バカな親友らとテストと召喚獣   作:音羽2600

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第7問:現代社会

 問 ストロー現象とは何か、説明しなさい。
   


《解答》
 坂本雄二の答え
  新幹線や高速道路などの交通インフラが整備されることによって、
  地方の活力が路線上にある大都市に吸収される現象のこと。
 

   
  教師のコメント
    正解です。
    因みに、ストロー現象の言葉の由来は
    コップに入った水をストローで口に吸い上げられる様子を例えたものです。
    
    コップに入った水 = 地方の活力
    
    ストロー = 新幹線や高速道路など

    口 = 大都市



 吉井明久の答え
  コップからストローを使って水を吸い上げる現象のこと。

  教師のコメント
    それは言葉の由来に近いですが、不正解です。。





第7話バカテスト現代社会:試召戦争の禁止

 

 

☆明久SIDE

 

 

鉄人「止まれ吉井!補修室で茶でも飲まんか?」

 

明久「嫌です!」

 

声を上げて逃げるが鉄人と僕との距離はあとわずか。

 

美波「待ちなさいアキ!」

 

瑞希「待ってください明久君!」

 

くぅ、姫路さん、体が弱いはずじゃなかったの!?

 

鉄人「観念しろ吉井。」

 

ここまでか・・・そう諦めかけた時、

 

鉄人「ぐほっ!」

 

鉄人の驚きの声と同時に僕の身体にズキッと鈍い痛みが走る。

 

これは召喚獣のフィールドバック?

 

後を確認すると僕の召喚獣に躓いて倒れている鉄人が見えた。

 

丁度いいことにその巨体が美波の足止めになっている。

 

更に後方には姫路さんが走って来るのが見えた。

 

何だかよくわからないけど今のうちに逃げよう。

 

しばらく追ってから逃げていると都合よく開けっ放しになっている窓が見えた。

 

ちょうどいいや。

 

窓枠に手をかけて一息で乗り越える。

 

何だか身に覚えがあるような部屋だ。

 

応接用と思われるソファーにテーブル・・・部屋の隅々まで身をやっていると

 

学園長「何の用だいクソガキ。」

 

 

 

△雄二SIDE

 

 

翔子「……待って雄二、逃げられないように足かせもする。」

 

さっきより一層殺気をまとった翔子が後ろから猛追してくる。

 

トランクスにTシャツを奪われて・・・

 

足かせまでされたら、俺は、俺は・・・

 

雄二「畜生ぉぉぉ―――!!」

 

暫く逃げ回っていると丁度良く隠れる場所が見つかった。

 

はあ、はあ、・・・・・・『学園長室』

 

ここなら安全だろ。

 

そう思いながら学園長室に入った、

 

学園長「何のようだいクソジャリ?ノックもなしに。」

 

雄二「・・・。」

 

学園長「何だい?人の顔をじろじろ見て?」

 

雄二「・・・何で妖怪が学園長室にいるんだ?」

 

目の前には肌をちゃいるに焼いたババアと同じ顔をした妖怪が居た。

 

学園長「出会い頭に罵倒かい!全く失礼なクソジャリだね。」

 

雄二「妖怪に妖怪と言って何が悪い。」

 

ババアと言い争っていると

 

間抜け面をしたバカが窓を超えてきた。

 

相変わらず俺らには気づかず部屋に目をやっている。

 

 

 

 

☆明久SIDE

 

 

学園長「何の用だいクソガキ。」

 

明久「さらには、奇襲で醜悪な老人のオブジェ。」

 

学園長「出会い頭に罵倒かい!

    本当に礼儀知らずなガキだね!」

 

この罵倒・・・随分と醜くなっているけどこれはやはり学園長なのだろう。

 

学園長「まったく、クソガキどもが・・・。

    二人揃って無断入室に加えて悪口とはね。

    また停学にでもなりたいのかい?」

 

明久「す、すいません・・・。」

 

しまった。謝るつもりなんて無かったのについ・・・。

 

雄二「なんだ明久。お前もここに逃げ込んだのか。」

 

微妙に本棚の陰になっていて気づかなかったけど、

 

そこには僕を犠牲にして逃げ延びようとした雄二の姿があった。

 

明久「あ、雄二。こんなところにいたんだ。」

 

普通に会話しながら近づき拳を、

 

雄二「ふん、ここならそう簡単には見つからないからな。」

 

雄二は受け止め一気に力を加える。

 

明久「あ、痛い!」

 

雄二「ふん。」

 

ぐきゅ

 

明久「うおぉおおお!!な、なんてことを・・・してくれるんだ。」

 

嫌な音と共に激しい痛みが・・・何てバカ力なんだ。

 

雄二「殴られようとされて防がないバカがどこに居る。」

 

くうぅう、仕方がない。こうなったら・・・

 

学園長「何をしているのかは知らないがね。

    ここはそうそう気安く来ていい場所じゃないよ。

    特に場をわきまえる事の知らない、

    アンタらみたいなクソガキどもに来られたんじゃ空気が汚れて不愉快だよ。」

 

いつも通りといえばいつも通りの発言だけど、

 

教育者とは思えない危険なワードが含まれている。

 

それにしても機嫌が悪そうだけど何かあったのかな?

