〆鉄人SIDE
ふう、振り返ることなく降りていった。まずは一安心。
高橋「やっと降りていきましたね。」
鉄人「気づかれませんでした。いや、良かった。」
とりあえず、
鉄人「次で降りましょうか。」
高橋「はい。」
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バスを降りて、高橋先生の要望の城に向かう。
鉄人「しかし、高橋先生が城に興味があったとは、意外でした。」
高橋「そうですか?でも、昔はヨーロッパのお城に夢中になっていたんですが、
ある時、日本のお城も良いなって思ったんですよ。」
鉄人「なるほど。」
言われてみれば見事だ。目立ちはしないものの、強さを感じる。
高橋「ところで、前々から聞いてみたいと思っていたのですが・・・。」
鉄人「はい、なんでしょうか?」
高橋「西村先生はいつからトライアスロンに夢中になったんですか?」
鉄人「ああ、実は私は昔体が弱くて、
見かねた父に無理やりやらされたのがトライアスロンでして。」
高橋「そうだったんですか。」
その直後、
ぐぅ~。
何の音だろうか?
ふと、高橋先生の方を見ると、顔を赤らめて小さくなっていた。
鉄人「高橋先生、そこのお店で少しやすみませんか?」
高橋「は、はい。」
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○康介SIDE
ことり「先輩♪」
・・・いざやろうとしてすごく恥ずかしい。
意識するまいと考えていたものの・・・恥ずかしい。
康介「ほい。」
・・・。
幸せそうに食べる花見
ことり「先輩はやっぱり料理が上手です。」
笑顔で言われて思わずにやけてしまった。
康介「そうか?」
ことり「はいっ。」
つい、
康介「もう一個食べる?」
と、進めてしまった。
ことり「それじゃ、いただきます。」
美味しそうに食べる花見。
・・・餌付けしているみたいだ。
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◆愛子SIDE
屋台のご飯を堪能したボクらはお城に向かう。
ムッツリーニ「……」
ムッツリーニ君は無言でカメラを構えて、
カシャカシャとシャッターをきっている。
愛子「ムッツリーニ君って女の子以外も撮るんだね。」
ムッツリーニ「……工藤愛子、勘違いをしている。」
愛子「え?」
ムッツリーニ「……俺がカメラを向けるのは美しいものだけだ。」
美しいもの・・・それってボクも含まれて・・・///
今、多分、ボクは真っ赤だ。はぅうう、どうしよう~!!
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★優子SIDE
ペンギンショーを観終った後、色々観て、遅めの昼食を食べている。
明久「ペンギン可愛かったね。」
優子「うん、もこもこしていた雛がかわいかったのじゃ。」
そしてあの動き・・・。身もだえしそうだった。
明久「そうだね。後、金魚もきれいだったよね。」
優子「幻想的じゃったな。」
ライトアップされた金魚が綺麗というか美しかった。
明久「この後どうする?
打ち上げにはまだ時間があるし――」
打ち上げ?・・・期末のかしら。
明久「――どこか行きたいところでもある?」
この言い回しようだと、秀吉は知っているってことよね。
ここは落ち着いて、
優子「う~ん、明久はどうしたいんじゃ?」
明久「僕?」
驚いたような声を出す吉井君。
優子「ワシのわがままで水族館に連れて来てもらったのじゃ。
今度は明久の番じゃろ。」
明久「わがままなんて、そんな・・・。」
吉井君はやさしい。というより優しすぎる。
優子「ワシの事ばかりでは悪いからの。」
吉井君は『う~ん』とうなって考え込む。
明久「・・・お金がなくても遊べる場所・・・お金がなくても遊べる場所・・・。」
・・・。そっか、水族館で使っちゃったもんね。
う~ん、図書館とか?
それぐらいしか思いつかない。
明久「そういえば、
康介が時間潰すのに丁度いいとか言ってたよね。」
音羽君が?
優子「はて?なんじゃったか。」
明久「居場所がなかったとき、170円の切符買って5時間ぐらい列車に乗って
時間潰してたって言ってたじゃない。」
居場所がないって・・・、何があったよ。
そもそも、5時間乗って170円?違法なんじゃないの?
優子「でも、今から5時間も乗ったら日が暮れてしまうぞい。」
明久「そうだね。約束の時間に間に合わなくなるし・・・。
それじゃ、本屋でも行こうか?
