~太陽と月と流れ星に願いを~   作:陰陽の使者

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彼方からの流れ星

ん…ここは…

 

「おい、大丈夫か?」

 

誰…

 

「おい、オヤジ!息をし始めたぜ!」

 

ここどこ…

 

「なに、ほんとだべ!」

 

「ああ、まだ起きてねぇけどな!」

 

寒い…なんで…

 

「そうだ、舵!まだ動かねえのか!」

 

「ああ、トラベラーさんに任せてるだべ!」

 

「え?あの二人だけじゃないのか?」

 

ん…?

 

「おい、大丈夫か?」

 

「…へ?」

 

…起き…た…

 

「ん~」いきなり額を触った。な、なに?

 

「熱は特にないな…海に激突して、よく無事だったな…」

 

「…海…?」

 

「まあ、詳しいことは後で言うから、今は落ち着け。」

 

目をパチパチさせた後、だんだんと視界がよくなってくる。ここは…なんかの部屋?なんか少しゆれてるような…

 

目の前に、青い男の子。…ガルボだ。普通は凶暴なモンスターのはずなのに、なんか大人しい…手には電話みたいなの持ってるけど…

 

「後は、あのトラベラー二人が何とかすれば…大丈夫か?ほっといて…」

 

「あ、あの…」

 

状況はわからないけど…こういうときに、やっぱりいうのは…

 

「私を助けてくれたのよね?その…ありがとうございます!」

 

深くお辞儀する。その後、しばらく沈黙。

 

な、なんか変なことでもしたのかな…

 

「…礼なら、この状況を切り抜いてからにしろ。」

 

ぶっきらぼうに、でもなんか少し優しそうに、ガルボは呟く。

 

「へ?なんの…」

 

ザッパーーーァァァ…

 

ドカ!

 

「うわ!」「きゃ!」

 

上から振動がして、部屋が大きく揺れだした。な、なに!

 

「くそ!奴ら、何をしてるんだ!」

 

そういい残して、部屋のドアへ走るガルボ。

 

「あ、ちょっと!」

 

とめようとしたけど、届かなかったのか、それほど必死だったのか、私の声に振り向かず、部屋を飛び出す。

 

「…」

 

一人、取り残されちゃった私。状況をまったく飲み込めず、ただゆれ続ける部屋でポカンとした。

 

…どうしようか、これ…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「おい、おめえら、何し…」

 

バシャ!

 

「うお!」急速の水の弾をしゃがむ。そのまま弾は船の壁に当たり、小さい穴をあけ飛び散る。

 

「なんてこった…おい、おめえら、だいじょ…げ!」

 

「うわあ~~!」

 

「おっと!」飛び込んできたソーラをがっちり両腕で捕まえる。飛び方から見て、彼自身が飛び掛かった訳ではなさそうだ。

 

「おい、どうしたんだ!?」

 

「あ、カイさん!ごめんちょっと面倒なことに…」

 

「は?あの大群が…」

 

「いや、あれはやっつけた。そっちじゃなくて…」

 

ソーラの指差す怪物を見て、思わず怯むカイ。

 

「ありゃあ、ガルボロスか?色が」

 

現在ルーナが雪桜でガルボロスの牙を押すが、さすが野生の力、逆にに押されてるように見える。腕力に自身の無いルーナは、とても苦しそうに対抗する。

 

「おい、相棒さんやぱいんじゃないか?!」

 

「分かってるって!それに相棒じゃない!」

 

急いで銃をガルボロスの怒りの目に向ける。

 

「双子だ!」

 

パァン!

 

「ギャオオオ!」

 

命中した炎の弾丸は目を焼き尽くし、ガルボロスを怯ませる。その力の緩みは、ルーナの望んだもの。急いで離れ、ソーラのそばに駆け寄る。

 

「大丈夫、ルーナ?」

 

「うん。ありがと。」

 

「よかった。で、どうする?」

 

「そうね…力は結構持ってるわ。あなたと私が実感したように。」

 

「うん、普通以上に強かった。ランス達よりもずっとね。」

 

「でも、その代わり、余り賢くないと思う。」

 

「?何でそうなるの?」

 

「見て。」火傷した目によって暴れまくるガルボロスに、ルーナは指差す。よくみると、牙が少し凍り付いてるのが分かる。

 

「大ガルボ系は強いけど、氷属性とは相剋影響(シュリンクインタラクト)にあたる。そうよね、カイ?」

 

「え、あ、ああ。」カイは説明する。「こう見えても俺たち、変温動物だからな。暑いのは平気だけど、寒いのは全然ダメだ。」

 

「でも、あいつは全然怯まなかった。」だんだんとソーラは、ルーナの言いたいことに気づく。「本当は凄い効いてるはずなのに。」

 

「一方、ソーラの炎属性の攻撃は、今見てるとおりかなり効いてるみたい。しかも、何発打ったって平気だったのが、一発でだよ。」

 

「!色を変えた時に!」

 

「多分だげど…弱点と抵抗が逆転した見たいね。」

 

「そんなこと…可能なの?」

 

