マルクの異世界物語~タバサのTS物語外伝~   作:ディア

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どうもご久し振りな方はご久し振り、久し振りでない方はいつもご拝読ありがとうございます。



第1話

 ここはどこだろう? 確か、大量に絞り取られたのが原因で下の棒が起たなくなってしまったからシルフの故郷に来て治療したんだ。その治療を終えた後にシルフと一旦別れ……その後が思い出せない? 一体どうなっているんだろう。

 

「そ、そんな馬鹿な……雪風のタバサが人間を召喚したぞ!」

 

「しかも服装以外そっくりだ! ドッペルゲンガーだ!」

 

 目の前に女子制服を着た僕そっくりの少女が現れる。しかしどこかで聞いたことのある声が聞こえるな。

 

 状況を確認するために目を動かし、あたりを見渡す。そこには僕の奥さんのうちの一人がいた。だけれどもその女性は制服を着ていてしかも僕よりも若い。もしかしたら僕達の子孫なのかな? 

 

 

 

 そんなことを考えていると僕の懐刀が口出ししてきた。

 

『馬鹿なこと言ってんな坊主』

 

 地下水。どういうこと? 

 

『目の前にいる嬢ちゃんの魔力は坊主そっくりだし、あそこにいるキュルケもキュルケそのものだ』

 

 じゃあ、あそこにいるのはキュルケだってこと? そこにいる青髪の少女も僕だってこと? 

 

『おそらくだが、ここは俺達のいる世界とは別世界だ』

 

 別世界か。それにしては僕の知っている面子が勢揃いだけど。

 

『ああ。詳しく言えば平行世界ってところだ。何か条件が違って別ルートに行った世界……おそらく坊主が嬢ちゃんになった世界がここだろうな』

 

 それだけじゃなさそうだよ。もしも僕がシルフじゃなくこの娘を召喚したら生徒達の反応はどうなっていたと思う? 

 

『そりゃおめえ……あー、そういうことか』

 

 お察しして何より。どうせ彼らのことだから「百合ktkr」とかそんな風に反応する筈だ。ところがそれが全くないと言うことは──

 

『つまり、この世界は変態が少ない正常な世界だってことか』

 

 そういうこと。それよりもどうする? 向こうの世界でも平民のサイトや人の姿のシルフが召喚されて大騒ぎになったのに、ガリア王族の僕が召喚されたとなったら外交問題だよ。

 

『じゃあこうしようぜ。まずはじめに──』

 

 地下水の作戦に僕は賛同した。

 

 

 

「はじめまして僕の名前はマルク。君が呼んだのかな?」

 

 マルクの名前は僕がかつてタバサという偽名が使えなかった時の偽名。その偽名を使って目の前の少女、タバサに近づくと頷いた。演技の時の僕よりも無口なようだ。

 

「貴女は何者?」

 

 やっぱり彼女は僕のことを女の子だと思っているね。いくら男物の服を着ているとはいえ、女顔でかつ華奢な体つきだから当たり前と言えば当たり前なんだけど成長出来てないようで嬉しくない。

 

 

 

 魔法学院に入学して以来僕の容姿はほとんど変わらず、変わったのは身長だけという有り様。その身長も女子で一番小柄なルイズの入学当初よりも少しだけ大きくなったくらいだもん。

 

『もっともあのピンクの嬢ちゃんには永遠に追い付けなかったけどな』

 

 ……確かに僕の身長はルイズに突き放される一方だったけど、それを言わないでよ地下水。

 

 ルイズはあの後、劇的に身長が伸び身長に関しては入学当初のキュルケと並ぶくらいになったけど、胸が全くと言っていいほど成長しなかった為に時々アンと一緒にその事について愚痴を聞かされる。

 

 

 

「僕について詳しく話したいのは山々だけど、それを話すには少し人が多すぎる。後でゆっくりと話そう」

 

「ん……」

 

 僕達のとった作戦は学院内でのシルフのように対応するということだ。僕と一緒にいる時のシルフは滑稽だったけど学院内ではサイトとともに二大男装女王とまで呼ばれる程度には人気で女子生徒達を男装の道に歩ませた。それと同じ対応をすれば僕の印象も変わる筈だ。

 

 断言が出来ないのは僕の容姿が中性的とかそんなレベルじゃなく女の子そのもので、シルフのようにはなれないからだ。

 

 

 

「そう言うことだからミスタ。このタバサ女史の使い魔契約について話があるので学院の方に先に帰らせて貰います」

 