昨日、秀吉に渡した本の続編が速く読みたいんだよね。」
・・・。
優子「な、なんじゃったら、ワシが姉上に頼んで借りてきても良いぞい。」
明久「う~ん、でも、買ったばかり本って何度も読み返さない?
読みたいときに手元にないってなんか切ない気持ちになるんだよね。」
・・・吉井君。
優子「そうかの。しかし、お主は金がないのではないか?」
明久「実は本を買うお金は持ってきているんだよね。二冊分。」
そうか。それじゃ、吉井君にはもう本を貸せないのかな・・・。
って何考えているのよ!
明久「大丈夫?やっぱり休めるところに行こうか。喫茶店とか?」
優子「だ、大丈夫じゃ。全然平気・・・。」
☆明久SIDE
やっぱり、おかしい。
でも秀吉の事だから素直に行かないだろうし、
目的のものを買ったら、近くの休めるところに行こう。
明久「わかったよ。それじゃ、行こうか?」
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〆鉄人SIDE
こじんまりとした喫茶店に入り、ウエイターから水とメニュー表が運ばれてきた。
高橋「すみません。」
鉄人「いえいえ、私も何か食べたいと思っていましたから。」
顔を真っ赤にして小さくなっている高橋先生
高橋「そ、そうでしたか。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
食事を済ませ、喫茶店を出た。
高橋「よろしかったんですか?」
鉄人「いえ、誘ったのは私ですから。」
高橋「しかし、・・・。」
鉄人「独り身ですから余裕はありますので。」
はあ、どうもこういうことには慣れん。
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◇ムッツリーニSIDE
ん?なんだ?この気配・・・このパターンは・・・鉄人。
どうしてこんなところで?
辺りを見回すと・・・あれは?
愛子「どうしたのムッツリーニ君?」
くっ、
◆愛子SIDE
愛子「どうしたのムッツリーニ君?」
はっ!?な、何をするのカナ?ボクを引っ張って日陰に連れ込むなんて!?
そんな、ダメだよ。いきなりなんて!?
ムッツリーニ「……静かにしろ、工藤愛子。」
へ?ちょ、ちょっと、まだ心の準備が!
愛子「ちょ・・・。」
ムッツリーニ君が顎で向こうを見てみろとジェスチャーする。
?どうしたんだろう?
あれって、
愛子「高橋先生と西村先生?」
ムッツリーニ「……(コクリ)」
愛子「もしかして逢引きカナ?」
ムッツリーニ「……わからない。調査する必要がある。」
カメラを構えてそう言うムッツリーニ君。
なんだか、楽しそう。
愛子「ボクも付いて行っていいカナ?」
ムッツリーニ「……俺に遅れずに付いて来い。」
愛子「うん♪」
ムッツリーニ君の背中を追って走り出した。
ってあれ?
愛子「どこにいくの?」
ムッツリーニ「……このままだと、おそらく木橋を渡る。
だから、一本向こうの橋から撮る。」
なるほど。
二分もかからず隣りの橋に移動した僕ら、
ムッツリーニ君は木の陰に隠れて、
ムッツリーニ「……工藤、俺の前で、携帯を開いて何か探しているふりをしろ。」
一瞬とまどったけど、言われた通りに携帯をバックから出して開く。
ムッツリーニ「……右肩をもう少し上げろ。」
言われた通りに少し上げる。
ムッツリーニ「……そのまま動くな。」
・・・なんだろう。ムッツリーニ君から脅迫されている気がする。
実際は違うんだけど。
暫くすると、
ムッツリーニ「……終わった。」
愛子「撮れた?」
ムッツリーニ「……(コクリ)でも決定的瞬間はまだ。」
愛子「尾行だね。」
ムッツリーニ「……(コクリ)急ぐぞ。」
愛子「了解~。」
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○康介SIDE
昼飯を終えて、すぐのこと
花見の悲鳴が聞こえた。
なんだ?
康介「どうした?」
ちひろ「何かあったの?」
ことり「ボロボロの人が・・・。」
人?
