アクタージュ 暗殺者(になるはずだった)ルート   作:朕好こう

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独白 序

 はい、今回はデスアイランド編撮影18日目ですね。え?飛び過ぎ?…見所さんに文句を言ってください!では始めて行きたいと思います。

 

 さっさと仕事を終わらせましょうか。景ちゃんと千世子ちゃんのバチバチを見たいので。

 

 >貴女は最後のシーンに臨む。

 

 簡単にこのシーンの説明をすると、恋歌ちゃんが千世子ちゃん扮するカレンの友人の1人を殺害しようとして、止めようとしたアキラくんに殺されてしまうシーンですね。

 過剰正当防衛だと思うんですけど(名推理)(棚上げ)。

 

 

 終わりましたね。デスアイランド編での演技評価はCMとか個別の仕事のみ見れます。デスアイランド自体の演技評価と演技ステータスの変動はデスアイランド編終了時に纏めて計上されるので、もしかしたら評価が悪い可能性もあります。というか大いにあります。景ちゃんと千世子ちゃんがバチバチ戦っていると、その気に当てられて他の俳優達の演技評価が変動しやすいので…

 

 >貴女が撮影を終えると、百城千世子と夜凪景の初共演を見に行く。貴女は少しわくわくしている。

 

 さて『洞察力』をフル活用する時が来ました。千世子ちゃんの仮面にヒビが入るシーンは“暗殺の天使”ENDに必要です。天使の名を冠する以上、百城千世子は邪魔ですからね。早く仮面剥いで仕舞いなさい、景ちゃん!

 

 

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 僕はスターズ所属の映画監督だ。売れる作品を作る。それは当たり前で難しい事だが、スターズであれば簡単に売れた。

 

「…つまらないな」

 

 昔、主演女優にNGを出し続け泣かせたことで、業界を干された。その時に拘りは捨てた、情熱があっても撮る為の機材も人材も居ないのでは映画を作ることは出来ないから。星アリサにスカウトされて、スターズに所属してから有名俳優、有名原作。売れる為の大衆向けな映画ばかりを生み出してきた。最初はその売れ行きに満足していた。それはそうだ、誰かに認められるというのは心地良いから。けど、売れるのが当たり前になって、売れる為に同じことを続けて、自分が自分で無くなっていく気がしていた。

 

「こんなこと機械でも出来るじゃないか」

 

 その通り。売れるだけなら機械が監督した方がいい。大衆の求める作品を正確に把握し、寸分の狂いのないスケジュールで作品を作ってくれるだろう。でも、それじゃあ駄目なんだ。人間が監督をしている理由は、心があるからだ。売れるじゃなくて、誰かの心を動かすような、そんな映画を作れるのは同じ人間しか居ない。

 

 今まで撮ったシーンを見直す。目を引く役者は3人。百城千世子、夜凪景、頭鬼恋歌。百城千世子は素晴らしい役者だと思う。あの技術に到達するまでどれだけの時間を使ったか。その技術は演出家すら唸るものだ。

 

「それはそうか。スターズの看板を彼女が背負っているんだから」

 

 あの技術は自己研鑽だけのものじゃない。僕の様な監督は勿論、作品に関わるもの全てを背負う為に磨かれた技術だ。その苦労もプレッシャーもただの役者が、女の子が背負うには重すぎる。だからこそ、それを背負う為に、彼女は強く美しい“天使(かめん)”を演じるしかない。だけどそれにも飽きてしまった。だから壊すには、イレギュラーを入れるしか無かった。スターズ所属の監督として最悪で最低の行動だ。拾って貰った恩を仇で返す様なものだから。

 

「君の言った通り、千世子ちゃんは夜凪ちゃんに興味津々だ。そしていい傾向を見せ始めてる」

 

 後ろに居るだろう、夜凪ちゃんとすれ違いに入ってきた少女に話しかける。オーディションの時、夜凪景を合格させたのは僕の意思と彼女の推薦もあったからだ。

 

「景ちゃんならやれるって、言った通りだったでしょ?手塚監督」

「勿論、可能性はあると思っていた。君の言葉で確信に変わったけどね。でも、君だって変えられたんじゃないかい?」

 

 彼女、頭鬼恋歌は首を横に振る。新人でありながら、他のスターズのメンバーを押し退ける暴君。スターズでありながら、夜凪景のような感情的な演技を持つ異端。そして、百城千世子の技術を独学で培った新星。自分で言っておいてなんだが、まるで物語の主人公のようだ。圧倒的才能で周囲を魅了する。そんな彼女なら百城千世子の仮面だって壊せる、そう思ったのだが。

 

「…偽物じゃ、無理ですよ。千世子ちゃんの事を理解出来てもそれ以上の事は出来ない」

 

 夜凪ちゃんの演技を眩しそうに眺める。偽物が何かは分からないが彼女が出来ないと言うならそうなんだろう。

 

「それで、君のシーンは明日で最後だけど。この島からもう出るのかい?」

 

 少しだけ意地悪に聞いてみる。答えは当然No。仕事が終わってもこの島でまだやることがあるらしい。

 

「そうかい。ところで君も夜凪ちゃんも千世子ちゃんもだけど、ノックしないのが流行ってるのかい?」

 

 彼女は首を傾げ、出ていく。最近の女の子の気持ちは理解出来そうもないな、と苦笑する。

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