問 エタノールを加熱する際、気を付け無くてはならないことは何か答えなさい。
《解答》
姫路瑞希の答え
『エタノールは引火しやすいため、直接火で加熱しないで湯せんで行うこと。』
教師のコメント
正解です。
須川亮の答え
『断罪者に激しい苦痛を与えることができる温度に加熱すること。』
教師のコメント
エタノールがなにかわかっていますか?
期末試験が終わった日の晩、
俺らに先生を加えた七人で鍋を囲んでいた。
福原「皆さんは、夏休み実家に帰られるんですか?」
ふと、会話の区切れたところで先生が切り出した。
悠斗「まあ、帰らないと、弟がうるさいだろうからな。」
ともか「部活があるしね。」
さくら「お父さんに帰って来いって言われてて。」
エイミー「日本デ過ごシマす。」
みゆき「帰ってきたらうれしいな~って言われた。」
・・・。
康介「ああ、ちょっと話がってな。夏休みなんだけど・・・。」
・・・・・・・・<事情説明>・・・・・・・
悠斗「みんなでどこかに行こうかって話があったけど、丁度いいんじゃないか。」
エイミー「おモシろそうデスネ。」
さくら「いいですね。」
食いつきは上々。
康介「一応、明久、秀吉、ムッツリーニに声をかける。
悠斗、さくら、生野にお願いがあるんだけど久保と協力してさ、
工藤と秀吉の姉に参加してもらえるようにお願いしてもらえない。」
さくら「任せてください。」」
悠斗「ところで代表と雄二は?声かけないのか?」
康介「ああ、学園長に名前を出したら、
二人はすでに他の競技に出ることになっていてな。」
みゆき「美波と瑞希も?」
康介「残念ながらだ。」
ともか「そう、悪いけど、私も無理よ。
先輩に頼まれて別の競技に出ないといけないから。」
康介「え?でも、学園長に生野の名前だしたときは何も言われなかったぞ。」
雄二、姫路、島田、霧島は聞いたが。
ともか「先輩から7月1日の発表まで他言無用だって言われて。」
悠斗「何の競技に出るんだ?」
ともか「規定内の武器を選択して戦う競技よ。腕輪の使用は禁止ね。
私が出るのはチーム戦。
確か、『マーシャルアーツ』とか言ってたような。」
生野の部活の先輩もババアに上げていなかったわけだ。
・・・頭痛い。
康介「それは困ったな・・・。」
六人が七人に・・・
この調子でどんどん増えてしまうんじゃないかと恐怖観念にかられた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
翌日、話を付けた結果、名前を上げていた全員の参加が決まった。
でも、後7人・・・。
胸を締め付けてくる何とも言い難い感じがする。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
放課後、部室で部長とちひろさんに事情を説明し、
康介「それで、お願いしているわけです。」
出場してもらえるように頭を下げている。
ちひろ「ま、事情はわかったけど。」
宗義「俺らが行っていいものか。」
?
ちひろ「だって、私たちが行ったら先輩とかで、気にするんじゃない?」
康介「いや、そういう事は気にしない連中ですので。」
宗義「まあ、人数が足りないなら、幸平にも声かけてみるか。」
ちひろ「それなら、優奈にも聞いてみましょうか?」
康介「お願いします。」
・・・。
康介「優奈って誰ですか?」
ちひろ「私の友達。元2年Dクラス、今は3年Dクラスの代表。」
クラス代表か。それは心強い。
康介「助かります。そうなると、これで15人、後3人ですね。」
ガチャンっと扉が開く音がした。
ことり「こんにわ~。」
花見だ。
ちひろ「こんにちわ。」
宗義「よ。
俺、ちょっと幸平とこ行ってくる。」
入って来た花見に返事して部室を出ていく部長。
ちひろ「ええ。」
ことり「部長どこに行ったんですか?」
ちひろ「美術部。」
そう言えば、今年の一年は召喚獣の操作をもう始めてるんだよな。
ことり「先輩?」
視線に気づいて声をかけられた。
康介「前に、試召戦争をやりたいとか言ってたよな。」
ことり「はい。えっ?」
驚いたような声をだす花見。
ちひろ「本気?」
康介「俺はいつも本気です。」
ことり「先輩、何かあったんですか?」
康介「うん、ちょっとね。
で、どう?やりたい?試召戦争。」
ことり「今からですか?」
康介「ああ、実はね・・・。」
・・・・・・・・<事情説明>・・・・・・・
ことり「え、じゃあ、朝昼晩、食べ放題なんですか?」
・・・。
康介「うん。たぶん、そうなんじゃないかな。うん。」
飯で釣れたのか・・・。
ことり「私行きます。」
康介「ああ、ありがとうね。」
ことり「試召戦争もできて、美味しいご飯が食べられるなんて・・・うれしいです!」
なるほど、花見はこれから飯奢るって言ったら大抵の事は引き受けてくれそうだ。
ことり「それで、人数が足りてないんだったら薫とかどうですか?」
薫・・・。
康介「だれそれ?」
ことり「先輩、一緒に働いた仲じゃないんですか?」
一緒に働いた・・・。
ちひろ「美術部。」
あ、清涼祭の時の・・・あの後腕が動かなかったんだよな・・・。
康介「本郷さんね。うん。いいんじゃない。声かけてきてよ。」
ことり「わかりました。」
そう言って部室を出ていく花見。
康介「これで、後一人。」
ちひろ「大丈夫なの?」
康介「大丈夫でしょう。」
ちひろ「先行きが不安ね~。」
康介「俺だってね。不安なんですからね。」
この中にダブリが居ないかってね。
ちひろ「不安なのは私よ。」
康介「いいえ、俺の方が不安です。」
ちひろ「私の方が不安よ。」
康介「俺の方です。」
ちひろ「私よ。」
康介「俺です。」
バンッ!!
