フューチャーカード バディファイトデッド   作:スラ☆K

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1.5年振りですね。
さすがに2年も投稿しないのは嫌だったので頑張りました。ので、誤字脱字多いかもしれないです。


第24話 銃と拳

「エクシードフォースの事、考えてみれば私達は何も知らないわね」

 

「ヤイバ君が『覚醒者とその者が持つ力の限界を越える力』とか言ってたっけ」

 

「そのヤイバに聞いたんやけど、覚醒者のリンちゃんはどんくらい知っとんのかなぁってな?全然知らんみたいやけど」

 

「ここ最近いろんなことがあってそれどころじゃなかったんだよぅ。エクシードフォースがなんなのかは私だって知りたいよ?良くない力かもしれないしさ」

エクシードフォースをファイト内で使えばモンスターに対して実際にダメージを与えるという実害が出ているため、他にも危険な力があるかもしれないとリンは危惧していた。

 

「せやったら善は急げや!ヤイバの家に出発や!」

美琴は張り切って立ち上がった。

 

「あなた場所知ってるの?」

 

「2人は知らへんの?」

 

「知らないわ」「知らなーい」

2人が同時にノーと答えた。が、もう1匹は知っているようだった。

 

俺知ってるぜェ?

 

「何で私達より活動時間が少ないリィが知ってるのよ?」

リィは普段はカードの中で寝ていて、シノンがファイトする時ぐらいしか起きないのだ。つまり、リィは1日の大半寝ている。

 

この前あのデケェ機械をここに運んだ時にたまたま見つけたんだよォ

 

「やるじゃん、リィ!」

 

「そんじゃあ場所は分かるって事やな?」

 

まァ、後ろなんだけどなァ?

 

「そうなの?…言われてみればネオABCカップ決勝戦の日の朝に会った時、歩いてきた方角はこの部屋の後ろだった気がするわ」

 

「珍しくリィが役立った〜!偉いね〜」

 

まるで俺が全く役に立たない見てェじゃねぇかァ!

リンがリィの頭を撫でるが、すぐにリィは翼で手をはらった。

 

「役に立ってないから」

「役に立ってないでしょ?」

 

2人揃って言うんじゃねェ!

 

「あっははは!ホンマおもろいなぁ。聞いてて飽きんわぁ」

 

「じゃあそろそろ行こっか!」

 

「せやな、できることなら早うした方がええしな」

 

「ほらリィ、行くわよ」

 

わァったわァった

 

 

 

そしてシノン達はヤイバの家、霧山道場に着いた。

 

「おー。ヤイバ君の家って道場なんだー」

 

「やけに刀の使い方が上手いと思ったら。そういう事だったのね」

 

ピンポーン

リンがチャイムを鳴らした。

 

………。

 

しばらく待ったが、一向に出迎えてくる様子がない。

 

「あ、あれ…?留守かな?」

 

ピンポーン

リンが再びチャイムを鳴らす。

 

………。

 

しかし、出て来ない。

 

「ホンマに留守かもなぁ」

 

「今日のところは諦め…」

 

ピンポーン ピンポーン ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン

 

「ちょっとリン!さすがに迷惑よ!」

シノンがリンの腕を掴んでやめさせる。

 

「たくさん押したら出るかな〜なんて」

 

「ホンマ良くないで…?せやけど、留守ならいくら押しても…ん?足音が…」

 

ガラガラガラ

スライド式のガラス扉が開き、中から出てきたのは皐月だった。髪がぼさぼさで目が完全に開いていない。寝起きのようだ。

 

「どなたですかぁ…?あ、シノンちゃん達かぁ。ごめんねぇ、今の今まで寝ててさ〜?すぐに出れなかったんだよ〜。入っていいよぉ〜、ふわぁ〜…」

入室許可を与えた皐月はフラフラしながら中へ戻って行った。

 

「入りましょうか」

 

「せやなぁ」

 

「ま、結果オーライ!」

 

「あなたは少しくらい反省しなさい」

「あぅっ」

シノンがリンに軽くチョップをした後、3人は中に入った。

 

 

中を回っていると、教室程度のスペースの和室を見つけた。中央には160cmと刻まれた木製の人形が立てられており、刀を左手に持ち、目を閉じているヤイバがいた。

 

「ヤイバく〜ん、シノンちゃん達が来たよぉ〜」

 

「あ!ヤイバく…」

「しっ…。リン」

「え?」

 

「集中してるんやない?」

 

