フューチャーカード バディファイトデッド   作:スラ☆K

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4日遅れでも投稿しますよ!さすがに2年投稿しないのはいかがなものかと思いましてね、はい。……遅れないように努力します。


番外編③ ドレスアップ・ザ・ナイト!

「皆さん、お久しぶりですね。もう随分と会っていませんが、気にしないでください。今回はハロウィンという事で私達の世界を少し覗いてみましょうか。まずはシノンとリンですね。まだ相棒学園にいるようですが、賑わっていますねぇ」

 

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人々は今夜を待ち望んでいた。何故なら今日は10月31日、ハロウィンだからだ。いろんな仮装をして夜のイベントを楽しむ日。それは相棒学園の人達も例外ではない。

 

ねーねー、どんな仮装するか決めたー?

 

それがまだなんだよねー。

 

これあげるー!ハッピーハロウィーン♪

 

その時を今か今かと楽しみにする生徒が後を絶たない。

 

 

「シノンちゃん。今夜はハロウィンだよ!」

 

「何よそれ?」

今までずっと墓場で暮らしていたシノンはハロウィンを全く知らない。

 

「簡単に言うと、いろんな仮装して夜の街を出歩く日ー」

 

「仮装して町を歩く?それの何が楽しいのよ」

 

「普段着れないような服装で外歩けることかな?」

 

「私はいつも着られるような服が着られればそれでいいから、ハロウィンの楽しさが分からないわね」

 

「と、思ってるそこのシノンちゃん!ハロウィンにはもう1つ、私達子供だけが持つ特権があるんだよ〜?」

リンはビシッと人差し指を立ててキメ顔で言った。

 

「子供の特権?」

 

「そう!実は仮装した子供達は大人からお菓子を貰うことができるのだ!でも、こうやって言わないとダメだからね?」

リンはコホン、と一度咳払いをしてその一言を言った。

 

「トリック・オア・トリート!お菓子くれなきゃイタズラするぞ!」

 

「お菓子かイタズラ?へんなの」

 

「まぁまぁ。こんなの慣れだから」

 

「そう。ところでリンは決めてるの?どんな仮装するか」

 

「全然!」

 

「まだ考えてないのね。今まではどんな仮装してたの?」

 

「う〜んとね〜…。パジャマに包帯をぐるぐる巻きにしてミイラになったり〜、黒いマントと青白いメイクでドラキュラとか〜、後は〜……ジャックナイフ・ドラゴンかな〜?」

 

「ジャックナイフ・ドラゴン?龍炎寺タスクのバディの?」

 

「そうだよ。仮装って何もお化けっぽいものだけじゃなくて、バディファイトのモンスターとか、食べ物とかいろいろあるんだよ」

 

「狂気的ね…」

 

「ハロウィンってそーゆーもんだから!」

 

「へ、へぇ…(このイベント大丈夫かしら…?)」

 

「で!今日はシノンちゃんにどんな仮装か相談しに来たの!」

 

「そうだったのね。仮装…そうねぇ…黒っぽい格好したら?黒い帽子と黒いマントで魔女とか」

 

「魔女は絶対被るからヤダ!私は被らないのがいいの!」

 

「それなら、ハロウィンっぽくてリンを象徴するような仮装をしたらどう?ホラ、星のアクセサリーとか」

 

「あ〜。良いね、それ!そっかぁ、星のアクセサリーかぁ…。あ、そう言えばシノンちゃんは決まってるの?」

 

「私?決まってるワケないでしょ?知らないんだから。でも聞いた感じ、別に頭から血を被れば…」

シノンはナイフを取り出し、自分の左手首に添えた。

 

「リアル血液はNG!」

 

「ダメなの?」

 

「ダメ!ハロウィンにそーゆー怖さはいらないの!」

 

 

 

 

 

そして夜を迎え、シノンとリンは部屋でお互いに見えないように、それぞれのベッドの周りに仕切りをして着替えていた。

 

「リン、着替え終わったかしらー?」

着替え終えたシノンが仕切りの外に出ない状態で聞く。

 

「もうちょっと〜」

 

「もうそれ4回目よ、大丈夫なの?」

 

「ほんとにあとちょっとだから待って〜」

 

「心配ねぇ…」

 

それほど時間のかかる仮装って事なんじゃねぇかァ?