宗義「幸平と薫ちゃん――康介・ちひろ『うるさい!』――出るって・・・さ。」
・・・ええっと。
ちひろ「・・・何話していたんだっけ?」
わからなくなっちゃったじゃないか!
康介「後一人どうするかじゃなかったですか?」
ちひろ「馬場君、後一人、誰でもいいから見繕って。」
宗義「え?」
すっ惚けたような声を出す部長。
ちひろ「誰でもいいから見繕いなさい!」
ことり「あ、あの薫が。」
恐る恐る言う花見。
薫「私の友だちに一人。」
康介「誰でもいい。そいつで行こう。名前は?」
薫「埴生(はぶ)直美です。一年Bクラスの。」
康介「了解。」
羽生
康介「下は?」
薫「すみません。埴輪に生きるです。」
・・・。
康介「・・・修正液・・・定規取ってください。」
修正液は駄目だったんだよな・・・。
ババアうるさいから。
ちひろ「馬場君、後。」
宗義「あ、ああ。」
康介「どうも。」
部長から定規を受け取って、名簿表に訂正を加える。
埴輪に生きるね。
薫「日直の直に美しいです。」
埴生直美・・・と、
康介「はい。これで良い?」
薫「はい。」
これで、何とかなった。
康介「で、本人に確認採れる?」
薫「ええっと、ちょっと待ってくださいね。」
少し離れたところで携帯を手にしている。
ちひろ「普通確認してから書くでしょ・・・。」
康介「大丈夫ですよ。巻き込みますから。」
しばらくして、件の埴生さんがやって来た。
ズボンを穿いて・・・
康介「・・・あれ?(もしかして、男子)。」
薫「(ええっと、はい。埴生『君』ですよ。)」
ちらっと埴生の方を見て言う本郷。
直美「良く間違われるんですが、ぼくは男です。」
小声で話していたのに聞こえていたのか。
ちょっと口調が強い。怒らせてしまったかな。
康介「すまなかった。」
頭を下げて謝る。しかし、
薫「気にしなくて大丈夫ですよ。
埴生は女子と間違われて、
中学の時は事情を知らない新入生に告白されてたんですから。」
なるほど、一年生版の秀吉といったところか・・・。
直美「なっ、本郷!余計ことを!」
薫「事実じゃない。」
そして怒っても怖くない・・・。
それは中性的な顔立ちも要員しているんだろう。
直美「だからって、言う必要ないじゃないか!」
薫「昨日は下駄箱に――直美「うわぁああ!言うな!」
ふむ、
康介「ラブレターでも入っていたか?」
直美「!?」
ビンゴか。
康介「まあ、そういうのは気にしても仕方ないさ。
ああ、そう言えば、同じ悩みを抱える木下秀吉というのが居てな。」
直美「き、聞いたことがあります。」
康介「多い時は毎日告白されるそうでな。」
直美「毎日ですか。」
康介「挙句の果てには男と女を超越した第三の性、秀吉というカテゴリーが作られている。」
直美「・・・。」
康介「まあ、他にも無理やり女装させられて人気が出てしまったアキちゃんとか居るしな。」
ことり「吉井先輩、可愛かったですよね。」
ちひろ「あれを見て実は女装していたなんて誰も気づかないでしょうね。」
康介「で、どうだい?この二人は出場メンバーに入っているんだが、
埴生君は競技に出てみないか?」
自分と同じ仲間がいるという事は良い意味でも悪い身でも安心につながる。
直美「・・・僕は一年生ですけど。」
康介「花見や本郷も一年生だろう。まあ、召喚獣なんてすぐに扱えるさ。
こっちにはプロが居るんだから。」
少し間が空いて、
直美「やってみます。」
そう、答えが返ってきた。
よし、これで、ババアに提出するだけだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
学園長室の前までやって来た。
扉をノックする。
学園長『誰だい?』
康介「音羽です。」
学園長『入りな。』
バンッ。勢いよく扉を開ける。
康介「参加名簿を持ってきました。」
学園長「少しは静かにあけられないのかい?」
今更、気を遣いたくない。
康介「んじゃ、お渡ししますので。」
学園長「もう少し早く出してくれなきゃ困るんだけどね。
ギリギリじゃないかい!」
渡された名簿を学園長が見て、
学園長「なんだいこれは?」
康介「なんですか?」
学園長「アンタ・・・正気かい?」
康介「俺はいつでも正気です。」
学園長「正気の沙汰とは思えないんだけどね。」
俺は大きなため息をついて、
康介「物忘れですか?
学園長は俺に一任するとおっしゃったはずですが?」
学園長「ああ、覚えてるさね。」
康介「だったら、問題は無いはずです。」
ババアは大きなため息を吐いて、
学園長「・・・まあいいさね。今更直せって言っても、もう遅いからね。
それで勝てるんだろうね?出場さえすれば良い、というわけじゃないんだからね。」
ババアの目がギラッと光った。
康介「今年の一年生はすでに召喚獣の練習をしているので、大丈夫だと思います。
召喚獣の操作は吉井に任せれば何とかなるでしょう。」
学園長「あのバカは召喚獣の操作に関しては学園でもトップレベルだからね。」
康介「それに三年生もいますから。」
学園長「ま、考えているならそれでいいんだよ。
それじゃあ、アタシは忙しいからささっと出ていきな。」
このババアはもう少し口を直すことはできないんだろうか?
康介「じゃ、失礼します。」
礼することなく、学園長室を後にする。
学園長「ああ、それと、ババアだからって舐めていると痛い目を見るさね。」
康介「わかりました。」
ふう、終わった。重荷が降りた感じだ。