アクタージュ 暗殺者(になるはずだった)ルート   作:朕好こう

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踏み躙られた花

 今回は前回でも言った通りCM撮影から入ります。さて、共演者は誰かなぁ?

 

 >貴女が現場に足を踏み入れると、後ろから気配を察知する。百城千世子の気配だ。『気配察知』Lv3の習熟度が上昇した。

 

 あっ……(察し)。今回は千世子ちゃんとですか。CMの内容とか共演者とかスキップしがちなので全然分からないんですよね…

 

「恋歌ちゃん、こんにちは」

 

 >貴女が振り向くと、笑顔の百城千世子が立っている。貴女もこんにちは、とにこやかに返す。百城千世子は自然に手を繋ぎ、指を絡ませてくる。貴女は心拍数が上がるのを感じる。

 

 うぇ!?ちちちちちちち千世子ちゃん!?そ、そんな破廉恥なこと誰に教わったんです!?星アキラか!?あのむっつりスケベめ!!良くやった!!でも“暗殺の天使”ルートでは全く必要の無いくらいの好感度です!!やめてね!!

 

 >貴女が百城千世子と話していると、星アキラが現場に入ってくる。

 

「すまない、少し遅れた」

「大丈夫だよ。もっと遅れても良かったくらい」

「いやそういう訳にはいかないだろ…」

 

 >貴女はこんにちは、堀先輩と挨拶すると星アキラは苦笑して、こんにちはと返してくる

 

 どうやら千世子ちゃんとアキラくんが共演者の様ですね……

 …え、なんかめちゃくちゃ豪華じゃないですか?確かこれさっき確認した感じだと、チョコレートのCMですよね?

 

 >貴女は何故こんなに豪華な面子なのかを2人に聞いてみる。

 

「あぁ、確か今年のCMはストーリー展開にするらしくてね。僕と恋歌君が兄妹、千世子君が僕の彼女っていう設定だったかな?」

「うん。そうだね。あっ、安心してね恋歌ちゃん。私、アキラ君に一切興味無いから」

「それは僕が傷付くんだが!?」

 

 いや、いくらなんでも豪華すぎるというか何かの意志を感じるというか…誰かキャスティング弄ってません?

 

「そう言えば最初は恋歌君と僕が恋人関係だったらしいね」

 

 ふぅん…流石に恋歌ちゃんとアキラくんでは釣り合わないと思った監督が千世子ちゃんを入れたんですかね?成程、魅力値が足りないと交代とかあるんですね。メモしておきましょう。

 

 

 取り敢えずCM撮影は順調過ぎるくらいに進んでます。千世子ちゃんに恋歌ちゃんが居たら、撮影に殆ど失敗することは有りませんね。しかもアキラくんも中々演技力が高くなっています。

 

 >貴女は星アキラにお兄ぃ、と呼びかける。星アキラが振り向くと貴女は少し無愛想に包装されたチョコを、彼に突き出す。

 

「あぁ、ありがとう」

 

 >笑顔で星アキラが受け取ると、貴女はじゃ、じゃあねと言って立ち去る。最後に渡せて嬉しそうな貴女の顔が映る。

 

 はい、これで終了です。一応キャラ設定としては恋歌ちゃんが血の繋がりの無い義理の妹で、兄であるアキラくんに好意を持っているけど、血が繋がっていると思っている恋歌ちゃんは好意を隠している感じです。ちなみに兄の彼女である千世子ちゃんとは親友です。…うん、これチョコレートのCMだよね?ドロドロの昼ドラじゃないよね?

 なんかとてつもないCMを撮ることになってしまいましたが、評価はSでした。千世子ちゃんの演技も見れたので経験値を多く稼げました。

 

 では撮影も終わりましたし、日常パートに行きま…

 

 >貴女は百城千世子に呼び止められる。

 

 …日常パートに行きます。

 

 >百城千世子が少し息抜きにバナナジュースでも飲みに行かないかと誘ってくる。

 

 日常パートに!行きたい!です!