 

「気合入れすぎよ、さすがに」

 

「着替え終わったよー!」

 

「じゃあ私出るわよ」

 

「せーので出ようよ!」

 

「分かったわ、じゃあ…」

 

「せーの」「せーの!」

次の瞬間、2人は仕切りの外へ出た。シノンは普段の格好にリィと似た色の翼と尻尾が付いている。リンは黒い帽子・服と魔女らしい格好に、いたるところに星のアクセサリーをしていた。

 

「あなた、魔女嫌って言ったじゃない」

 

「いやぁ、お姉ちゃんが言った通り私らしい星のアクセサリーを魔女の格好に付け加えればかなり魅力的なんじゃないかなぁ、と」

 

「似合ってるわよ」

 

「えへへ〜」

そんな話をしながら2人は夜の街へ繰り出した。辺りには大勢の仮装した人達が歩いていた。しばらく歩くが、一向に人数が減らない。

 

「すごい人の数ね…」

シノンは普段見ないような人数の多さに驚いていた。

 

「ハロウィンは年に1回しか無いしね〜」

 

「まぁ、そうね。それで、どこか行くあてはあるの?」

 

「特にないよ?毎年ぶらぶら歩いてみんながどんな仮装してるか見てるだけだし」

 

「そう。……なら、私に付き合ってくれるかしら?」

 

「いいけど…どこに?」

 

「こんな日でも、誰もいないような場所よ」

シノンはそう言って目的地へと歩き出した。リンは首を傾げて、そのシノンの後について行った。2人は狭い道や建物の裏など、人通りの少なそうな道を通って行く。

 

「ねぇ、お姉ちゃん。本当にどこ行くの?」

 

「安心しなさい。もうすぐ着くから」

 

「教えてくれてもよくない?」

 

「遅かれ早かれ知ることになるんだからいいでしょ。なんて話してたら着いたわよ」

 

「一体どんなところなのか…な…」

シノンが連れてきた場所に到着したリンは絶句した。シノンが言っていた「誰もいないような場所」という意味も理解できた。

ここは大小様々な大きさの墓石がいくつも立っている、かなり雰囲気のある墓場。霊が出てもおかしくないような場所だ。

 

「リンの家で暮らすようになるまで、私の寝床だった場所よ」

 

「そ、想像よりもずっと不気味だなぁ…」

 

「それにしても懐かしいわね…。この独特な文字の刻み方。よくこの墓石の横で寝ていたわ」

シノンは当時の事を懐かしく思い、思い出の墓石の前まで歩き、その墓石に触れた。

 

「だ、誰のお墓なの…?」

リンは恐る恐る近付いてシノンに聞いた。

 

「さぁ?字体が独特すぎて読めないわ」

 

「そ、そっか……わ、本当に独特な字。これはたしかに読めないね〜…」

 

「リン、さっきから様子が変だけど大丈夫?」

 

「へ!?いやいや大丈夫だよ!全然平気!全然平気だから気にしないで!」

 

「リン……、もしかして怖いの?」

 

「そ、そんなこと…!……ちょっとある

 

「そんな怖がらなくても大丈夫よ。どうせ何も出ないわ」

 

「とか言ってるから出ないものも出ちゃうんだよ?」

 

トリック・オア・トリィトォォ…

 

「もう!今ここで言う場面じゃないでしょ!」

リンは少し怒ってシノンに言った。

 

「私じゃないんだけど…」

 

「じゃあ一体誰が…」

 

オカシクレナキャイタズラスルゾォ…

 

「リン、言いにくいんだけど…後ろ」

シノンがそう言いながらリンの後ろを指さし、リンはゆっくりと後ろを向いた。

 

「ケケケケッ!」

そこにはとんがり帽子を被った真っ白な幽霊が、大きなベロを見せながら不気味に笑っていた。

 

「お、お化けぇぇー!!」

リンは幽霊を見た瞬間、シノンの後ろへ隠れた。

 

『オマエタチモクル』

 

