フューチャーカード バディファイトデッド   作:スラ☆K

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3話目、本日ラストです。
どうぞ〜。


第27話 折れた絆の刃

「天谷ジオがカイトの仲間だと?」

 

「私の調べによれば、大体2年くらい前からかな?」

 

『ジオ君の意外な一面、ここに在り…だね』

 

「最悪な一面だ。私達の情報が行き渡っているのだぞ?」

 

「地下でジオを見かけてからどこに行ったのかは見てないけど、十中八九カイトの所だよね」

 

「皆んな大変!シノンちゃんが…!」

ドアを勢いよく開けて姿を現したリンが慌てて叫んだ。

 

「何!?」

ヤイバは真っ先に、それについて行くように他の全員も部屋に入った。そこで見たのは苦しそうに息を荒くしたシノンの姿だった。目は覚めているが、到底動けそうにはない。

 

「大丈夫か!シノン!」

 

「ハァ…ハァ…ハァ…!ヤイ…バ…。私を…殺して…」

シノンは辛そうにしながらヤイバの手を握った。

 

「何を言っている!できるワケがないだろう!」

 

「ハァ…ハァ…。私は…生きていては…ダメなのよ…。いつか…きっと…、貴方たちを殺してしまう…!」

 

「シノン……。カイトに何を吹き込まれたが知らんが、もう2度と『殺して』などと口にするな。皐月!私の部屋から赤い薬を持ってこい!」

 

『え…?わ、分かった!』

皐月はヤイバに言われた通り、急いで薬を取って行った。

 

「どう…して…」

 

「仮にリンがお前に同じ事を言ったらお前はどうする?」

 

「それ…は…」

 

「そういうことだ」

 

『ヤイバ君!これかな?』

ヤイバの部屋が近いという事もあり、短時間で帰ってきた皐月は真っ赤な錠剤が複数個入った透明の袋を持っていた。

 

「それだ。1つ出してくれ」

皐月はヤイバの言われた通り袋から錠剤を1つ取り出し、ヤイバに渡した。

 

「シノン、この薬を飲めばすぐに楽になる」

 

「だから…私は…」

 

「いいから飲め」

「ちょっ…ヤイb…んむ…!」

ヤイバは錠剤を無理矢理シノンの口に入れ、吐き出さないようそのまま口を押さえた。

 

「あんま患者を乱暴に扱わん方がええと思うよ?」

 

「問題はない」

シノンは諦めて錠剤を飲み込み、それを確認したヤイバはシノンの口を押さえるのをやめた。

 

「ヤイバ…、ハァ…ハァ…。ハァ…」

薬を飲んで落ち着いたシノンは呼吸が安定していて薬が効いているのが分かる。

 

「何飲ませたん?」

 

「ある研究者から貰った……万能薬のようなものだ」

 

「都合良すぎひんか」

 

「見事に同じ症状だっただけの話だ」

 

「同じ症状?いつ?誰と?」

リンは頭に浮かんだ疑問を合間なく聞いた。

 

「昔、似たような症状の者がいてな。その時もこの薬1つで落ち着いた。あまりいい思い出ではない。これ以上は聞かないでもらえると助かる…」

 

「あ、ごめん…」

 

「ところでシノン、リン。2人は地下でジオと会った?」

場の空気に耐えられず、話題を変えようとヒカリが2人に聞いた。

 

「え?ジオって…天谷のジオ君?」

 

「そうそう」

 

「会ってないわ。いたの?」

 

「1人でなんかぶつぶつ言ってたよ。何言ってたのか全然分かんないけど、ため息はよく聞こえた。それも何回も」

 

「怪しいわね…。もう1度行ってジオに話を…」ドサッ

シノンが立ち上がった瞬間、シノンはそのまま倒れてしまった。

 

「あまり無理をするな」

 

「体が動かない…。知らぬ間に体に負担がかかるのは本当に嫌ね…」

 