 

 >貴女は考える。今から学校に行っても、勉強する時間はあまりない。ならバナナジュースを飲みに行っても良いのでは?

 

 お前、勉強しろよぉ!!?『知力』Lv1だぞ。小学生レベルの癖に何サボろうとしてんだ。いやもっと低いか…?兎も角、学校に行きませんか!?

 

 >貴女は満面の笑みで行く、と答える。

 

 …えっとこれもまた日常パートになりませんかね?ほら、女子高生の日常ってことで…

 取り敢えず、恋歌ちゃんが勝手に行くを選択してしまったので、バナナジュースを飲みに行きます。

 

 >スタジオから近い場所のバナナジュース専門店に百城千世子と行くと、夜凪景と朝陽ひなにばったり出会う。何故か寒気を覚える。

 

 あ、景ちゃんですね。ひなちゃんと仲良くなれたみたいで良かったです。これで居場所作りは殆ど完了しましたね!後は天知さんの仕掛けとリョーマくんのお手伝いだけすれば、このパートは暇になります。

 ただ恋歌ちゃんが謎の寒気を覚えていますね。風邪かな?知力底辺の癖に風邪を引いたのか?

 

「…恋歌、学校をサボって千世子ちゃんとデートかしら」

「夜凪さん、それは誤解だよ?撮影が終わってから、私とバナナジュースを飲みに行こうって話になっただけ」

「そう。じゃあ恋歌、ひなと私と一緒にカラオケに行きましょう?」

「え、え?もしかして、百城千世子…?」

「あれ?私の名前が無かったけど、もしかして夜凪さん、私の事省いた?」

「省いた訳じゃないわ。でも千世子ちゃんは忙しいでしょ?」

「今日はもう暇だから。私もカラオケに行きたいなぁ?ねぇ、いいかな」

「わ、私!?…べ、別にいいけど」

「ひな!?」

 

 >貴女は人数分のバナナジュースを注文し、全員に渡すが夜凪景と百城千世子はカラオケに行くまでずっと喋り続けている。

 

 仲がいいですね。百合SSとか作られるくらいに千世子ちゃんは景ちゃんに執着してますし、景ちゃんも千世子ちゃんのこと意識してますからね。恋歌ちゃんハブられてて可哀想…

 

 

「…あの頭鬼、さ。この間のことなんだけど」

 

 >カラオケのドリンクバーを取りに行っていると、唐突に朝陽ひなに話しかけられる。貴女は首を傾げながら、彼女の言葉を待つ。

 

「あんた達のこと勘違いしてた。ごめん」

 

 ひなちゃんから謝罪頂きましたね。ということはそこそこの関係値になりますねこれは。

 

「恋歌って、呼んでもいいかな?そっちは今のひな呼びでいいからさ」

 

 >貴女は勿論、と返し2人で笑い合う。

 

「…恋歌ちゃん、楽しそうだね。私たちがこんなに言い争ってるのも忘れて」

「…複雑だわ。恋歌に友達が出来たことを喜ぶべきなのかひなと仲良く喋っていることに嫉妬するべきなのか…」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 『努力は報われる』。そんな言葉が生まれたのはいつなのか。そんな戯言を吐いたのは誰なのか。実際は、『努力は報われることもある』の間違いだ。努力したら必ず報われる訳でもなく、裏切らない訳じゃない。

 

「おい、リョーマ!大丈夫か?!」

 

 そうじゃなきゃ、オレがこんな目に遭うのはおかしいだろ。幼少期から野球に打ち込んできたオレが、野球に愛されていると思っていたオレが、肩を壊すなんておかしいじゃないか。

 

「ねぇ、知ってる?野球部の花井君がさ…」

「あー知ってる。肩やったんでしょ?可哀想だよね…」

 

 他人に同情されることが辛かった。何にも知らない奴らから哀れまれているが嫌だった。仲間たちに励まされるのが悔しかった。オレの今までの努力は無駄だって言われてるようで…

 