「「え…きゃあああ!!」」

2人は考える間も無く、目の前に出現したゲートに吸い込まれた。

 

 

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「おやおや。何だか雲行きが怪しくなってきましたね。2人とも大丈夫なのでしょうか?こちらは…こころとケンヤですね。この2人はいつも一緒ですねぇ。では見ていきましょうか」

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その数分前、賑やかな夜の街でこころとケンヤが話していた。こころはドラキュラ、ケンヤはミイラ男の仮装をしていた。

 

「ねー、ジオ君連れて来なくて良かったの?」

 

「ジオは基本外に出ない人だから誘っても拒否されるんだよね〜」

 

「そっかぁ…。あ、そういえばケンヤ君にあげたい物があったんだった!」

 

「ボクに?」

 

「じゃじゃーん!」

こころが取り出したのは真っ赤に染まったカップケーキだった。

 

「……何これ?」

 

「ねぇ、ケンヤ君。吸血鬼ってね、自分の血液を人間に飲ませて眷属を増やすんだって」

 

「え…」

ケンヤはこころの一言を聞いて、カップケーキを再び見た。

 

「ホラ、これを食べて私の眷属になろうよ?」

 

「ちょ…ここr…むぐっ!」

こころはケンヤの口に強引にカップケーキを押し込んだ。

 

「な〜んちゃって♪それはただのイチゴ味のカップケーキだよ」

 

「もぐもぐ…うん、普通に…いや、超おいしい」

 

「喜んでもらえて嬉しいな〜」

 

「まぁ、こころの眷属にならなってもいいんだけどね〜」

 

「へ!?」

 

「ん?……もしかして…心の声漏れてた?」

 

「………///」

こころは顔を赤くしたまま何も言い返さなかった。

 

トリック・オア・トリィトォォ…

 

その声と共に、こころとケンヤはシノンとリン同様、ゲートに吸い込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

「いったた…。ここは…?」

ゲートに吸い込まれたリンが目を覚まし、周りを確認した。リンの視界に入ってきたのは、紫色の空と枯れ尽くした木々、墓石の数々、そして頭上に浮かぶ真っ赤な三日月だった。

 

「何この不気味な場所〜…ってあれ?お姉ちゃんは?お姉ーちゃーん!」

シノンが側にいない事に気付いたリンはシノンを呼ぶが、その声は虚空に消えた。

 

「う〜ん…そんな上手くいかないかぁ…」

 

ガシャ…ガシャ…

 

「あ、お姉ちゃん?もう、いるなら返事くらいして…」

リンが足音がした方を見た。そこにいたのはシノンではなく、全身にピンクの包帯を巻き付けた3体のミイラだった。

 

『トリック・オア・トリート…』

『オカシ…』

『クレナキャ…』

 

『『『イタズラスルゾォ!!!』』』

 

「ひゃああ!!お菓子は持ってないんだって!ごめんなさーい!」

リンは3体のミイラから全速力で逃げ出した。当然ミイラ達もそれを逃すはずもなく追いかけた。

 

 

 

しばらくして、リンは物陰に隠れてミイラ男達を撒いた。リンはほっと安堵の息を漏らし、今いるこの場所について考え始めた。

 

「ここって一体どこなんだろ?墓場にしては広すぎるし…、あの三日月は色がおかしいし…そもそもミイラが襲って来る時点でもうおかしいよね!?」

リンの独り言が大きかったのか、後ろから何者かの気配が近付いてきた。それは足音と共にどんどんとリンとの距離を縮めていく。

 

(や、やば…!逃げなきゃ!)