「あ、はい。わかりま……いや少し待って頂きたい」

 

「何でしょうか?」

 

「何故、貴女はミス・タバサのことを知っているのですか?」

 

「生徒達の話を聞いたんですよ。僕はこう見えても風のスクエアですから」

 

「な、なんと……! その歳でスクエアですと!? いやその前にメイジだったのですか!?」

 

 もしかして15歳だと思っている? いやそれ以前に平民だと思われていたのか……確かに杖らしきものはなく、変わりにあるのは地下水という名前の短剣と杖剣だけだ。学院時代まで使っていた長杖は速度重視の僕の戦闘スタイルに合わせる為に形式上や儀礼上でしか使わなくなった。それ故にここにはない。

 

「ええ。尤も貴族ではありませんのでお気遣いなく」

 

 少なくともこの世界の貴族ではない。今の僕はマルクという貴族崩れの傭兵の青年と言うことにしている為に嘘は言っていない。

 

「いえ、詮索してしまい申し訳ありませんでした。ではミス・タバサ、先に学院の方に戻るように」

 

 タバサがそれに頷いて、フライを唱え学院の方に戻っていった。この世界のタバサは本当に喋らないし無表情だね。

 

 

 

『まあこれで第一段階は完了だ。次はあの嬢ちゃんに説明だぜ』

 

 そうだね。なんなら地下水が僕のことを説明して、彼女の記憶を読み込んでおけば互いに情報交換が出来るよ。

 

『だな。俺の存在はあまり知られたくないがあの嬢ちゃんの持っている情報は俺達の情報の価値よりも高い』

 

 歴史とかそう言ったものを知るには図書館でもいいけどガリアの情勢とかそう言った類いの情報は彼女でしか手に入らないし。それにいくらでも僕達の記憶を捏造することくらい出来るでしょ? 

 

『坊主腹黒いな。いつか刺されても仕方ないぜ?』

 

 僕はガリアの王族、それも王位後継者第一位だからいつ刺されるどころか暗殺されても仕方ない身分だけど。だからこうして杖を変えてまで戦闘に特化させたんだよ? 

 

『そういやそうだったな。坊主は王族よりも魔法戦士が似合うな』

 

 魔法戦士……カッコいいじゃんそれ! 今度から魔法戦士って名乗ろうかな。あ、でも魔法戦士って戦うメイジのことだからそんなに意味ないのかも? 

 

『まあ、んなことはどうだっていい。早くしないと嬢ちゃんがキレるぜ』

 

 あ、そうだった。それじゃ行こうか地下水。

 

『おうよ!』

 

 

 

 しかし僕は肝心なことを忘れていた。僕はシルフの故郷でEDを治療する際に、自分の身体の一部が風韻竜になっていて、それが身体に付着している僕の息子を活性化させている。その副作用として魔力が過剰なまでに膨大になっていてコントロールが出来なくなっていた。

 

「フライ」

 

 その呪文を唱えた途端、僕は遥か上空へ旅立った。

 

 

 

 

 

 悲鳴すらも上げられずただひたすらに上空に行く僕と地下水。これを止めるにはイメージだ。

 

『坊主、過剰に魔力を送り過ぎだ! もっと抑えてくれ』

 

 ゴメン地下水、抑えてもこれなんだ。空気の塊に乗る感じでいいかな? 

 

『だぁぁ、聞いちゃいねえ! だけど結果オーライだ。あのまま空の果てに行っていたら燃え尽きていたぜ』

 

 燃え尽きていたとは物騒な話だね。しかし上空になるに連れて燃え尽きる前に窒息するかもしれなかった。

 

『危ないところだったな……しかし坊主、意図していきなり魔力をあんなに送り込んだって訳じゃなさそうだな?』

 

 もしかしたら僕の魔力が大幅に増幅されているのかもしれない。今回のことを含めてこれから僕が魔法を出す時過剰に出しすぎる可能性が高いから制御出来るようにしないと。

 

『俺も協力するぜ。俺としても坊主が死んだらデメリットしかねえし、何よりも……あのハーフエルフが恐ろしい』

 

 そう言えば地下水の天敵だったのを忘れていた。




ちなみにゼロ魔の世界では魔力ではなく精神力ですが、魔力表記とさせて頂きます。

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マルクの女装シーンはどのくらいの頻度がいい?

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  • 数話につき一回
  • 2話につき一回
  • 1話につき一回
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