バカな親友らとテストと召喚獣   作:音羽2600

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第5問:現代社会


 問 『レッドデータブック(RDB)』とはどういったものか答えなさい。

《解答》
 久保利光の答え
  『絶滅するおそれのある野生生物の形態、分布、生息状況等をとりまとめた図書のこと』

  教師のコメント
   正解です。


 土屋康太の答え
  『危険なデータが記された本のこと。』

  教師のコメント
   『Red』→『危険』と判断しましたか。
    

 吉井明久の答え
  『血統が記された本』

  教師のコメント
   広義に解釈すればあながち間違っても無いような・・・。
 


第5話バカテスト現代社会:休日3

○康介SIDE

 

 

バスは国道から貯水池につながる市道に入った。

 

それまでの景色が一変し、

 

左手には貯水池から流れる川が、右手には鬱蒼と茂る木々。

 

やがて、法定速度は30kmになり、カーブも増えていく。

 

乗客は俺ら4人だけになった。

 

バスは途中の停留所に停まることなく、走り続ける。

 

石造りの堰堤橋が見えてきた。

 

春は桜が綺麗なんだよな。

 

途中で車に抜かされながら、

 

走り続ける事しばらく、古城の石垣が見えてきた。

 

バスを降りて、

 

ちひろ「ああ、流石にここまで来ると空気が違うわね。」

 

バスから降りて、大きく背伸びをするちひろさん。

 

宗義「良く寝た。」

 

部長は乗った瞬間に爆睡、

 

昨日はちひろさんや矢加部部長たちと塾で模試を受けていたとか。

 

康介「いきましょうか?」

 

ことり「は、はい。」

 

山道・・・といよりは自然を残した遊歩道に近い。

 

春や秋には大勢の人がここにやって来る。

 

まあ、そのほとんどが車でやってくるわけだが。

 

整備された道を歩くこと15分、古城跡に到着した。

 

俺らの他にこのあたりに住んでいる人だろうか?

 

主におじいさんやおばあさんが運動していた。

 

康介「ふう、重かった。」

 

担いでいた荷物を下ろす。

 

宗義「ココは良いよな~。日々のしがらみから解放される。」

 

康介「もう少し近ければもっといいんですけどね。」

 

ことり「わあ、すごいですよ先輩!」

 

ことりの居るところからは文月市の西側を一望できる。

 

ちひろ「天気が良くてよかったわ。」

 

本日は快晴、雲一つない青空だ。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

★優子SIDE

 

 

駅前からバスに乗る事15分、水族館に着いた。

 

明久「行こうか?」

 

優子「そうじゃの。」

 

入場ゲートをくぐって関内に入る。

 

暗いトンネルを抜けると、

 

優子「きれい・・・。」

 

明久「うわぁ。すごい。」

 

水槽の中を貫いた全面ガラスのトンネル・・・。

 

優子「見てみて吉井君!」

 

小魚の群れがトンネルの上を通って行く。

 

明久「海の中に居るみたいだね。」

 

 

☆明久SIDE

 

?あれ・・・なんだろう。違和感が・・・。

 

優子「吉井君、向こうも行ってみようよ。」

 

へ?吉井君・・・あれ?

 

明久「ちょ、ちょっとまってさ!秀吉じゃないの!?」

 

も、もしかして木下さん・・・木下さんなの!?

 

優子「あ・・・。」

 

真っ赤に顔を染める秀吉もとい木下さん?

 

明久「もしかして、木下・・・さんかな?」

 

 

 

★優子SIDE

 

わ、わ、わ、わ、バカ、バカ、バカ!!!!!!

 

何やってるのよ!?

 

バレタ!?バレタ!?ど、ど、どうしよう!?

 

と、取りあえず、・・・どうすれば良いのよ!!??

 

ここは気絶・・・周りに人が!?

 

ダメ!どうすれば良いの!!