リンが立ち上がり、逃げようとした時、後ろから迫ってきた何者かに腕を掴まれた。

 

「ごめんなさい!本当に私お菓子持ってなくて…」

 

「いらないわよ」

 

「え…?」

リンの腕を掴んでいたのはシノンだった。その姿を見て安心したのか、リンはその場に座り込んでしまった。

 

「本当に大丈夫?」

 

「大丈夫じゃないよ〜。実はさぁ…」

 

リンはこの場所に来てからの出来事を話した。すると、シノンもまったく同じ出来事にあい、逃げてきた先がたまたまリンが隠れていた場所だったとの事だ。

 

「ここは危険よ。早く脱出する手段を見つけないと」

 

「そうだね。あのミイラにまた見つかったら面倒な事に…」

 

『トリック・オア・トリート!』

 

「言ったそばからぁ!」

 

「逃げるわよ!」

2人はミイラを目撃した直後、背を向けて走り出した。その後、あらゆる所でミイラと出会したが、その度に何とか避けていった。

そんなこんなで走り続けた2人は体力に限界が来て、一度休憩することにした。

 

「ハァ…ハァ…。何なのよあの包帯人間!いくらなんでもいすぎよ!」

 

「ひぃ…ふぅ…。しかも墓と木ばっかりで何もないよぉ…」

 

「しばらくしたらまた動くわよ。またあの包帯人間達に襲われるわ」

 

「トリック・オア・トリートー!」

「ひゃああ!!」「きゃああ!!」

2人は不意に後ろから今あまり聞きたくない言葉で声をかけられて、飛び跳ねる程驚いた。すぐさま声の主を確認すると、先程のミイラとは違い、白い包帯を体中に巻いた紫髪の少年が立っていた。

 

「あ、あれ…?襲ってこない?」

 

「おかしいわね…」

 

「なんか思ってた反応と違うなぁ…」

 

「うわっ!喋ったよ!」

 

「酷くない?ボクだって……いや、そもそもボクがケンヤだって事分かってる?」

ケンヤは片目を隠していた部分の包帯を少しずらして、自分の特徴であるオッドアイを示した。

 

「え?ケンヤ君?……よく見たら紫髪にオッドアイだね…」

 

「紛らわしい格好するんじゃないわよ…」

 

「それってあのミイラ達の事?」

 

「そうだよ。私達なーんかずっと追いかけられてさー?」

 

「ボクには見向きもしなかったなぁ」

 

「それ、仲間だと思われてるだけだよ」

 

「それより、こころ見なかった?ドラキュラの仮装してるんだけど」

 

「見てないわ。何?一緒に来てるの?」

 

「ボクと一緒にいたから多分。う〜ん、こんな広い場所で探すの大変だぞ〜?」

 

「電話すればいいんじゃないの?」

 

「試したんだけどねぇ…、ホラ」

ケンヤはスマホを取り出して、2人にその画面を見せた。その画面の左上には「圏外」と表示されている。

 

「え!圏外!?」

 

「ますますここが何処なのか分からなくなってきたわ」

 

「ゲートを通じてきたから、どこかのワールドなんじゃないかなって思うんだよね」

 

「その可能性も全然あるね…」

 

「やっぱり長居は危険ね」

 

『『『トリック・オア・トリィトォォ!!』』』

3人は話している間に、ミイラ達にいつの間にか囲まれてしまった。もう逃げ場はなく、ミイラ達は一歩、また一歩と、歩み寄って来る。

 

「私達絶体絶命ー!」

 

「これはさすがに…」

 

「リィはいないの?」

ケンヤがシノンに聞いた。

 

「ここに来てから全く反応がないわ。そう言うケンヤだってカースいないじゃない」

 

「ボクもここに来てからカースがいなくなっちゃったんだよ」

 

『『『ウオオオ!!!』』』

ついに我慢の限界が来たのか、ミイラ達は一斉に襲いかかってきた。

 

「来るわよ!」

 

「ひぇぇ!!」

 

「止まって!こんのバカミイラ達!」

1人の少女の声がミイラ達の動きを止めた。

 

『ウォ?キ、キラ様!?』

ミイラ達が揃いも揃って向いた方向には、黒い帽子・服・スカートを身につけた赤髪の女の子が立っていた。シノン達とあまり歳の差は感じられない。

 

「とりあえず散って!」

 

『ウォォォ…』

女の子のその一言を聞いたミイラ達は、それぞれ違う方角へと去っていった。女の子はその様子を見ていたシノン達に近付き、言葉を放った。

 

「ごめんね、ウチのバカどもが迷惑かけちゃって」

 

「私達は大丈夫。それよりもあなたは?」

 

