アクタージュ 暗殺者(になるはずだった)ルート 作:朕好こう
臭いフェチストーカー男から逃げようと思ったら、そいつと全面対決することになりました。どういうことやねん…
今、恋歌ちゃんは舞台稽古とCMとかの仕事を掛け持ちしてますね。軽く拷問です。これ労働時間とか超過して…あっ、はい。そうですよね、僕が甘かったです。
仕事楽しぃー!!
>貴女と星アキラは舞台の稽古をしている。窓から見える外は真っ暗だ。
「やっぱり、ここの入りがダメだな。“ぼく”の気持ちに寄り添えていない」
>貴女と星アキラは稽古を続行する。
因みに今の所、この舞台が成功する確率は5割行きません。そもそも星アキラが主役というのはすっごい足枷です。スターズの俳優として場馴れはしてますが、それはNG有りの映画でのお話。アドリブが出来たとして、舞台で通用する演技じゃないです。以前より声の張りや感情の出し方は上手くなっていますが…劇団天球の役者には程遠いですね。それは恋歌ちゃんサイドの他の役者もです。和歌月ちゃんも演技は下手では無いですし、上手い方ではありますが、中の上が良いとこでしょう。
はーつっかえ?お前、走るのやめたら?これ勝てないやん?
だからホモはせっかちなんですよ。落ち着いてください。要するに星アキラを変えればいいんです。どうやって?ひたすら演技指導です。撮影以外はアキラとほぼ一緒に居ます。アキラくんを景ちゃんの家に連れて行きます。記者にバレたら不味いですが、天知さんとアリサさんの力で隠します。だから天知さんの協力が必要だったんですね〜(後付け)
恋歌ちゃんの演技ステータス、『恋式演技術』は説明文がほぼ機能してないですが、読んだ感じでは他人に影響を与える技能だと思われます。というかそこしか分かりませんでした。運営は早く修正お願いします。
これを使ってアキラくんを魔改造します。邪神アキラくんにならないように時々、千世子ちゃんに見せてあげましょうね。再評価して貰いましょう。大切ですよ、これ。手間がかかりますが、RTAじゃないんで(念押し)。許してください、何でもしますから!アキラくんが!
アキラくんの尻を賭けたところで、お家に帰りましょうかね。アキラくん、稽古終わりにして家で焼いてかない?
>貴女はもう夜も遅いし、帰ろうと星アキラに話しかける。
「…そうだね。明日、ここの台本の読み合わせを頼む」
>今日家に泊まれば今日中に出来ると貴女は言い、友達を家に連れていくというメールを夜凪景に送信したことを話す。
いやぁ、用意周到ですね。皆さん、褒めてくれて構いませんよ?
「いや、恋歌君の家って夜凪君と君とあの子達だけだろう?男が上がり込むのは不味いんじゃ…」
なんでですかね?渋ってないで早く来て欲しいんですが。攻めてみますか。
>だから?と聞き、それじゃいつになっても主役になれないよと返す。星アキラは考え、溜息を吐き頷く。
「わかった。君は意見を曲げないからな…ただ出来るだけバレないようには…してるだろうな。君は用意周到だから」
>勿論と返し、夜凪景の家に向かう。
さて。稽古地獄ですよ、ルイくんとレイちゃんは寝ててもアキラくんのことは寝かせません。元はと言えばお前の演技ステータスのせいだからな!?恋歌ちゃんに『恋式演技術』が無かったら、この実況止めてましたよ。本当に。
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恋歌が友達と称して、男を連れて来た。星アキラを。以前も夜遅くまで彼と居て、彼の車で帰ってきた。
…殺してしまおうか。
笑顔で恋歌を迎える。殺意でアキラ君を迎える。悪寒を感じたのか、びくっと彼が震える。
「寒いのかしら。夏なのにおかしな人ね」
「…その、久しぶりだね。夜凪君」
「久しぶりね、アキラ君」
「ただいま!景ちゃん」
恋歌が私に抱きついてくる。もしかしたらこの男と抱き合ったかもしれない体で。だけど、殺意より幸福感が勝る。彼より私に抱き着いてくれたという嬉しさだ。私も抱きしめる。
「おかえり、恋歌」
「…やっぱり僕はお邪魔かな」
私たち2人の■が尊いからか。彼はそんなことを言い始める。そのまま帰れば、後で殺すだけにしてあげるわ。
「星先輩、約束しましたよね」
その一言で彼は止まる。そして、思案して私に話しかけてくる。
「僕と恋歌君に君の思っているようなことは無いよ。ただ、僕は…なりたいものがあるんだ」
彼はこんな顔をする人だったか。いつも笑顔で人を思いやる人だったのは知っている。だけど、こんなに覚悟を決めた顔をする人だったか。
「そう。今日は恋歌の好きなカレーだけど良いかしら」
「…!あぁ、皿洗いとか手伝えることがあれば手伝うよ」
「やった。景ちゃんのカレー、本当に美味しいんですよ!堀先輩」
嬉しそうに恋歌が鼻歌交じりに歩いていく。私も彼も子供のような姿を見て、顔を見合わせて笑う。
ルイとレイはもう寝かしてある。だから大きな声を出さないようにと2人に言い含めた。
夜、どんな稽古をしてるのかを見に行った。巌さんにも阿良也君にも言われた“深さ”と“伝わりやすさ”の両立。黒山さんに指摘された掘り下げた感情を表現する技術。阿良也君にも似た演技をする恋歌からなら何かを掴めると思った。
恋歌の部屋を見るとただ寝てるだけのように見える。それをアキラくんが見てるだけ。でも、私には恋歌の唇が少し開いて、笑顔に見えた。分からないけどそれが嬉しく感じる。“彼”が大切なものに見える。
凄い演技だと思う。けど私の問題を解決出来るものじゃなかった。これ以上、彼らの稽古を邪魔しちゃいけないと思って帰ろうとしたら、恋歌に話しかけられた。
「景ちゃん、何か悩んでる?私で良ければ相談乗るよ」
「えっと…うん。アキラ君、お邪魔してもいいかしら」
「あぁ、構わないよ。今日はここで終わりにしようと思っていた所だしね」
アキラ君の許可も貰って、座る。そして話す。私が悩んでいることを。そしたら恋歌に笑われた。
「な、なんで笑うの恋歌。私真剣に悩んでいるのに」
「えぇ?だって景ちゃん、出来てることを出来てないって言うのは面白いことでしょ?」
「出来ていることって…黒山さんと同じこと言うのね」
「そりゃそうだよ。墨字さんじゃなくても同じこと言うよ。例えばね」
恋歌が急に私を抱きしめる。思考が停止して、またフル稼働する。お風呂に入ったばかりだからかいい匂いがする髪もサラサラでというかアキラ君が見ている恥ずかしいでもやっぱり嬉しい。
「こうされるとさ、嬉しいでしょ?そういうことなんだよ。私は景ちゃんに喜んで欲しくてこうするの。私も貴女が喜んでくれたら嬉しいの」
顔が近い。キスが出来そうな距離で彼女が笑う。胸のドキドキを抑えて、彼女の言いたいことを理解する。
「そうね、私確かに忘れていたんだわ」
当たり前過ぎて、私の頭の中から抜け落ちていた。
「ありがとう、恋歌。思い出させてくれて」
「どういたしまして」
暗い雲に隠されていた月が少し光を取り戻した。そんな気がした。