「悪ぃんだけど、俺とタスク先輩だけ全く話に付いて行けてねぇんだ。ちょっと説明してくれねぇか?」

 

「ボクからも是非お願いするよ」

牙王とタスクはヤイバに提案した。

 

「そうだったな、すまない。どこから話そうか…」

 

「マナ君やったっけ?ちょっとええか?」

美琴がマナを呼んだ。

 

「何かな?」

 

呼ばれたマナは美琴と一緒に外に出た。

 

「隠してる事、まだあるんやない?」

 

「何でそう思うの?」

 

「マナ君からダダ漏れなんや。本音」

 

「本音がダダ漏れ?何それ」

 

「人が心に留めてる音が聞こえるんや」

 

「ふ〜ん…。で、聞きたいの?」

 

「そりゃ聞きたいで?」

 

「そっか。じゃあ教えてあげる。ただし、誰にも言わないように。特に、死乃峰シノンには、ね」

 

「何でや?」

 

「聞いたら分かるよ」

 

 

 

 

 

 

 

「……それホンマにアカンやつや…」

 

「で、もういいかな?」

 

「あ…え、ええでええで!ほな戻ろうか!」

明らかに動揺している美琴と一緒にマナは静かにヤイバの家に戻って行った。

 

 

「皆んなすまへんなぁ。ちょっとマナ君とお話ししてたわぁ…ってシノンちゃん、もう立てるん?」

戻ってきた美琴の目に映ったのはまるで何事もなかったかのように平気で立っているシノンの姿だった。

 

「もう平気よ。立っても足の力が抜けたりしないわ」

 

「……と、いうワケだ。出来る事なら手伝って欲しいのだが…」

 

「あぁ!手伝うぜ!そんな話を聞かされちゃあ見過ごすワケにもいかねぇしな!なぁ!タスク先輩!」

 

「うん。ここ最近、バディポリスは白馬カイトを注視している。こちらでも何か分かれば情報を提供しようと思うよ」

 

「うっし!そんじゃあ、カナタやガイト達にも手伝ってもらうように頼んどくぜ!」

 

「すまない、感謝する」

ヤイバは軽く頭を下げて礼を言った。

 

「それでどうするの?ジオ君を追う?」

 

「それってまた地下行くって事?」

リンがあからさまに嫌な顔をしてヒカリに問いかけた。

 

「そりゃあジオ君が地下にいるんだからそうでしょ」

 

「こんな暗い中行くのか?」

外はヤイバが言った通り、もう日が落ちていた。

 

「もうこんな時間…。じゃあ今日はやめとこうかなぁ。ね、シノンちゃん?」

 

「そうね。明日も学校がある。今日はここまでにしておきましょう」

 

「そいじゃあウチは帰るわぁ。ほなまたな!」

 

「ボク達も帰ろうか、牙王君」

 

「あぁ!また明日学校でな!」

 

「リン、何かあったらまた連絡しろよ?じゃあな!」

美琴に続き、タスク、牙王、バンジョウも帰っていった。

 

「みんなまたねー!」

リンは割れた窓から顔を出し、帰宅した皆んなに別れの言葉を送った。

 

「輝夜ヒカリ。1つ頼みがある」

ヤイバはリンと一緒に見送りした後、ヒカリに話を持ちかけた。

 

「何?」

 

「私とファイトしてくれないか?」

 

「もう日が暮れてるから解散しようって言ったのはそっちだよ?」

 

「すまない。1戦だけでいい。どうしても試したい事がある」

 

「それ私じゃダメなのー!?」

リンは頬を膨らませてヤイバに言った。

 

「ダメではないのだが…輝夜ヒカリとファイトした方がいい」

 

「ただヒカリとファイトしたいだけでしょ」

 

「それも理由の1つだ」

 

「絶対それしかないじゃん…」

 

「門限とか無いから別にいいよ」

ヒカリがファイトを了承すると5人は外に出た。1人はとても不機嫌そうだったが。

 