「あ、そーゆーこと」

 

ヤイバのために黙る3人。すると、ヤイバは右手を刀の柄に添えて、腰を落とした。次の瞬間に刀は抜かれ、人形の首が胴体から離れた。それを確認したヤイバはすぐに刀を鞘にしまった。

 

「これでは駄目だ。この程度では…。ん?」

ヤイバは3人の存在にようやく気付き、刀を置いた。

 

「お邪魔してま〜す」

 

「悪いわね、急に来て」

 

「気にするな。ん?お前は…。あぁ、そういう事か。大体把握したから何も言わなくていいぞ」

 

「ん?…ん?」

美琴は勝手に話が進められて困惑していた。

 

「ヤイバ君はね、引くほど鋭い観察力と1度見たり聞いたりした事を忘れない記憶力の持ち主なんだよ」

 

「その上、バディファイトとしての実力も高くて、とても頼りになるのよ」

 

「へぇ〜。えらく高評価やなぁ」

 

「いや、私は弱いさ。友1人救う事すらできない軟弱者だ…」

ヤイバは他所を見て、拳を握った。

 

「ヤイバ君はカイト君と友達なの?」

 

「…リビングで話すとしよう」

ヤイバ達はその場を離れリビングへと向かった。

 

 

 

リビングには既に皐月がソファで寝ていた。テーブルの周りにコの字型で配置されたソファに全員が座ると、ヤイバは話し始めた。

 

「カイトの話をしてもいいんだが、先にエクシードフォースについて話すか」

 

「さすがヤイバ君、何聞きに来たか分かってる!」

 

「と、期待させてすまないが私も詳しい事は知らん」

 

「えぇ!?でもネオABCカップの時に私にエクシードフォースの事話したじゃん!」

 

「私が知ってるのはあの時お前に話した事だけだ」

 

「えぇ〜!?」

 

「期待損ね」

 

「すまないな…。ではカイトと私の話をするか」

 

「今はそれの方が気になる!」

 

「カイトは私が相棒学園に入ってから知り合った付き合いの長い奴だ。学園生活に戸惑っていた私にいろいろと教えてくれたな。あの時の私はカイトは優しい奴だと思っていた」

 

「でも表だけだったのよね」

 

「あぁ。だが、私とカイトに友情があったのは事実だ。お互いに道を外した時は「お前の道はそっちじゃない」と、正しい道を歩かせるように約束していた」

 

「だからシノンちゃんのかわりにカイト君とファイトしたんだね…」

 

「そうだ。だが私は止められなかった。私は……」

とヤイバは何かを言おうとしたが、それ以上は何も言わなかった。それから暫く沈黙が続き、シノンが口を開いた。

 

「ねぇ、ヴァルズァックって何なの?明らかに普通のモンスターではなさそうだったわよね」

シノンの表情はいつになく真剣だった。

 

「ヴァルズァックについて、か。そうだな、話しておくべきだな」

 

「なぁ、ウチおらん方がえぇ?えらい深刻な話してるし」

 

「いや、もうシノンと関わったのなら聞いておいた方がいい。重要な事だ」

 

「そんじゃあ聞かせてもらうわぁ」

 

「魔皇帝竜ヴァルズァック。かつて、ドラゴンワールドを滅ぼそうとした凶悪なドラゴン」

 

「それはカイト君がさらっと言ってたから知ってるよ」

 

「ではその続きだ。ヴァルズァックはドラゴンワールドを滅ぼそうとしたが、ある存在によってそれは阻止された」

 

「ある存在?」

シノンが問う。

 

「“初代エクシードフォース覚醒者”だ。当時は“超越者”などと呼ばれていたそうだ」

 

「初代エクシードフォース覚醒者!?エクシードフォースとヴァルズァックは関係があったって事!?」

 

「そうなるな。そしてその超越者は、ヴァルズァックを封印し、二度と復活する事がないよう自ら命を断ち、封印を解けないようにした。

 

「え!?何で!?」

 

「唯一封印を解く事ができる超越者は、自ら命を絶つ事でヴァルズァックの永久の封印を図ったのだ」

 

「でも封印解けてしもうたんやろ?」

 

「そう、そこが問題だ。何故封印は解けてしまったのか。恐らくだが、新たな超越者、すなわち別のエクシードフォース覚醒者が封印を解いたのだと思う」

 

「そもそもエクシードフォース覚醒者は1人じゃなかったって事ね」

 

「そうだ」

 

