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「んん!おいし~~!」
「でしょ!これがこの村一のウイスピーアップルよ!」
「…ん、悪くないわね。」
森の中ではしゃぐ三人はとある公園のベンチに座り、真っ赤な林檎にかぶりついてた。そのベンチの後ろに、公園の真ん中に立つ大きな林檎の木が立ち、その枝からぶら下がった充実した果物をムシャムシャ食べる。
「でも、いいのミント?これ、勝手に食べても。」
「いいのよ、それが。ほかの木の場合はお金を払うけど、これは村長さんが、公共にしてるから、誰でも食べていいみたい。勝手に木を荒らすのはだめだけど。」
「ふーん。モグモグ。」
「売り物用にしてる林檎は、ちゃんと味を考えて作ってるからそっちのほうがおいしいから、森の外の人たちは滅多にここの林檎を食べないけどね。」
「あら、これも負けてないわよ。」ルーナは林檎の芯を足元に置きながら答える。「この森の豊富な恵みの証だとは言えないの?」
「…そ、そういってくれると…えへへ。」薄く頬を赤くさせ、軽く指でこする。ミントの花に、十色の花が乱れ咲き始めた。
「おお!」林檎を素早く飲み込み、花をマジマジと眺めるソーラ。「これってリーファンが嬉しいときに見せる反応だよね?綺麗~!」
「え、いや、そんな、大したことは!」
(…分かり易いわね)ムグムグと林檎にかぶりつくルーナは、さらに綺麗に満開に咲く花を眺め、ふと
頭を大空に向ける。(今日は天晴れ、か…)
「あれ、ソーラさん?ルーナさんも?」
「?」聞き覚えのある声…これは。
「あああ!ドゥ!」
「え、お知り合いですか?」
「あ、ミント。ああ、同級生なんだ、
いた時のね。」
「あ、そうだったんですか!」
「ドゥ、ここで仕事をしてるの?」
「はい。まだよく決まってなくて、とりあえずここで簡単なものを…」
「…余りいい方向へ行ってないようね。」
「そ、そんなことないですよ、ボスも優しいし…あ、いけない!」ドゥは腕時計を見て慌て出した。「戻らなきゃ!また会うね!」
「ああ!がんばってね!」
「…」走り去ってゆくドゥを見て、感想を述べるルーナ。「…さらに慌てるようになったんじゃ…」
「でも、かなり真面目で働き者です。林檎農場のところのニードラスも喜んでます!」
「ニードラス…あんなトゲトゲ系モンスター種類が喜ぶんだったら大丈夫か!」
「もうそろそろ戻るか?」ルーナが、空を指差す。「なんか風向きが怪しいよ。」
見ると、そのとおり、さっきまで天晴れだった空が、今は黒い雲が覆い、昼なのに夜のように暗くなりました。
「あらら…一雨、かな。」
「おかしいわね…さっきまでは雲ひとつなかったのに。」
「んん…ともかく戻るよ、虎男さんのところへ。」
「ん、わかった!ミントもいく?」
「あ、私は別の用事があるから。先行ってて!」
「ほら、行くよソーラ。」
「はいはい。」
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~村長の部屋~
「それじゃあ、やっぱりここも…ですか。」
「ウム。まったく不思議だ。最近発生してるモンスターじゃが、実にお前さんのいうとおりじゃのう。」
「えっと…ということは?」
「ここら辺、木属性のモンスターたちが多いから当然、炎属性や金属製に弱いはずが、それで帰って元気になり追った。しかも、水をぶっ掛けたとたんしおれっちまってな。」
「やはり、ソーラとルーナが見たものと同じですね。」
「だがなんか怪しいな。最初このことを知ったのは、ロベルトからの伝言のおかげじゃが…」
「それが…何か?」
「不思議なモンスターが発生したのは、伝言が来た後じゃ。」
「え?…それって、どういう?」
「言ったとおりの意味じゃ。その伝言が合図かのようにウジャウジャと。まあ、全員水に弱いから別に苦労はしておらん。数も少ないし。」
「そうですか…まだ誰も怪我してないだけましか…」
「でも、それがいつまで続くか分からんでの。それに、最近青龍様との連絡も途絶えてな。」
「!!青龍様って…あの!」
「そうそう、
「またまた。オーク村長はまだ若いよ。」
「いや、ここ最近背中がね…いやいやそれよりっと。普段は彼の気配も感じ取れるものの、最近はそれさえ無くなってしまった。」
「…ただの勘違いでは無いんですか?」
「そう思って、
「行けない?どういう…」
「それが…おっと、これまた。」
かなり聞き込んでいたオーク村長が突然途切れ、彼は窓のほうを見る。虎男もその目線を追うと…
「ありゃ、それはすごい曇りですね。」
「まったく、近頃の天気予報もあてに並んで困る。今日一日中の晴れ予報が台無しじゃ!」
「…本当にすごい晴れだったのに、なんて速さで…これってもしや…」
「?」
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「ねえ、ルーナ?」
「?何?」
「まず、変な|影響(インタラクト)を持つモンスター。次に空から女でしょ?さらにそんな事件でも王家が興味を持って、僕たち直々に話をして…」
「…何の話?」
「で、このいきなりの黒雲の群れよ!これって絶対間違いないって!」
「いや、だから?」
「分からない?これって…」
「なんかの前兆か?」
「そうだよきっと!」
「…」ため息を付き、長い黒髪を巻き上げるルーナ。「冗談よして。こんなめんどくさいことがまだ続くんだったら、あんたみたいな白い髪になるよ、あっという間に。」
「いや、僕はブロンド…」
ピシャァァァァ
「「!」」
慌てて振り向くと…
「…あれ?」「何も…ない?」
周りの村人たちも様子を伺うが、あの甲高いの原因も、起こした事故も見当たらない。
「…気のせい?」やがてソーラが聞く。対してルーナは、「いや…なんか雷の音に…」
キャアァァァァァ
「「!!??」」
今度の声で、今度こそ血が凍る。周りの人々が。。。
「おい、誰だ!何が起きた!」
「女のだぞ!誰か見に行ったのか?」
「あれって、ミントの声じゃないのか?」
「ミント?あの、村長の秘書の…」
「え!ミントって、確か…」
「一人だったわね…ソーラ!」
「ああ、行くよ!」
驚く村人の集まりをくぐり、悲鳴の元へと走るホール双子。
…それが、ソーラの行ったとおりの、小さな「前兆」であると、薄々気づきながら…
〜
「なに…これ…」
黒い雲は、インフィニ島の全てを覆う。
もちろん、不思議な少女、コスモ・ステラも見逃すはずがない。
「この、現象…あ、ああ…」
しかし…
彼女の"頭痛"の元は、雲では無かった。
「そんな…あああ、ああああ」
そして、ついに………
「!」
「…スモ………しっかり……」
「…」
オニイ…チャン…
わたし…いかないと…
早く…行かないと…!