 

「さてと、やるからには本気だからね?」

 

「当ぜ……それはギャラクシア・フィールド込みの話か?」

 

「うっ…、ギャラクシア・フィールド…」

リンはその単語を聞いて、右腕を押さえた。

 

「ごめん!そういう意味じゃない!そもそもギャラクシア・フィールドは本当に殺意が湧いた相手にしか使えないから…!」

 

「私、そんなに恨まれてたの…?」

 

「“主を護るため、その剣を振るえ”

ルミナイズ、【秘剣守勢】」

 

「“遥か未来の者達よ。暗き歴史を変えるため、

現代ここに来たれ!”

ルミナイズ!【ギャラクシア・ヒストリー】!」

 

「バディー…ファイ」

マナがあまりやる気のない開始宣言をした。

 

「「オープン、ザ・フラッグ!」」

 

「カタナワールド」

 

「スタードラゴンワールド!」

 

「私の先攻。ドロー、チャージ&ドロー。私は……《秘剣武者 鬼神》を3体コール」

 

「ん!?」「鬼神を…」「3体も!?」

ヤイバのプレイにリン、シノン、ヒカリが驚いた。

 

ヤイバ

【手札 7→4】

 

鬼神

S1 A5000 D5000

 

「キミ達の様子から見ると、あのモンスターを3体も出すのは珍しいみたいだね」

何も知らないマナが驚いている3人を見ながら言った。

 

「そりゃそうだよ!ヤイバ君のバディ、秘剣騎士 クロスはサイズ3。サイズ1の鬼神とは一緒に場に出せないから使う機会が少ないんだよ!」

 

「使うとすればクロスのコールコストとしてソウルに入れるぐらいよ。そのくらいの立ち位置のモンスターを3体も場に出すのは珍しいどころか初めてよ」

 

「ゲージ2を払い、鬼神2体をソウルに入れ、《秘剣騎士 クロス》をセンターにバディコール。もう1体はサイズオーバーでドロップゾーンに」

 

「いきなりだね……って、センター?」

 

「センターに出しちゃったらヤイバ君お得意の秘剣刀でアタックできなくなっちゃうじゃん」

 

「3体の鬼神とセンターへのクロスのコール…。今までのヤイバならまずやらなかった戦術ね」

 

ヤイバ

【ライフ 10→11】

【手札 4→3】

【ゲージ 3→1】

 

クロス

『我が命、ヤイバ様と共に!』

S3 A10000 D8000 打4 ソウル2

 

「キャスト、《忍び巻物》を設置。そして能力発動。ゲージ1を払うことで手札1枚を忍び巻物のソウルに入れて1ドロー」

 

ヤイバ

【手札 3→2】

【ゲージ 1→0】

 

忍び巻物

〈ソウル 0→1〉

 

「忍び巻物の能力により、ソウルにある《忍法》を自由に使うことができる。キャスト、《明鏡止水》」

 

ヤイバ

【ゲージ 0→3】

 

忍び巻物

〈ソウル 1→0〉

 

「クロスの能力。ゲージ1を払い、ドロップゾーンの鬼神をソウルに入れる」

 

ヤイバ

【ゲージ 3→2】

 

クロス

〈ソウル 2→3〉

 

「クロス、ファイターにアタック」

 

『では…参ります!』

 

 

「痛ったぁ!いきなりダメージ4!?」

 

ヒカリ

【ライフ 10→6】

 

「鬼神はダメージを与えるとデッキから秘剣技を場の秘剣のカードのソウルに入れる能力がある。クロスは当然その能力を受け継いでいる。私はデッキから双撃と2枚の受け流しをソウルに入れる。ターン終了だ」

 

クロス

〈ソウル 3→6〉

 

「私のターン、ドロー。チャージ&ドロー。ヤイバ君が本気でやってほしいって言うから容赦なく行くよ!いいね!?」

 