「カイト君に味方してるエクシードフォース覚醒者がいるって事だよね。厄介だなぁ」

 

「エクシードフォース覚醒者はモンスターに物理的にダメージを与える事ができる。優しいリンと違って相手は容赦なく使ってくるわよね」

 

「放っておくと非常に危険だ。だがそれ以上に危険なのはシノン、お前だ」

 

「私が?」

 

「お前は人間とデスレイジードラゴンの血が混ざった、混血の人間だ」

 

「混血…。確かヒカリがそんな事を言ってたかしら」

 

「お前の体の半分がモンスターであるなら、覚醒者の力は当然及ぶ。お前が戦えば死ぬかもしれない。そこで提案なのだが…」

 

「「お前はカイト達と戦わずに待機していろ」なんて言うつもりかしら?嫌よ、これ以上ヴァルズァックに好き勝手されたくないわ」

 

「……覚悟ができているのならそれでいい」

ヤイバは少し笑ってそう言った。

 

「ここまでの話をまとめると、エクシードフォース覚醒者はヴァルズァックっちゅうモンスターの封印に大きく関わってて、1人じゃないって事やな?」

 

「その通りだ。だがエクシードフォースは未だ謎大き力だ。まだまだ分かっていないことがあるだろう」

 

「せやね〜」

 

「エクシードフォース覚醒者の私がカイト君と戦えばヴァルズァックを封印できるかな?」

 

「バディファイトで勝利できれば、まだ封印できるチャンスはあるかもしれん。だが、封印の方法は知っているのか?」

 

「それは…」

 

「それにバディのいないお前がどうやってカイトに勝つと言うんだ?」

 

「うっ…」

痛い所を突かれたリンは何も言い返せなかった。

 

「カイトは今どこにいるのかしら?」

 

「シノンちゃんを探してるよ」

 

「いつ襲われるかも分からないわね…」

 

「……!! みんな伏せるんや!」

何かに気付いた美琴が伏せるように言った。ヤイバとシノンはすぐに伏せたが、リンだけは突然の命令に戸惑っていた。

 

「え!?」

 

「いいから伏せなさい!」

「あぅっ!」

シノンが戸惑っているリンを無理矢理伏せた。次の瞬間、窓が割れる音と共に数多の銃弾が飛び交い、窓だけでなく建物内の照明や置物も破壊していく。

 

「ハッ!な、何事!?」

皐月が目を覚まし、反射的に起き上がってしまった。

 

「何をしている!」

ヤイバは皐月を引っ張り再び横にした。

 

「何これ何これ!?う、撃たれてる!?」

皐月が状況を理解しないまま、銃弾の雨は止んだ。

 

「はぁ…。言ったそばからね」

 

「……終わったか?」

 

『ヒャハハハーー!!出てこいよシノン!!次は狙うぜぇ!?』

「うるさい…。もう少し静かにできないの?」

外から狂ったような笑い声とそれを中和するかのような静か過ぎる声が聞こえた。

 

「ご、ご指名みたいだけど…どうするの?」

 

「居留守は無理よね…」

シノンは立ち上がり、窓の外を確認した。そこにいたのは、白髪の前髪が目元に少しかかっている気弱そうな少年と、二頭身で五指が銃口になっている骸骨。その少年と骸骨はおそろいの漆黒のカウボーイハットを被っている。骸骨は銃口をシノンに向け、不穏な笑みを浮かべている。

 

「あ…。やっと出てきた…」

 

「誰かしら?私を狙ってくるならカイトの手先なんでしょうけど」

 

「そうだよ。カイト君の命令でキミを始末しなくちゃいけない。名前は弾紀(たまき)マナ」

 

『俺は名乗る気なんてさらさらねぇ。さぁ、そのまま抵抗せずにこっちに来りゃあ誰も撃たねぇぜ?』

 

「そんなあからさまな罠に私が引っかかると思ったの?バカにしないでほしいわね」

 

「ほら…。やっぱりダメだったじゃん…」

 

『ちぇっ、つまんねぇ。まぁとりあえず、抵抗するとみなして皆殺しさせてもらうぜぇ!死n…「オラァ!」うげぇ!?』

「あーあ…」

骸骨のモンスターが横から乱入してきた謎の男に殴り飛ばされた。相棒学園の学ランをマントのように羽織る、イカツイ髪と顔の男だ。

 

「もう!あとちょっと遅れてたら死人が出てましたよ!?鬼塚先輩!」

リンがひょっこり出てきて男に言った。

 