 

明久「雄二、何か怒らせるようなことでも言った?」

 

雄二「阿呆が。

   現れるなり学園長を奇怪で醜悪で

   見るに耐えない汚物呼ばわりしたお前と一緒にするな。

   俺はなんで学園長室に妖怪がいるのかと驚いただけだ。」

 

アイ久「それは失礼だよ雄二。

    学園長だって好きで妖怪みたいな姿をしているわけじゃないんだから。」

 

学園長「・・・アンタらには一度、

    学園の最高権力者が誰かってことを教えてやった方が良さそうだね。」

 

気のせいか、学園長はご機嫌ナナメになっていた。

 

学園長「フン。

    だいたい、アンタらにだけは容姿についてとやかく言われたくないね。

    常夏コンビの二年生バージョン風情が。」

 

明久・雄二「「なんてことを言いやがるこのババア!」」

 

何てことを言ってくれるんだ。

 

よりによってあの常夏コンビと同じだなんて!

 

学園長「それでジャリども、アタシに何か話でもあるのかい?

    見ての通り、アタシは忙しいんだけどね。」

 

手元にある書類に目を落としながら学園長が言う。

 

雄二「ああ、丁度聞きたいことがあったんだ。

   さっき呼び出した召喚獣が何もしていないのに消えたんだが、何かあったのか?」

 

あ、そういえば僕もちょっと気になっていた。

 

さっきは何とかなったけど、もしもの時に再び同じことがあったら困るし・・・。

 

学園長「口の利き方を知らないガキだねぇ。

    まあ、アンタらみたいなバカどもに敬語を使えという事自体が

    間違っているのだろうけどね。」

 

なんだろう?バカにされている気がするけど気のせいだよね。

 

学園長「そいつは今起きている不具合の一部さね。」

 

学園長は淡々とはっきり答えた。

 

雄二「不具合ってのは、俺の白金の腕輪か?」

 

学園長「いいや、試験召喚システムの方さ。」

 

明久「そう言えば、最近メンテナンスとか色々やってますよね。

   大丈夫なんですか?」

 

学園長「調子は悪いけど心配には及ばないよクソジャリ。

    まだ少し調整が必要だけど、夏休みに入る頃にはまた使えるはずさ。」

 

そっか、良かった。それなら試召戦争・・・

 

明久「じゃあ、もうすぐ解禁される試召戦争は!?」

 

学園長「ほぉ、よく理解できたじゃないか。二学期まで待てろってことさね。」

 

明久「そんな!? 困ります!」

 

もうすぐ待ちに待った『三ヶ月の開戦禁止期間』が終わるというのに・・・

 

雄二「そこをなんとかする方法はないのか?」

 

学園長「まあ、一応使えないこともないんだがね。」

 

学園長は口を持ち上げ笑みを作りながら言う。

 

明久「それじゃあ!」

 

学園長「だけど、使わせる気はさらさらないよ。

    教職員にも試召戦争の申し込みがあったら止めるように、と伝えてあるしね。」

 

明久「使えないわけじゃないのに禁止って、

   まるで意地悪みたいじゃないですか!」

 

学園長「『みたい』じゃなくて意地悪そのものさね。」

 

明久「どうしてそんなことを? 使わせてくれたっていいじゃないですか!」

 

学園長「ギャアギャア騒いで無いで少し落ち着いて、

    そのちんけな頭で考えてみな。」

 

またもや教育者として不適切な発言・・・それにしても・・・

 

明久「・・・。」

 

学園長「すまなかったね。」

 

学園長が誤った!?あの傍若無人なババアが!?

 

学園長「アンタに考えてみろと言ったアタシがバカだったよ。

    理由は簡単さね。アンタらの日ごろの行いが悪いからだよ。

    まあ、わからなかったことを気にする必要はないね。

    その飾り・・・にしては見てくれの悪い物が首の上に

    乗っかってるんじゃ仕方ないからね。」

    

こ、このババア・・・!

 

何か言い返してやろうと口を開く寸前、雄二が僕の肘を掴んだ。

 

雄二(落ち着け。)

 

小さな声で話しかけてくる。

 

明久(なんでさ!雄二はあんなこと言われて腹が立たないの?)