「是非ともお願いする」

 

「よーし、じゃあキャスト!《銀河の鼓動(ギャラクシー・ビート)》!私はライフを4払って、デッキから《銀河剣 ωセイバー》をノーコスト装備!」

 

ヒカリ

【ライフ 6→2】

【手札 7→6】

 

ωセイバー

A6000 D0 打2

 

「ヒカリのライフが3以下になっちゃったー!」

 

「これで私のカードはフルパワーで戦える!まずは銀河の鼓動の追加能力!ライフ3以下の時、デッキの上から5枚を捨てて、その中の銀河機を全てωセイバーのソウルに入れる!」

ヒカリが説明しながらデッキから5枚のカードを取り出した。

 

「一気にソウルを増やす気ね」

 

「…ふふん♪フル銀河機!」

 

「ん?それ大丈夫?ヤイバ君やられないかな?」

 

「だ、大丈夫だよ!ヤイバ君ならね!」

 

「フン。そのくらいしてくれなければ困る」

 

「さらにωセイバーの装備時にライフが3以下の時、デッキから銀河機を2枚ソウルに!つまり7枚!銀河星合体(ギャラクシー・クロスナイズ)!ジェットα!ブレードβ!ブラスターγ!カノンε!シールドδ!アンカーΛ!ブーメランη!」

 

ωセイバー

〈ソウル 0→7〉

 

「追い討ちをかけるようにライトに《銀河星(ギャラクシースター) アルゼータ》をバディコール!」

 

ヒカリ

【ライフ 2→3】

【手札 6→5】

【ゲージ 3→0】

 

アルゼータ

『秘剣騎士と渡り合えるとは。実に光栄だ』

S3 A8000 D7000 打3

 

「キャスト、《秘剣 蛇睨み》。お前の武器をレストする」

 

ヤイバ

【ライフ 11→10】

【手札 2→1】

 

「うぐ…。アルでクロスにアタック!」

 

「受け流しの能力でその攻撃を無効にする」

 

ヤイバ

【ゲージ 2→1】

 

『はぁ!』

アルはクロスを爪で引き裂くが、クロスはソウルガードにより復活した。そのクロスはいつもと様子が違うようだった。

 

クロス

〈ソウル 6→5〉

 

「ωセイバーの能力でソウルからシールドδを捨てて1ドロー。ソウルから捨てられたシールドδは銀河機の共通能力により銀河星合体(ギャラクシー・クロスナイズ)を無効化してコール!」

 

ヒカリ

【手札 5→6】

 

シールドδ

S0 A2000 D2000 打1

 

「アルの能力発動!シールドδをソウルに入れてそのエリア、つまりはセンターに移動して1ドロー!銀河星合体(ギャラクシー・クロスナイズ)!」

 

ヒカリ

【手札 6→7】

 

アル

〈ソウル 3→4〉

 

「これでターン終了!」

 

「ヒカリの手札が7枚になってるー!それに対してヤイバ君の手札は1枚…。クロスだけじゃいつかやられちゃ…」

『させません!』

突然、クロスが叫んだ。いつも大人しいクロスが大声を出す事はあまり無いため、しばらく静寂が響いた。

 

『……絶対に、ヤイバ様を苦しめたりは…!』

クロスは手に持っている大剣を強く握り締めた。

 

「クロス…」

 

(私、余計な事言っちゃったかな?)