「無茶言うな!これでもかなり急いだ!」

 

「鬼塚先輩…?」

 

「中等部2年の鬼塚バンジョウ先輩!さっき連絡して来てもらったの!」

 

「にしても……本当に死人みてぇだなぁ…。ま、何だっていいんだけどよ。んじゃ、とりあえずこのガキをボコボコにすりゃあいいんだな!?」

バンジョウは両方の拳をコキコキと鳴らす。

 

「バディファイトでお願いしますよ!?」

 

「バディファイトでか?それで済むんならそれに越したこたぁねぇな!いくぜ!ドガゼウス!」

 

『おうよ!兄弟!』

 

『クソッ!図に乗りやがって!誰がてめぇの条件飲むかy…「うるさい。黙ってファイトの準備して」あぁん!?マナまで何言ってやg…「もう一回言うよ。だ・ま・れ」…勝手にしろ!』

 

「ごめんね。グレイはどうしてもファイトを好まないんだよ」

 

「早くおっ始めようぜ!」

 

「“この拳で世界を獲る!”

ルミナイズ!【絶拳最強伝説】!」

バンジョウのコアデッキケースが釘バットとなり、バンジョウが何度か素振りを行った。

 

「“全弾命中、クリティカルヒット。キミは逃れられない。”

ルミナイズ、【竜の撃鉄】」

マナのコアデッキケースがリボンとなりマナの左腕に結ばれた。

 

「バディー…ファイッ!」

 

「「オープン・ザ・フラッグ!」」

 

「デンジャーワールド!」

 

「奇遇だね。ボクもデンジャーワールドさ」

 

「ボクの先攻。ドロー、チャージ&ドロー。《爆火竜 マグナム》をセンターにコール。さらに、《インパクト・チューン》を設置してマグナムでアタック」

 

マナ

【手札 7→5】

 

マグナム

S1 A6000 D5000 打2

 

 

バンジョウ

「ケッ!屁でもねぇ!」

【ライフ 10→8】

 

「ボクのターンは終了するけど、キミのターン開始時にインパクト・チューンの能力発動。キミの手札・ゲージ・ライフを1増減させるのを3回行うんだけど、そうだなぁ…、ゲージを3増やしてもらおうかな?」

 

バンジョウ

「こっちのゲージを増やしただけだぁ?よく分かんねぇなぁ」

【ゲージ 2→5】

 

「キミのターン始めていいよ」

 

「俺のターン、最強ドロー!最強チャージ&最強ドロー!」

 

「最強最強うるさいわね」

 

「鬼塚先輩は喧嘩でもバディファイトでも常に1番上!最強を目指してるんだよ」

 

「最強ねぇ…」

 

《シィン。やはりお前は我々の誇りであり、最強の存在だな。》

 

「ぐっ!?」

シノンの脳裏に一瞬だけ浮かんだ謎の光景。シノンは思わず頭を抑えてしまい、すぐ隣にいたリンが心配して声をかける。

 

「急に頭抑えてどうしたの?シノンちゃん、大丈夫?」

 

「大丈夫よ…、少しだけ嫌な事を思い出しただけよ(本当に嫌な事だったわね…時々頭に浮かぶ記憶にない映像。考えたくもないわ。けれど、シィン?誰なのよ一体…)」

 

 

「《撲殺賢者 ボグヘルメス》をレフトに、さらにてめぇのゲージ1を勝手に払って《狂女神 ゴスイリス》をライトにコールだ!」

 

バンジョウ

【手札 7→5】

 

マナ

【ゲージ 3→2】

 

ボグヘルメス

S1 A6000 D2000 打1

 

ゴスイリス

S1 A6000 D2000 打2

 

「さらにゲージ2を払ってキャスト!《永世スピーチ!》!てめぇは手札1枚を捨てろ!俺は2ドローだ!」

 

マナ

「何なんだよもう…」

【手札 5→4】

 

バンジョウ

【手札 5→6】

【ゲージ 6→4】

 

「俺のドロップのゴッドヤンキー属性のカード1枚をソウルに入れて、てめぇのゲージ1を勝手に払って装備!《スカイゴッド・ジャンパー》!」

 

マナ

【ゲージ 2→1】

 

バンジョウ

【手札 6→5】

 

スカイゴッド・ジャンパー

A7000 打2 ソウル1

 

「何よあいつさっきから。相手のゲージとか手札奪って」

 

