アクタージュ 暗殺者(になるはずだった)ルート   作:朕好こう

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日が昇る

 最悪だ。今日はとことんツイてない。夜凪に話しかけられたのもそうだけど、何よりは。

 

「へぇ…どっちも可愛いじゃん」

 

 リョーマが入ってきた女子、二人を見て笑う。開かれたドアの所にいるのは吉岡と夜凪、そして頭鬼恋歌。私にトラウマを植え付けた2人が目の前に居る。

 

「し、新入部員の夜凪景です!」

 

 ガチガチに緊張した夜凪が自己紹介する。どうやら彼女たちは映画を撮るらしい。そうだった、忘れていた。私達は映像研究部だった。

 

 …まぁ、やらないけど。私が映研に入ったのはリョーマが居るから。別に映画なんて特に興味があるわけじゃないし、勝手にやって欲しい。

 

「あっそ…頑張って」

「え、あ、いや」

 

 吉岡が何か言おうとする。でも口を閉じる。吉岡は強く言えない。それを尻目に私は帰り支度をする。早く家に帰りたい。そうしたら頭鬼が首を傾げて聞いてくる。

 

「手伝ってはくれないの?」

「…私、別に興味ないから。映画とか」

 

 少し手が震える。またあの殺気をぶつけられたらどうしよう。でも、夜凪と映画なんて作りたくない。

 

「…そっか」

 

 案外、彼女は素直に引き下がる。私はホッとして足早に家へ帰る。

 

 

 次の日、学校の渡り廊下で夜凪と吉岡が撮影しているのを見掛ける。頭鬼(あいつ)は居ない、か。あの二人に絡まれる前にリョーマに話しかける。

 

「Uターンしよ。関わりたくないから」

「…ん」

 

 

 少し時間が経って戻ってくると、まだ撮っている。そんなに映画というのは価値があるものか。見てる分にはいいけど作るのとかダルそう。

 2人の様子を見ていると、夜凪の顔が真っ青になって震え始める。汗もかいているようだ。彼女が嫌いな私ですら心配する程。

 腰を抜かしたように倒れ込むと誰も居ない場所を指さす。

 

「に…逃げて」

 

 迫真の顔で私達に訴える。周囲の奴らは何が起きたかも分からず、彼女の言葉に従って逃げ惑う。

 私も、少し距離を取って夜凪たちの方を振り向くと彼女は汗ひとつかいておらず、フツーに立っていた。

 

「…おかしいよ」

 

 異常だ。仕草と言葉だけで私達は居ないはずの何かから逃げた。…怖い。たったそれだけで私達を動かした夜凪が怖い。

 

 

 次の日、クラスの話題は夜凪で持ち切りだった。『デスアイランド』という映画で、百城千世子や星アキラと共演したらしい。元々、美人なのもあって彼女と親しくなりたかった奴らが話しかけ始めた。

 馬鹿にされてるのも知らないで、話しかける。芸能人なんて皆そうだ。…特に頭鬼恋歌とか。

 

 放課後、雑誌を見ていた私に吉岡が協力して欲しいなんて言い始める。私は勿論、断る。

 

「前も言ったけど私、興味無いし」

「で、でも廃部するんだよ」

「だから?あんただけだよ。この部室に拘ってんの」

 

 たかが映画に何をそんなに熱心になっているんだろうか。

 

「朝陽さん、私達本当に困っているの。少しだけでいいから手伝ってくれないかしら」

「…はぁ」

 

 都合がいい女だ。私の事なんか覚えてなかった癖に、どうせ吉岡のことも覚えてなかったのだろう。私のことなんてひとつも気にしてないのに、手伝えってそれ、おかしくない?