リンは心の中で少しだけ反省した。

 

『…すみません。ファイトを続けてください…』

 

「私のターン、ドロー。チャージ&ドロー。再び忍び巻物の能力を使い、手札を1枚裏向きでソウルに入れ1ドロー。他にやれる事は特にないな。このままアタックフェイズに移行する」

 

ヤイバ

【ゲージ 2→1】

 

忍び巻物

〈ソウル 0→1〉

 

「クロスでアルゼータにアタック」

 

『ハァッ!』

 

『効かん!』

クロスがアルに剣を振るが、腕に装着された大きな円盤状の銀河機がそれを防いだ。

 

「シールドδの追加能力は防御力+10000!攻撃力が足りないねぇ?」

 

「無意味な攻撃を私がするとでも思ったか?キャスト!《秘剣伝書その1「技は力なり」》!このカードには3つの選択効果があるのだが、私は第2の効果を選択。このターン、クロスの攻撃力をソウルの秘剣技の枚数分5000プラスし、貫通を与える!」

 

「ソウルには秘剣技が3枚。攻撃力は23000にまで上昇するね」

 

『はぁ!』

クロスはアルが構えた円盤状の盾をバツ字に切りき刻んで跡を付け、最後に素早い突きで破壊、アルすらも貫通した。

 

『貫通です!』

 

「キャスト!《湾曲銀河》!ダメージを0に減らす!ライフ3以下だから追加効果でこのターン受けるダメージが1になる!」

クロスの剣は青白く光る無数の粒子によって止められてしまう。その後もヒカリの周りにはその粒子がヒカリを守るように漂っている。

 

ヒカリ

【手札 7→6】

 

アルゼータ

〈ソウル 4→3〉

 

「2回攻撃!」

 

クロスはソウルガードによって復活したアルをすぐさま両断した。そのまま斬撃がヒカリにも浴びせられるが、漂う粒子が威力を弱めてしまった。

 

ヒカリ

「ソウルガード!」

【ライフ 3→2】

 

アルゼータ

〈ソウル 3→2〉

 

「クロスがダメージを与えたため、再度鬼神の能力が発動。今回は2枚の《金剛》だ。金剛は防御力を5000上げる。2枚分で10000上昇だ。ターン終了」

 

クロス

〈ソウル 5→7〉

 

「防御力18000!?どうしよう…。とりあえず私のターンドロー!チャージ&ドロー!レフトに《銀河機(ギャラクシーアームズ) ブレイクι(イオタ)》をコール!」

 

ヒカリ

【手札 7→6】

 

ドレインι

S0 A2000 D2000 打1

 

「ならばここで忍び巻物のソウルから忍法を使わせてもらおう。キャスト、《秘剣 蛇睨み》」

 

「えー!?また動けないじゃーん!」

 

ヤイバ

【ライフ 10→9】

 

忍び巻物

〈ソウル 1→0〉

 

(あれ?早く忍び巻物破壊しないと私一生武器でアタックできなくない?でも設置魔法破壊するカードなんてないし……詰んだ?)

ヒカリは百面相をしながら危機を感じていた。

 

「どうした?使えるカードが無いのならアタックしに来るといい」

 

「う、うぅ…。アルでクロスにアタック!」

 

「防御力が上がっているが、単体攻撃でいいのか?」

 

「あ、そうだった…。じゃあ、ブレイクι(イオタ)と連携攻撃…しても合計で攻撃力10000だから届かない!アルの効果でブレイクιをソウルに入れてレフトに移動して1ドロー、ωセイバーの能力でアルのソウルからシールドδを捨てて1ドロー、捨てられたシールドδをその能力でセンターにコールして、ターン終了…(な、何もできなかった…。アレ倒したリンやカイト、化け物!?)」

 

ヒカリ

【手札 6→8】

 

アル

〈ソウル 2→3→2〉

 

「ヒカリの今のターン、ほとんど何もしてない…。もうヤイバ君武器使わない方がいいんじゃないかな?」

 

「現在検討中だ。私のターンドロー、チャージ&ドロー。手札1枚を忍び巻物のソウルに入れて1ドロー」

 

ヤイバ

【手札 3→2→3】

【ゲージ 2→1】

 

忍び巻物

〈ソウル 0→1〉

 

「シールドδをソウルに入れて、アルをセンターに移動!」

 

ヒカリ

【手札 8→9】

 

アル

〈ソウル 2→3〉

 

「クロスでアルゼータにアタック!」

 

