アクタージュ 暗殺者(になるはずだった)ルート   作:朕好こう

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綺羅星に届かない

 僕は、星アキラは、芸歴8年のスターズ所属の俳優だ。スターズは輝ける主役に成るに足るものだけが所属出来る。でも僕にその才能は無かった。最初、売れたのは僕に才能と努力があったからだと思った。でもネットや週刊誌には母さんのお陰だと書いてあった。

 

 その通りだと思う。僕には才能が無い。だから母さんが手を回していたかもしれない。でも僕は母さんの職業に、“役者”に憧れてしまったんだ。みっともなくしがみついた。演技の指南書を見た、台本は渡されてすぐしっかり読み込んだ、踊れるようにダンススクールにも行った、歌えるようにボイストレーニングもした、馬鹿だと侮られないように勉強もした、筋肉トレーニングをして身体の引き締めやかっこいいと思われる努力をした。

 

 でも、足りない。自分には絶望的に才能が足りなかった。ここで辞めれば楽になれる。そう思った時もあった。だからそういう時は毎回繰り返した。

 

「皆さんに認められるような芝居をします」

 

 逃げない為の決意、自分を繋ぎ止める楔。弱い僕を無理矢理立ち上がらせるための言葉。

 

 僕はいつも虚しさを覚える。笑顔の女性ファン、それに手を振る僕。それは本当に僕の演技を見て応援してくれているのか。僕の容姿が好きだから応援してくれているのか。多分、後者なんだろう。僕に才能が無いのは分かりきっているから。

 

 僕は夜凪景を見ると辛くなる。彼女の演技は僕に無いものを全て持っているから。彼女は僕をどんどん追い抜いて行ってしまうから。僕の努力が無駄だったと言われているようで。

 

 僕は百城千世子にどんな感情を持てばいいのだろう。母さんが育てた俳優。母さんが認めた俳優。嫉妬か、羨望か、あぁなんにせよ、彼女に勝てないんだ。彼女は僕なんかより多くのモノを背負っている。僕には到底出来ない所業だ。自分のことすら出来ないのに、他に回せるわけが無いんだから。

 

 僕は頭鬼恋歌に救われた。僕とは比べ物にならない演技力を持った彼女は僕の望みを見抜いた。そして僕に“本物の役者”にしてあげると囁いてきた。それは悪魔の囁きだ。きっと僕は地獄に落とされる。だけど、それでもいい。母さんの七光りなんてもう言わせない。スターズのゴリ押し俳優なんて、もう絶対に言わせない。

 

 僕が立つ舞台は“星の王子さま”。飛行士である“ぼく”役に抜擢された。何度も台本を読んで、“ぼく”の気持ちを理解していく。何度も恋歌君と読み合わせた。今までに無いくらい“ぼく”と同期していくのがわかる。役にハマるとはこういう感触なのかと理解していく。

 

 

 陽の光で目が覚める。“ぼく”はいつも通り…いつも通りってなんだっけ。“ぼく”は辺りを見回す。ここは夜凪家か。そう言えば恋歌君に公演まで家でも稽古すると言われて、真夜中まで稽古していたんだっけか。朝食の手伝いくらいはしなければ、と思い布団を仕舞うと、立ち上がり台所に向かう。

 

 

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 …アキラ君と恋歌ちゃんが一緒に出勤してきた。2人とも“星の王子さま”の主演だ。もしかしたら稽古をして関係が発展して、なんてこともあるかもしれない。

 出来るだけにこやかに殺気を抑えて、アキラ君に話しかける。

 

「随分、仲が良くなったんだね。私に内緒で“星の王子さま”の共演をアリサさんに叩きつけたり、一緒に出勤してきたり。記者じゃないけど疑われても仕方が無いと思うよ?」

「…あぁ、千世子君か。おはよう」

「大丈夫?会話通じてる?アキラ君」

「ごめん、真夜中まで(稽古を)していたから少し眠くてね。もう一回言って貰えるかな」

 

 これは殺害しても怒られないんじゃないかな。私の前でそういう発言をしたってことは殺られたいってことだよね、アキラ君?

