「二百十六試合…五十六勝…」
「同じく五十六勝…百四引き分け」
「「…か…」」
ようやく決着は付いたころには、夕焼けが赤く空を染めていた。
ソーラとルーナは、二人ともあお向けに倒れてしまったのだ。長い戦いの間、二人とも傷は付かず、互いの空気を完璧に読み、よけは打ち返し、防いでは切り返す。この終わらない試合に終止符をかけたのは、くるはずの疲れだった。
ドゥ「止め!試合終了!引き分け!」
ランス「やっと決まったな。」
レオ「まったく、毎回よくやるよ。」
レイ「いいじゃない?毎日いい見ものになるし。」
「「「それは確かに。」」」
もうとっくに回復していたランスとレオは、仕方なくホール双子を解放することになった。幸い、二人はどこも怪我してなかったので、休めば大丈夫と言う状態だった。
ソーラ「ああ…いつの間にかこんなに…」
ルーナ「暗くなってた…」
ようやく二人も気づいたようだ。かなり暮れてしまったこと。
どぅ「本当、やるときはやりますね…」
レイ「おかげでこっちも肩をこるのよ。どうしてくれるの?」
ホール「「…サーセン…」」
レイ「…まあ、いいけどね。いい運動になるし。」
レオ(…ほんと物好きだな、この巫女。普通こんなもんじゃないだろ?)
ランス(まあ、いいんじゃない?インフィニ島が平和な証拠さ。)
レオ(少しぐらい荒れていいのに…)
レイ「ところで、さっきから気にしてるんだけど…」
「へ?」「なに?」「なんだ?」
異なる返事を受け取りながら、レイは質問する。
「家のほうは大丈夫かしら?」
ランス「ああ、それか。城から許可取ってるから、平気さ。」
レオ「俺も、師匠がオーケーしてくれたぜ!」
ドゥ「まだ、門限は越えていないからね。大丈夫です。」
レイ「そう。まああなたたちはいいけど…」
モンスター(((え…)))
レイ「ソーラとルーナは、大丈夫かしら?」
ソーラ「え…」 ルーナ「あ…」
ああ、そうだった。この二人の家庭は…
「「しまっったぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~!!」」
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~帰り道~
レオ「あーあ。こりゃあいつら、また怒鳴られるな。」
ランス「おいおい、そんな言い方無いだろ?あいつらも結構大変だぞ?」
ドゥ「そうですよ。僕たちと違って、彼らは保護しなくちゃいけないし。」
レオ「おいおい、それぐらいほっといたって…」
ランス「おまえんとこの、バンバンたたかれる燃え鉄カスと一緒にするな。」
レオ「何だと!てめぇ、鍛冶屋なめんな!」
ランス「そっちこそ、牧場をなめるな!飯の恨みはすごいんだぞ!」
ドゥ「そうですよ!下手したら牛たちや鳥たちが逆に人を食い荒らしちゃいますよ!」
((それは違う…))相変わらずの天然ぶりに呆れかえる二人のモンスター。
レオ「でも、あいつらも、別に牧場で仕事続けるわけじゃないんだろう?」
ドゥ「そうですね…たしか、トラベラーになりたいと…」
レオ「トラベラー…虎男と同じ、あれか?」
ランス「知らないのかよ。あいつら、散々言っていたじゃないか。インフィニ島の役に立ちたいって。」
レオ「いやでも、それ、いくらでもあるだろ、仕事。逆に役立たないのって何なんだよ?」
ドゥ「泥棒、とか。…は!まさか、明日から「怪盗「ブラック・ホール」とか出でくるんじゃ…」
ランス「いやそれ言っちゃいないから。」
レオ「でも、大変だろ、トラベラーも。」
ランス「そうだな。広いインフィニ島を旅する必要もできちゃう訳だしな。」
ドゥ「おまけに依頼も簡単のもあれば、命がけのものもあるし…」
レオ「あう意味、レイ姉と一二争う職業だな…相当大変そうだな。」
ランス「ま、あの二人なら大丈夫じゃないか?」
ドゥ「そうですね。性格と趣味は正反対ですけど…」
レオ「やることは精一杯出すからな。似たもの双子の証だ!ああ、僕もあいつらのようにでかいことしたいな!」
ランス「そんじゃ、たまにはトンカチおいて、蒸し暑い家から出ればいいじゃないか。」
レオ「いったな!別に蒸し暑くたっていい!俺は、師匠のような、偉大な鍛冶屋になるんだ!夢踏みにじむなよ!」
ランス「おいおい、シンプルだな、いいのかそれで。」
レオ「お前だって、
ランス「…まあ、そのときはそのときさ。」
ドゥ「もう、お二人さんはまだいいですよ!僕はまだ何をしたいのすら分からないんですよ!」
レオ「適当になんか探せばいいんじゃないか?」
ドゥ「うう…なんか、気が進みません…」
ランス「てゆうか、お前がお世話してるとこで、よく子供の世話とかしてるんじゃないか?それじゃだめなのか?」
レオ「おお、いいんじゃないか!実家からやれるし、ずいぶんと楽そうじゃん!」
ドゥ「始めはそう考えたんですけど…なんだかなあ。」
ランス「…そうか。ま、なんかくるだろう。」
ドゥ「だといいですね。」
ランス「ってもうだんだん暗くなったな。もういくぞ!」
レオ「おう!また明日な!」
ドゥ「お元気で~!」
太陽がもう沈む寸前のところで、三人のモンスターは、それぞれの道を歩き、別れを告げる。
徐々に、黒に飲み込まれる赤い道は、それぞれ、何につながるか?