「キャスト!《圧縮銀河》!」

 

ヒカリ

【手札 9→8】

 

「攻撃無効と再攻撃を封じる効果を兼ね備えた防御魔法だな。私はこれでターンを終了する」

 

「私のターンドロー!チャージ&ドロー!《銀河機(ギャラクシーアームズ) ジェットα》をライトにコール!そしてアタックフェイズ……だけどいいかな?」

 

「構わん。今使えるカードは無いからな」

 

「ついに蛇睨みが無いターン!早速このωセイバーとジェットαで連携攻撃!する時!ブーメランηの能力でダメージ1を与える!はぁ!」

 

ヤイバ

【ライフ 9→8】

 

「さらに私のライフが3以下なら追加でダメージ1を与える!」

ヒカリはもう片腕のブーメランを発射した。2発目のブーメランは帰ってきた1発目と挟むようにヤイバを襲った。

 

ヤイバ

【ライフ 8→7】

 

「こんなのオマケだけどね。本命はこっちの、アンカーΛの能力!攻撃時に相手の場のカードのソウルを1枚破壊し、私のライフが3以下ならさらにもう1枚破壊する!」

 

「ソウル破壊…!」

 

「私はクロスのソウルから《秘剣技ー「受け流し」》を2枚破壊!はぁ!」

ヒカリが右腕を突き出すと、その側面から発射された鎖に繋がれた錨のようなものがクロスを貫き、ソウルを2枚破壊した。

 

クロス

〈ソウル 7→5〉

 

「これで攻撃は無効化できない!」

 

「防御力は金剛の効果で上がってはいるが、お前にはブレードβが銀河星合体されている。攻撃力は連携攻撃により丁度足りているか」

 

「喰らえぇ!」

 

『おっと…』

ヒカリのωセイバーはクロスの剣で止められてしまった。ヒカリは力押そうと試みるがお互いの剣は拮抗していて動く様子を見せない。

 

『やはり私は……うっ!』

クロスが別の事を考えて気を緩めた一瞬、ジェットαの存在に気付かず猛突進を喰らい体制を崩した。ヒカリはその隙を見逃さず、ωセイバーで斬りつけた。

 

「貫通!」

 

ヤイバ

「ぐっ…」

【ライフ 7→4】

 

「よし!このまま一気に攻める!」

 

「キャスト、《両成敗》!行け、クロス!」

 

ヤイバ

【手札 3→2】

【ゲージ 1→0】

 

クロス

〈ソウル 5→4〉

 

『はい!』

いつの間にか復活していたクロスは瞬く間にアルゼータの胴体をシールドδごと両断した。

 

『は、速い…!』

 

「シールドδで効果による破壊はされないのに!」

 

「両成敗は私のモンスターが破壊された時に使えるカウンター魔法。その効果は相手の場のモンスターのソウル1枚を捨て、そのカードを破壊する。ソウルから破壊耐性を与えているのであれば、先にソウルから無くなってしまえば耐性も失われる」

 

「でもまだソウルはある!ソウルガード!」

 

アル

〈ソウル 3→0〉

 

「2回攻撃!ブーメランηの能力で合計ダメージ2!」

 

「忍び巻物のソウルからキャスト、《明鏡止水》でゲージ3プラス、そしてキャスト、《秘剣 かすみ烟嵐》。ダメージを1度だけ0にし、ライフ1プラス」

 

ヤイバ

【ライフ 4→5→4】

【手札 2→1】

【ゲージ 0→3→2】

 

「アンカーΛでクロスのソウルから金剛2枚を破壊!」

 

クロス

〈ソウル 4→2〉

 

「これでωセイバー1枚でも攻撃力は足りる!はぁぁ!!」

 

「ソウルガード」

 

『ま、まだです!』

 

クロス

〈ソウル 2→1〉

 

「アル!クロスの最後のソウルを削って!」

 

『任せてもらおう!』

 