 でもここで殺るのはリスクが高過ぎる。後にしよう。

 

「寝不足なんだ。私が殺…起こしてあげようか?」

「今なんて?」

「おはよ!千世子ちゃん!!」

 

 恋歌ちゃんに急に抱き着かれる。唐突な事で頭が真っ白になる。いつも撫でていたいさらさらな黒髪から香る柑橘系のシャンプーのいい匂いと、脱がしたいシャツから柔軟剤のいい匂いがする。硬直していると笑顔でまた挨拶をされる。

 

「おはよう、千世子ちゃん」

「…おはよう、恋歌ちゃん」

 

 なんとかその言葉だけを絞り出す。いつの間にかアキラ君への殺意が霧散していた。命拾いしたね、アキラ君。彼女が離れていき、その温もりを惜しむ。

 

「今日は制汗剤のCMなんだね、恋歌ちゃん」

「うん!…え、なんで知ってるの?」

「一応、スターズの俳優のスケジュールは頭に入れてるから」

「凄いね…!私なんて明日か明後日くらいまでしか覚えてないよ。今日のスケジュールも怪しいくらい!」

「いや、恋歌君。1週間くらいのスケジュールは頭に入れとこう。というか手帳とかあると便利だよ」

 

 元々スターズのスケジュールはほぼ頭に入れていた。撮影を巻きで行って次の現場に行くために。恋歌ちゃんのスケジュールは念入りにチェックしているが、それも彼女が忘れやすいからだ。他意は無い。あとアキラ君、彼女に手帳なんて要らないよ。私が教えてあげるから。

 

「大丈夫、私が連絡するよ」

「本当に?千世子ちゃんマジ天使だぁ。大好き!」

「甘やかし過ぎだろう…」

 

 …大好きとかそんなに気軽に言っちゃダメだよ、恋歌ちゃん。ここにアキラ君が居たから抑えられたけど。居なかったら…どうなるか分からないんだから。

 それに恋歌ちゃんのスケジュールを把握しておけばデートの日程も合わせやすいから好都合だ。あ、他意は無いよ。

 

「撮影、そろそろじゃない?」

 

 時計をちらっと見て、教えてあげる。彼女はありがとう!と言うと走っていってしまう。教えなければずっと居れたかな、という気持ちと彼女の邪魔をしたくない、という気持ちがある。

 

 本当に手に入れたいものを手に入れるのはとても難しい。何せ彼女は人誑しだ。今も何処かで誰かを魅了して居るかもしれない。夜凪さんという強力なライバルも居る。同棲を超えるには同棲しかない。恋歌ちゃんの初めては根こそぎ私が貰う。先ずは彼女の目線を私に釘付けにしてあげよう。天使になった私に。

 

 大好きだよ、恋歌ちゃん。

 

 

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 夏なのに急に悪寒を感じた実況プレイ始めていこうと思います。

 

 前回話した通り、アキラくん魔改造してます。さっき千世子ちゃんに出会ったんで、再評価もされてる…筈です!

 

 今日は舞台は一旦置いといて、CM撮影ですね。制汗剤のCMです。制服を着て撮影するみたいですね。お、堂上くん居るじゃないですか。こんにちは!堂上くん、誰?って方は景ちゃんをゲロ女呼び男です。目つき悪いイケメンですね。殺してやろうか?

 

 >貴女は堂上竜吾に話しかけると、相手は嫌そうな顔をする。

 

 なんで真咲くんといい、黒山墨字といい、恋歌ちゃんを嫌うんですかね。こんなに可愛らしいのに。あ、景ちゃんと千世子ちゃん達と比べるのはちょっと…流石にね。

 

「お前かよ、共演者」

 

 どうやら今回のCMの共演者みたいですね、竜吾くん。元気な子アピールで好感度上げましょうか。

 

 >よろしくね、と貴女は快活そうな声で堂上竜吾に笑いかける。

 

「まぁ、仕事だしやるにはやるけど…」

 

 といっても竜吾くんはすぐ仲良くなれます。寂しがり屋なんで話しかけてあげると好感度上がっていきますよ。ちょろい!

 

 >貴女は撮影が始まるまで堂上竜吾と喋った。

 

「お前、意外と色んな趣味持ってんだな…飽きっぽいからすぐやめんだよなぁ俺」

 

 >何にでも興味を持てるのはいい事だと話す。

 

「それもそうか…またなんかやってみるか」 

「堂上さん、頭鬼さん、スタンバイよろしくお願いします」

 

 それじゃあ頑張って行きましょうかね。

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