 

「吉岡さ、あんたおかしいよ。芸能人が付いたから調子乗ってるの?」

「い、いやそんなこと」

「あんた、バカにされてんだよ。だってそいつ、私もあんたも道端の雑草程度の認識だよ」

 

 夜凪の動きが止まる。図星だったのだろう。私達をバカにしてる。

 

「そういうのフツーに分かるから。どうせ、私たちのこと背景とでも思ってたんでしょ?…そんな奴がさ、部活だ、友達だって?そんなのおかしいじゃん」

「…これからは朝陽さんのこと知りた──」

「アンタら芸能人ってさ。皆美男美女、人生楽しいでしょ。だから簡単に私たちのこと見下す。アンタも、百城千世子も…頭鬼恋歌もさ」

 

 私は帰ろうと、夜凪の横を通り過ぎる。だけどドアに辿り着く前に手を掴まれる。私は夜凪の顔を睨みつける。

 

「…何?」

「先ずは、ごめんなさい。そんなつもりは無かったけどお芝居に出会うまでは私は自分のことで精一杯で…自分でも虫のいい話だと思う」

「だから何」

「…本当にごめんなさい。だけど、私の大切な人達の悪口は違うと思うの。恋歌も千世子ちゃんも見下してなんか無いわ」

「…」

 

 少しだけど語気を荒らげて夜凪が怒る。

 

「…そう見えるのがフツーじゃん」

 

 そう返すと彼女は何処かに行ってしまい、吉岡はそれを追いかけて行く。

 

「…あいつ、フツーにキレるんだ」

 

 またドアが開く。夜凪か吉岡が忘れ物でもしたのかと思って、見るとあいつが立っていた。

 

「こんにちは、ひなちゃん。ちょっとさ、お話しない?」

 

 頭鬼恋歌はいつも笑顔だ。その笑顔の下ではバカにしてる筈だ。私はトラウマを抑えて、頷いてソファに座る。彼女も私の隣に座る。

 

「…あんた、いつから居たの?」

「んー、ひなちゃんが吉岡君のことをおかしいって言ったあたりから?入るに入れなくてさ」

「あんたも、バカにしてるんでしょ。私たちのこと。風景かなにかに見えてるんだ」

「…そうだね。あ、バカにはしてないよ?でも本当に皆が演じているようにしか感じられないの。…嫌になるくらいに」

「は…?」

 

 意味のわからないことを言い始める。演じているようにしか感じられない?彼女は何を言っているのだろうか。

 

「…まぁ、そんなことは置いといてさ。ひなちゃんは景ちゃんのこと嫌い?」

「当たり前でしょ。あいつもあんたも私たちのことバカにしてんだから」

「そっか。でもさ、本当にそうなのかな」

「そうに決まってる」

 

 芸能人は皆、そうなのだ。私達フツーの人間には興味が無いんだ。

 

「これ、余計なお節介なんだけどね。もう少し、景ちゃんに向き合ってくれないかな。もしかしたら変わっていて、今の景ちゃんは貴女と同じフツーの女子高生かもしれないよ?…ううん、本当に普通の女子高生なんだよ、景ちゃんは」

 

 嬉しそうにも見えるし、悲しそうにも見える顔で彼女は語る。

 

「…私と違って景ちゃんは良い子だからさ。きっと仲良くなれるよ」

 

 彼女は立ち上がると、いつも通りの笑顔でバイバイと手を振って帰っていく。

 夜凪が、フツーの女子高生。…向き合う、か。先程の怒りは前の夜凪に無いものだった。人の為に怒るのはフツーのことだ。少しだけ彼女への考えは変わった気がする。

 

 

 家に帰って、リョーマと電話する。ベッドの上で他愛の無い話をする。

 

「あ、切れた」

 

 ナンパがどうこう言って切られた。それと同時にLINEの着信が鳴る。どうやら吉岡から来たみたいだ。訝しがりながら送られてきた動画を見てみる。

 そこに映るのは、夏服の夜凪。盗撮動画…?通報するか否かを悩んでいると、夜凪の目が視界に入る。

 

「…この目が嫌いなんだよ」

 

 夜凪の性格とか、そういうのは分からない。だってまともに会話したことが無いから。でも確かにこの時の夜凪は私を、私達を背景のように見ていた。私も、美人だから先に仲良くなりたいなんて邪な気持ちだったのは、よくないと思う。でも…あの冷たい目をされて、私は傷ついてしまった。そこから芸能人は、選ばれた人達は私たちのことを石ころのように思っていると思い込んだ。そうやって彼女を悪者にした。

 

「…木が、枯れてる?」

 

 夏なら葉がついている筈なのに。でも夜凪は夏服で…?