「クロス!迎え討て!」

 

『承知しました。秘剣騎士クロス、参ります!』

 

「キャスト!《秘剣伝書その2 「敵こそ真の武器なり」》!クロスの攻撃力と防御力をこのバトル中5000プラスし、反撃を与える!」

 

ヤイバ

【手札 1→0】

 

「ここで防御力上昇のカウンター魔法!?このままじゃアルが破壊されて終わりだから、アルの能力でジェットαをソウルに入れてライトに移動、1ドロー!」

 

ヒカリ

【手札 9→10】

 

アル

〈ソウル 0→1〉

 

「だが反撃を免られるワケではない!」

 

『終わりです!』

アルの腕を剣で弾いたクロスは隙だらけの胴体を貫いた。

 

「ソウルガー…」

「無駄だ」

「え?」

 

「秘剣伝書その2 「敵こそ真の武器なり」で与えた反撃でモンスターを破壊すれば、バトルしていた相手のモンスターの打撃力の数値分のダメージを相手に与える」

 

「アルの打撃力は3だから…」

 

「ダメージ3。お前のライフも3。私の勝ちだ」

 

「そ、そんなー!?」

 

『秘剣光波斬!』

 

 

「あ、あぁーー!!」

 

ヒカリ

【ライフ 3→0】

 

 

ゲームエンド WINNER『霧山ヤイバ』

 

 

「ねぇ、もうヤイバ君クロスの言う通り武器無しで戦った方がいいと思うよ?」

 

「いいやダメだ、たまたまだ。相手がカイトの場合、あの程度の防御魔法とクロスのソウル枚数では長く持たない。手札とゲージの消費が激しかっただろう?あまり長期戦には向いていない」

 

「明鏡止水とかのチャージカードをどれだけ引けたかで変わってくるね」

 

「やはり秘剣刀を使った方が安定する…」

『だ、ダメ!』

「皐月…。理由を聞いていなかったのだが、何故そこまでして私が武器を使う事を止めようとする?」

 

『だ、だって……だって…』

皐月は何かを言い出そうとしたが、何も言わぬまま俯いてしまった。

 

「言葉にしなければ伝えようとしている事は分からんぞ。私は心が読めるワケではない」

 

『だって!ヤイバ君、武器を使ったら秘剣奥義を使うじゃん!!』

強い言葉と共に俯いた顔を上げた皐月の目には涙が浮かんでいた。

 

「何?」

 

『秘剣奥義は使うと体が壊れるのは分かってるでしょ!?私だって「絶対に使うな」って言われてるのに…!それをヤイバ君は…何の戸惑いもなく連発して!このままだとカイト君とか言う前にヤイバ君の体が壊れちゃうよ!!』

 

「そういう事だったのか…」

 

「皐月ちゃんの気持ち、すごく分かるよ。私だってシノンちゃんが自分の体傷付けてまで戦って欲しくないし」

 

「ここ最近はしてないじゃない」

 

「ネオABCカップの一番最後にやったクセに」

リンは頬を膨らませてシノンに言った。

 

「わ、悪かったわね…」

 

『ヤイバ君はシノンちゃんみたいに辞めてくれないの?』

 

「悪いな…」

 

『そんな…』

 

「ちょっとヤイバ君!少しは皐月ちゃんの気持ちも…」

「皐月、どうしてもと言うのならお前とは今日限りだ」

 

『き、今日限りって…そんな…』

 

「秘剣刀無しではカイトどころか下っ端の帝竜にすら勝てん。そんな状態で挑んでもあるのは死だけだ」

 

「リンも言いかけてたけど、皐月の事も考えなさいよ。あなたを心配して言ってるのよ。私が言うのもアレだけど、体壊す技使うのはやめた方がいいわよ」

 

「カイトと戦ったなら分かるはずだ、カイトの強さが。クロスだけでどうにかなるものではない」

 