 

雄二(立たないわけがないだろう。)

 

明久(じゃあ。)

 

雄二(言い返してどうなる?

   試召戦争が出来ないという事実は変わらない。

   そんな無意味な事をしてババアの機嫌を崩すよりも

   ここは我慢してババアの機嫌をとって、

   試召戦争を解禁させた方が良いだろう。)

 

確かに雄二の言う通りだ。

 

それにしても、あの雄二から『我慢』という言葉が出てくるなんて意外だ。

 

明久(そうだね。わかったよ。ここは何を言われてもグッと堪えるよ。)

 

そう、尊い目的の為にここは我慢だ。

 

学園長「まったく、いくらアタシに惚れているからと言って、

    学年全体を巻き込んでまで覗きにくるなんて。」

 

 

明久・雄二『『黙れ!この自意識過剰ババアがぁ―――っ!!』』

 

しまった。つい言ってもうた!

 

学園長「じ、自意識過剰とはなんだい!

    アンタらがアタシに興奮して覗くために暴動を起こしたんだろう?」

 

雄二「明久がバカだのブサイクだのホモ野郎だのと

   言われるのは事実だから気にならねぇが、

   俺がババアなんぞに興奮していると誤解されるのはだけは我慢ならねぇ!

   それに俺らは除かなかっただろうが!

   訂正しろババア!」

   

明久「そうです!訂正してください!

   バカでブサイクでババアに興奮しているのは雄二だけです!」

 

 

学園長「ああうるさいね。それより、

    アタシを前にしてはずかしいから誤魔化したい気持ちもわかるけど、

    それよりどうだい?更にきれいになったア・タ・シ・は?」

 

・・・悪化しているとしか思えないんだけど、流石にそんな事を・・・

 

雄二「反吐が出るほど気持ちわりぃわ!」

 

言った。一番我慢しろって言っていた雄二が言ってもうた!

 

学園長「な!まあ、所詮はお子ちゃま、ジャリどもにはこの魅力はわからないさね。」

 

雄二「誰にもわかるわけないだろうがぁああ!」

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

雄二「んで、なんで試召戦争が禁止に?

   不具合はすぐ直せるんじゃないのか?」

 

ようやく落ち着きを取り戻した雄二がソファーに腰掛けて尋ねる。

 

学園長「決まってるさね。

    アンタらが試験召喚システムの本質を見失っているからだよ。」

 

雄二「試験召喚システムの本質?」

 

学園長「そうさ。何を勘違いしているかは知らないけどね、

    この学校の召喚システムのそもそもの目的は

    『学生の勉学に対するモチベーションの向上』なんだよ。

    だというのに、アンタらがやって来たこととはどうだい?

    校舎の壁の破壊に始まって、教頭室の爆破、学年全体での覗き、

    そしてまた試召戦争騒ぎ──学生の本分を逸脱するばかりか

    悪い方向へとばかり進んでいるじゃないか。

    まともに勉強をしているのかい?」

 

明久「う・・・。」

 

それは・・・否定できない。

 

雄二「だが、騒ぎを繰り返すうちに俺たちの成績は向上しているはずだ。

   潰れた授業の為の補習だって受けているしな。」

 

明久「そ、そうですよっ。きちんとやることはやっています!」

 

雄二「それと教頭室の爆破は竹原の裏切りを明らかにできたはずだ。」

 

学園長は溜息を吐いて少し疲れた顔を死ながら言う。

 

学園長「事実がどうあるか、じゃないんだよ。

    世間からどういう目で見られているのかが問題なのさ。

    スポンサーに離れられでもしたらアンタらは責任を取れるのかい?」

 

明久・雄二「「・・・。」」

 

うぅ・・・。何も言い返せない。

 

学園長「まあ、ずっとってわけじゃない。

    あと一週間もすれば期末試験で、そのあとは夏休みだろう?

    二学期なんてあっという間さ。」

 

確かにそれほど長い時間じゃない。

 

雄二「つまり学園長はこう言いたいのか。

   試験召喚システムの不調もあるにはあるが、

   メンテナンスでの休みは世論に対する隠れ蓑で、

   実際は期末試験に集中させる為に禁止とする、と。」

 

学園長「相変わらず察しがいいね。その通りさ。」

 

???何をって言っているんだろう???

 

明久「僕を話からおいて行かないでくれないかな?」

 

僕がそう言うと雄二や学園長は頭を押さえた。

 

う~ん、頭でも痛いのだろうか?