「私は黒姫(くろひめ) キラ。このハロウィンワールドで一応1番上の立場だよ」

キラは自己紹介とともに、スカートの裾を軽く持ち上げてお辞儀した。

 

「私は死乃峰シノン。あと、星見リンと藤丸ケンヤよ」

 

「ハロウィンワールドってもしかして新しいワールド!?」

 

「あ、違う違う。ドラゴンワールドとかのワールドじゃなくって、そう言う名前の場所ってだけだよ」

 

「紛らわしいなぁ」

 

「シノン達はここから出たい?」

 

「出られる方法を知ってるの?」

 

「私が出そうと思えば今すぐにだって可能だよ?」

 

「今すぐ出してくれれば助かるんだけどな〜?」

 

「そうだなぁ……私の望みを叶えてくれたらいいよ!」

 

「望みって?」

ケンヤが即座に聞き返した。

 

「まぁまぁ、とりあえず来て」

キラはそう言って、ここに来たであろうゲートを潜っていった。

 

「当てもないし、行きましょう」

 

「オッケー!」

 

3人はシノンを始め、ゲートを潜っていった。

その先に広がる光景は、先程と似たような雰囲気だったが、テーブルにソファ、シャンデリアと城の内部のようにも感じる。よく見ると、ソファで誰かが寝ている。

 

「あ!こころ!」

誰よりも早く気付いたケンヤは寝ているこころを起こしに行った。

 

「うん…?ふわぁぁ…おはよー…今何時?」

 

「少なくともおはようの時間じゃないね!ホラしっかりして!」

 

「は〜い」

 

「キラ、そろそろあなたの望みを教えてくれるかしら?」

 

「いいよー。私の望みは……ズバリ!ハロウィンらしい料理を食べて満足したい!」

 

「ハロウィンらしい料理?」

 

「そう。美味しくて見た目がいいのを作ってくれたら、ここから出してあげる〜」

 

「そういうことなら私に任せて!料理は得意だから!」

こころは自信満々に言った。

 

「あ、こころの目が覚めてる。料理の話になったからかな?」

 

「あ、1人じゃなくてみんなで作らなきゃ、その料理無効だからね。それじゃあ…コロン!サルヴァ!準備お願ーい!」

 

『『キラ様ただいまー!』』

キラが命令を下すと、みんなをこの世界に連れてきた白い幽霊と、この世界で襲ってきたミイラ男達がせっせと準備を始めた。

 

「名前あったんだ。あのお化けとミイラ」

 

「一応ね。じゃ、準備完了するまで待っててね」

 

 

 

 

それから数分後、料理番組でよく見るような簡易キッチンと様々な食材が用意され、シノン、リン、ケンヤ、こころの4人は配置についた。

 

「始めていいよー」

キラはキッチンから離れているソファに座って開始の許可を与えた。

 

「よーし!じゃあまずはカボチャを…」

 

「待ってリンちゃん!まだ何作るか決めてないのにカボチャ切ろうとしないで!」

開始と同時にカボチャを切ろうとしたリンをこころが慌てて止めた。リンもストップがかけられたので大人しく包丁をしまった。

 

「何作るの?」

 

「うーん…ハロウィンらしいものかぁ………よし、決めた!キラちゃんに聞こえないように耳打ちするね。ゴニョゴニョ…」

 

「オッケー!」「分かったわ」「頑張るぞー!」

 

 

 

 

作る物を決めた4人はすぐに作業に取り掛かった。ケンヤとリンは料理が得意ではないため、事あるごとにこころやシノンに助けを求めていた。

 

「あれ!?なんか焦げてる!何で!?」

 

「リンはさっきから火力高すぎなのよ。火が通りやすい物をいきなり強火で焼いたら焦げるに決まってるじゃない」

 

 

「いてっ!また指切った…」

 

「ケンヤ君は料理慣れしてないんだから、こうやって包丁を持たない手を猫の手にしてやるといいよ」

 

 

 

 

それから約30分後、ついに料理が完成した。

 

「よし、完成!」

 

「本当にこれカボチャの味がするのかしら?」

 

「大丈夫だって!まずは食器に移して…っと。じゃあ早速キラちゃんにとどけよう!」

 

「キラちゃーん、できたよー」

 