 

「この頃の私は┈┈」

 

 喋った。じゃあ、これはあいつらが撮ってた映画…!?

 

「夕飯の献立に、今月の光熱費、妹や弟の学費…恋歌のこととかをずっと考えてた。私のことばかり考えて、学校の皆を見ようとしなかった」

「でも、今は違うの」

「私が恋歌に助けられたみたいに、笑顔を思い出させて貰ったみたいに…皆は繋がって助け合ってるんだって知ったから」

 

 …あぁ、頭鬼の言う通り、彼女は変わったのだろう。目が違う。私を人として見てくれている。

 

「今度は私からカラオケに誘いたいし、一緒に映画も撮りたいけれど…怒らせてしまうと思うから言いません。…おわり」

 

 あざといしウザイはずなのに、頭鬼の言葉が頭から離れない。

 フツーの女子高生、か。…本当にそうなのかもしれない。私が見て見ぬふりをしていただけかもしれない。

 イライラしていたのは夜凪に対してじゃなくて、私にかもしれない。人が頑張っている姿を笑っていたのは芸能人じゃなくて私だったんだ。

 

「…明日、謝らなきゃ」

 

 吉岡と夜凪に言ったことは全て私に当てはまっていた。酷いブーメランだ。

 でも不思議と心が軽くなった気がする。認めたら、素直に謝れる。明日が早く来ることを少しだけ願った。

 

 

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 パイプ作りパーペキかと思ったら、ガチトーンで断られた実況です。これ、失踪可能ですか?あ、駄目ですか…

 

 あぁぁぁぁぁぁ!?どうしてなんだよぉぉ!?ここは「うん!恋歌ちゃんの為なら!」ってなる所だろ!?うわぁぁぁぁ!!

 

 はぁ、死にてぇ…もう、友達とか要らねぇよ……

 

 鬱モードはここら辺にしておいて、進めて行きます。景ちゃんたちの撮影を遠目で見ながらやることをやります。先ずは、教師に手を回しておきます。

 

 >貴女は教師に写真を見せる。教師は青ざめた顔で貴女に縋る。

 

「こ、この写真だけは…!頼む、何でもするから」

 

 え?何の写真か?猿が盛りあってる画像ですけど。取り敢えずさぁ、お前、映研に協力してくださいよ。

 

「わ、分かった。これ、屋上の鍵と許可証も発行しておくから」

 

 >貴女は笑って、教師に写真を渡してあげる。彼は逃げるように戻っていく。

 

 脅迫罪?知らない子ですね。脅迫されるネタがある方が悪いと思いませんか?僕はそう思います。写真が1枚なんて言ってないんだよなぁ…一生、恋歌ちゃんの為に働いて貰いましょうか。

 

 あ、景ちゃんが部室から出てきましたね。ひなちゃんと喧嘩した後ですね。取り敢えず、ひなちゃんのやる気を少しでも稼いでおきましょうか。

 

 >貴女はドアを開けて、朝陽ひなと会話する。少しずつ、彼女の心を惹き付けるように調整する。

 

 ?なんですかね、このログ。最近、訳分からんログが増えて、投稿者は困ってます。バグかな?

 

 今日はめちゃくちゃ短いですが、次回はCM撮ってからまた日常に戻ります!久々の撮影ですね。共演者は誰なんでしょうか。

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