 

明久「と、取りあえず、落ちゅこうよっ!!」

 

 

☆明久SIDE

 

あわわわ、やっちゃった。

 

優子「お、落ち着いてるわよ。全然。・・・。」

 

明久「・・・。」

 

心臓を圧迫するような沈黙、凄く長い時間を感じる。

 

ここは、もう一度落ち着こう。

 

そもそも木下さんがどうして・・・

 

そうだ、秀吉のサプライズだよ。木下さんなわけないじゃないか。

 

明久「秀吉~、悪い冗談はよしてよ。びっくりしちゃったじゃないか。」

 

冷静に考えればわかった事じゃないか。

 

それにしてもさすが秀吉!

 

 

 

★優子SIDE

 

 

・・・。ばれてない?

 

もしかして、秀吉の演技だと思ったのかしら?

 

優子「すまなかったの、明久。つい冗談が過ぎてしまったのじゃ。」

 

明久「勘弁してよ。でも、凄いね。迫真に迫る演技だったよ。」

 

・・・吉井君がバカ・・・騙されやすくて良かったわ。

 

優子「ありがとうなのじゃ。」

 

はあ、助かった・・・。

 

アタシは心から安堵した。

 

明久「もっと奥に行ってみない?」

 

優子「そうじゃの。」

 

ふう、言動には気を付けよう。

 

今のアタシは秀吉なんだから。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

◆愛子SIDE

 

 

バスは大きな通りをノンストップで走っていく。

 

ムッツリーニ「……いい加減教えろ。俺達はどこに向かっている?」

 

バスに乗った時は青い顔をしていたムッツリーニ君だけど、

 

ようやく落ち着いて来たのカナ?

 

愛子「そろそろ話してもいいカナ。ボクらはね卯月城に行くんだヨ。」

 

ムッツリーニ「……そんなところに行ってどうする?」

 

・・・む~。気づいてほしいな~。僕らは二人っきりで遠くに行くんだよ。

 

愛子「デートだよ。ここなら誰にも邪魔されないでしょ。」

 

ムッツリーニ「……デート!?」

 

愛子「落ち着いて、ムッツリーニ君。」

 

危ない危ない。

 

ムッツリーニ「……俺は・・・そんなこと・・・興味・・・ない。」

 

足が震えてるよ。

 

全く、嘘が下手だな~。

 

踏み込みたいけど、バスを汚しちゃうと運転士さんに迷惑がかかっちゃうし、

 

愛子「・・・ごめんね、ムッツリーニ君。

   無理やり連れて来て、帰ろうか?」

 

ムッツリーニ「……でもせっかく来たから城を撮っていく。」

 

城ね・・・。

 

愛子「それじゃ、ボクもムッツリーニ君について行っていいカナ?」

 

ムッツリーニ「……好きにしろ。(プイッ)」

 

よし!第一段階突破だ。

 

ボクは小さくガッツポーズをとった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

〆鉄人SIDE

 

 

高橋「ところで、あの二人はどこまで乗るつもりなんでしょうか?」

 

鉄人「終点まで乗られると少し困りますな。」

 

降りたところで鉢合わせというのは何としても避けたい。

 

相手はあの土屋だからな・・・。

 

日頃の仕返しとかこつけ、騒ぎ立てられる可能性がある。

 

全く、今日は何て厄日なんだ。

 

鉄人「ところで、高橋先生。」

 

高橋「はい、なんでしょうか?」

 

鉄人「行って帰るだけでどのくらいかかるんでしょうか?

   学園長から頼まれた店探しもしなくてはなりません。」

 

高橋「ああ、そうですね。帰りのバスは・・・14時ですね。

   それ以外は回り道をして遅くなってしまいます。」

 

携帯電をを見ながらそう答える。う~ん。仕方がない。

 

鉄人「やれやれ、今日は振り回されてばかりだ。」

 

高橋「たまにはそういうのもいいんじゃないんですか?」

 

鉄人「ころごりです。」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

○康介SIDE

 

 

ことり「先輩、先輩。」

 

康介「どうしたの?」

 

ことり「そろそろご飯にしましょう。」

 