時を語った者しか、知る者はいない…
~ホール牧場、双子部屋~
「はあ…なんか、一思いにしかられちゃったな。」
「仕方ないよ。むしろあれぐらいですんだことを感謝しなくちゃ。」
ここは双子部屋。ソーラとルーナのために、特別作られた、二人が会話や活動をする場所。向かい合わせの扉で、一人ずつの個人部屋につながってるようになってる。
「そこだよな…いまさらだけど、なんかしみこんだ感じよね…」
「?なにが?」
「だってさ…今思うと、数週間後に、牧場やめることになるじゃん。」
「…今更?」呆れ返ってしまったルーナに、ソーラは激しく抵抗する。
「だって!テストとか申し込みやら、いろいろ忙しかったら、余りそんな考えしなかったし…」
「じゃ、今ここで牧場に転職する?今なら間に合うんじゃない?」毒舌の皮肉たっぷりのルーナ。
「違うよ!僕はルーナと一緒にトラベラーになりたい!そう誓ったじゃん!」力と気合いっぱい叫ぶソーラ。
「じゃ、なに。心配することはないんじゃない?」
「…まあ、そう、だけど…」
「…あんた、あの牛とは仲良すぎよ。」
「いきなりモー子を巻き込まないで!それに、そういうルーナだって、たま子と気があったくせに。」
「…っ!あんな腕白鶏と気が合うわけ…」
「やかましいぞ、二人とも!」
「…!!」下から響く怒鳴り声で、二人のけんかは急停止する。やや間を空いて、ソーラはつぶやく。
「また、怒られたね。」
「うん。」
「今日二回目だよ。なんかつれないな。」
「…まあ、私たちが悪いからね。」
「…ほんと、いつも怒鳴られっぱなしだったな。お父さんから。」
「そういう性格だからな。そのたびいつもお母さんに慰められたけど。」
「うん…」
「…で?」
「…やっぱり、がんばらなくっちゃね。」ソーラの、特性の笑顔。小さめだが、輝きはいつのものだった。
「そうだな。両親だけじゃない。」ルーナも、にやりを微笑む。冷静さと暖かさを混ぜた、
「そうだね。友達も、いろいろ会ってきたし。」
「先生に怒鳴られては、学べられたり。」
「ほとんど卒業しちゃった先輩もいるし。」
「あの、不思議でしかたのない、黒野の巫女も…ね。」
「…うん…やっぱり…やらななくちゃな。」
「そう約束したんじゃなかったんだっけ?」ルーナは左手を平を表にして差し出す。
「…うん。そうだね。」ソーラも同じように、右手を差し出し、お互いの指を交差させててを合わせた。二人の利き手を利用した、二人の「握手」。
「何が何でも…」
「この「夢幻の道」を歩み続ける。」
「「
「…忘れてなかったんだな。十年の約束を。」
「へへ!忘れるわけない!」
「ほら!話が済んだんなら、さっさと寝ないか!」
「は、はいいいい!」再び怒鳴られ、ソーラは慌てて、ルーナはおとなしく、自分たちの部屋へと走った。
「じゃ、お休みルーナ!」
「ああ、ソーラ。お休み。」
…なんか、十人十色な人物設定だよな。
個人的紹介はあとがきでいいのかな?
それとも、別小説にするべきか…
悩みます。