「それが鬼塚先輩のファイトスタイル、“強奪(ごうだつ)”!相手のアドバンテージを奪って、何もできなくなったところでボッコボコにしちゃう!やってる事は悪だけどこれがカッコいいんだよ!」

 

「行くぜ!スカイゴッド・ジャンパー!」

バンジョウがマグナムをアッパーカットで破壊した。

 

「貫通があるぜ!」

 

マナ

「うっ…」

【ライフ 10→8】

 

「ゴスイリスでファイターにアタック!能力でてめぇは手札を1枚捨てな!」

 

「ならアタックする前にキャスト、《インパクト・ショット》でゴスイリスを破壊してダメージ2を与える」

マナが使ったカードから1発弾丸が放たれる。放たれた弾丸はゴスイリスを撃ち抜き、バンジョウにもダメージを負わせた。

 

マナ

【手札 4→3】

 

バンジョウ

「チィッ…!ボグヘルメスも続け!」

【ライフ 8→6】

 

マナ

「キャスト、《斬魔血風壁》」

【手札 3→2】

 

「ターン終了だ」

 

「ボクのターン開始時、インパクト・チューンの能力が発動。キミのゲージを2増やした後に1枚破壊」

 

バンジョウ

【ゲージ 4→6→5】

 

「今度はただただゲージを増やしたワケじゃないね?」

 

「何かしらね。調整してるようにも見えるわ」

 

「ドロー、チャージ&ドロー。《大爆竜 ランツァー》をライトとレフトに、《連射竜 マシンガー》をセンターにコール」

ライトとレフトにはロケットランチャーを担いだ真っ赤なドラゴンが、センターには右腕がマシンガンになっている青いドラゴンが現れた。

 

マナ

【手札 3→0】

 

ランツァー

S1 A4000 D4000 打1

 

マシンガー

S1 A5000 D2000 打2

 

「ランツァーとマシンガーの『インパクト』発動」

 

2&8(ツー・エイト)

 

5&5(ダブルファイブ)!』

 

「インパクトは、自分または相手の手札・ゲージ・場・ライフがインパクトに記された数値になった時に、そのターンの間インパクト能力を得る能力の事だよ」

 

「何それ!?フツーに使い辛そう!!」

 

「インパクト能力は並大抵の能力じゃないから。ライトのランツァーでボグヘルメスをアタック。インパクト能力で2ドロー、さらにキミにダメージ3だよ」

 

マナ

【手札 0→2】

 

『標的確認。排除する』

ランツァーがバンジョウに狙いを付け、ミサイルを発射した。

 

バンジョウ

「ぐっ…!」

【ライフ 8→5】

 

『こちらの標的も排除する』

ランツァーがボグヘルメスに標準を合わせてミサイルを発射し、ボグヘルメスを爆破させた。

 

「次はレフトのランツァー。ファイターにアタック」

 

『排除する』

 

バンジョウ

「うぉあっ!だがキャスト!《弾丸(ダンガン)クレーマー》!攻撃を無効にしてライフを3回復だ!」

【ライフ 5→2→5】

【手札 5→4】

 

マナ

【手札 2→4】

 

「マシンガーでファイターをアタック。マシンガーのインパクト能力により、マシンガーの単体攻撃は無効化されない」

 

『任せろぉ!!』

 

「キャスト!《最恐メンチ!》!」

バンジョウがマシンガーを睨みつけた。

 

『うっ…』

マシンガーは威圧され、動きを止めた。

 

「このターンだけそのモンスターの打撃力を3マイナス!さらに、打撃力が0になったから1ドロー!」

 

バンジョウ

【手札 4→3→4】

 

「これじゃあアタックが決まっても意味ない。ターン終了。でも、キミのターン開始時、インパクト・チューンの能力発動。キミにダメージ1を3回与える」

 

バンジョウ

【ライフ 5→2】

 

「最強ドロー!最強チャージ&最強ドロー!ヘヘッ。テメェの…ゲージ1と、ライフ1と、その邪魔な設置魔法を強奪…!ライトにバディコールだ!」

 

バンジョウ

【手札 5→4】

 

マナ

【ライフ 8→7】

【ゲージ 2→1】

 

「《絶拳独尊ドガゼウス》!!」

 

ドガゼウス

『行くぜ!兄弟!』

S2 A6000 D2000 打2

 

「コールコスト全部ボクが払ってるじゃんか…」

 

「オラァ!」

バンジョウはマナのセンターにいるマシンガーをアッパーカットで破壊した。

 