宗義「おう、もうそんな時間か。」

 

時計を見ると1に短針が近づきつつあった。

   

ちひろ「向こうで食べましょう。」

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 

ブルーシートを広げたところに座って弁当を食べる。

 

ちひろ「アンタ器用よね。」

 

部長の卵焼きをもらったちひろさん。

 

宗義「器用っていわれてもな・・・。」

 

ちひろ「レンコンでしょ。どうやって入れたのよ。」

 

やれやれ、寝不足の割には自分で弁当を作って来るんだから、すごいよな。

 

ことり「先輩、何か交換しませんか?」

 

・・・。

 

康介「ああ、いいけど。」

 

ことり「私は先輩の肉じゃがのじゃがいもが欲しいです。」

 

肉じゃなくて?

 

康介「まあ、別にいいけど。」

 

ことり「先輩は何がいいですか?」

 

う~ん・・・そうだな。

 

康介「それじゃ、卵焼きをいいかな?」

 

ことり「はい。どうぞ。」

 

・・・。卵焼きを口元に運ばれる。

 

笑顔のことり。

 

康介「いや、普通に交換で良くないか?」

 

花見が向こうを見ろとジェスチャする。

 

うん?っておい!部長とちひろさん。あの二人ってそういうことする中だったけ?

 

なんか微妙な距離を保っていたようだったけど!

 

 

ことり「先輩?」

 

・・・。仕方がない。口を開ける。

 

卵焼きが口の中に入った。

 

うん、ほんのり甘くておいしい。

 

ことり「どう・・・ですか?」

 

康介「うん、ほんのり出汁もきいて、甘すぎずおいしかった。」

 

花見はガッツポーズをとった。

 

康介「まさか?」

 

ことり「そのまさかです。清涼祭の後からずっと練習して来ました。」

 

康介「なるほど。」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

★優子SIDE

 

 

明久「すごいね、秀吉。」

 

優子「うん。綺麗じゃの。」

 

クラゲがライトアップされた水槽の中をふわふわと泳いでいる。

 

 

しばらく、釘づけになっていた。

 

『1時からペンギンショーを行います。』

 

 

明久「ペンギンショーだってさ、行ってみようよ。」

 

優子「うん。」

 

あれ?これって・・・デート?

 

よ、吉井君とデート!?

 

いやいやいやいやいや、吉井君はアタシを秀吉と思ってる分けで、

 

そうよ、友達と水族館に来てるのよ。うん、デートじゃないわ。

 

明久「大丈夫?」

 

不意を突かれた。吉井君が心配そうにアタシを見つめる。

 

といっても、吉井君の方が身長が高いから!?顔近い!近いって!

 

優子「だ、大丈夫じゃ。」

 

はあ、はあ、はあ・・・。

 

いけない。怪しまれるじゃない。ここは冷静に・・・そう冷静に。

 

明久「ならいいけど、もし本当に具合が悪いなら無理しないでね。」

 

やさしいな吉井君って。

 

・・・って違う!?何を考えてるのアタシ!

 

いけない、これ以上吉井君に心配させるわけにはいかない。

 

優子「大丈夫じゃ。」

 

こんなんで今日一日、もてるだろうか?

 

って、何弱気になっているのよアタシ!

 

そうよ、アタシは木下優子、何でも出来る優等生なの!

 

自分の弟の秀吉なんて簡単に演じきれるわよ!

 

 

☆明久SIDE

 

 

う~ん、なんだろう?やっぱりおかしい。

 

・・・水族館に来て秀吉のテンションが上がってる。

 

・・・もしかして僕と一緒だからとか?

 

いやいや、そんなこと・・・あるはずが・・・いや、もしそうだったとして・・・

 

でも秀吉は・・・。

 

ってあれ秀吉?

 

何やってるだろう?何も無い所で立ち止まって?

 

明久「大丈夫?」

 

顔を真っ赤にして答える秀吉。

 

優子「だ、大丈夫じゃ。」

 

ううん・・・具合でも悪いのかな。

 

考え込むふりをしてお腹が痛いのを我慢していたとか?