『それは私が弱いからで…』

「どれだけお前が努力しようとも、カードの能力は変わらない。そんな事は分かっている筈だ」

 

『……でも、やっぱり私は…』

 

「やはり、秘剣騎士クロス。バディは解消する」

 

「ヤイバ君!!」

 

「いいな?」

 

『……分かりました。霧山ヤイバさん…』

クロスは背を向け、ゲートを出現させた。

 

「皐月ちゃんまで…」

 

『リンちゃん、もう私は桐崎皐月ではありません。カタナWのモンスター、秘剣騎士クロスです』

クロスはそれだけ言って、ゲートを潜って行った。リンは後を追おうとしたが、その前にゲートが閉じてしまった。

 

「ヤイバ君…何で!」

 

「カイトを止めるためだ。これは、仕方のないことだ」

 

「……え?」

 

「秘剣刀の不使用を強要するならば、私はクロスを突き放す」

 

「……の……バ」

 

「何だ?リン」

 

「このバカヤイバ!!」

 

パァン!

リンの激しいビンタがヤイバの頬を赤く染めた。

 

「大切な人のこと、考えてよ!!」

リンは今までにないほどの怒りを露わにしてヤイバに言った後、無言で走り去った。

 

「……」

 

「リンはバディが居ない分、バディとのトラブルに敏感なのかも知れないわ」

 

「分からんな…」

 

「リン1人は心配だし、私も帰るわね」

 

「あぁ」

ヤイバが帰るシノンを見送り、さりげなく帰ろうとしていたマナの襟を掴んだ。

 

「まだ貴様には聞きたいことが山ほどある。割った窓代もまだだ」

 

「あ、やっぱ忘れてなかった?」

 

「記憶力は誰にも負けないと言える」

 

 

 

 

 

シノンが家に帰ると、レイが玄関掃除をしていた。いつもなら楽しそうにしているのだが、今はとても複雑な顔をしている。

 

「シノンちゃん…。おかえり」

 

「ただいま…」

 

「リン、何かあった?あの子何も言ってくれないの」

 

「中で話すわね」

 

シノンはレイにそう提案してリビングに入った。レイも掃除を中断し、シノンの向かい側の椅子に座った。

そしてシノンは今までの出来事を話した。カイトと2人でファイトして負けた事、帝竜が地球を侵略しようとしている事、そしてヤイバがクロスとのバディを解消した事。

 

「リンは絆とか友情とか、そういった人と人との関係に対してとっても敏感だからねぇ。目の前でバディ解消なんて話を聞いたんじゃ、あんな風になるね」

 

「今の地球の状態に関する事はノーコメント?」

 

「知ってたからね」

 

「どうしてかしら?」

 

「JOKERから聞いたよ。今、地球がモンスターに支配されそうになってるって」

 

「そう言えば…、レイ、あなたとJOKERはどんな関係なの?」

 

「ただの仕事仲間だよ。昔のね」

 

「レイは仕事、何してるの?ずっと気になってたわ」

 

「私の仕事?大した事してないよ。ただのモンスターの研究だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『人造モンスター』のね」

 

 

 

 

 

 




「今日の最強コーナーは私1人よ」

「今日の最強カードはこれよ」

「《秘剣伝書その2 「敵こそ真の武器なり」」

秘剣伝書その2 「敵こそ真の武器なり」
魔法|カタナW|秘剣、強化

◻︎【対抗】君のバトルしている《秘剣》1枚を選び、そのバトル中、そのカードの攻撃力+5000、防御力+5000し、『反撃』を得る。その『反撃』で相手モンスターを破壊した場合、破壊した相手のカードの打撃力の数値分のダメージを相手に与える。

「秘剣の強化魔法ね。攻防上昇だけじゃなく、反撃で相手モンスターを破壊すれば相手にダメージを与えてカウンターができるわ。なるべく高い打撃力を持つ相手のカードの攻撃に合わせて使いたいわね。
それじゃあこの辺りで、さようなら」

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