「よう、辻斬り剣士。あいかわらずだな。」
「あ、誰かと思えば、常連放火魔じゃないか。」
「ひど。最高の友にいう言葉か。」
「それはこっちのせりふだ。」
隣に座りついた男の子に、僕はさりげなく反応する。いつもの日常会話だから、あまり気にしてない。
レ「なんだ、全然のりが悪いな。いつものように冗談言ってるお前はどこだ。」
ラ「…悪い。ちょっとそういう気分じゃないんだ。」
レ「なんだ、なんかあったのか?聞いてやるよ。」
ラ「…今日は何の日かわかっていった言葉なのか、それは?」
レ「ああ、そりゃ勿論…」
「こんにちは!」
お、もう一人日常に欠かせない人が来た。こっちはもっとおっとりしたほうで、礼儀正しい。少しシャイなのはたまに傷だが。
レ「お、来たか!元気にしてるか!」
ド「はい。そちらこそ、具合はいかがですか?」
レ「まあ、よくなけりゃ、ここにいねえからな。」
ド「あ、そうですよね…」
ラ「まあまあ、そうあせるな。この日のためにがんばったんだろう。もっと落ち着けよ。」
ド「は、はい…そうですね…」
レ「相変わらず自信ねえな、あんた。もっと、しゃきっとしろ!」
ド「うう…」
だめだ。熱血なあいつに任せたら、彼は自信を持つどころか、押しつぶられそうだ。こうなったら、もう助からないぞ。
ちえ。この状況でいつも役立つ人がいるけどな…
「よ~し!着いた!」
「20分前ね。何とか間に合ったね。」
…噂をすれば。
ド「あ、ソーラさん、ルーナさん、こんにちは。」
レ「お、とうとう来たか!」
ラ「やっぱり今日は遅刻じゃないんだな」
ソーラ「そ、そりゃ今日は大切な日だからね。さすがに寝坊は...」
ルーナ「私がいなかったら、確実に遅れたけどね。」
ソーラ「ちょ、ルーナ!それは言わない約束じゃ...」
ルーナ「あんたがこんな重要な日に寝坊するほうが、よほどお約束の気がするが...」
ソーラ「う...ルーナに付き合ってやったのに...」
いつもの言い合い。この双子、仲がいいのか悪いのか、全然わからない。
そもそも双子と言っても、見た目が違う。それぞれの性別が違うと言う点もあるが、それはたいした問題じゃない。
まず、外見。ソーラの輝くショートブロンドと、ルーナのきらめくロングブラック。それだけならまだしも、ソーラはたいてい髪の毛の手当てをしてなく、とてもラフでアホ毛が二本飛び出てるのに対し、ルーナは上に髪を解かしていて、乱れひとつもないスムーズな髪の毛。ソーラの青くやさしい瞳に、ルーナの紅のきつい瞳。何が何まで対照的だ。
次に、性格。ソーラはとても明るく、馬鹿素直。ほとんど嘘をつく姿は見たことはない(たまにはあるが)けど、その癖にいたずら好きで、よく友達にちょっかい出してくる。ただし、そのぶんやることには人一倍努力する特徴を持つ。特に彼の気に入った科目、「十八属性錬金術」、略して十八錬、をソーラは学校に限らず、自分で懸命に調べ、すでに十八錬に関して知らぬものなしの状態となっていた。ほかにも運動にも精を出し、運動神経はとてもいい。その明るい性格と強い信念に、人はいつも期待してる。
逆にルーナは、とても暗く、あんまりしゃべらない。しゃべるとしたら、それは誰かのミスを指摘するときや、自分が行くことを宣伝するときだ。あまり人の周りにいるのは苦手らしい。運動神経はそれなりにあるが、ソーラよりは弱い。ただし、圧倒的に頭がいい。物覚えがよく、誰もが納得いかないこともピンと理解できるほど鋭い。感情にあまり身を任せず、冷静に判断することができる。その冷たい性格と静かな判断は、人をいつも期待させる。
こんなに瓜二つから程遠い二人が、双子だなんて…
ソーラ「あれ、どうしたの?」
ルーナ「浮かない顔ね。」
ラ「いや、何、ちょっと考え事をね。」
まったく、本当に不思議だ。こんなに違う二人が、息が合ったように話す。二人が一人のように、彼らが離れ離れになることは一度もない。一緒に生まれ育ち、喧嘩をしたら仲直りの繰り返し、さらに互いに話し合い成長しあう。それがホール双子。二人の間に、まったく穴はなかった。
レ「おい、もうそろそろ始まるみたいだぞ。」
ド「ああ、もう席に着かなくちゃ!」
だからこそ、思うかもしれない。
ソーラ「じゃ、みんなグッドラック。」
ルーナ「せめてケアレスミスはしないでよね。」
こんなに違うのに仲良しな二人と…
ラ「大丈夫。そんなミスはしないさ。」
どんな形であれ…
先生「はい、みんな席に着きましたね。では始めましょうか。」
いつまでもいたいと。
先生「では、これより期末テストを始めます。」