「貫通もくらっとけ!」

 

マナ

「うっ…」

【ライフ 7→5】

 

「ドガゼウス!」

 

『おうよ!』

ドガゼウスはマナの胸ぐらを掴んだ。

 

「ちょっ…何す…『男なら、歯ァ食いしばれよ!』え、待っ…『ぬんッ!!』くぁっ…!」

ドガゼウスはマナに頭突きをお見舞いし、解放した。ファイト内での衝撃はある程度軽減されているとはいえ、ドガゼウスの頭突きをモロに受けたマナはしばらくの間頭から痛みが離れなかった。

 

マナ

「あー…頭クラクラする…」

【ライフ 5→3】

 

「ドガゼウスがダメージを与えたことで、テメェのライフを2強奪だ!」

 

マナ

【ライフ 3→1】

 

バンジョウ

【ライフ 5→7】

 

「ターン終了だ!」

 

「強いわね、鬼塚バンジョウ」

 

「鬼塚()()だよ?」

 

「いててて…、ボクのターンドロー、チャージ&ドロー。キャスト、《インパクト・コール》。キミの手札・ゲージ・ライフのいずれかを1増減させるのを2回行う。ゲージ1枚を破壊して1ドロー、かな」

 

マナ

【手札 5→4】

 

バンジョウ

「またか」

【手札 4→5】

【ゲージ 6→5】

 

「その後にデッキから銃撃竜を1体コールするよ。センターにバディコール」

 

『やっと出番か!!遅えんだよ!!』

マナがバディコールすると、サイズオーバーにより2体のランツァーがドロップゾーンに送られた。

 

「銃王竜 グレイ・ネル!!」

堂々とセンターに現れたのは、紺の体に白い鎧を顔の上半分、右翼の骨部分、胴体の一部などに着けたドラゴン。尻尾の先と手の指の1本1本が銃口となっている。

 

マナ

【ライフ 1→2】

 

グレイ・ネル

『テメェらに明日は無ぇ!』

S3 A10000 D7000 打3 ソウル2

 

「地球での姿でアレだったから、本来の姿も怖いよ〜」

 

「あれ?今ゲージ払った?」

 

「グレイ・ネルの能力、『インパクト:(リバース)』。自分または相手の手札・ゲージ・場・ライフがインパクトに記された数値になった時に、そのターンの間得る能力なんだけど、インパクトと違って場にいなくても得れるんだよ。

グレイ・ネルのインパクト:(リバース)〈5&5〉(ダブルファイブ)により自身のコールコストによるゲージを0にする」

 

「それでゲージを払わなくても出せたのか」

 

「キャスト、《銃王の闘魂》。グレイがいればライフかゲージを10にして、手札かゲージを0にする。ボクはゲージ10、手札0にする」

マナは手札を全てデッキに戻し、新たにゲージを8追加した。

 

マナ

【手札 4→0】

【ゲージ 2→10】

 

「手札無くしてまでゲージが欲しいのか?」

 

「違う、あれは間違いなく調整…」

 

「グレイ、ファイターにアタック」

 

10&0(ジュウ・オー)!俺のインパクト能力発動!!』

 

「10と0のインパクト!だから手札とゲージを滅茶苦茶にしたの!?」

 

「その通り。そしてグレイのインパクト能力はアタック時に相手の場のカード全てをドロップゾーンに送って、ダメージ5を与える」

 

「ドロップゾーン送り、しかも全部!?」

 

「んだそりゃあ!?」

 

『塵1つ残さねぇ!!』

グレイは両手の指の銃口からエネルギー弾を絶え間なく放ち、バンジョウの場を壊滅状態にする。

 

『すまねぇ兄弟!』

 

「ドガゼウス!ぐおっ!」

 

バンジョウ

【ライフ 7→2】

 

スカイバッド

〈ソウル 1→0〉

 

『殲滅完了!いつやっても気持ちいいぜ!』

 

「アイテムはソウルガードで守られたみたいだけど、どの道キミはこのアタックで終わる」

 

「正直その能力が無かったら俺は負けてたぜ。ドガゼウスをドロップゾーンに送ってくれたおかげで俺の勝ちは決まったぜ!」

 

「この状況から勝つ?ハッタリもいい加減にしなよ?」

 

バンジョウ

「ハッタリかどうかはこいつを見てから言いな!最強キャスト!《絶拳最強伝説》!」

【ライフ 2→1】

【ゲージ 5→4】

 