 

でも、秀吉は平気だって言ってるし・・・。

 

明久「ならいいけど、もし本当に具合が悪いなら無理しないでね。」

 

優子「大丈夫じゃ。」

 

う~ん。

 

まあ、秀吉がこういっていることだし取りあえず、ペンギンを見に行こうか。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

◆愛子SIDE

 

 

バスを降りて、ボクとムッツリーニ君は卯月城の方に向かう。

 

城に続く道には露店が並んでいておいしそうな匂いがあたりから漂ってくる。

 

ムッツリーニ「……腹減ってないか?」

 

愛子「うん。あ、ボク綿あめ食べたいな。」

 

もう1時過ぎ、ちょっと遅い昼食になっちゃた。

 

ムッツリーニ「……それは食後。」

 

愛子「む~。それじゃ、あれ食べたい。」

 

こっちでは一般的なのかな?

 

普段見慣れない屋台だけど、美味しそうなんだよね。

 

ムッツリーニ「……はしまきか。どれがいい?」

 

へえ、ムッツリーニ君は知っていたのかな?

 

愛子「400円のやつ。」

 

ムッツリーニ「……わかった。」

 

そう言うとムッツリーニ君はお財布から千円札を取り出した。

 

愛子「おごってくれるの?」

 

ムッツリーニ「……そのかわりサービスカットを要求する。」

 

え!?・・・。

 

愛子「そ、その・・・売らないならいい・・・カナ。」

 

ムッツリーニ「え?」

 

不測の答えだったのか普段のムッツリーニ君では考えられない大きな声を出した。

 

愛子「ううん、何でもないよ。それより、お願いねムッツリーニ君。400円のだからね!」

 

ムッツリーニ「……わかった。」

 

早速く買って来て呉れたムッツリーニ君。

 

愛子「あそこの空いているところで食べようよ。」

 

ムッツリーニ「……(コクリ)」

 

二人揃ってベンチに腰掛ける。

 

ムッツリーニ君・・・。

 

カメラをボクに向ける。

 

う~ん、まあ、仕方ないかな。

 

うん、美味しい。お好み焼きみたいな味がする。

 

カシャカシャとシャッターの切る音が隣から聞こえてくる。

 

愛子「ムッツリーニ君、あ~ん。」

 

はしまきをカメラを向けているムッツリーニ君の方に向ける。

 

ムッツリーニ「……!?」

 

不意打ちを食らって、鼻を抑えるのに一生懸命なムッツリーニ君。

 

しかたないな。ここで倒れらても困るし。

 

愛子「な~んてね。アハ。本気にした?」

 

自分の元に戻して、一口食べる。

 

ムッツリーニ「……そんな分けムグフッ!?」

 

フ、フフ。油断したね。

 

愛子「どう?美味しい?」

 

ムッツリーニ「……まあまあ。」

 

口を・・・というか鼻を押さえながら咀嚼し、

 

プルプルと足を振るわせながら頑張るムッツリーニ君。

 

ここでいったん引こうカナ。

 

直ぐに倒れらても困るし。

 

愛子「ムッツリーニ君のも貰って良い?」

 

ムッツリーニ「……好きにしろ。」

 

それじゃ、遠慮なく、うん。美味しい♪

 

はしまきを食べ終わった後はたこ焼き。

 

はしまきは奢ってもらったから、たこ焼きはボクからだよ。

 

愛子「はい、ムッツリーニ君。やけどしないように気を付けてね。」

 

パクリと食べるムッツリーニ君。

 

直後、熱かったのか慌てだした。

 

ムッツリーニ「……熱かった。」

 

愛子「ごめんね。ふーふー、どうカナ?」

 

再びプルプルと足が震えだした。

 

う~ん、これでも逝くのか。難しいな。

 

再び、パクリと食べるムッツリーニ君。

 

ムッツリーニ「……おいしい。」

 

良かった♪

 

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