 

明久「二人とも頭が痛いのなら病院に行った方が良いよ。」

 

雄二は短期で人間湯沸かし器だから血管が切れやすいだろうし、

 

ババアはあの年でひねくれた性格だから血管が老朽化して切れやすくなっているはずだ。

 

学園長「・・・さすが吉井だね。」

 

雄二「病院に行くのはおまえの方だ。頭の中を見てもらって来い。」

 

学園長「なんならいい病院でも紹介してやるさね。」

 

あれ?どうしたんだろう?

 

さっきまで罵倒を浴びせていた学園長が僕を心配するなんて、

 

雄二「いいか、要するにだ。

   ババアは『試召戦争を禁止するから期末試験に集中して良い結果を出せ。』

   ってところだな。」

 

ふむふむなるほど。

 

明久「そういうことだったのか!」

 

もったいぶらずに最初からそう言ってくれればいいのに。

 

学園長「はあ、ま、アンタらみたいなのはどうせそれでも

    まともに勉強なんてしそうにないしねぇー。」

 

顎に手を当てながら何かを考えている学園長。

 

学園長「そうさね。成績の向上が見られないようであれば、

    特別に夏期講習をやってやろうじゃないか。」

 

!?な、なんてことを考えるんだこのババアは!

 

明久「そ、それは酷いですよ学園長!

   試召戦争を禁止する上に夏休みが減るなんてあんまりです!」

 

学園長「贅沢なことを抜かすクソジャリだね。

    なんなら夏期講習に加えて、試召戦争を三学期まで禁止にして

    勉強漬けにしてやってもいいんだよ?」

 

明久「うげ・・・。」

 

それは勘弁願いたい。

 

今からさらに半年近くあの教室で鉄人のクラスだなんて考えるだけでゾッとする。

 

なにより姫路さんに申し訳が立たない。

 

学園長「まぁアンタらの言いたいこともわからないでもないよ。

    この話は明日あたりに公表する予定だったけど、

    アンタらだけじゃなくて他の生徒たちからも

    反発が起きるだろうから、

    今回は特別にシステムのリセットをオマケにしてやるよ。」

 

雄二「ほぉ。悪くない話だな。」

 

雄二が驚いたような声を上げる。

 

コイツがそう言うにはすごいことなのだろう。

 

学園長「一旦システムに蓄積されているデータを白紙に戻して

    やれば召喚システムの負担も軽くなるし、

    ついでに、アンタらも納得してやる気を出し、大人しくなる。」

 

雄二「一石二鳥という分けか。」

 

明久「なるほど。」

 

とにかく、相槌を打っておく。

 

学園長「吉井は理解できないって顔をしているね。

    システムのリセットってことは、

    召喚獣の装備も白紙に戻るってことさ。」

 

くぅ・・・。何を言っているのかわからない。

 

雄二「つまり、期末試験の結果次第で

   俺たちの装備がまともなものになる可能性があるってことだ。」

 

明久「え!? 

   それじゃあ、僕の召喚獣の装備が木刀から

   きちんとした装備になるってこと!?」

 

今の僕らの召喚獣の装備は振り替え試験の前に

 

行われた一年生の時の結果によるものだ。

 

だからそれ以降はどんな点数をとっても木刀だったし、

 

学生服も鎧とかにはならなかった。

 

それが今回頑張れば改善されるのだ。

 

そして僕にはちょうど、姉さんを追い返し、

 

平穏で優雅な一人暮らしを護るという遂行な目的がある。

 

この話は今の僕にとって非常に好都合だ。

 

 学園長「ま、アンタの頭でそれほどの点数が取れるとは

     思えないんだけども。」

 

明久「わかりましたっ!期末試験頑張りますっ!」

 

雄二「どうしたんだ明久。急にやる気を出して?」

 

明久「雄二!」

 

雄二「お、おう。」

 

明久「期末試験でいい点数を取って

   二学期の試召試験で確実にAクラスを奪取しよう!」

 

雄二「お、おう。そうだな。」

 

姉さんを追い返すため。

 

二学期になった時に、より確実にAクラスの設備を手に入れるため。

 

気合を入れてがんばるそっ!

 

学園長(本来勉強っていうものは誰の為でもなく自分の為にやるもんだから、

    こういうのは間違っているとは思うんだけどね・・・。

    ま、バカどもがやる気になって大人しくなるのならいいさね。)

 

学園長「それじゃ、用が済んだらさっさと出て行きな、ジャリども。」

 

明久「はいっ。それじゃ、失礼します!」

 

雄二「あ、おいっ! 明久!? 今廊下に出て行ったらアイツらが!」

 

雄二の手を掴んで学園長室を出て行く。

 

そうと決めれば早速勉強を――

 

 ガチャッ

 

鉄人・美波・瑞希・翔子「「「「ウェルカム」」」」

 

――するには、目の前に立つ四人をなんとかしないといけなかったみたいだった。

 

 

 

 

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