花見が去るといったそれは・・・
康介「雄二・・・。お前は何をやっているんだ?」
そこには、ツンツン頭ではなく、木の枝や葉っぱが頭にくっついた
雄二が息を切らして寝そべって・・・倒れている。
雄二「康介・・・か。ちょっと翔子とな・・・。」
ああ、痴話喧嘩か。
宗義「おい、大丈夫か?傷薬があったよな。」
ちひろ「採って来るわ。」
康介「どうやってここまで来たんだよ。」
雄二「おまけにあいつらまで出てくるから・・・。」
話を聞いてない。というか、
康介「あいつらって?」
雄二「異端諮問回だ。」
・・・なるほど。
康介「で、気が付いたら山の中を逃げていたと。」
雄二「そういうことだ。だが、おかげで、奴らを猪の餌にしてやったぜ。」
疲れて、息を切らしながらも悪い顔をして言った雄二。
そこに、花見が紙コップに注いだ麦茶を差しだす。
雄二「すまねぇ。」
受け取ると、それを一気にのどに流し込んだ。
雄二「プッハ~!ああ、もう一杯くれるか?」
翔子「……はい雄二。」
雄二「すまねぇ。」
再び受け取ると、それを一気にのどに流し込ん――
雄二「ブッ!?」
――噴き出した。
霧島の顔に・・・。
翔子「……雄二、大胆。」
雄二「な、しょ、翔子!?」
翔子「……私、雄二に汚された。」
顔に両手を当てて嬉しそうにする霧島。
ちひろ「昼間から大胆ね。」
宗義「ほどほどにしとけよ。」
さらに霧島を掩護する部長たち
雄二の顔に焦りが見え始めた。
雄二「な、バカ、汚したってそのニュアンスはちげぇっ!」
翔子「……雄二、続き。」
雄二「だから・・・ 「チェストォオオオ!」」
突如、大声と同時に、人の形をした物体が高速で前を横切って行った。
雄二「くっ!?あっぶねぇえ!?」
須川「ちっ、外したか。」
人の形をした物体は、少し太い木の枝を手にした須川だった。
髪には木の枝が刺さり、あちこちすりむいて血が流れていた。
両者はにらみ合い、仕掛けるタイミングをうかがう。
そんな二人の対峙している姿を撮ろうと、花見がシャッターを切る。
翔子「……雄二、もう我慢できない。」
緊迫した空気を無視して、霧島が雄二の腕に絡みついた。
そして、
須川「恨畜生が!死ね、坂本!」
目の前で行われている行為に我を失った須川が襲い掛かる。
雄二は霧島から何とか腕をほどき、回避する。
そこに、さらなる刺客が登場した。
近藤「坂本ぉ、この恨み、高くつくぞぉおおお!!」
頭から血を流している近藤、さらにはFクラスのクラスメイトの面々。
雄二「チッ、しつこい連中だ。」
雄二はすぐさま立ち上がり、駈け出した。
翔子「……待って、最後まで・・・して。」
その後を追う霧島。
須川「これ以上ヤツの暴挙を許すな!
捕まえて串刺しにして丸焼きにして、蒸し焼きにして裏山に埋めろ!」
F「「「「デストロイ!!」」」」
ザッと地面を蹴って雄二を追いかけるクラスメイト達・・・。
・・・。
ところで、焼く工程が二回あったのは気のせいだろうか。
風のように現れて、風のように去って行った。
ことり「なんだったんでしょう?」
康介「気にするだけ無駄だ。」
ふう、こちらに飛び火せずに助かった。
宗義「あれが、『あの』Fクラスの代表か。」
なにか、含みのある言い方だ。
ちひろ「何を考えているの?」
宗義「いや、元2年Dクラスのメンバーと今の2年Fクラスとどちらが強いかなってな。」
ちひろ「単純に考えれば私たちでしょうけど、Fクラスはね・・・わからないわね。」
わからない?
ことり「負けるかもしれない、ということですか?」
ちひろ「勝てないかもしれないということよ。」
ことり「どう違うんですか?」
宗義「負けるという事は敗戦を意味する。
しかし、勝てないということは引き分けも含まれる。
ま、流石に、三年の俺らが二年に負けるなんてかっこ悪いしな。」
ことり「先輩はどう思いますか?」
どう思いますかって・・・これまた難しいことを・・・。
Fクラスが勝つための一番の条件、それは相手の戦力を分散させることにある。
なんてことを、素直に話したら、万が一があった場合大事なるだろう。
康介「不確定要素が多すぎて判断できんな。
ただ、点数による正面対決に持ち込まれた場合、負ける確率が高いでしょう。
我々のお家芸『工作』が発揮されませんからね。」
ちひろ「なるほどね。」
ついにDDH184が進水式を迎えました。
艦名は『かが』・・・ということは、追加されるイージス艦は『あかぎ』とくるのでしょうか?