「俺だってチートが欲しかった〜ブサイクデブなおっさんの魔法陣」   作:雨天 蛍

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 目的の場所にたどり着いた。

 

「いきなり駆け出してどうしたんだよ? 何かいいことでも思いついたか?」

 

 そういうトールさんは、何故かニコニコしている。

 

「こういう時のおっさんは結構頼りになるからな」

 

 それほどのことでもない。ここから先、役に立つのは幼女エルフなのだから。

 

「うぅ……ぐるぐるする……」

 

 そういえば、さっきから幼女エルフは小脇に抱えて移動してたね。

 

 元より引きこもり気質な彼女の三半規管が優秀だとは思えない。

 

 しばらくの間、吐き気を堪える幼女エルフの介抱をした。

 

「ふぅ……。もう大丈夫よ」

 

 元気になった幼女エルフが、遂に自らの足で地面に降り立つ。

 

「ここって……あの遺跡よね」

 

 幼女エルフの言葉に頷く。

 

「ここしか私には思いつきませんでした」

 

「で、でも! ここは何も無いはずの場所よ! 私が触ってもうんともすんとも言わなかったんだから!」

 

 既に幼女エルフが色々試した後らしい。

 

 まあ、そうだろう。彼女の目的は仲間の解放だそうだから、その手段や手がかりになりそうなこの遺跡を調べるのは当たり前である。

 

 それでも反応しなかったとは、魔力不足だろう。

 

「それに、ちょっとくらい触媒があってもここは動かないわ。大きさによって消費魔力量が違うのか、全然足りないのよね」

 

「そこに関しては、思いつくことがあります」

 

 そこら辺の野草をつんでもいいのだろうが、それ以上に手っ取り早く大量の生命を媒介に魔力を引き出す方法を知っている。

 

 古来から伝わるエロゲーでも有名な手法。魔力供給だって出来ちゃう。

 

 イッツアスモールワールド。顕微鏡の世界。世界最小のおたまじゃくし。

 

 トールさん、ミトさんに土下座をする。

 

 ここから先は、俺の人生をかけた一世一代の賭けである。

 

 現状は巧遅より拙速を求める。

 

「すみません、見抜きいいでしょうか!」

 

「……え?」

 

「……は?」

 

 両者から疑問の声が上がる。たしかに俺もこんな状況で事情も知らずにこんなお願いするやついたら侮蔑すると思う。

 

 無理でもいいのさ。俺はその時の罵倒や視線で一発触媒用意出来るから。

 

 ただまあ、こういう時でも頼めないかなーって。

 

 そもそも、幼女エルフはどう足掻いてもこっちのやること見ちゃいそうだし。

 

 ドン引かれるのは事実なのだ。

 

「…………」

 

 長い沈黙の後、ついに折れたのは、トールさんだった。くるりと背中を向けられて、遂に見放されたかなって寂しく思っていたら、背中を剥き出しにして座りこんでしまった。

 

「トールさん……」

 

「は、早くしろよ! おっさんがそういう魔法使うのは薄々分かってたし! それに私も救われたんだから、拒否する訳にはいかないだろっ!」

 

 必死で顔を真っ赤にして睨みつけてくるトールさん。緊張からかピリピリしていらっしゃる。

 

 そういううぶなボーイッシュ的雰囲気、大変好みであります。

 

 なんていうか、学校にいる男子と距離の近い女の子っぽいよね。無邪気に無防備に接してくる感じ。

 

 裏でオカズにされてそうな女の子。密やかな男子の潤いにして人気。

 

 そういうのエロ同人で見たことある。大抵凌辱ものが多いんですけどね。

 

 そして、俺とトールさんのやり取りを見た幼女エルフも、背中を見せて座りこんだ。トールさんを真似するかのように。

 

「ミトさんまで……」

 

「えっと、みぬき? っていうのをやるには、こうやって手助けすればいいのね?」

 

 無知ロリだ。無知ロリエルフがいるぞ。

 

 現代社会では極めて珍しい絶滅危惧種だ。二次元でもロリビッチの台頭により、徐々にその数を減らしていき、メスガキによって大きく需要を失った存在である。

 

 インターネットのある昨今では、既に見ることは難しいのではなかろうか。

 

 なんか罪悪感が凄いね。背徳感が凄いね。

 

 相棒が全力で血を集めているって感じるよ。

 

 日本に失われし存在がこんなところにいたなんて。

 

 このまま保護したい。

 

 そして自分の手で無知ロリを調教するんだ。

 

 そしてたどり着く先はメスガキ。ロリビッチ。弱者は淘汰される運命。

 

「……ええ、ありがとうございます。後は、気になるでしょうか、こちらを見ないでください。醜い姿なので」

 

 実際鏡とか見れるなら分かるけど、なんか自分の自慰っていうのは情けない姿なんだよな。

 

 生存戦争に負けた存在が一人で寂しくしてる姿だからかな。

 

 ポーズがダメかもしれない。

 

 まあ、そんなことは置いといて、装置に魔力を送らねば。

 

 どうやって?

 

「そう言えば、ミトさん」

 

「なに? どうしたの?」

 

「遺跡に魔力を送る方法で魔法陣を使っていましたが、どんな魔法陣を使ったのですか?」

 

「あ、魔法陣で魔法効果を産まないまま魔力変換するのね! それなら任せて!」

 

 背中を見せるだけじゃ不満だったのだろう。嬉嬉として魔法陣を書いてくれた。

 

 今まで見た中で一番シンプルな構造だった。

 

 なんていうか、魔法陣の基礎部分だけみたいな。丸ばっかり書かれている。

 

「これが基礎部分よ! 触媒を消費して魔力へと変換する為の構造なの!」

 

「ありがとうございます」

 

 これで全ては整った。

 

 またくるりと背中を向けてくれる美少女二人に対し、申し訳なさを覚えながら相棒を抜き放つ。

 

 申し訳ないと思ってる訳ねぇだろ。最高に背徳感で興奮してるわ。

 

 多分これが俺の人生のピーク。

 

 後は全てが終わり軽蔑による別れが待っている。

 

 そしたら、美少女奴隷でも、亜人の女の子奴隷でも探しに行こう。

 

 冒険はしないつもりだ。どこかで小さな小屋に住んで、毎日愛を育む生活を送るんだ。

 

 領地が無くても庭があればいい。自給自足できるだけの畑でもあればいい。

 

 俺、この戦いが終わったら、結婚するんだ。

 

「うおおおおおおお!!!」

 

 唸れ相棒! エクスカリバーだ!

 

 野外で出すことに興奮を覚えてしまったホームレスライフが俺のスキルを高める。

 

「うおおおおおおおおおお!!!」

 

 叫んだ俺にビクッと肩を震わせるトールさんの純白の肌を想う。前部分は見えなくていい。妄想で代用するんだ。

 

 ネットで培った見抜きの文化。今ここに。

 

「うっ! ……ふぅ」

 

 時は満ちた。全ての欲望を魔法陣に吐き出した。

 

 魔法陣が輝く。溢れ出す光の奔流が魔力の強大さを映し出している。

 

「すごい……! こんな量の魔力を生み出せるなんて……」

 

 ごめんよ。ミトさん。それ、男の子なら誰でも出来ることなんだ。

 

 いそいそとお勤めを果たした半身をしまう。

 

 …………思い返せばなんて酷い絵面なんだろう。

 

 こんなんで街が救われるくらいなら、滅んだ方がいいような気がしてきた。

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