「鬼塚先輩のデッキと同じ名前のカードだ!」

 

「ドロップゾーンからゴッドヤンキー2体をコールするぜ!俺はドガゼウスをライトに、ゴスイリスをレフトにコール!テメェのバディとゲージ2とライフ1を払ってな!」

 

マナ

「やっぱりコストは払うかぁ」

【ライフ 2→1】

【ゲージ 10→8】

 

グレイ

〈ソウル 2→1〉

 

『今さら何だってんだ!終わりだ!』

グレイは再びエネルギー弾を連射した。

 

「へっ!キャスト!《無敵(ムテキ)ナックル!》!そいつの攻撃を無効化して、テメェのライフを1強奪するぜ!これで終わりだ!」

バンジョウが右手に力を込め、拳を放った。その拳はエネルギー弾もろともグレイを貫通し、マナに命中した。

 

マナ

「うーん、負けた」

【ライフ 1→0】

 

 

「ゲームエンド!WINNER鬼塚バンジョウ選手!」

 

「あーあ…負けちゃった」

 

「ファイトに負けたんだからさっさとどっか行きやがれ!後輩達が迷惑してんだろーが!」

 

『勝敗なんて関係ねぇよ!今から全員ブチ殺し…「っるせぇ!」へぶぁっ!』

グレイが攻撃体制に入ろうとした瞬間にバンジョウはグレイの顔面をぶん殴った。グレイは地面に数回跳ねながら後方へと吹っ飛んでいった。

 

「鬼塚先輩!他人のバディにすぐ暴力振らないでください!」

 

「あぁでもしねぇと皆殺されちまうじゃねぇか」

 

「そうよ、リン。あれは正当防衛よ」

 

「いやでも…」

 

「いいよ、別に。ボクのバディが迷惑かけてるのは事実だし、構わず殴っていいよ。なんならボクが殴りたいぐらいだよ」

 

「お、いいのか?なら再起不能になるまでボッコボコにしてやるぜ!」

 

「鬼塚先輩!私達はもう大丈夫ですからそれ以上はやめてください!」

 

「リンがいいって言うならやめとくけどよぉ。いいのか?本当に」

 

「本当に大丈夫ですから…!」

 

「あのグレイにここまで優しくする子は初めて見たよ。ボクでさえあんなには優しくしないのに」

 

「バディは大切にした方がいいよ?」

 

「カイトはどこ?」

 

「言ったとしても、キミ達は絶対に辿り着けないと思うよ?」

 

「いいから」

 

「はいはい。カイト君は相棒学園の地下の地下の地下の地下の…まぁ、とっても深〜い場所にいるよ」

 

「そんな深いとこは無理〜!」

 

「ね?だから言ったじゃん」

 

「でも行くしかないわ」

 

「本気?まぁ何だっていいけどね。それじゃあもうボク帰っていい?」

 

「ダメだ」

 

「まだ何かあるの?」

 

『「何かあるの?」じゃないよ!私達の家の修理代払ってよ!窓だけじゃなくて中もグッチャグチャなんだよ!?』

 

「あー…、そうだったね。じゃあしばらくはここで君たちの奴隷にでもなるかな」

 

「素直すぎて逆に怖いんだけどぉ…」

 

「グレイが犯した罪はバディであるボクの罪でもあるからね。やなことに。はぁ…」

バンジョウに吹っ飛ばされたグレイをマナは横目で見ながら大きなため息を吐いた。

 

『全ッ部聞こえてんだよ!!マナァ!!』

 

「聞こえるように言ったんだよー。じゃあカイト君探し頑張ってー」

 

「応援するなら行き方教えてよー」

 

「それはダメー」

 

「じゃあ行きましょうか。ヤイバはどうするのかしら?」

 

「私達は生徒に地下の行き方を知っているか聞いてみる。未門牙王辺りは何か知っているかもしれん」

 

「よろしく!」

 

「弾紀マナ、お前も一緒に来い」

 

「はーい」

 

(いきなり襲って来た人とは思えない…)

 

「皐月、何している?行くぞ」

 

「あ、うん!」

ヤイバ、皐月、マナはシノン達と別行動となり、歩いて行った。

 

「私達は相棒学園に行きましょうか」

 

「行く途中に冥鈴ちゃんに会ってこの事を伝えに行こうよ!」

 

「そうね、それがいいわ」

 

 

 

相棒学園に到着した2人は中を探索している。地下への道を見つけるため。

 

「どこにも無いわね」

 

