遅くなった理由は仕事が忙しかったのと、他の小説を書いていたら遅くなり、ご迷惑をおかけしました。
光に包まれた僕は図書室どころか屋外にいた。
「またか」
これで二度目となる絵本によるタイムスリップ。一度目はブリミルが衝撃的な性癖の持ち主なお陰で何もかもが動揺してしまったけど、二度目となれば流石に慣れてしまう。流石にアレを超える出来事なんてないからね。
「おや……起きたかい?」
「Mの人!」
「いきなり初対面の人に失礼だね君は!?」
ブリミルと言えばドM。それは僕の世界の話であって、この世界のブリミルはどうなんだろうか。そんな事を考えていると思わず声に出してしまった。
「だってMっぽいし」
「初対面の人に初めて言われたよそんな事!」
「初対面の人に変態行為を見せつけられた僕の気持ちがわかる!?」
「逆ギレ!? そんなことを僕に言わないでよ!」
それはごもっともだ。でも異世界の貴方は変態そのものだったよ。それに所詮これは絵本の中の登場人物だ。僕が干渉したとしても何も怖くない。
「そんな事より、弟子のフォルサテは?」
あの人がいるだけで会話が倍進むんだけど。
「そんな事って……それに僕は弟子なんかいないし、僕の知り合いにフォルサテなんていないよ」
「ん?」
それはおかしいな……もしかしてこの世界は常識人のフォルサテがいなかったからブリミルがまともになった世界みたいだ。
「それに君の名前は? 僕の事を知っているみたいだけど名を名乗らずに一方的にまくし立てるなんて失礼じゃないかい?」
何てこった……(異世界では)非常識人のブリミルからそんなことを言われるとは思わなかった……
「僕の名前はマルク。別の世界の貴方の子孫にあたる」
「別の世界とはいえ僕の子孫がこんな非常識人なんて嫌だぁぁぁっ!」
「ちなみに別の世界の貴方は僕ですら霞むほどの非常識人&変態だよ」
「聞きたくない聞きたくない!」
事実を告げるとキャラ崩壊を起こし耳を塞ぐブリミル。仕方ないよね。別の世界の僕が変態ドM野郎って知ったら嫌になる。……僕は違うのかって? 僕は変態でもドMでもないから違うよ。この世界を知らない非常識人ではあるけど。
「絶対に子孫の教育は間違えない……」
その一言が始祖ブリミルの始まりであった──なんて書かれるんだろうな。世界に影響していれば。
「そう言えば、サーシャはどこにいったの?」
二人はなんだかんだいいつつも仲が良かったからね。それだけに解せない部分も多数あるけど。
「何故サーシャのこと……ああ、僕の子孫だからか」
貴方の子孫でもサーシャを知っているのはごく一部だけだよ。子孫で知っているのは僕、ルイズ。その他の人間だとサイトのみだけだ。
「ちなみにそのサーシャはSの人」
「うわぁ……確かにサーシャの本性を知っている君が僕のことをMの人と言うのは納得だよ。顔を真っ赤にさせて蛮族とうるさいし」
ルイズみたいな感じかな? ルイズはテレると「うるさいわね!」と顔を真っ赤にして怒るしね。
「女の子の扱いは気をつけてね。僕も大変だったからわかるよ」
「君から謎の説得力があるのは何故だろう……」
それは僕がハーレム築いているからね。……うん、見栄はり過ぎた。あれはハーレムというよりは巨大なケーキをシェアされているような感じ。
「ところでマルク君、君は異世界の僕の子孫って言ったよね?」
「聞きたい? 子孫がどうなったかって?」
「勿論。何せ、異世界とは言え僕の子孫なんだ。その話を聞く価値はある」
「ブリミルは偉大なる始祖として称えられ、エルフは畏怖されるようになる」
「何がなんでそうなったの!?」
ブリミルの疑問も尤もだ。だけど言える訳がない。
タイムスリップの経験もある僕の世界のサイトこと彩人が言うには、ブリミルは子供が出来た後、着けたら死ぬまで外れない呪いがかかった貞操帯を、ブリミルのことを快く思ってなかったエルフに嵌められてしまいそれ以降エルフと敵対するようになったらしい。
それだけなら下らない理由でエルフと敵対勢力になっただけだけど、質の悪いことにエルフは先住魔法──精霊魔法の使い手でありとあらゆる攻撃を弾き返してしまう魔法を使うことが出来る。それ故にエルフは畏怖され、恐れられる存在となってしまった。
後半部分はなんとか誤魔化せても前半は誤魔化せる訳がない。それ故に次のことを語る。
「そしてブリミルの子供達はガリア王国、アルビオン王国、トリステイン王国、ロマリア王国を立ち上げた」
「王国か……それにしてもガリアは縁起が良いとしても、トリステインなんて名前をつけるなんて何か悲しみでもあるのかい?」
悲しみはあると言えばある。主に王家の
