アイアンメイデンは「ぎゅっ」てしたい   作:微 不利袖

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今回はちょっと書きたい子がいたのでそちらを。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


12、小鈴をぎゅっ

 

 

「こうして、人々の平和は英雄の手によって守られたのでした...めでたしめでたし、と」

 

 

在り来たりなクライマックスを終え、お話の幕が降りる。周りからは手を叩く音と、わー、なんて言う可愛らしい声が聞こえてくる

 

ここは人里にある貸本屋さん。今は里の子供たちにお話を読み聞かせてあげていたところ。んー...いっつも反応がかわいいんですよねー

 

 

「はい、今日のお話はこれでおしまい。次はまた明日、ね」

 

 

名残惜しそうな顔をする子たちもいるものの、しばらくすると子供たちは皆元気よく手を振り、ばいばーい!と声をあげて、それぞれ自分の家族が待つ我が家へと帰っていった。店の中からひらひらと手を振っておく

 

 

「お疲れ様です。これ、どうぞ」

 

「ありがと、小鈴ちゃん...んー」

 

 

店の奥から御盆にカップを一つ乗せこちらに来て、労いの言葉を掛けてくれるのはこの貸本屋、鈴奈庵の看板娘...小鈴ちゃんですね。目の前に置かれたカップに感謝の意を述べ、ぐぐーっと伸びをひとつ...ふぃー

 

 

「今日も多分ですけど...外界のお話、ですよね...?」

 

「んー?そうだねぇ...子供たちの食い付きも良くっていっぱい話しちゃったや」

 

 

ずずーっと出された珈琲を飲み、他愛ない会話を交わす。子供たちも、何回も聞いたようなお伽噺じゃ飽きちゃうだろうしねー。それに...

 

 

「私も!外の世界のお話聞きたいです!」

 

 

小鈴ちゃんの食い付きも良いんだよねぇ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あのー...」

 

「んー?どうかしたの?小鈴ちゃん」

 

 

今日はいつも子供たちにお伽噺を聞かせに来てくれる、外界に詳しい常連さんに外の世界のお話を、と思ってたんだけど...

 

 

「こ、このまま話すんですか...?」

 

 

いつの間にやらちょこんと常連さんの膝の上に...あ、あの!もうそんな年齢じゃないんですが!?

 

 

「あれ?一日一回、先着一名さま限定の特等席なんだけど...こういうの、イヤ?」

 

「えっ...いや、そう言う訳じゃ「よーし!じゃ、このまま話しちゃおーっ、と!」えぇーっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...とまあ、こんな感じかな...どう?面白かった?」

 

「ほえー...あ、はい!とっても!」

 

 

んー、小鈴ちゃんはいっつも反応が良いからいっぱい出ちゃうなぁ...あ、話題がね、話題話題

 

それにしても、ちっちゃくて可愛いなぁ...今は所謂、あすなろ抱き?ってやつしてるんだけど...お話に夢中で意にも介さず。堪能してます、少女との密着...すーはー、くんかくんか。こんな可愛い娘がいい匂いじゃない訳無いじゃないか!!いい加減にしろ!!すき!!

 

 

「他に何か聞きたいおはなしある?」

 

「他、ですか?んー...あ!」

 

 

お、何かな何かな?おねーさんなんでも話しちゃうぞ?

 

 

「常連さんのこと、知りたいです!」

 

 

...ん?プロポーズじゃん。ちょっと待ってて、モリチカに指輪作って貰うから...あー、式は洋式かなー、小鈴ちゃんのウェディングドレス姿は見たいし。でも和装も捨てがたいなぁ...二回挙げよっか、式。小鈴ちゃんの為ならおねーさん頑張るよ!!...あ、違う?...しゅん

 

 

「私のこと...じゃ、ちょっと待っててね」

 

「え?あ、はい...っとと」

 

 

膝の上から小鈴ちゃんを降ろし、すたすたと連なる本棚の一画へと...確かここら辺りに、と...あったあった。お目当ての本を取り、小鈴ちゃんの元へ戻る

 

 

「?...外来本、ですか?」

 

「そ。それじゃ...」

 

 

椅子に座り、膝をぽんぽんと叩く。ちょっと頬を赤らめつつも、観念したようにさっき同様私の膝の上へ...んー...イイね、スゴく

 

 

「えっと、どこだったっけ...」

 

「この本は...え」

 

 

ぱらぱらと捲る本の表紙には、世界の拷問器具10選、なんていう物々しいタイトル。外の世界じゃこんなのが売ってるんだねー、物騒やんなー

 

 

「お、あったあった」

 

「...アイアンメイデン...?」

 

 

捲る手が止まり、お目当てのページ...そう、私の昔...って、もうちょっと可愛く書いて欲しいなー

 

 

「これ、私」

 

「へ?」

 

 

あー、間抜けな声出しちゃってかーわいー...ま、そんな声も出ちゃうよね...

 

 

「びっくりした?...付喪神って、分かる?」

 

「...常連さんは、悪い方...ですか?」

 

 

...ちょっと震えてる、仕方ないよね。昔はあんなだったし、怖いよね?...でも

 

 

「!...常連、さん...?」

 

「んーん。私は...人のことが好きな、変わり者だよ...」

 

 

ぎゅーっと少し強く、小鈴ちゃんを抱く。人の温もりは、ちゃんとそこにある...

 

 

「...なんで、話してくれたんですか?」

 

「んー?秘密は良くないからね。今度からは、付喪神のおねーさんとして、来ても良い...かな?」

 

 

いつの間にか、震えは消えていた...そして

 

 

「勿論です、常連さんは...常連さん、ですから」

 

「!...ありがと」

 

 

ほんと、良いお嫁さんになるね...

 

 

「小鈴ー、まだ開いてるー?この前借りた本...って、あんた、こんな所にまで...」

 

「あ、霊夢ちゃん。やっほー」

 

「れ、霊夢さん!?いや、あのこれは...!」

 

 

むー、人と付喪神との新たならぶすとーりーが始まりそうだったのになー...なんてね

 

 

「さっさと小鈴のこと放しなさいよ。さもないとこの推理小説の犯人、バラすわよ」

 

「な!?ダメ!!それはダメだって、霊夢ちゃん!!」

 

「犯人はー、隣の「わー!!わー!!分かったからー!!」もう...小鈴、これお願いね」

 

「...ふふっ、はい!」

 

 

 




リクエスト、活動報告にて随時募集中です。えー、咲夜さんと美鈴さんに関しては、どうやって「ぎゅっ」ってするか考えております故に、少々お待ちくださいな。それでは、また
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