使えない』って言うのはあくまでキャスト、使用する事で、ソウルや設置後の能力は使えるらしいわ」
「複雑だなぁ。でも攻撃を無効化するってワケじゃないしこのまま…」
「あ、《氷竜王 グラキエス》捨ててライフ1払って、その攻撃を無効にするで〜」
美琴
【ライフ 8→7】
【手札 3→2】
「ターン終了だよぉ…」
「ウチのターンドロー、うーん、ノーチャージでええかな。今テイルブルーダー引いてもうたし」
美琴はライトニング・テイルブルーダーのカードをレフトエリアに置いた。
「リンは手札5枚もあるけど、シュヴァリアスの能力もあるし、耐えれるかしらね?」
「全連携や!」
「くっそ〜!キャスト!ジュピター…「あ、シュヴァリアスの能力で無効にするでー」」
リン
「せめて最後まで言わせてー!」
【ライフ 6→0】
「美琴の勝ちね」
「初戦で勝てて嬉しいわ〜」
「手札5枚もあったのになんであんなに重いカードばっかなの〜?」
リンが自分の手札のカードを2人に見せようとばら撒いた。
「マーシャル・フォートレスにエクシードフォース…。これはかなりの事故ね」
シノンのその言葉を聞いた美琴が瞬時に反応した。
「今、エクシードフォースって言わへんかった?」
「言ったけど、何よ?」
「リンちゃんがエクシードフォースの覚醒者って事なん?」
「そうだよ!……あっ!」
リンは急に何かを思い出したかのように声を上げた。
「急に何よ?」
「シノンちゃん!トロフィーってどうなった!?ネオABCカップのトロフィー!」
「トロフィー?ネオABCカップで優勝して、貰って、ヴァルズァックとカイトが乱入してきて、謎の高熱に襲われて気を失って………どうしたかしら?」
「優勝トロフィー失くしたん!?」
『いや、この家にあるぜェ?』
「え、あるの?」
『あの時JOKERが俺とシノンを移動させた後にトロフィーを家に置いていってくれたぜェ?』
「私はその間ずっと気を失ってたから分からなかったって事ね…」
「良かったぁ…」
「いやぁ、ホンマ良かったなぁ。ところでリンちゃん、シノンちゃん、ウチのギター聴きたいか?」
「え!聴きたい聴きたーい!」
「弾いてくれるなら聴きたいわね」
『せっかくだし、俺も聴いてやるぜェ』
「ほんなら…」
美琴は後ろに置いていた薄い長方形の白い箱から灰色のエレキギターを、ポケットから謎の箱を取り出した。美琴はそれを床に置いてスイッチを押すと、その箱はみるみる大きくなりアンプとなった。そして、首から下げたエレキギターとそのアンプを繋いだ。
「そのスピーカーみたいなのどうなってるの?」
「アンプって言うんやで。スイッチを押せば大きさを変えられる!コンパクトで便利なんよな〜」
「持ってないって言ってなかったかしら?」
「嘘やで?あの子らにはウチの演奏聴かせる意味無いからな〜。さて、ほな聴いてな?」
「楽しみ〜」
美琴は弦に指を添えて弾き始めると、部屋中に想像を絶する重低音が響き渡った。いつもならシノンやリィが轟音に耐えられずに黙ってはいないところだが…
「………」『………』
(あれ?お姉ちゃんとリィ、うるさいの嫌いなのに何も言わないなぁ。まぁ、分かるけどね。美琴ちゃんの演奏、エレキギターの重い音にも関わらず、すっごい聴いてて心が落ち着くというか…)
しばらくエレキギターを弾いていた美琴は、最後に弦を強く
「ふぅ…。どやった?ウチの演奏!」
「…私、大きな音は苦手なのだけど、美琴の演奏は魅入ってしまったわ」
『お、オレもだぜェ…』
「サビの前は当然だけど、後も震えたよぉ!」
「そないな風に言われて嬉しいわ〜。ところで、エクシードフォースの事、何か知っとるんか?」
「「え?」」
美琴の意外な一言に驚きを隠せない2人だった。
「本日もこの時間がやって参りました。今日の最強カードのコーナーです」
「クイズ番組かしら?」
「ネタが尽きそうって声が上がってるらしいよ?」
「苦しそうね。誰が?」
「知らない」
「……」
「はいはい!やろう!」
「「今日の最強カードはこれ!」」
「「《騎甲竜王 シュヴァリアス》!」」
騎甲竜王 シュヴァリアス
モンスター|エンシェントW|ドラゴンロード|サイズ3
A 8000
D 7000
打 3
◻︎【コールコスト】君の手札の魔法2枚をこのカードのソウルに入れる。
◻︎このカードが場にいるなら、君は魔法を使えない。
◻︎【対抗】【起動】相手が魔法を使った時、ゲージ1を払い、手札の魔法1枚を捨ててよい。そうしたら、相手が使ったその魔法を無効化する。
『2回攻撃』『ソウルカード』『ライフリンク5』
「ウワー、マホーフーインダー」
「リンこのモンスターに蹂躙されてたわね。自分が魔法を使えなくなるデメリットがあるかわりに、手札の魔法とゲージ1を引き換えに何度でも相手の魔法を打ち消せるわ」
「ヤバイ、本当にトラウマになりそう…」
「…リンがトラウマになるほど強いカードよ。でもライフリンク5を持ってるから、破壊さえしてしまえば勝つチャンスはいくらでもありそうね」
「き、今日はここまでにしよう!うん!」
「それじゃあまた次の話で」
「ま、またねー!」
ーーーーー
新キャラ水波美琴の関西弁は、僕もあまり関西弁に詳しくないので結構間違いがあったりすると思います。ので、その時は遠慮なく訂正をお願いします。