トリステインの王の父系であるトリステイン貴族はヴァリエール公爵くらいのもので、国王候補に名前が連ねていることからそれがわかる。結局僕の世界では僕が王代としてトリステイン王国の政治をやることになった訳だけど。
「そのうちロマリア王国はハルケギニアの宗教になったブリミル教に乗っ取られ、ロマリア共和国に名前を変える」
「ぶっ!?」
更に吹くブリミル。そりゃ自分の名前が入った宗教に自分の子孫が作った王国を乗っ取られたらそうなるよね。
「しかし直系で残っているのはアルビオンとガリアの王家のみ。トリステインはアルビオンから婿入りした王子が国王として君臨していた」
「していた、ということはもう亡くなったのかい?」
「その通り。そのトリステイン国王が亡くなり国王不在が何年も続いているのが現状。いるのは王妃と王女のみという有り様で、トリステインの領土のほとんどがポッと出の帝国に奪われてしまう」
トリステインの歴史上、文化だの伝統だのとこだわりが強いのもあり、女王はほとんどいない。
ガリアでは王子が余りにも幼いからという理由で死んだ王の母であり王子の祖母である太后妃が息子の跡を継ぐ形で女王になった経緯がある。これは歴史的に見ても稀有な例だけど、その女王は孫が大きくなったらさっさと隠居している。
だからか伯父様はそれを引き合いにして僕にガリアの政治を任せて隠居しようとしているが、無理だった。理由は伯父様が外交に優れすぎた国王だからだ。エルフとの外交にあれほどまでに成功したのは歴史上どの国王もおらず隠居しようものなら返って国王やらされる期間が伸びてしまうだけで無意味なものとなる。
少なくとも僕にあれほどの外交力を身に付くとしたら100だか300だか生きているオールド・オスマンくらい長生きしないとならない。つまり実質不可能ってことだよ。いくら10代の頃から見た目がほとんど変わっていないとはいえ、寿命が100歳以上ということはないからだ。
「なんてことだ……」
「そして現状、トリステインはガリアの属国扱いになっている」
それから僕が辿った未来ではオルレアン領と共に僕の支配下に置かれてしまう。しかしこの世界ではタバサこと僕に該当する人物が女の子だからどうなるかわからない。
もしかしたらトリステインの属国扱いは免れるかもしれないし、伯父様が支配してしまうかもしれない。まあ伯父様の外交力を考えれば後者になる可能性が高いと思うけどね。あれに敵う外交力の持ち主がいたら引き抜きたいくらいだ。
「そうかい……なんとも悲しいことだ。最後に聞くけど君達の世界は平和だったかい?」
「僕が生きている間は平和な事が多かった。伯父が6000年仲違いしていたエルフと仲良くしてくれたからね」
「それは良かった……さあ、もう時間のようだね」
そう言われ身体を見ると身体が透け始めていた。
「じゃあブリミル、サーシャに言っておいて。人間達と仲良くするようにと」
「そう伝えておくよ。僕としてもエルフと人間が6000年もの間険悪になるのは嫌だから」
そうブリミルが声を出すと共に僕の姿が消えて、学院に戻った。
「起きたかしら?」
そう言って顔を覗いて来たキュルケと、それに並ぶタバサ。
「やあ、ここまで運んでくれてありがとう。迷惑かけたね。でも大丈──っ!?」
その瞬間タバサの巨大な杖で僕の頭を叩かれ、悶絶する。
「私だけでなくキュルケにまで迷惑かけた罰」
そう言い放ち地下水を渡すタバサだが僕は一切聞いてなかった。拷問という分野において彼女はスペシャリストらしく、普段は狩りをする関係で痛みに慣れている僕ですら悶絶しているからだ。
「おぉぉぉ……目がチカチカする……」
「タバサ、やり過ぎは良くないわよ」
「ん、反省」
タバサが頭を下げ、それが認識出来たのは奇跡だった。
アンケートご協力ありがとうございました。今回は女装シーンはありませんが出来るだけ増やしていこうと思います。……次回も出来なかったよ。次回はクリスマスイブに予約投稿しています。
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マルクの女装シーンはどのくらいの頻度がいい?
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なし
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数話につき一回
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2話につき一回
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1話につき一回
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上記以上