 気が付いたらタバコとかに手を出して、努力って奴から逃げていた。部活をやっていた時に気をつけていた体調とかも考えないようにした。

 家族も仲間も教師も期待してたのは野球部のエースであって、オレじゃなかった。野球部のエースに成れるなら、誰にでも期待してたんだ。オレという個人には一切興味が無かった訳だ。

 そう考えると馬鹿らしくなって、野球なんて…と考えて拳を強く握り締める。本当は諦めたくなかった。本当は仲間と共に甲子園だって行きたかった。

 

「…なんでオレだったんだろうな」

 

 才能に胡座をかいてたなら納得出来る。なのに、頑張っていたはずのオレが選ばれて、突然に普通の高校生になってしまった。憧れにすら手が届かなくなった。どう頑張っても届かない所まで落ちてしまった。

 オレが報われなかった理由なんて見つからなくて、自棄になって居た時に…あいつを見かけた。

 

「おい、お前部員探してんだろ?コーラ買ってこいよ。部室で待ってるからウィンウィンだろ?」

 

 映像研究部を立ち上げようにも部員が居なくて、困っていた吉岡に話しかけたのは気紛れだ。丁度、コーラが飲みたかっただけだ。他に理由なんて無かった。

 あいつは本当に映画が好きみたいで、オレは部室のソファに寝転びながら適当に聞き流していたが、構わずにずっと喋っていた。その顔は野球をやっていた時のオレに似ていた。好きな物の為に頑張ろうとする奴の顔だった。

 

 

 この世には3種類の人間が居て、オレはその中でもクズな人間だ。努力することを諦めた人間。たった一つの挫折をズルズルと引き摺る愚か者。

 なら、他の2種類の人間の邪魔をしてはいけない。…出来ることなら後押ししてやらなきゃいけない。

 

「で?手助けしてくれんのかよ、頭鬼」

「勿論だよ、リョーマ君」

 

 文化祭で映研は上映を禁じられた。だからオレが何とかしようと思った。撮影には一切参加してないからこそ、ここで何かしなきゃ行けないと思った。

 機材のことはよく分からねぇ上に屋上の許可も取っておらず必死に考えていたオレに話しかけてきたのが頭鬼恋歌だった。許可証と屋上の鍵をオレに渡し、機材の準備を進める。そんな彼女に準備の手伝いをしながら聞いてみる。

 

「なぁ、頭鬼は…想像出来るか?ある日突然、普通の高校生になっちまった自分が」

「…」

 

 頭鬼は手を止めて、こちらを見る。多分、こいつや夜凪には想像出来ないだろう。今も尚走り続けている奴には分からない世界だから。

 

「想像出来ねぇよな」

「…うん、私には想像出来ないな。私はどんなことが起きても必ず女優になるから。たとえ死んでも私は女優になるよ。だって、千世子ちゃんと約束したからね。一緒の舞台に立つって」

「へぇ…?スターズの天使と?」

「うん」

 

 頭鬼は嬉しそうに頷く。機材の用意を終えると立ち上がり、リモコンをオレに渡す。

 

「これで再生ボタンを押せば、投影されるから」

「ん、サンキュー」

「それじゃあ、私、もう行くね」

 

 そのまま屋上から出ようとした頭鬼が立ち止まる。忘れ物か?と思ったが、そこから動かないので違うようだった。彼女は少し考えてから口を開く。

 

「リョーマ君、ありがとう」

「…オレは何もやってねぇけどな」

「景ちゃん達のために立ち上がってくれたじゃん」

 

 違う、オレはオレの為に動いたんだ。頑張れない奴は頑張ってる奴と頑張ろうとしている奴を応援することしか出来ない。オレは自己満足の為に動いたんだ。

 

「リョーマ君が景ちゃん達のためにやった事じゃなくても結果的にそうなったんだ。だから、ありがとう」

「…ならお前にも感謝しないとな」

「どういたしまして。後はよろしくね、リョーマ君」

 

 元気に手を振って帰っていく。さて、後は人が集まったタイミングで流すだけだ。

 …頑張れない奴でも役に立てることがあるんだな。

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