「やっぱり無理かな。冥鈴ちゃんに電話しよー」

 

プルルル…プルルル…

ピッ

 

「あ、冥鈴ちゃん?」

 

「はい、こちら冥鈴です」

 

「すごい落ち着いて話せてるね?」

 

「電話越しなので…」

 

「いつか人前でもちゃんと話せるようになるといいね!」

 

「はい。ところで要件は?」

 

「あ、そうだった!地下に行きたいんだけど、隠し通路がどこにあるか知らない?」

 

「私が聞いた噂だと、生徒会室にあるみたいです。一度行ってみてはどうでしょう?」

 

「そっか、ありがとね!じゃあ後で!」

 

「はい。それでは」

 

ピッ

 

「生徒会室にあるみたいだよ!」

 

「行きましょうか」

 

 

 

シノンとリンは何事もなく生徒会室に到着した。かなりの距離を走ったので疲労は相当なようだが。

 

「ハァ…ハァ…。じゃあ入るわよ…」

 

「はぁーい…」

 

コンコンコン

シノンが扉をノックすると、扉が開き、生徒会長である祠堂孫六が顔を見せた。

 

「死乃峰シノン!?と、星見リン。な、何の用ですし?」

 

「生徒会室に地下への隠し通路があるって聞いて来たわ」

 

「地下への隠し通路?何でですし?」

 

「ほら、祠堂会長も知ってますよね?いきなり現れた大きいドラゴンの事!」

 

「あー。ネオABCカップの最後の最後に現れたモンスターの事ですし?それがどうしたんですし?」

 

「詳しく説明してるヒマは無いのよ。隠し通路あるなら早く通らせてくれるかしら?」

 

「仕方ないですしね〜。ただし、条件付きですs…「あるのね。じゃあ入らせてもらうわ」ちょっ…勝手に入るなですし〜!「すいません!」あ、お前まで!」

シノンとリンは扉の前で立っていた祠堂を押し退けて生徒会室に入った。2人は入るや否や部屋中を探し回った。

 

「どこにも無いわね」

 

「う〜ん…」

 

「勝手に生徒会室を荒らすなですし!」

 

「それじゃあ条件無しで隠し通路を開けなさいよ」

 

「わ、分かったですし!だから荒らすなですし〜!」

 

 

祠堂が2人に特定の位置に立っているように指示した。

 

「立ったわよ」「立ちましたー」

 

「それじゃあ…」ポチ

祠堂は机の引き出しから取り出した箱に付いているボタンを押した。その直後、シノンとリンが立っていた床が無くなった。

 

「え…」「は?」

そのまま2人は重力に任せて落ちて行った。

 

「「きゃああああ!!!!」」

 

 

 





「今日の最強カードのコーナーの時間だよ〜!」

「いつも元気ね」

「今日はウチもおるで〜」

「それじゃあ早速!」

「「「今日の最強カードは…」」」


「「「銃王竜(じゅうおうりゅう)グレイネル!」」」


銃王竜 グレイネル
モンスター|デンジャーW|銃撃竜、デュエルドラゴン|
サイズ3
A 10000
D 7000
打 3

◻︎『インパクト:(リバース)〈5&5〉(ダブルファイブ)(君か相手の手札・場・ゲージ・ライフが、『インパクト:R』に記された数値の時、次の能力が適用される)
このカードの【コールコスト】に書かれているゲージの数値は0になる。
◻︎【コールコスト】君のデッキの上から2枚をソウルに入れ、ゲージ3を払う。
◻︎『インパクト』〈10&0〉(ジュウ・オー)(君か相手の手札・場・ゲージ・ライフが、『インパクト』に記された数値になった時、そのターン中、次の能力を得る。)
このカードが攻撃した時、相手の場のカード全てをドロップに置き、カードを3枚引き、そのバトル終了時、相手にダメージ5!
『ソウルガード』

「今日襲って来たマナって子のバディモンスターね」

「手札・場・ゲージ・ライフのうち2つが特定の数値になった時に、ターン中能力を得られるインパクト能力を持ってるよ!」

「条件は厳しいけど得られる能力は強力なもんばかりやから、ただ使い辛いってだけやないんやで」

「超強力な能力を相手にぶつけて勝利を掴み取る。デンジャーワールドらしい戦い方ね」

「ではこの辺で!じゃあね〜!」


ーーーーー

たとえ投稿間隔が1年以上空いても失踪とか絶対しないのでそこは安心してください。


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