「さあね。少なくとも、ただの推測だしね。」

 

「…まあ、ないよりましか!」ソーラはマグナスを構える。「サポート頼む、ルーナ!」

 

「…なんか妙に気合入ってない?」

 

「気のせい気のせい!」

 

「…はあ。そうだ、カイ。ちょっと大変かもしれないけど、手伝ってくれない?」

 

「ああ、いいぜ。」カイは水かきの両手をぶつけ合う。「こっちも少し懲らしめてぇところだ!」

 

「…そうか。」

 

「じゃあいくよ!」二人の同意を確認し、ソーラは再び撃つ。

 

「!」

 

今度はガルボロスの舌に命中し、さらに暴走させる。その隙をみて…

 

「食らえ!船で暴れまくった礼をしてやるぜ!アクアクロー!」

 

水かきの指に現れた水の刃で、怪物を切りつけ、上に乗っかり両手の刃を深く背中に突き刺す。

 

「アクアファング!」

 

効果は抜群だった。カイを振り落とそうと、強烈な痛みで生み出された力で体を暴れまくる。

 

「…痛そうだな。」

 

「普段は|無効影響(ナルインタラクト)だからね。逆転するとたまらないと思うよ。」

 

「ふーん。そろそろ私も行きますかね。」

 

やっとカイを床に叩きつけたガルボロスに、ルーナは駆けつける。刀を床近くに下げて…

 

氷柱蘭(つらららん)

 

勢い良く振り上げることで、ガルボロスの周りに花の形をした氷を作り、あっという間にガルボロスはその冷たい拘束の真ん中に閉じ込められた。

 

「今は氷属性は聞かないから、すぐに破られる…ソーラ!とどめさして!」

 

「え、ええ!一発で!?どうやって!」

 

「口狙え口!俺たちはそこは敏感なんだ!」

 

「あ、うん、わかったカイ!」

 

と会話する間に氷にヒビができ始める。急いでソーラはガルボロスの顔面に駆け寄り、深呼吸した後銃を構える。彼の気を銃に集中することで、どんどんエネルギーがたまってくる。最大限に付いたところで、ヒビはかなり成長し、ガルボロスが顔を出した程度に氷は砕けてゆく。

 

しかし、そのタイミングをソーラは待ち構えていた。

 

「これで終わらせるよ!フレアストライク!」

 

野球玉サイズに圧縮された炎は、激しい白熱で氷を一瞬に溶かし、ガルボロスの喉に命中する。勢い付いた弾丸はそれではとまらなく、ガルボロスごと船からとび、ついには遠い海の表面に激突。高く潮を打ち上げ、海の表面から姿は消えた。

 

「…いつも思うけど、その技OPすぎない?」

 

「ん~炎って制御しにくいからね。無限時間チャージするといつもそうなるんだ。」

 

「その言い訳、何度も聞いたから。」

 

「いや、言い訳のつもりじゃないし!」

 

「おめえら…」二人の外見から読み取れない力に、カイは仰天するばかり。「超体重種のモンスターを、吹き飛ばしやがった。」

 

ザバァァアン!

 

「!また来た!?」

 

ソーラとルーナは再び武器を構える。しかし、みるみるその表情を驚きに変える。

 

「ぺっ。やっぱ海水まずいな…おい、ソーラ、ルーナ、片付けたか?」

 

海水から船に飛び乗り、口から何かを取ってから、帽子から海水を搾り出す虎男。

 

「な…何してたんですか!?」

 

「ん?ああ、ちょっと船の舵をね。」

 

「私たちが死に物狂いで戦って、あんたは船屋ごっこか?」

 

「おいおい、スクイッシーが絡み付いて大変だったぞ。もうちょっと上司に感謝してほしいところだ。」

 

「部下を扱き使う上司なんかいやだ!」

 

「そうだよ。せめて何をするかぐらい…」

 

「あ、あのな。」トラベラー同士のテンションがエスカレートしてくのをカイが引き止める。「俺たちを助けてくれたのはいいが、ちょっと黙っててくれないか?一応けが人を乗せたままだぞ。」

 

「…あ、そうだっけ。」ころっと態度をかえ、船の中へと歩く。「じゃあちょっと質問でもするか。」

 

「あ、ちょっと!逃げるきか!」

 

「まだ話は終わってない!」

 

再びあきれ返りながら、カイは文句口の双子の後を追う。

 

…遠すぎる海から吹き出た、黒い霧の存在は、誰も気づかなかった…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「あの…はじめまして。」

 

カイと一緒に、三人の知らない顔を見て、女の子ははにかみながら挨拶。

 

「あ、こちらこそ。」

 

「どうも。」

 

「礼儀正しいね。」

 

「そういや、いろいろあって聞かなかったけど。」カイはふと思い当たったようにいう。「おめえ、結局どこの誰なんだ?」

 

「え、あ、そうでしたね。」

 

青いあほ毛つきの髪の毛の青いパーカーの、黄色い目の少女は答える。

 

「はじめまして。私はコスモ・ステラと申します。プププ出身です。」

 

「コスモ…」

 

「ステラ…」

 

「プププ?聞いたことのない場所だな。」虎男は腕を組む。「でも、なんか聞き覚えのある…」

 

「えっと…で、あなた方は?」

 

「ああ。ソーラ・ホールだよ!こっちは双子のルーナ!」

 

「よろしく。私とソーラはトラベラーなんだ。新人だけど。」

 

「そして、上司の虎男だ。」

 

「「いや、絶対ない。」」

 

「さすがに痛いぞ、二人とも!」

 

「トラベラー…?冒険家?」まるでその言葉を知らないように、コスモはゆっくり繰り返す。「何なんですか?おいしいの?」

 

これには全員、ずっこける!

