アイアンメイデンは「ぎゅっ」てしたい   作:微 不利袖

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第2話です...それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


2、魔理沙をぎゅっ

 

 

からんからん

 

 

「ん、いらっしゃ...なんだ、君か」

 

「お邪魔しますよ、モリチカ」

 

 

拾い集めた外界からの道具たちをのんびりと眺めていた昼下がり。滅多に鳴らないドアベルが久しく音を鳴らし来客を伝える。...が、訪れたのは見知った顔。今回もお客さんではないようで...

 

 

「...まだ来ていないよ、まあそろそろ来る頃だろうけど」

 

「ふふん、心配ご無用。私のタイムテーブルは完璧ですよ、さてさて...」

 

 

お目当てはここの商品ではなく、ここに良く顔を出す知り合いの魔法使い。どうやらここに来る時間も把握しているようで...良くやるよホントに。手口は基本的に不意討ちらしく、今日は扉の脇にしゃがみこんでいる。

 

ふと窓の外を見ると...うわぁ、ホントに分かってるのか、流石に気持ち悪いな。件の魔法使い...魔理沙の姿が見えた。今日も店が騒がしくなりそうだ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬱蒼と生える木々の合間を抜け、私は目的の場所へと降り立つ。おっとと...今日は鉄屑やらで飛ぶのも一苦労だ。...さて

 

 

「...今日は居ないみたいだな、ったく」

 

 

一通り店の周りを見回し、ヤツが居ないことを確認する。よし、大丈夫そうだ。前は店の陰から突然だったが、不意討ち以外なら対処はできる。

 

売り払う鉄屑を詰めた袋を担ぎ、満を持して扉を押し開ける。聞き慣れたドアベルが私の入店を歓迎しているようだ。

 

 

「よっ、香霖。今日は持って来てやったぞ」

 

「...すまん、魔理沙」

 

「は?」

 

 

気さくな挨拶に対して一拍おいて飛び出してきた謝罪の言葉に、間の抜けた声で返してしまう。え?なんか悪いことした覚えはあるが、された覚えはないぞ。

 

刹那、後ろから違和感と殺気にも似た嫌な感じ。否、私は知っている、この感じを。謝られた意味を理解し、身体が反応する前にその嫌な予感が現実のものになった。

 

 

「そおい!捕まえましたー!むぎゅー!」

 

「っなあ?!お前、なんで店ん中に!?」

 

「モリチカ、そこの椅子借りますねー、よいしょっと!」

 

「ぐえっ、ってか香霖お前、知ってただろ!?」

 

 

ぐあっ、と懸念していたヤツが扉の陰から突如として襲い掛かって来た。拘束され店内の椅子に座るまで、おおよそ0コンマ2。どうやら入店した時点で私はヤツの掌の上...いや、膝の上ってか、たくよぉ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は膝の上にモノクロ魔法使いの少女を載っけて恍惚に浸っている。あー、可愛い。金髪少女さいこー。すりすり

 

今はこのお店、香霖堂の店主であるモリチカも交えて、楽しく雑談中である。んふー、すべすべやんなー...すーりすり

 

 

「...おーい、聞いてんのかよお前。あとそろそろ離せ」

 

「んー?なんのお話でしたっけ...あ、やです」

 

「ちぇっ...だから、なんで香霖と知り合いなんだって話だよ」

 

 

あー、なるほど。そういえば魔理沙ちゃんには話していなかったっけ。というか、覚えてたりしてくれてるのかなぁ...。

 

 

「んー...まぁ、保護者?みたいなものですかね、ねー、モリチカ」

 

「...は?どういうことだよ、おい、香霖」

 

「まあ、あながち間違ってないけど...」

 

 

目まで白黒させて、私とモリチカを交互に見ながら、頭にはハテナマークが浮かんでいるようだ。なんかの小動物みたい......撫でちゃお。

 

 

「順序立てて説明しようか...魔理沙は付喪神は知ってるかい?」

 

「んー、なんか道具には神様がいるだとかなんとか...」

 

「それが私ですね、はい」

 

「...いや、なんでそれで保護者になんだよ」

 

「彼女は元々僕の店で取り扱ってた商品の一つだったんだよ」

 

「...は?」

 

 

モリチカがそう話してくれる。そ、元々はここに陳列されてたんですよねー、私。あ、あのお隣さんは売れちゃったみたいですね。覚えてるなー、割と。

 

 

「なんなら、魔理沙ちゃんが持って来た鉄屑の中に私いたんですよ?うりうり」

 

「やめろお前!...ってそうだったのか。覚えてないな」

 

 

頬っぺたを突っつきながらそう話す。まぁ、覚えてなくてもしょうがないかな、かなり姿も変わっちゃったし。ぷにぷに

 

 

「最初に彼女を見た時は驚いたよ。なにせ......いや、この話は止めようか」

 

「ん、なんだよ香霖。そう言われると気になるぜ」

 

「んー?構いませんよ、モリチカ。私の用途の話でしょう?」

 

 

モリチカの能力は見た道具の名前と用途が分かる、というものらしい。まあ、確かに私を見たらビックリしますよねぇ...さすさす

 

 

「私は元々、人を刺して、苦しめて、殺して...そんな道具だったんです」

 

「へ...?それってどういう...」

 

「モリチカ。説明、お願いしても良いですか?」

 

「...彼女はね」

 

 

そう、モリチカは私の昔話を思い口を開き、どこか寂しそうに語ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだったのか...お前、色々辛かったんだな」

 

「んーん、良いんですよ。今はとっても幸せですから」

 

 

少しばかり身体を抱き締める力が強くなった気がする。自分の意思に関係無く、 そんなことを強いられてきたというコイツの顔はどこか、悲しそうだった。

 

 

「こうやって、誰かをぎゅって、できるだけで幸せです...」

 

「お前...」

 

「...くんくん、石鹸変えました?」

 

「私の感動と同情を返せコラ」

 

 

...まあ、今くらいは良いか。私は観念してコイツに身体を預け、束の間のおしゃべりを楽しむことにした

 

 

 




ホントにこれだけの内容ですね。それではまた
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