~数時間後~
「はい、時間切れです。」
その合図は風船の栓のように、教室の空気を一気に開放した。丸一日記憶の必死な連続掘り起こしは、やけに体力を消耗するのだった。
「机からたたず、待ってください。今からテストを回収します。」
ホール双子は一番後ろの右の机に、縦に並んで座っているため、一番最後にテストを回収されることになる。ソーラはボーっと窓の外を眺め、ルーナは杖に頭を休める。いくらやすやすと答え続けたとはいえ、持久戦は疲れる。
…ふと、ソーラの背中にツン、ととがったものが刺さった、ようだ。
後ろを見ると、ルーナは紙なにかメモを手に置き、こっちを見ている。
ソーラはそれをパッと読み、また振り返る。
…テスト後の息抜きか。いいな、それ!
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~放課後~
ラ「あ、いたいた。ソーラ、ルーナ!」
レ「早くしろよ!おいてくぞ!」
ソーラ「ああ、ごめん!ちょっと遅れて!」
ルーナ「先生、意外と時間かけたな…回収。」
やっとのことで開放されたホール双子のクラス。二人はまもなく学校門で待っていた二人の友達と合流した。今朝話した三人の中の二人だ。
「それより、早くいこっか。ランス、レオ。」
「ああ。ドゥは待ってるだろうな。」
「疲れたし、早くいこーぜ!」
「はいはい。」
二人は友達…赤い髪と緑の瞳のブレードナイト、ランスと、橙の髪と赤い瞳のバーニンレオと一緒に、いつもの場所へと向かった。
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~黒野神社~
「あ、着ました!みなさ~ん!」
橙の髪の毛から覗く、ひとつの橙の瞳を光らせ、ワドルドゥは手を振る。隣の白黒をまとってほうきを持つ巫女は、うれしそうに微笑む。
「お疲れさん。今日期末テストだったでしょ?大丈夫だった!」
ソーラ「大丈夫だよ!」
ルーナ「まあまあかな。」
ランス「まあ、精一杯がんばった。」
レオ「ばっちりだぜ!」
「そう。よかったわね。」
白黒巫女…
レイ「それで、今日何をしに来たの?」
レオ「そりゃまあ、ここへきてやることひとつだろ!頭だけじゃなく、体も動かしたいぜ!」
ランス「と言うわけで、ちょっと訓練場を…」
レイ「ああ、いいよ、別に!ソーラとルーナもやるの?」
ソーラ「うーん、でも武器がないし…」
ルーナ「これ」
ソーラ「あ!ちょルーナいつの間に!」
ルーナ「ソーラを起こすときに。気づかなかった?」
ランス「じゃあ、決まりだな。僕とソーラ対レオとルーナで…いいよな?」
レオ「ちょ!勝手に決めるなランス!」
ランス「だって、お前とソーラが組んだら火属性一致しちゃうし、ホールが合体したら俺たちの完敗だろ?」
レオ「いや、一致してもいいんじゃ…」
ソーラ「僕、別にランスとでもいいけどね。」
ルーナ「久しぶりに、レオを命令しまわすのもいいね。」
ドゥ「じゃ、審判は僕でいいですか?」
ランス「ああ、頼むよ。」
レイ「特に異議はないようですね。」
レオ「ッッダアァァ!!コテンパンの丸焼きにしてやる、辻斬りやろう!」
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~黒野神社、訓練場~
ドゥ「それにしても、ずいぶんと時がたちましたね。」
レイ「そうね。あっという間に十三年…か。」
ソーラ「いくよ!バーニンショット!」
レオ「させるか!火吹き攻撃!」
レイ「あの二人、ずいぶんと成長したね。」
ドゥ「ええ。彼らにはいつも、すごい頼りになってます。」
ランス「がら空きだ!」
レオ「!!」
ガキィン!
ランス「…」
ルーナ「簡単に通すとでも?」
ドゥ「いろいろありましたね。学校で一緒に授業して、遊園地行って、牧場で手伝って、喧嘩して…」
レイ「でも確か、あの八割はホール双子の間の、立ったわよね?」
ドゥ「ほんと、仲がいいのか悪いのかわかりませんね。」
ソーラ「ランス、押さえてて!バーニン…」
レオ「また撃たせるか!バーニングアタック!!」
ソーラ「うお!」
ボワア~
レオ「ち、避けたか…だがまだまだだ!火だるまスピン!」
レイ「あの二人ほど、不思議なものはいないわ。夢幻の島の癖に。」
ドゥ「はい。…だから思うんです。」
レイ「?」
ルーナ「…腕上げたわね。」
ランス「いつもお前と対決してると、自然とそうなるんだ!百列斬り!」
ルーナ「確かに。このころ勝ち取りにくくなってる。」
ランス「そりゃどーも。ドリルソード!」
ドゥ「あの二人…もしかしたら、突然いなくなるんじゃないかと。」
レイ「…」
ドゥ「…馬鹿な考えなんてことはわかります。そのはずは、まったくないのに。」
レイ(…そうだった。たしか、妹が…)
ソーラ「ああ、もういい加減止まれぇ!!」
レオ「それはこっちのセリフだ!いつ見ても素早いぜ!火だるま跳び!」
ソーラ「おっと!!へへ、目には目だ!そう簡単には当たらない!」
レイ「…君はどう思うの?」
ドゥ「へ?」
レイ「私より、あなたのほうが、二人との付き合いが長い。当然、彼らのことも知り尽くしてる。」
ドゥ「いや、そこまでは…」
ギャリン!!
ランス「ッッ!」
ルーナ「でも、すっかり癖は読めるようになったわ。」
ドゥ「…彼らは…たとえ…いなくなっても…」
レイ「…」
ドゥ「大丈夫だと…おもいます。だって…彼らは「双子」ですから。」
ガシ!
レオ「!!オイ、離せ!」
ソーラ「離すか!ここなら、絶対に外さない!」
レイ「…そう。だったら、心配無用じゃない?」
ドゥ「…そう…ですね。」
レイ「それより、見て。」
ドゥ「え?…あ」
「ソーラーフレア!」
「
レイ「あの二人…やっぱり残っちゃったか。」
訓練場はもうぼろぼろの状態だった。片方は、ところどころ焦げ痕が残り、もう片方は斬痕と冷気が漂う。
レオは、お腹に撃たれた痕を残し気絶していた。とんだ規模の先には、火銃「マグナス」を構えたソーラがたった。
ランスは、冷え切った切り傷を抱えながら倒れていた。すぐ隣に、今もなお冷たく光る、氷刀「
ランス「く…やっぱかなわないか…」
ドゥ「ああ!ちょっと待って!今、戦闘不能者おろすから!」
急いでドゥは、倒れこんだランスを背負い、訓練場から動かす。レイもレオを動かす。たつものは、ソーラとルーナだけとなった。
ドゥ「ええ、それでは、残った人の対決となりますが…異議は?」
ソーラ「ない!」
ルーナ「当然よ!」普通静かなルーナも、気合いっぱいのようだ。
ドゥ「ええ、それでは…始め!」
ソーラ「いくよ、ルーナ!」
ルーナ「決着つけるわよ!」
レイ(大丈夫。彼ら二人一緒なら、何だって超えられる。そうだったでしょ、あなたたちも。)
簡単に言うと、
ソーラの「マグナス」は、炎の弾丸を撃つ魔力銃で、
ルーナの「
ホール双子のトレードマーク武器です。