 

「…いやいや、聞く問題が違うだろ…」

 

「えっとね。」ルーナは立ち上がり、説明する。「なんというか…まあ所ところ旅して問題解決する人の職業みたいなもの。」

 

「…じゃあお兄ちゃんみたいな?」

 

「え?まあ、そういう人ならね。」

 

「へえ、すごいんですね!」コスモの目はピカピカ光りだす。「じゃあ、悪者をやっつけたりするんですか?」

 

「い、いや、まだ新人だし…」

 

「ああ、もちろんさ。」戸惑うルーナの代わりに、虎男がコスモの前に座り込み、腕を広く広げる。「この前なんて、こ~んな長い蛇をしとめたんだ!」

 

「エエ!ほんと!」

 

「いやいや、さすがにそんなわけ…」

 

「虎男さん…それって、ガスティ グラウンド(Gusty Ground)で発生した巨大アナコンダのことじゃ…」

 

「ああ、ソーラ、読んだのか、あのこと?そのとおり。大変だったけど、一人で仕留めたさ!」

 

「ほんと!」もう勇者の伝説を聞いてる子供の好奇心をあらわにするコスモ。「すごいすごい!うちのみんなのように強いのね!」

 

「うち…ってそのぷぷぷ、ってとこの?」

 

「あ…」明るかった少女の目は再び暗くなり、床に座り込んでしまった。「そうだった…みんな…」

 

「え?どうしたの?」

 

「いや、その、ちょっと…」

 

ソーラはルーナの方向を見る。ルーナは黙ってコスモを見る。

 

「おい、どうしたんだ?まさかそのぷぷぷに何か…」

 

「ちょっと、虎男さん。」ルーナは話しかける。「ちょっと…いいですか?」

 

「え?ああ…」ルーナの赤い目を見る。なにやらいつもの暗い感じはなく、そこには…

 

「…わかった。かわるよ。」

 

「ありがと。」虎男の場所をとり、ルーナはやさしくコスモに話しかける。

 

「コスモ。何かあったんだね。」

 

「う…それは…」

 

「わかる。あなたの気持ち…なんとなくわかる気がする。」

 

「え…そんな気を使わなくても…」

 

「いきなり知らない場所で、知らない人たちが君を助けてくれた。それには感謝してる。そうよね?」

 

「それはもちろんだけど…」

 

「でも…もしかして、ほかにも問題があるの?」

 

「あ、あるのはあるけど…ちょっと…」

 

「…もしかして、あの色違いのガルボロスとか絡んでると?」

 

「!」それに思い当たったのか、びっくりしたようにコスモは顔を上げる。

 

「いい?私は、何よりも自分に問題を仕舞い込む人は嫌いなの。それが一番楽かも知れないけど、つらいよ。特に、周りの人に。」

 

「…」

 

「問題があったら…言ってみるだけでもいい。私たちは…トラベラー。問題を解決するために生きる人だから。」

 

コスモは信じられなかっただろう。なにせ、あったばかりの人に、自分の(もんだい)を怖がらないで明かそうとする人物がいるから。それも、ただ事じゃないと明らかなものを。

 

(こういう時だけかっこいいんだよな、ルーナって。)ソーラは思うが、心はルーナと賛成した。そのためにトラベラーとなったのだから。

 

「…言っても、いいんですか?ちょっと…手に負えない事なんです。」

 

「…まあ、夢幻の島(ここ)はそういう場所だ。厄介ごとが増えてもたいしたことないよ。」

 

「…そうですか。」覚悟を決めたように、コスモは一息してから、話す。

 

「実は、私の住む星が…侵略されてしまったんです…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「申し訳ございません。」

 

「かまわん。インフィニ島のことだ。お前ごときにやられることはないだろう。」

 

「は…」

 

「しかし…厄介だ。奴の血を引くものがそっちにいると言うことだ。しかも、よりによって、最終目的地に。」

 

「いかがいたしましょう?」

 

「ともかく、この件はマスターに知らせるべきだ。行動するのはその後だ。」

 

「それでは手遅れには…?」

 

「なに、あせることはない。あの幼い流れ星にはつかめまい。われらの偉大さを…」




第三主人公、コスモ・ステラ登場!

これからも、ストーリーに重要なキャラクターとなります!

コスモ「これからも、よろしくお願いします!応援してくださいね☆」
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