アクタージュ 暗殺者(になるはずだった)ルート   作:朕好こう

4 / 55
死ガ二人ヲワカツマデ

 どういうことだってばよ。なんで恋歌ちゃんも一緒にアキラくんの車に乗ってるんですかね。暗殺者ルートって知ってる?

 

 >貴女は何故、自分も呼ばれるのかを星アキラに尋ねた。

 

「…1人が辞退した。それが夜凪景君の枠だ。君は分からない」

「恋歌、折角役者になれるのに嬉しそうじゃないわ。どうして?」

 

 胃が予想外のことで死にそうだからですね。まじかよ、本当になんでだ?オーバーフロー取ってたからか?暗殺なんてしようとしてたからか?そりゃ、最終的にはアゾットするつもりでしたけど、今天罰は流石に先読みしすぎじゃないですかね。

 

 >貴女はそうかな?と首を傾げる。嬉しくない訳では無いけど、予想外だったから頭が追いつかないのかも、と言うと星アキラも頷く。

 

「まぁ、そうだろうね。急に訪問したのは申し訳ない」

 

 イケメンに謝られるとムカつきますね…あ、景ちゃんの何言ってるんだ発言が出ましたね。アキラくんはさぞかし困惑してるでしょう。イケメンが困惑しているの見て飯が美味い!

 

 そうこうしている内に着きましたね。最終審査です。お題は“無言劇(パントマイム)”。声を使わずに仕草だけで表現する非常に難しいものです。青い人達とか有名でしたね。1回だけしか見た事ありませんが、やはり仕草だけで人を魅了するというのは感嘆の一言ですね。

 

 >貴女は星アリサと目が合う。眉間にシワの寄った目で射抜かれ、少しだけ緊張する。

 

 ぶっ!?すみません、お茶吹き出しました。やばいですね、ラスボスに目をつけられました。彼女は星アキラの母親であり、スターズ社長の星アリサさんです。暗殺者ルートでは最難関、側近のスミスも強いですが彼女自身が強いです。警戒心も高くて、護衛も強いとかやめてくださいよ。

 

 そんなラスボスに目をつけられましたね。これ、やり直していいですか?あ、駄目ですか。

 

 よぉし!このオーディション頑張って落ちるぞぉ!暗殺者ルートとかやめて、幸せに暮らそうな!犯罪良くないよ、良くない。

 

「あなたたちの目の前には1匹の野犬がいるわ」

 

 始まりましたね…まぁ演技中はあんまり弄れないので見るだけです。

 

 終わりました…地獄の時間でしたね。評価はS。HAHAHA、Sってあれでしょ?俳優ビルドの中でも最高峰の人がとるやつのひとつでしょ?もういやだぁ……

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 野犬を見た事のない私は困惑した。未体験の事は私に“思い出す”ことは出来ないから。その時だった、ヒゲの男が言葉を発する前に…彼女が、恋歌が臨戦態勢を取った。そしたら、他の人達にも伝播したかのように動いた。まるで魔法のように。状況が一変した。

 

 野犬の輪郭が見え、私の家族と大切な人を襲う前に殺らなきゃと思った。恋歌に野犬が飛び掛った!私はそれを止めようとしたけど、一歩足りなくて、恋歌の綺麗な肌に傷が付いた。痛みで彼女は顔を顰める。

 

 許せない、怒りに駆られルイとレイに向かうまた私から大切な人を奪おうとする野犬の顔を思い切り踏み潰した。

 

 死ぬまで、やらなければルイとレイ、そして恋歌がやられると思い足をもう一度上げるとルイとレイに手を握られ、我に返った。

 

「そうだった…お芝居だった」

 

 瞬間、拍手が鳴り響く。皆が私の演技を褒めてくれた。けれど恋歌を褒める声は聞こえなくて、少しだけモヤッとした。

 

「恋歌、大丈夫だった?」

 

 座り込む彼女に手を差し伸べると笑顔で手を取ってくれる。彼女のその笑顔は私の“幸せ”で、ここにいる名前も知らない人達の笑顔とは比べ物にならない幸福感を齎す。

 

 あぁ、今回のは演技だったけど、もし貴女のことを傷つけるやつが居たら私は許さないわ。そいつのことを地の果てまで追いかけて××してまうと思う。

 

 恋歌の温かい手をいつまでも握っておきたいと思いつつ、ずっと握るのは恥ずかしさもあって離してしまう。名残惜しいその手がいつか自然に繋げたらいいなと思う。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。