「早いね!まぁ4人だからかな?ま、いいや。早く食べたーい!」

 

「私が持ってくわね」

シノンは食器をキラが座るソファの前のテーブルへと運んでいった。

 

「じゃあ私達は片付けだね!」

 

「片付けならボクだってできるし、手っ取り早くやっちゃおう!」

 

 

シノンは食器をテーブルに置いた。その食器に乗っていた料理は、中身をくり抜いた顔付きのカボチャの中に赤いドロドロとした液体が入ったものだった。

 

「おお〜!!美味しそう!いただきまーす!あむっ…。もぐもぐ…ごくんっ…。う〜ん!美味しい!真っ赤だからイチゴが強いかと思ったけど、カボチャの味の方が強くてビックリ!あむあむ…」

キラは美味しそうに、次から次へと料理を口の中へと放り込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4人は片付けを終えて、キラの元に集まった。その頃にはキラも食べ終えていて、コロンとサルヴァ達にキッチンごと下げさせていた。

 

「ふぅ〜。美味しかった〜!それじゃあ約束通り、キミ達をここから出してあげる」

満足したキラは人差し指を円を書くように一周させた。その瞬間、シノン達の前にゲートが現れた。

 

「それを潜れば出られるよ」

 

「ありがとうキラちゃん!またね!私いっちばーん!」

リンは感謝の言葉を述べると、誰よりも早くゲートを潜っていった。

 

「あ、ちょっとリンちゃん!もう…」

 

「リンちゃんらしいなぁ」

リンに続き、こころとケンヤもゲートを潜っていき、残るはシノンだけだ。

 

「キラ」

 

「ん?何かな?」

 

「…短い間だったけど、楽しかったわ。…それだけよ」

シノンはそう言ってゲートを潜ろうとした時、キラが一言言い放ち、シノンは足を止めた。

 

「なら良かった。来年はバディファイトしようね」

 

「……えぇ」

シノンは止めた足を再び動かし、ゲートを潜った。それをキラは笑顔で手を振り、見送った。

 

 

 

 

 

ゲートを潜ったシノンとリンは墓場に戻ってきた。

 

「ん〜!戻ってきた!」

 

「無事に戻ってこられて良かったわ。…こころとケンヤがいないわね」

シノンが周りを見てみるが、どこにもこころとケンヤの姿がない。

 

「ホントだ!無事に帰れたのかな!?」

 

「私達がこうして帰れたのよ。大丈夫よ。あと…」

 

「何?」

 

「来年も行きましょうね、ハロウィン」

 

「もちろんだよ!」

2人は墓場を後にして、夜の街へと出て行くのだった。

 

 

 

 

 

 

一方その頃、戻ってきたこころとケンヤは立ち尽くしていた。

 

「………」「………」

魂でも抜き取られたのかというぐらいに2人はぼーっとしている。

 

「ねぇ、ケンヤ君」

 

「何?こころ」

 

「何か私、長い夢を見てた気がする。私とケンヤ君、シノンちゃんとリンちゃんと一緒に変な世界で一緒に料理する夢」

 

「それ、夢じゃないと思う」

 

「だよね。夢じゃないよね」

 

「なんかあり得ない事だらけだったなぁ、今年のハロウィンは」

 

「ね〜?でも、楽しかったな〜」

 

「今日はまだ終わってない!」

 

「そうだね!まだ時間があるんだから今年も楽しもー!」

2人は拳をよぞらに掲げて、夜の街を歩き出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「キラさん、優しい人で良かったですねぇ。キラさんの性格次第では4人は二度と帰って来られなかったんですから。それにしても、ハロウィンはいつからこんな行事に…。元々は死後の世界からやってくる悪霊などから身を守るために変装という形で仮装を…。ここで私が何を言おうと変わる事などないでしょうし、言うだけ無駄ですね。では皆さん、またどこかで」

 




なんか文字数8500とかいってましたね。語彙力無いもんですからどうしても会話分が多くなってしまい、結果文字数が多くなるんですよ。単純に内容多いのもあると思いますけど。
遅すぎますけど、ハッピーハロウィーン!来年は遅れないようにします!
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